ハクビシンの鳴き声は4種類!判別法から効果的な駆除方法、予防法まで解説

「もしかしてハクビシンでは?」と思うような鳴き声が聞こえたら、本当にハクビシンの鳴き声なのか、それとも他の動物なのかをなるべく早くチェックしましょう。
ハクビシンは日本全国に生息する夜行性の中型哺乳類です。近年では農作物への被害が問題となっているほか、都市部でも家の屋根裏や床下に棲みつくことがあります。
この記事では、ハクビシンの鳴き声の特徴や、他の動物との聞き分け方について詳しく解説します。効果的な対策法も紹介するので、ぜひ最後までお読みください。
ハクビシンの特徴的な4種類の鳴き声
ハクビシンは状況によって異なる鳴き声を出します。鳴き声は、主に4種類に分類できるので、それぞれの特徴を知って、状況に応じた対処の方法を考えていきましょう。
通常時の鳴き声
ハクビシンが普段出す鳴き声は、「キューキュー」や「キーキー」という高い声です。この鳴き声は主に夜間に聞こえ、連続して鳴くのが特徴です。ハクビシンが仲間とコミュニケーションを取る際や、移動中、餌を探しているときなどに聞こえます。
特に、家の近くで頻繁にこの鳴き声が聞こえる場合は、ハクビシンが近隣に棲みついている可能性が高いため、注意が必要です。
ケンカ時の鳴き声
縄張り争いや繁殖期の競争時に聞かれるのは、猫のケンカにも似た「キャーーッ」「ギャーギャー」という甲高い鳴き声です。ハクビシンは基本的に単独行動をする動物ですが、餌場や縄張りをめぐって争いが起こることがあります。この鳴き声は非常に大きいので、夜中に聞こえると驚くかもしれません。
このような鳴き声が頻繁に聞こえる場合、複数のハクビシンが近くに生息している可能性が高く、被害が急速に広がるリスクがあるため、早めの対策が必要です。
威嚇時の鳴き声
ハクビシンが自身の安全を脅かされていると感じたときや驚いたときには、「シャー」や「ガァー」という鳴き声を出します。例えば、突然の物音や光、人やペットの接近などがあるとこの鳴き声になります。
また、子どものハクビシンが近くにいる場合、親が子どもを守るため、より頻繁に威嚇の鳴き声を出すことがあります。威嚇の鳴き声を発しているハクビシンに近づくのは危険です。ハクビシンは通常、人を襲うことは稀ですが、追い詰められたり、子どもを守ろうとしたりする場合には、攻撃的になる可能性があるためです。
子どもの鳴き声
ハクビシンの子どもは、母親に対して、鳴き声で合図を送ることがよくあります。そんな時「ピーピー」や「クルルル」という高い声で鳴きます。この鳴き声は、成体の鳴き声よりもさらに高音で、短く連続して鳴くのが特徴です。
これらの鳴き声は、親子間でのコミュニケーションの一環として行われ、特に、空腹や不安を感じたときに「ピーピー」といった非常に高く、弱い音を発します。
子どもの鳴き声が聞こえる場合、近くにハクビシンの巣がある、または、親ハクビシンがいる可能性が高いため、むやみに近づかないよう注意が必要です。
ハクビシンと間違えやすい動物の鳴き声
ハクビシンの鳴き声は、他の野生動物の鳴き声と似ていることがあります。これは、夜間に活動する中型哺乳類の多くが、似たような環境で生活し、類似したコミュニケーション方法を持っているためです。
以下に、ハクビシンと鳴き声が似ている代表的な動物について説明します。これらの特徴を理解することで、より正確に動物を識別し、適切な対策を講じることができるでしょう。
アライグマの鳴き声
アライグマは「クルルル」や「キュッキュッ」という鳴き声を出します。この鳴き声は、ハクビシンの鳴き声と似ていますが、ハクビシンより声の伸びが短く、よりリズミカルに鳴くのが特徴です。
また、アライグマは比較的静かな動物で、ハクビシンほど頻繁に鳴くことはありません。アライグマの鳴き声は主に、警戒時や繁殖期、また子どもが母親を呼ぶときに聞かれます。
ハクビシンと迷ったら、鳴き声以外の足跡やフンの特徴を確認してみるのがおすすめです。
タヌキの鳴き声
タヌキは「クーン」や「キューン」という子犬のような鳴き声を出します。ハクビシンと同じく高い声ですが、タヌキの方が短く鋭い鳴き声です。
タヌキは日本の在来種で、人里近くに生息することも多いため、ハクビシンと間違えられることがあります。しかし、タヌキはハクビシンほど木登りが得意ではないため、家屋への侵入パターンが異なる点に注意が必要です。
イタチの鳴き声
イタチは「キュッ」や「ピュー」という短く甲高い鳴き声を出します。ハクビシンの鳴き声と比べると高音で、短く断続的に鳴く傾向にあります。イタチは基本的にあまり鳴かない動物ですが、威嚇時や繁殖期には鳴き声を発することがあります。
イタチは体が小さいため、ハクビシンよりもさらに小さな隙間から家屋に侵入する可能性があります。
鳴き声に加えて、侵入経路や足跡のサイズなども確認することで、より正確に動物を特定することができます。
ハクビシンを放置するデメリット
ハクビシンの存在に気づいていても「野生動物だから仕方ない」と放置してしまうと、さまざまな問題が発生する可能性があります。
ここでは、ハクビシンを放置した場合に起こりうる主なデメリットについて詳しく説明します。
騒音被害
