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クマネズミを大きさや生態で見極める!駆除の仕方や失敗する原因も解説

  • ネズミ
2025.04.24

出没するネズミがクマネズミかどうかは、大きさや生態が見極めのポイントです。

家に住み着くネズミにはハツカネズミやドブネズミがいますが、クマネズミとは大きさや生態が異なり、種類によって適した駆除の方法にも違いがあります。

そこで本記事では、クマネズミを大きさや生態で見分ける方法と、駆除の仕方やよくある失敗の原因まで解説します。

「自宅に出没するネズミの大きさからクマネズミなのか確かめたい!」という人は、ぜひ参考にしてください。

クマネズミの大きさは10~15cm!生態もあわせて紹介

クマネズミの大きさは10~15cmくらいです。

以下の表に、クマネズミの生態とともに、まとめました。

出典:国立研究法人 国立環境研究所「クマネズミ」

クマネズミの大きさや生態
外見体の大きさ:10~15cm
体重:100~200g
尻尾:体長より長い
耳:大きい
体毛:背面が褐色、腹面が淡い黄褐色もしくは白色
フン見た目:細い
大きさ:0.5~1cm
性格・行動警戒心が強い
乾燥に強い
運動能力が高い
頭が良く賢い
寒さに弱い
食性植物質が好きだが肉類、穀類、野菜、果物など何でも食べる
生息場所屋内・天井裏・ビル内
繁殖年間5~6回分娩し、1回で約6匹産む
寿命約3年

クマネズミは千円札の横幅くらいのサイズで、体長より長い尻尾が特徴です。

高所が好きなため、家の柱や壁、配管などを伝って登り、天井や屋根裏に棲み着きます。

動きながら排泄する性質をもっているため、細く不揃いのフンが広範囲に散らばっていればクマネズミの可能性が高いでしょう。

また、クマネズミは賢く警戒心が強い性格をもち、縄張りに新しいものや餌などがあってもすぐには手を出しません。

餌であれば数日間放置したのち少しだけ食べ、嫌悪感を覚えればしばらく避け続けるほどで、粘着トラップや駆除剤を使っても簡単に駆除できないネズミです。

大きさや生態からわかる!クマネズミ以外のネズミとの見分け方

家に棲み着く家ネズミには、クマネズミ以外にハツカネズミとドブネズミの2種類がいます。

クマネズミなのか、それともハツカネズミやドブネズミなのかは、大きさや生態の違いから見分けられます。

順番にクマネズミとの違いを解説するので、見ていきましょう。

ハツカネズミ

ハツカネズミの大きさや生態を、以下の表にまとめました。

出典:静岡大学理学部生物科学科「マウス(ハツカネズミ)」

ハツカネズミの大きさや生態
外見体の大きさ:5cm程度
体重:10~20g
尻尾:体長とほぼ同じ
耳:丸く大きい
体毛:灰褐色
フン見た目:0.3~0.5cm
大きさ:小さくとがっている
性格・行動警戒心はあまり強くない
とにかく素早い
跳躍力や遊泳力など運動能力にかなり優れ、跳びはねるような歩き方をする
食性穀類や種子など植物質のものを好む
生息場所人家・農耕地・農村
繁殖年間6~10回分娩し、1回で約8匹産む
寿命1~1.5年

ハツカネズミの大きさは5cmとクマネズミより小さく、尻尾の長さは体長とほぼ同じです。

高いところに登るといった運動能力はクマネズミも長けていますが、ハツカネズミのほうが跳躍力や遊泳力があり、とにかく動きが素早く1cmの隙間からでも侵入します。

クマネズミは高いところに棲み着くので都市部に多いですが、ハツカネズミは農耕地のような自然環境に近い場所を好む傾向にあるので、農家の納屋や山間の民家などに出没します。

フンはクマネズミと見分けるときの大きなポイントとなり、小さくとがっているので、見つけたら判断材料にするといいでしょう。

駆除するにあたって、ハツカネズミは学習能力が低く、クマネズミよりも警戒心がありません。

罠を仕掛けると捕獲しやすいため、クマネズミと比較するとハツカネズミの駆除は容易です。

ドブネズミ

ドブネズミの大きさや生態を、以下の表にまとめました。

出典:国土交通省 九州地方整備局 川内川河川事務所

ドブネズミの大きさや生態
外見体の大きさ:20~25cm
体重:200~450g
尻尾:体長より短い
耳:厚く小さい
体毛:背面が褐色、腹面が白色
フン見た目:ずんぐりしている
大きさ:1~1.5cm
性格・行動警戒心はあまり強くない
水辺を好み、多湿や寒さに強い
泳ぎが得意で潜水もできる
垂直運動や綱渡りは得意ではない
食性雑食だが、肉や魚介類、昆虫など動物質のものを好む
生息場所下水周辺・床下・庭
繁殖年間5~6回分娩し、1回で約6匹産む
寿命約3年

