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「その虫、シロアリじゃないかも?」見分けるべきポイントと駆除方法

  • シロアリ
2025.03.23

シロアリは、住宅に深刻なダメージをもたらす害虫として広く知られていますが、実際に目にしたときに、シロアリかどうかを判断するのは意外と難しいものです。

見た目が似ている虫も多く存在し、対処法も異なるため、誤った方法で処理をしてしまうと被害が広がる可能性もあります。

今回は、シロアリの特徴と他の虫との見分け方、さらには効果的な駆除方法について解説します。正しい知識を身につけ、大切な住まいを守る一助にしてください。

シロアリの特徴について

シロアリは木材を主な栄養源とする害虫で、住宅や建物に大きな被害を及ぼすことがあります。特に湿気を好み、床下や壁内に巣を作りやすい点が特徴です。

シロアリの活動は目に見えにくく、被害に気付いたときには構造が深刻なダメージを受けている場合も少なくありません。

シロアリには【羽アリ】もいる

シロアリの中には「羽アリ」と呼ばれる個体もいます。

羽アリは、シロアリの中で繁殖を目的とする個体が羽を持ち、巣から飛び立って新しいコロニーを形成するための存在です。春から初夏にかけて、羽アリが飛び立つことが多く、これがシロアリの新しい巣作りのサインとなります。

羽アリを見かけた際は、近隣にシロアリの巣が存在する可能性が高いと考えられるため、放置せずに専門業者に調査を依頼するようにしてください。

日本にいるシロアリの数と種類

日本にはおよそ22種類のシロアリが生息し、その種類によって生息環境や被害の程度が異なります。

全国に広く分布するものから、特定の気候にのみ生息する種類まで多様です。それぞれのシロアリが持つ特徴についてご紹介します。

国内で生息率NO.1!「ヤマトシロアリ」

ヤマトシロアリは、日本国内で最も多く生息するシロアリで、全国に広く分布しています。

体長は4〜7ミリ程度とやや小さめで、湿気のある場所を好みます。そのため、住宅の床下や基礎周辺に巣を作ることが多く、湿度が高い状態が続く場所や、木材が腐りやすい環境に侵入しがちです。

またヤマトシロアリは比較的寒さにも強く、他のシロアリが活動を控えるような寒冷地でも活動が確認されています。そのため温暖な地域だけでなく、日本全土で被害が発生するリスクがあります。

ヤマトシロアリが建物に及ぼす被害は、木材の内部に進行していくため気づきにくく、特に土台や柱を中心に食害が進むと建物の強度が低下し、住宅の安全性が損なわれるため危険です。

初期段階での発見が難しいため、早期発見のためには定期的な点検が重要となります。

暖かい地域に生息する「イエシロアリ」

イエシロアリは、温暖な地域に広く分布し、体長は6〜10ミリとヤマトシロアリに比べてやや大きめです。ひとつの巣の規模が非常に大きく、一つのコロニーが数十万匹に及ぶこともあるため、被害が拡大しやすいです。

イエシロアリは巣からかなり離れた場所まで移動して食料を調達することができます。

建物内部から他の構造物にまで侵入して広範囲にわたる被害を引き起こすケースも少なくありません。特に、沿岸地域ではイエシロアリの被害が多く報告されています。

イエシロアリは湿度を好むものの、乾燥にもある程度適応しており、屋内外の多様な環境で繁殖が可能です。建物の土台部分や外壁などを侵食し、建物全体に深刻なダメージを与えるため、特に温暖地域に住む人は注意が必要です。

外来種のシロアリ 「アメリカカンザイシロアリ」

アメリカカンザイシロアリは、外来種として日本に持ち込まれたシロアリの一種で、体長は5〜6ミリ程度です。この種は乾燥した環境に適応する性質があり、湿度が低くても活動が可能です。