ハクビシンは夜行性の動物のため、主に夜間に活動します。そのため、夜中にハクビシンの鳴き声や動き回る音が聞こえ、睡眠不足になる可能性があります。特に、屋根裏や壁の中に棲みついた場合、その騒音はより厄介です。
睡眠障害が常態化すると、日中の生活や仕事にも影響を及ぼす可能性があり、生活の質を著しく低下させる原因となります。
糞尿被害
ハクビシンが屋根裏や床下にすみつくと、そこで排泄を行います。ハクビシンの糞尿は強い臭いを放つので、家全体に悪臭が広がる原因となります。さらに、湿気と相まってカビが発生する可能性もあり、健康被害にもつながります。
農作物被害
ハクビシンは果物や野菜を好んで食べます。そのため、家庭菜園や果樹園がある場合、作物が食べられてしまいます。特に、イチジク、ブドウ、カキなどの果物や、トマト、ナス、キュウリなどの野菜が好物です。
農作物への被害は、趣味の園芸を楽しむ家庭だけでなく、農業を生業とする方々にとっても深刻な問題となります。
感染症リスク
ハクビシンは、人間と接触する機会が増えると、さまざまな感染症の媒介者となる可能性があります。特にSARSや狂犬病、細菌感染症など、ハクビシンが媒介する感染症には十分な注意が必要です。ハクビシンの糞尿や体液との接触、または間接的な接触によって人間やペットに感染する可能性があります。特に、屋内にハクビシンが侵入している場合、感染リスクは高まります。
ハクビシンの糞尿が家屋や庭で見つかった場合は、早急に清掃し、消毒することが大切です。また、ペットや家畜がハクビシンと接触しないよう予防策を講じることも重要です。
建物損傷
ハクビシンは鋭い爪と歯を持っており、屋根や壁に穴を開けて侵入することがあります。外壁や屋根、断熱材などの破損だけでなく、電線やパイプなどの損傷も引き起こすことがあり、その場合は火災や水漏れのリスクも高く危険です。
建物の損傷は、放置すればするほど深刻化し、最終的には大規模な修理が必要になる可能性があります。これらの問題は、ハクビシンを放置することで徐々に悪化していきます。そのため、ハクビシンの存在に気づいた場合は、早めの対策が非常に重要です。
適切な対策を講じることで、これらのデメリットを防ぎ、安全で快適な生活環境を維持することができます。
ハクビシンの鳴き声がうるさいときの対処法
ハクビシンの鳴き声に悩まされているときは、状況に合わせて適切な対策を選択することが大切です。
以下に、ハクビシンの鳴き声対策として効果的な方法を詳しく説明します。
一時的な対策方法
短期的な対策として、まず試せるのは物理的に音を遮断する方法です。具体的には、耳栓をする、窓を閉めて外部の音を遮断する対策です。二重窓や防音シートを使用すれば、さらに効果を高めることができます。ただし、この方法は夏場など暑い季節には室内の温度管理に注意が必要です。
これらの方法は、ハクビシンの問題が一時的なものである場合や、より根本的な対策を講じるまでの間の応急処置として有効です。しかし、ハクビシンが継続的に生息している場合は、退治方法を検討する必要があります。
退治・対策方法
ハクビシンの問題を根本的に解決するためには、2度と来たくないような環境に整えたり、物理的に侵入できないようにしたりなど、有効な対策を取る必要があります。
超音波装置の設置
ハクビシンの嫌がる高周波音を発生させる装置を設置します。この装置は人間には聞こえない音を出し、ハクビシンを遠ざける効果があります。
ただし、効果には個体差があり、すべてのハクビシンに効果があるわけではありません。さらにはペットにも影響を与える可能性もあります。
光による威嚇
ハクビシンは明るい場所を避ける傾向があるため、センサーライトを設置することが効果的です。人や動物が近づくと自動的に点灯するタイプのライトを、ハクビシンの侵入経路となりそうな場所に設置します。
この方法は、電気代がかかる点に注意が必要です。
忌避剤の使用
ハクビシンの嫌がる匂いのする忌避剤を使用する方法もあります。市販の忌避剤のほか、唐辛子やにんにく、アンモニアなどの家庭にあるもので代用も可能です。ただし、忌避剤は定期的な再塗布が必要で、さらに雨で流されやすいという欠点があります。
また、強い匂いのものは人間にとっても不快に感じる可能性があるので、使用場所には注意が必要です。
侵入経路の封鎖
家の周りの穴や隙間を塞ぎ、ハクビシンが侵入できないようにします。屋根や壁、基礎部分など、小さな穴や隙間も見逃せません。ただし、ハクビシンが中にいる状態でやっては本末転倒なので、必ず中にいないことを確認してから封鎖する必要があります。
注意点と法的制限
ハクビシンは鳥獣保護管理法で保護されているため、無断で捕獲や駆除をすることはできません。対策を行う際は、自治体への申請が必要です。
また、強力な忌避剤や過度に強い超音波を使用することで、ハクビシンだけでなく他の野生動物や生態系にも悪影響を与える可能性があります。
もし自分で対処するのが難しいと感じた場合や、法律面での不安がある場合は、専門家や行政機関に相談することをおすすめします。
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