ドブネズミのサイズはクマネズミよりも大きく、A4用紙の短辺くらいで20〜25cmです。

尻尾も体長より短いので、クマネズミと比較するときのポイントといえるでしょう。

体のサイズが大きい分、フンも当然ながら大きく、1〜1.5cmほどのずんぐりした形をしているのでクマネズミと見分けるときの参考にしてください。

また、高所が好きなクマネズミとの大きな違いとして、ドブネズミは高いところに登れません。

泳ぎが得意で潜水もできるドブネズミは湿ったところを好むので、一般的に下水周辺や床下、庭などで見かけられます。

警戒心はクマネズミほど強くはないものの、湿った場所で生活することからドブネズミには粘着トラップによる駆除効果を期待できません。

そのためドブネズミを駆除するときは、毒餌や忌避剤などの粘着トラップ以外の対策をする必要があります。

クマネズミを自分で駆除する方法3STEP

ここからはクマネズミを自分で駆除する方法を、以下3STEPで紹介します。

  • STEP1|クマネズミの餌になるものを片付ける
  • STEP2|クマネズミの活動場所を特定する
  • STEP3|ネズミ用粘着シートを設置して駆除を図る

ネズミの駆除ではよく毒餌を利用しますが、クマネズミは学習能力が高いため、必ずしも食べるとは限りません。

さらには毒餌を食べても死なない、毒に耐性のある「スーパーラット」と呼ばれる個体もいるので、クマネズミの駆除には粘着シートが適しています。

ネズミ用粘着シートはホームセンターやインターネットなどで販売しているので、事前に購入しておきましょう。

また、今回紹介する駆除方法はハツカネズミにも応用できますが、粘着シートが効果のないドブネズミには効きません。

粘着シート以外の駆除方法は以下の記事で解説しているので、参考にしてください。

ネズミ駆除を徹底ガイド!正しい駆除方法と再発防止策を解説

STEP1|クマネズミの餌になるものを片付ける

クマネズミを駆除するときは、初めに餌になるものを片付けてください。

餌になるものがなければ、クマネズミにとって棲み心地の悪い場所となり、追い出せる可能性が高まります。

食べものや水分がなければクマネズミは1日で死ぬこともあるため、餌になるものを片付けるだけでも非常に効果があります。

クマネズミは雑食で人が口にしないものも食べるので、以下のように徹底して餌になるものはすべて片付けましょう。

  • 食べ残しは硬い素材の密閉容器に入れるか、冷蔵庫にしまう
  • キッチンはこまめに拭き、生ゴミを残さない
  • ペットの餌はしまう
  • 固形石けんをしまう
  • お供え物を出しっぱなしにせずしまう
  • 生花や鉢植えも餌にするので片付ける

STEP2|クマネズミの活動場所を特定する

餌になるものを片付けたら、クマネズミの通り道や巣といった活動場所を特定していきます。

クマネズミの活動場所を特定できると次のSTEPでおこなう粘着シートの効果が高まるので、以下のような場所を中心にチェックしてください。

チェックする場所チェックする場所の一例
通り道になりやすい場所廊下の隅
配管周り
エアコンの室外機
雨樋
屋根裏
巣にしやすい場所天井裏
屋根裏
押し入れ
タンスの裏
冷蔵庫の裏

このとき、クマネズミの通り道や巣になっているかどうかは、ラットサインに着目すると発見しやすいです。

ラットサインとはネズミが活動時に残した痕跡のことで、以下のようなものがあります。

ラットサインチェックすること
フン細くて0.5~1cm位の大きさが散らばって落ちている
足跡1~2cmほどで、数多くの足跡がつく尻尾を引きずった跡がつくこともある
かじった跡食べものや木製の家具、家電のコードなどへのかじられた跡がつく
黒いこすり跡ネズミが通ったあとは、付着した汚れによる黒い跡がつく

