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ネズミ駆除に超音波は効果がある?ない?仕組みから活用法まで徹底解説

  • ネズミ
2025.03.30

近年、ネズミ駆除において超音波を使用する方法が注目されています。

超音波駆除機は化学薬品を使わず、音波でネズミを追い払う特徴を持っています。しかし、その効果や使用方法について疑問を抱く人も少なくありません。

この記事では、超音波駆除の仕組みや効果、市販の製品選びについて詳しく解説します。ネズミ駆除に役立つ情報を提供するので、ぜひ参考にしてください。

超音波駆除の仕組み

超音波を使った駆除は、人間には聞こえない高周波の音波を利用して、ネズミやその他の害獣に不快感を与える方法です。

ここでは、超音波とネズミにとって超音波はどのような影響があるのかを解説します。

超音波について

超音波とは、人間の耳には聞こえない高周波の音波を指します。通常、音波は空気中を振動して耳に届くことで音として認識されますが、音波の周波数が高くなると音として認識できなくなります。

人間の耳は大体20〜20,000Hzの音を感知できますが、超音波は20,000Hz以上の周波数があるため、私たちの耳では捉えられません。

超音波は医療や産業の分野でも広く活用され、超音波診断装置(エコー)や洗浄機、さらには魚群探知機などに利用されています。

ネズミ駆除では、特定の周波数の超音波を利用して、害獣に不快な影響を与えます。この超音波を使った駆除方法は、薬品や毒餌を使わない環境にやさしい方法として注目度が高いです。

ネズミにとっての超音波の影響

ネズミは非常に発達した聴覚を持ち、特に高い周波数の音を非常に敏感に捉えます。

通常、25〜40kHzの範囲の音波を捉えてコミュニケーションや探索に利用しているネズミに超音波の周波数を発生させると、強い不快感を抱きます。

超音波を使った駆除装置は、この音波を発生させてその場からネズミを避けさせる仕組みです。特に超音波が絶え間なく発生していると、ネズミはその周囲に近づかなくなります。

結果、超音波装置が設置されたエリアではネズミが住み着けず、その地域から駆除されるのです。また超音波は、ネズミの生理的・行動的変化にも関与します。

過度のストレスを受けて、ネズミは食事を取らなくなったり、巣を放棄したり、繁殖を行わなくなったりする場合があります。

このように、超音波はネズミにとって非常に不快な環境を作り出し、駆除効果を発揮するのです。

超音波駆除によるメリットとデメリット

超音波を利用したネズミ駆除は環境に優しく、薬剤を使用せずにネズミを追い払う方法として注目されています。

しかし、この方法にもメリットとデメリットが存在します。

超音波駆除のメリット

超音波駆除の大きなメリットは、設置がとても簡単で繰り返し使用ができる点です。多くの超音波駆除装置は、プラグを差し込むだけで設置が完了し、特別な準備や技術を必要としません。

そのため、誰でも手軽に使用でき、ネズミの発生が気になる場所にすぐに導入が可能です。さらに超音波は、化学薬品を使用しないため、環境や人間、ペットに優しいという特徴があります。

薬剤を使った駆除は、毒性があるため注意が必要ですが、超音波は音波を発生させるだけで害を及ぼすことなくネズミを遠ざけるため、安全性が高いといえます。また薬品を使わないため、健康へのリスクを最小限に抑えつつ効果を発揮できます。

この点から、ペットや小さなお子様がいる家庭にとっては非常に魅力的な選択肢です。さらに加えて、超音波装置は一度設置すれば繰り返し使用できるため、長期的に見るとコストパフォーマンスが良いです。

機器が故障しない限り、何度でも使用できるので、使い捨ての駆除剤と比べて経済的にもメリットがあります。

超音波駆除のデメリット

一方で、超音波駆除にはいくつかのデメリットもあります。まず、効果が現れるまでに時間がかかるという点です。

超音波を利用した駆除方法は即効性がなく、ネズミがその音に反応して移動したり、行動を変えたりするには一定の時間が必要です。そのため、短期間での効果を期待する場合は、他の駆除方法と併用しなければいけません。