そのため、屋根裏や乾燥した壁の中に巣を作ることが多く、湿気の多い場所を好む他のシロアリとは異なる行動特性を持っています。

またアメリカカンザイシロアリによる被害は木材の内部で進行するため、外見上では被害が分かりにくく、発見が遅れがちです。

発見時にはすでに大きな被害が発生している場合が多いので、屋内の木材が劣化しているように感じた際は早めに専門の調査を依頼することをおすすめします。

シロアリに似た虫たち

シロアリと見た目が似ているため、誤って駆除されることが多い虫が数種類存在します。

これらの虫についても特徴を知り、正確に判断できるようにしておくことが大切です。

至るところにいて馴染みのある「クロアリ」

クロアリは、家庭や庭でよく見られる一般的なアリで、シロアリとは異なる特徴を持っています。体長は約2〜5ミリで、黒い体色と腰部のくびれがシロアリとの大きな違いです。

クロアリは木材を食害せず、地中や建物の隙間に巣を作り、食材や甘いものを求めて家の中に侵入します。

家の構造に直接的な被害を与えることはほとんどありませんが、食べ物を汚染したり、食材に触れたりすることで衛生面での不安を引き起こします。また、一部のクロアリはギ酸を分泌し、刺されると軽い炎症を引き起こすことがあります。

特に、キッチンや食品が置かれているエリアに出現しやすく、食材の保管方法や清掃の状況によっては頻繁に見かけるため、衛生管理が重要です。

対策としては、食べ物の保存をしっかり行い、家の隙間をふさぐことで侵入を防ぎますが、大規模な発生が見られた場合には専門業者への相談も効果的です。

極小で大量発生する「クロバネキノコバエ」

クロバネキノコバエは、湿度の高い環境を好む小さな黒い虫で、特にキッチンや洗面所などの湿気が多い場所でよく発生します。体長はわずか1〜2ミリと非常に小さく、一見するとゴミやほこりのようにも見えるため、気づきにくいです。

またクロバネキノコバエは、シロアリとは異なり木材を食べませんが、カビや腐った食品を好むため、不衛生な環境で大量発生することがあります。

衛生面での問題を引き起こすため、見つけた場合は早めの駆除が望ましいです。対策としては、湿気を抑えることが最も効果的で、換気を良くし、特にキッチンやバスルームの水分管理に気を配ります。

水分のある場所や腐敗しやすい食品の周囲で発生しやすいため、こまめな清掃やゴミの処理も欠かさないようにしてください。

暖かい場所を好む赤褐色「イエヒメアリ」

イエヒメアリは赤褐色の体を持ち、温かい場所で活発に活動する小型のアリです。体長は2ミリ程度で、クロアリよりもさらに小さく、室内で食べ物を探して動き回ることが多いため、特にキッチンやダイニング周辺で見かけます。

イエヒメアリはシロアリと異なり、木材に直接的な害を与えることはありませんが、食料品を汚染する可能性があるので注意が必要です。また小さな隙間からも侵入するため、家の中に入り込まれることが多く、場合によっては食品に触れてしまうこともあります。

そのため食品の保管には特に気を配り、密閉容器を使用して侵入を防ぐようにしてください。対策として、出入り口付近や巣が疑われる場所に市販のアリ用忌避剤や捕獲剤を設置することも効果的です。

単為生殖でオスはいない「ヒラタチャタテ」

ヒラタチャタテは非常に小さな虫で、体長は1ミリ程度とほとんど目に見えないサイズです。この虫は湿気を好むため、特に湿度の高い家庭内の場所で見られることが多く、壁の隙間や家具の裏側、風呂場などに集まります。

木材を食害するシロアリとは異なり、ヒラタチャタテはカビやほこりを餌とするため、直接的な構造被害を与えることはありませんが、湿度の高い環境で繁殖しやすいため、不快な存在となります。

またヒラタチャタテは、単為生殖で繁殖するためメスだけでも大量発生が可能です。

駆除には湿度管理を徹底することが最も効果的で、定期的な換気や除湿機の使用により、発生を抑えることができます。発見した場合にはカビを除去し、掃除を怠らないことも重要です。

シロアリの可能性大!対処するにはどうしたらいい?