巣や通り道になりやすい場所に上記のようなラットサインがあれば、クマネズミの活動場所だと判断できます。

また、警戒心が強いクマネズミは壁際を通るため、壁紙をチェックするとラットサインを見つけやすいです。

巣や通り道になりやすい場所に加え、壁紙もあわせてチェックしましょう。

STEP3|ネズミ用粘着シートを設置して駆除を図る

クマネズミの活動場所を特定できたら、ネズミ用粘着シートを設置して駆除を図ります。

STEP2で特定した活動場所に加えて、食品やゴミがある場所にも設置しましょう。

ネズミ用粘着シートを貼る手順は、以下のとおりです。

  1. 設置場所の周辺に新聞紙を敷く
  2. 新聞紙の上からネズミ用粘着シートを敷き詰める
  3. 1週間ほど様子を見る
  4. 捕獲後は可燃ゴミで処分する

まずは、クマネズミの活動場所に新聞紙を敷いてください。

クマネズミがそのままネズミ用粘着シートに引っかかったとしても、足や体に汚れが付着していると粘着力が弱まって逃げてしまうことがあります。

しかし新聞紙があると、足拭きマットのようなイメージで先に汚れを拭き取る役割を担ってくれるので、クマネズミがかかったときに粘着力が保たれて逃げにくくなります。

そして新聞紙の上に置くネズミ用粘着シートは隙間を作らず、多くのシートを敷き詰めると捕まえやすくなるので、10枚以上は用意しましょう。

壁際のネズミ用粘着シートは折って沿わせるようにし、狭いところではL字やU字、トンネル形にするなど工夫して隙間をなくすと効果的です。

頻繁に位置を変えるとクマネズミが警戒するので、1週間ほど様子を見ながらネズミ用粘着シートの数や位置を調整してください。

クマネズミを捕獲できたら、ネズミ用粘着シートを折りたたんで可燃ゴミとして処分しましょう。

クマネズミの駆除に失敗するときのよくある原因と対策

クマネズミを駆除しようとしても、うまくいかないケースは少なくありません。

ここでは、クマネズミの駆除に失敗するときのよくある2つの原因について、対策を解説します。

  • 原因1|クマネズミに仕掛けを見破られている
  • 原因2|侵入経路を断絶できていない

順番に、見ていきましょう。

原因1|クマネズミに仕掛けを見破られている

クマネズミに仕掛けを見破られると、駆除に失敗します。

警戒心が高く、賢いクマネズミは、ネズミ用粘着シートを仕掛けても数時間で見破ることがあります。

たとえばネズミ用粘着シートの上にあえて餌を置いておびき寄せようとしたり、人の気配を感じたりすれば、警戒して近づきません。

クマネズミに仕掛けを見破られている可能性がある場合は、仕掛けの方法を工夫してください。

ネズミ用粘着シートの増設 クマネズミを逃さないよう、ネズミ用粘着シートを増やして捕獲の可能性を高める。
最初は粘着部分をカバーして設置 粘着部分をカバーして設置して、ネズミ用粘着シートの存在に慣れさせる。警戒が解けて上を歩くようになったら粘着部分を露出させる
ネズミ用粘着シートの設置時は手袋 人の匂いがすると警戒するので、ネズミ用粘着シートの設置時は手袋をする。
殺鼠剤入りの餌を併用 ネズミ用粘着シートと殺鼠剤を併用して、駆除効果を上げる。 最初は殺鼠剤を混ぜずに慣れさせ、警戒が解けたら毒餌にすり替える。 シートの上に置くと警戒するので、あくまでも近くに置くだけにする。

クマネズミの駆除は、警戒心をいかに解くかがポイントです。

ネズミ用粘着シートの設置時から人の気配を感じさせないようにし、状況に応じて殺鼠剤も併用して駆除効果を高めましょう。

原因2|侵入経路を断絶できていない

侵入経路を断絶できていなければ、クマネズミをいくら駆除しても新たに侵入してくるため、失敗します。

一見、侵入経路をすべて断絶したつもりでも、新たにクマネズミが現れて駆除に終わりが見えないのであれば、目の届かない隙間や野外の小さな穴まですべて調べる必要があります。

侵入経路の断絶が難しく、クマネズミの被害が止まらなければ、プロに頼るのが得策です。

自分でクマネズミの侵入経路をすべて封鎖するには、見つけきれないだけでなく、狭いところや高所などでの危険な作業がともないます。

また「クマネズミを自分で駆除する方法3STEP」でも少し触れましたが、クマネズミのなかには毒餌への耐性をもつスーパーラットが存在します。

スーパーラットは毒への耐性があるだけでなく、知能も非常に発達しているため、罠にもなかなかかかりません。

見た目は普通のクマネズミのためスーパーラットなのか判別も難しく、素人では駆除に手こずってしまいます。

それゆえ、自身でネズミ用粘着シートを用意してもクマネズミの被害が収まらないようであれば、早めにプロに依頼したほうが、安全かつ確実に駆除できます。

まとめ

クマネズミの大きさは10~15cmと、千円札の横幅くらいのサイズです。

家に棲み着く家ネズミであるハツカネズミよりは大きく、ドブネズミよりは小さいので、見分けるときの参考にしてください。

体の大きさだけでなく、フンの大きさや出没場所、性格といった生態からもクマネズミなのか見分けられるので、着目しましょう。

出没するネズミがクマネズミであると確認できた場合、ネズミ用粘着シートを用いて自分での駆除は可能ですが、警戒心の高さから失敗するケースも少なくありません。

自分での駆除が難しい場合や、被害が収まらない場合は早めにプロへの依頼を検討しましょう。

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