さらに、特定の場所では超音波が十分に効果を発揮しない場合もあります。例えば、壁や家具で音波が遮られると、音が届かない範囲にネズミが居座ってしまいます。

超音波が効果を発揮するのは音が直接届く場所に限られるため、設置する際にはその点を考慮しましょう。また、超音波のもう一つのデメリットとして、ネズミがその音に慣れてしまう点です。

実際、専門家による2004年の実験「クマネズミとドブネズミに対する超音波防鼠器の効力試験」では、超音波の効果が一過性であると確認されました。

初日には効果が見られましたが、3〜4日後にはネズミがその音に慣れ、再びその場所に戻ってきてしまいました。そのため、超音波器を使った駆除は一時的な効果しかなく、長期的にネズミを完全に駆除するには他の手段と併用する必要があります。

超音波駆除装置は、あくまで一時的にネズミを追い出す手段として有効で、これだけで完全に駆除するのは難しいと理解しておくことが重要です。

参照:クマネズミと ドブネズミに対する超音波防鼠器の効力試験(2004年12月)

ネズミ駆除に最適な市販の超音波駆除機の種類と選び方

市販の超音波駆除機は、形状や機能、設置方法に違いがあり、それぞれの家庭や状況に合った製品を選べます。

ここでは、市販されている超音波駆除機の種類と、購入時に考慮すべき選び方について解説します。

市販されている超音波駆除機の種類

超音波駆除機には、主にポータブルタイプ(電池式)と固定タイプ(ACアダプター)の2種類があります。

・ポータブルタイプ(電池式)

軽量で持ち運びが容易なため、場所を選ばず使用できます。特に部屋を移動しながら使いたいときを始め、車両や物置、倉庫で利用する際にとても便利です。

また比較的安価で購入できるため、手軽に使えるメリットがあります。しかし、ポータブルタイプの中には、音波が発する範囲が限られ、広い面積をカバーするには不向きな場合もあります。

・固定タイプ(ACアダプター)

家庭やオフィスなどで長期間使用するために設計されたものです。設置した場所で常に音波を発し、定期的に動作し続けるため、長期的な駆除効果を期待できます

これらの製品は、ポータブルタイプよりも広範囲をカバーできる場合が多く、特に広い部屋や複数の部屋がある家に適しています。ただし、設置には多少の手間がかかり、価格もポータブルタイプより高いのが一般的です。

また、超音波駆除機の音波周波数もさまざまです。一般的にネズミに対して効果的な周波数は20kHz以上の範囲ですが、製品によっては他の害獣にも有効な周波数を発するものもあります。

周波数が高ければ高いほどネズミにとってはより強い嫌悪感を与えられますが、その分、音が届く範囲が限られるため、適切な周波数選びが重要です。

最適な超音波駆除機を選ぶポイント

超音波駆除機は、いくつかのポイントを考慮することで、自分の生活環境に最適な製品を見つけられます。

・価格帯やコストパフォーマンス

製品を選ぶ際の、重要な要素の一つです。高価な製品ほど性能が良いとは限らず、コストパフォーマンスが優れた製品が多くあります。

ポータブルタイプは、比較的安価で手軽に試すことができ、効果があるかどうかを確認するのにも適しています。広範囲の駆除が必要な場合は、固定タイプや高性能な製品の検討をおすすめします。

また製品の価格帯や使用頻度を考慮し、コストに見合った効果を得られる製品を選ぶことが大切です。

・適用面積

狭い部屋や小さなスペースで使用する場合は、ポータブルタイプや小型の固定タイプが効果的です。一方、広い空間や複数の部屋がある家には、より広い範囲をカバーできる製品を選ぶべきです。

