害虫・害獣  に困ったら「害虫害獣コンシェルジュ」

コウモリのフン対策完全ガイド|効果的な対処法と予防策を解説

  • コウモリ
2025.03.18

コウモリのフンは、建物や人の健康面など、さまざまな悪影響を与えます。家やその周辺でコウモリのフンを発見したら、それはコウモリの住処が近くにある重要なサインです。コウモリの被害は早めの対策をすることで、最小限の被害に抑えることができます。

本記事では、コウモリのフンの特徴から対策方法、そして専門家に相談すべき状況まで詳しく解説します。

コウモリのフンの特徴と見分け方

コウモリのフンは、5〜10mmほどの大きさで、黒色または茶色をしています。最も特徴的なのは、乾燥していて崩れやすい点です。

崩れやすいのは、コウモリが虫を主食としているためです。フンは細長くよじれた形状をしており、同じ場所にまとまって見つかることが多いのも特徴です。

コウモリのフンの形状と特徴

コウモリのフンは、通常触れると簡単に粉状になってしまうほど乾燥しています。臭いは独特の酸っぱさがあり、ドブのような不快な臭気を放ちます。フンの表面はざらざらとしていて、虫の外骨格の破片が含まれているのが特徴です。

このような特徴は、コウモリが虫を短時間で消化することに関係しています。消化の過程で水分が効率的に吸収され、残った固形物が乾燥した状態で排出されるのです。

コウモリは集団で生活する習性があるため、一度フンを見つけた場合、その周辺に大量のフンが蓄積していることがよくあります。フンの量は、コウモリの個体数や滞在期間を推測する手がかりにもなります。

ネズミのフンとの違い

ネズミのフンは、一見コウモリのフンと似ていますが、いくつかの点で見分けることができます。

ネズミのフンは湿り気があってべたつき、触っても簡単には崩れません。これは、ネズミが穀物や果物など、水分を多く含む食べ物を好むためです。

また、ネズミは移動しながらフンをするため、フンは建物のさまざまな場所に散らばって見つかります。

ネズミのフンの形状は、両端が丸みを帯びた楕円形で、表面はなめらかです。色は食べ物によって変化し、黒色から灰色まで幅広く見られます。

フンが見られる典型的な場所

コウモリのフンが見つかる場所は、主に建物の外周部です。特に軒下、ベランダ、換気扇の周り、雨戸の収納部分などに集中します。これらの場所でフンを見つけた場合、その上部にコウモリが潜んでいる可能性が高くなります。

フンの量が多い場所を特定すれば、コウモリの住処を推測することが可能です。コウモリのフンは、屋外だけでなく、屋根裏や天井裏にもフンが蓄積することがあります。この場合、天井にシミができたり、異臭が室内に漂ったりする可能性があります。

コウモリは夜行性で日中は同じ場所で休息を取る習性があり、フンは決まった場所に集中して見つかるケースがほとんどです。フンの場所を見つけたら、そこからコウモリの行動範囲や侵入経路を特定しやすくなります。

アブラコウモリのフンに関わる習性

住宅に棲みつくコウモリの多くは「アブラコウモリ」と呼ばれる小型の種類です。体重はわずか5〜10g程度ですが、1日に体重の半分以上の量の昆虫を捕食します。

アブラコウモリの消化は非常に早く、食べてから約50分で消化を終えてフンとして排出します。消化サイクルがこのように早いため、1日に何度もフンをするのです。

アブラコウモリの食性と生態

アブラコウモリは夜行性で、日没後から活発に活動を始めます。主食は、蚊やガなどの小型の虫です。コウモリは、ひと晩に数百匹から数千匹もの虫を捕食しますが、素早く消化して排出します。

飛行のためにエネルギーを大量に消費するコウモリは、体を軽くするために消化物をなるべく早く排出する必要があるのです。

夏場は虫が多く、コウモリも活発に活動するためフンの量も増加します。

集団生活による影響

アブラコウモリは群れで生活する習性があり、1カ所に数十匹が集まることもあります。特に繁殖期には、子育て中のメスが集まって大きな群れを形成します。こうした集団生活により、同じ場所に大量のフンが蓄積されることになります。

また、コウモリは決まった場所をねぐらとして利用する習性があるため、一度すみつくと継続的にフン害が発生することになります。

家の周辺で注意したいフン被害の特徴

屋根裏・天井裏の被害

コウモリは、暗く、外敵から身を隠しやすい環境を好みます。屋根裏や天井裏は、コウモリが最も好む生息場所のひとつです。瓦のわずかな隙間や、破損部分から侵入し、断熱材の中などに潜み込みます。

屋根裏でフン害が発生すると、天井にシミができたり、雨漏りのような染みが広がったりすることがあります。さらにフンが堆積してしまうと木材の腐食や断熱材の劣化にもつながります。

このような被害は、発見が遅れるほど修繕のコストが大きくなります。

ベランダ・軒下の被害

ベランダや軒下は、コウモリが一時的な休息場所として利用することが多い場所です。特に夜間の狩りの合間に短時間の休憩をとる「ナイトルースト」と呼ばれる行動が見られます。