シロアリの疑いがある場合は、以下の方法で対処を試みることができますが、あくまでも一時対策です。

根本的な解決には、専門業者による調査をおすすめします。

掃除機で吸い取る

シロアリや羽アリを見つけたら、応急処置として掃除機で吸い取ることが手軽で有効な方法です。特に羽アリが室内で飛び回る時期には、掃除機を使って素早く吸い込むことで一時的な対処が可能です。

ただし、この方法で完全に駆除できるわけではなく、巣から新たに発生するシロアリを抑えることはできません。吸い取った後は、掃除機の中に残ったシロアリが再び外に出てこないよう、ビニール袋に吸い取ったゴミごと入れて密閉し、適切に処分することが重要です。

使用した掃除機はしっかりと清掃し、可能であれば消毒をしてください。

粘着テープやガムテープを使う

シロアリや羽アリがどこから侵入しているかがわからない場合、粘着テープやガムテープを利用するのも効果的です。

粘着テープを出入口や侵入経路の可能性がある場所に貼り付けることで、シロアリがそこを通った際に捕獲できます。また、飛び回っている羽アリを粘着テープで直接捕まえることもできるので、簡易的な捕獲手段として役立ちます。

ただし、テープを使って捕まえられるシロアリの数は限られており、根本的な駆除にはつながりません。捕まえた後はテープをすぐに廃棄し、他の場所にも広がっていないか部屋を定期的にチェックしてください。

この方法も一時的な対策として考え、本格的な駆除を検討する際には専門業者の利用が望ましいです。

殺虫剤の使用はシロアリを分散させるリスクがある

市販の殺虫剤は害虫駆除には便利ですが、シロアリに関しては特に注意が必要です。殺虫剤をシロアリに直接噴射すると、シロアリが警戒して巣全体が活発化するリスクがあり、最悪の場合、被害が拡大する可能性もあります。

シロアリは集団で活動する習性があり、個体を駆除しても巣が残っているとすぐに再繁殖が進むからです。また一般的な家庭用殺虫剤は、シロアリに対して効果が薄く無駄になりがちです。

シロアリが警戒して分散することを防ぐためにも、むやみに殺虫剤を使用せず、シロアリの行動が活発化しないよう慎重な対応が求められます。

巣全体を効率よく駆除するには、巣への直接のアプローチが必要なため、専門業者に駆除を任せましょう。

シロアリか判断がつかない場合も業者に相談

シロアリの駆除を根本的に解決するためには、専門業者の力を借りることが最も確実です。

専門業者はシロアリの生態や行動を熟知しており、住宅や建物の状況を詳しく調査した上で、適切な駆除プランを提案してくれます。業者はシロアリの侵入経路を特定し、巣に直接作用する薬剤やバリア工法を用いることで、再発防止策も併せて実施します。

再発防止策として床下の湿気対策や、建物の隙間を塞ぐ施工も併せて行う業者も多く、長期的な安心が期待できます。

一般的な市販の方法では取り除ききれない深部にまで対応するため、確実にシロアリを撃退したい場合は、専門業者の依頼を検討することをおすすめします。

まとめ

シロアリかどうかの見分け方は、家や建物の安全を守るためにとても重要です。

羽アリの存在は近くにシロアリが巣を作っているサインかもしれませんが、他の害虫との区別が難しい場合もあります。またクロアリやイエヒメアリ、クロバネキノコバエなどもシロアリと混同しやすく、それぞれが異なる生態や特徴を持つため、しっかりとした判断が必要です。

一時的な対策としては、掃除機や粘着テープでその場の駆除が可能ですが、根本的な解決にはつながりません。特にシロアリ駆除に市販の殺虫剤を使うと、かえって警戒心を刺激し、巣全体が散らばってしまうリスクがあるため注意が必要です。

確実な駆除を目指すのであれば、やはり専門業者に相談するのが最も効果的といえます。専門の知識と経験を持つ業者に依頼することで、シロアリの種類や被害の広がりに応じた適切な対策が講じられ、家の保護にもつながります。

「その虫、シロアリじゃないかも?」と感じたら、まずは冷静に見極め、必要に応じて専門家の助けを借りましょう。

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