製品には推奨される適用面積が記載されているので、その面積を参考にして効果的な選択ができます。

・使用環境

音波が周囲に響きすぎてしまうと、人間も不快に感じるときがあるため、設置する場所や周囲の状況を考慮する必要があります。

例えば、寝室やオフィスなど静かな環境で使う場合は、音が目立たない設計の製品をおすすめします。

超音波駆除機を使う際の注意点

超音波駆除機は、効果的な駆除方法の一つとして広く利用されていますが、使用時にはいくつかの重要な注意点があります。

ここでは、効果を最大化するための設置方法や他の音の影響、そして安全に使用するためのポイントを紹介します。

効果を最大化する設置方法

超音波駆除機を設置する際は、設置場所や高さ、角度に注意が大切です。まず機器は、ネズミが通りやすい場所や活動が活発なエリアに配置します。

具体的には、ネズミが隠れがちな暗い場所や通路の近くが適しています。また超音波が効率よく広がるように、機器は床から数十センチの高さに設置し、音波が広がりやすい角度を意識して配置することで、最大限の効果が得られます。

他の音や障害物による影響

超音波は壁や家具などの障害物に遮られ、効果が薄くなる可能性があります。特に騒音が多い場所や音が反響する空間では、超音波が他の音に埋もれてしまいネズミに与える影響が弱くなります。

効果を最大化するためにも、騒音源から離れた静かな場所に設置し、周囲に障害物が少ない空間を選ぶようにしてください。

ペットや子どもへの配慮

超音波駆除機は人間には聞こえない音波を発しますが、ペットや小さな子どもにとっては不快に感じる場合があります。

特にペットは敏感な聴覚を持っているため、設置場所に配慮し、ペットの出入りが少ないエリアへの配置をおすすめします。また、子どもが音波に近づかないように、機器を確実に固定して安全性を確保してください。

超音波駆除と他の駆除方法の併用

ネズミの超音波駆除は単体でも一定の効果がありますが、他の駆除方法との併用で、より確実な結果を得ることができます。

ここでは併用方法について具体例を挙げ、どのように組み合わせるのが効果的かを詳しく解説します。

超音波駆除機との効果的な併用方法と具体例

超音波駆除機は単独でも一定の効果がありますが、他の駆除方法との併用でさらに効果的になります。

例えば、捕獲器や殺鼠剤と組み合わせると、ネズミの駆除効果を高められます。超音波で一時的にネズミを追い出し、捕獲器や殺鼠剤を使って駆除することで、駆除のスピードと確実性の向上が可能です。

さらに超音波駆除機を設置後に捕獲器を置くと、超音波でネズミを追い払った後に、捕獲器で捕まえられます。また殺鼠剤を設置しておくと、超音波が効かない場所で駆除を補完できます。

こうした併用方法で、超音波だけでは対応しきれないケースにも対応が可能です。

超音波駆除が効果を発揮しない場合の対策

超音波駆除機が、効果を発揮しない原因はさまざまです。

ネズミが音に慣れてしまう、音波が届かない場所に隠れているなどの理由が考えられます。このような場合は、駆除方法を見直す必要があります。

ここでは、効果を引き出すための追加対策や専門業者への依頼タイミングについて説明します。

超音波が効かない場合の原因

超音波駆除機が効かない場合、音波が届かない場所にネズミが隠れていると考えられます。また、長期間使用しているとネズミが音に慣れてしまう場合もあります。

音波が届く範囲を確認し、定期的に設置場所を変更すると効果的です。

効果を引き出すための追加対策

超音波駆除機の効果を最大化するためには、巣の確認や侵入経路の封鎖も重要です。ネズミの活動が確認された場所を徹底的に掃除し、巣を取り除いてください。

また侵入経路を特定し、隙間や穴を封じることでネズミの再侵入を防げます。

専門業者に依頼するタイミング

ネズミ駆除において、超音波駆除が効果を発揮しない場合や駆除が困難な場合は、専門業者への依頼を検討してください。

専門業者は、現場を見て最適な対策を提案してくれるので、自分では解決できない問題をスムーズに解決してくれます。

まとめ

ネズミ駆除における超音波駆除は、化学薬品を使わず、環境に優しい駆除方法として有効ですが、全てのケースで万能というわけではありません。

設置方法や環境に適した使用が必要で、効果を最大化するには併用方法や定期的なメンテナンスも重要です。また、駆除が難しい場合や効果が薄い場合は、専門業者の助けを借りて問題を解決できます。

最適な駆除方法を選択するためにも、状況に応じて専門家に相談し、より効果的な対策を講じることが大切です。

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