ナイトルースト(休憩場所)として使われるのは、壁面の隅や街灯の裏側、住宅の軒先などが多く、その直下にフンが集中するのです。

例えば、ベランダや軒下などの洗濯物や家具、建物の外壁がフンで汚染されるリスクが高くなります。

換気扇周りの被害

換気扇の周辺は、コウモリが侵入しやすい場所のひとつです。換気扇のカバーと壁面の間にできた隙間や、配管の通り道を利用して室内に侵入することがあります。

換気扇周りにフンが見られる場合は、すでに室内への侵入経路が確立されている可能性が高く、早急な対策が必要です。特に、キッチンの換気扇は、衛生面での影響が大きく危険です。

一般家庭でできるコウモリのフン対策

コウモリのフン対策は、軽度の状況であれば自分でできます。ただし、コウモリのフンには病原菌が含まれている可能性があるため、清掃時は必ず防護具を着用する必要があります。

正しいフンの清掃方法と必要な道具

コウモリのフンの清掃には、マスク、ゴーグル、手袋、使い捨ての作業着など衛生用の装備が必須です。特にマスクは、医療用のものを使用し、手袋は使い捨てのゴム手袋を二重にするとより安全です。掃除道具は、できれば使い捨てのものを用意し、清掃後は適切に廃棄します。

フンは乾燥して粉状になりやすいため、軽く水を噴霧してからほうきとちりとりで集めます。集めたフンは、二重にしたビニール袋に入れて飛び散らないよう密封し、廃棄処分しましょう。

ゴム手袋やペーパータオルも、密閉できるゴミ袋に入れて廃棄します。再利用可能な道具は洗剤と熱湯で洗浄します。清掃後は、フンがあった場所を消毒用アルコールや次亜塩素酸ナトリウムで消毒し、しっかりと換気を行えば完了です。

コウモリ向けの侵入防止対策

コウモリは体が小さいため、1.5cmほどの隙間があれば侵入できます。侵入させないようにするためには建物の隙間を細かくチェックし、適切な方法で塞ぐことが重要です。

換気扇の周りには、細かい網目の金属製ネットを取り付け、壁の小さな隙間にはコーキング材やシーリング材を充填します。エアコンの配管周りの隙間には、専用のパテ材を使用します。

ただし、コウモリが家の中にいないことを確認してから作業する必要があります。作業は、夕方以降にコウモリが活動を始める時間帯に作業を行うと、家に閉じ込めるリスクを減らせます。

市販のコウモリ用忌避剤と使用方法

コウモリ用の忌避剤には、スプレータイプ、ジェルタイプ、燻煙タイプ、固形タイプなどがあります。

スプレータイプは即効性があり、コウモリが潜んでいる狭い場所に直接噴霧して追い出すことが可能です。

固形タイプは、持続性があり、コウモリの通り道に設置すると長期的な予防効果が期待できます。

忌避剤は、それぞれ持続時間、使用範囲などが異なるので、使用場所・目的にあったタイプを選びましょう。

ただし、忌避剤は一時的な効果にとどまることが多く、根本的な解決には侵入経路を塞ぐか駆除するなどの対策が必要です。

予防のための住宅チェック・メンテナンス

コウモリの侵入を防ぐためには、定期的な住宅の点検とメンテナンスが重要です。特に春と秋の年2回、屋根や外壁の状態をチェックしましょう。瓦のずれや破損、外壁のひび割れなどは、コウモリの侵入経路となる可能性があります。

また、雨どいの詰まりや破損は、コウモリが潜み込む原因となります。定期的な清掃と補修が必要です。

ベランダや軒下の照明は、LED照明に交換することで、コウモリが近づきにくい環境を作ることができます。LED照明は、虫が集まりやすい紫外線を含んでいないからです。

コウモリのフンがもたらす被害の特徴

衛生面での被害の特徴

コウモリのフンは、乾燥すると粉状になり、空気中を漂います。この現象は「エアロゾル化」と呼ばれ、フンに含まれる微生物が空気中に拡散する原因となります。

フンには、病原菌が含まれている可能性があり、これを吸入すると呼吸器系の症状を引き起こすことがあります。また、フンが堆積した場所は、ダニやゴキブリなどの害虫が発生しやすくなります。子どもやお年寄り、免疫力の低下している人がいるなら特に注意が必要です。

放置した場合の被害の特徴

コウモリのフン被害を放置すると、問題は徐々に深刻化していきます。最初は少量のフンが見つかるだけだとしても、コウモリが定着すると被害は急速に拡大します。

また、一度コウモリがすみついた場所は、他のコウモリを呼び寄せやすくなる傾向があります。最初は目立たない被害でも、数ヶ月で建物の修繕が必要なレベルにまで悪化することも珍しくありません。

季節による被害の変化

コウモリの活動は、季節によって大きく変化します。春は、冬眠から目覚めて活動を開始する時期です。メスのコウモリが巣作りのため新たな住処を探し始めたり、繁殖時期などでフンの量が増え始めます。

夏は、出産・育児も行われるため、最も活動が活発な時期です。コウモリの繁殖場所はフンの量が最大になり、悪臭の被害も増します。

気温が徐々に低下する秋は、冬眠に備えて盛んに採餌を行い、冬眠場所を探し始める時期です。コウモリは、活動量は減少傾向ですが、冬眠に向け行動が慎重になってきます。

冬は活動が低下し、フンの量も減少しますが、完全に止まるわけではありません。例えば、暖かい屋内や壁のすき間で活動を休止状態で過ごしている場合もあります。

コウモリのフン被害を確実に解決するには

以下に挙げるように、自力での原状回復やコウモリの追い出しがしきれないと思う時は、できるだけ早く専門家に相談し安全で素早い解決方法を探りましょう。

  • フンの量が多く、自力での清掃が難しい場合
  • 天井にシミが出始めている、異臭が室内に漂うなど、建物への影響が見られる場合
  • 家族に、子どもやお年寄り、喘息などの疾患を持っている方がいる場合

コウモリ駆除専門家に依頼できること

専門家による対策の最大の特徴は、コウモリの生態を理解した上での計画的な駆除です。まず建物の詳細な調査を行い、コウモリの侵入経路と生息場所を特定します。

その後、コウモリを追い出し、再び侵入できないよう、建物の構造に合わせた効果的な侵入防止工事を行います。フンの除去と消毒作業も、専用の機材と薬剤を使用して徹底的に行います。作業後も定期的な点検を行うことで、再発を防ぐことができます。

コウモリ駆除専門家に依頼するとかかる費用と期間の目安

専門家による対策費用は、被害の状況や建物の構造によって変わります。一般的な家屋での対策費用は、調査から施工まで含めて1万円から3万円程度です。

作業期間は、被害状況により異なりますが、通常1日から3日程度で完了します。ただし、大規模な被害の場合や、建物の修繕が必要な場合は、費用・期間ともに増加する傾向です。

多くの駆除専門業者は、無料で現地調査を行いますので、まずは無料の見積もりを取ってみましょう。

よくある質問

コウモリ被害に関する基本的な疑問

Q:コウモリを自分で捕まえて対処してもいいですか? 

A:コウモリは鳥獣保護法で保護されている動物のため、許可なく捕獲することは法律違反となります。違反した場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられる可能性があります。追い出し以外の対策が必要な場合は、必ず駆除の専門家や自治体に相談してください。

Q:フンを見つけましたが、住宅にどのくらいの数のコウモリがいるのでしょうか? 

A:アブラコウモリは通常、数匹から数十匹の小規模な群れで生活します。特に繁殖期には、メスが集まって出産・育児を行うため群れが大きくなることがあります。ただし、フンの量だけでは正確な個体数は分かりません。専門家による調査が必要です。

Q:駆除にかかる期間はどのくらいですか?

 A:基本的な駆除作業は1日から3日程度で完了しますが、状況によって期間は変動します。特に冬眠期や子育て期は、生態に配慮した対応が必要なため、時期を調整する必要があることもあります。

対策と予防に関する疑問

Q:どの季節に対策するのが最も効果的ですか? 

A:春(3〜4月)と秋(9〜10月)が最適な時期です。夏は出産・育児期のため子どもを傷つける可能性があり、冬は冬眠中で効果的な対策が難しくなります。特に春は、冬眠明けで活動を再開する時期のため、対策を始めるのに適しています。

Q:一度駆除しても、また戻ってくることはありますか? 

A:コウモリは元の住処に戻る習性が強いため、侵入防止対策が不十分な場合は再び戻ってくる可能性があります。

Q:ベランダの物干し竿にフンがついて困っています。予防策はありますか? 

A:物干し竿の直線的な部分は、コウモリがとまりやすい場所です。竿カバーを取り付けたり、夜間は竿を外して保管したりすることで予防できます。

費用と保証に関する疑問

Q:業者に依頼する場合の相場はどのくらいですか? 

A:標準的な家屋での駆除費用は、被害が1カ所の場合、1万円〜3万円程度です。ただし、被害の規模や建物の構造、必要な対策工事の内容によって変動します。

Q:業者選びで気をつけることは何ですか? 

A:駆除業者を選ぶ際は、以下の点をチェックしてください。

  • 無料の現地調査、見積もりを行っているか 
  • 施工後の保証制度があるか
  • 見積もり項目が詳細で、追加料金がかからないか
  • 過去の施工実績や顧客の評価が高いか

以上の点を確認し、無料見積は、最低でも3社から取り寄せ、比較検討することをお勧めします。

Related Articles
関連コラム

Inquiry Process
問い合わせの流れ

フォームから問い合わせ

フォームで問い合わせ お問い合わせページはこちら

  • 1

    フォーム送信

  • 2

    相談内容に応じてプロが対応

電話から問い合わせ

電話で問い合わせ 050-3528-0304

  • 1

    電話

  • 2

    コールセンターにてヒアリング

  • 3

    相談内容に応じてプロが対応