コウモリの軒下対策完全ガイド!追い出し方から予防まで徹底解説

コウモリが、 軒下にすみついて、糞害や騒音に悩まされているなら早めの対策を行いましょう。コウモリによる被害は、放っておくと健康被害がでてくることがあります。
本記事では、コウモリの習性から、自分でもできる安全で効果的なコウモリ対策の方法、被害の見極め方までを解説します。
軒下で見かけたコウモリの対策の判断基準
コウモリ対策は、状況を正確に把握することから始まります。適切な対応方法を選ぶためには、現状を客観的に確認していきましょう。
コウモリ被害の状況確認方法
コウモリの被害状況は、まず「建物の状態」「コウモリの痕跡の程度」「周辺環境」の三つの視点で見極めます。これらの3つを確認することで、どのあたりにコウモリが潜んでいるかの目安がわかり、またどれくらいの期間・個体の数などのあたりをつけることができます。
建物の状態
軒下近辺でコウモリを見かけたなら、その軒下や外壁に1cm程度の隙間がないかを観察します。特に、配管周りや換気口、軒裏と外壁の接合部は見落としやすい場所です。これらの場所に隙間がある場合は、コウモリの侵入経路となっている可能性があります。
痕跡の程度
コウモリの活動は、主に夕方から夜間に集中します。日中の明るい時間で姿を目視はできないので、痕跡を見つけることで対応しましょう。地面に落ちている糞の量や位置、木材へのシミの状態などを記録し、数日間観察することでどれくらいの数のコウモリがいるかを推測します。
コウモリの糞は、黒色で細長く、触れると粉状に崩れるのが特徴です。
周辺環境
家ではなく周囲の環境が、コウモリを寄せ付けている可能性があります。家の近くに街灯や外灯の位置、近くに池や田んぼがあるかどうかを確認します。蛍光灯や水場はコウモリの餌となる虫を引き寄せる要因となるためです。
コウモリで発生しうる建物への被害とは
コウモリは建物に対して深刻な被害を与えることもあります。コウモリを見かけたら建物の状態がどうなっているのかを確認し、早期対策できるようにしましょう。また、建物に被害が出ていたら、同様に人の健康にも影響が出ることもしばしばです。
例えば、コウモリの糞や尿に含まれる成分には腐食性があり、特に木材が大きく影響を受けます。軒裏や天井裏で湿気が多い場合、腐食が進行するスピードが上がります。金属製の部材も長期間の接触で腐食する可能性があります。
コウモリの糞には病原菌が含まれている可能性が高く、直接触れると危険です。特に湿度の高い環境下で繁殖しやすくなります。糞はそもそも崩れやすく粉末化しやすいので、風に舞って呼吸器系から体の中に入ってくる恐れもあります。
コウモリが壁の中、断熱材などを巣にしていた場合、家の断熱性能に影響が出ることは言うまでもありません。
コウモリ被害の基礎知識
コウモリ対策を効果的に行うには、まずコウモリの生態や特徴を理解することが重要です。日本にいるコウモリの特徴と、住宅に与える影響について詳しく見ていきましょう。
コウモリが軒下にすみつく理由と生態的特徴
コウモリの基本的な特徴として、夜行性で昼間は暗く安全な場所で休息をとることが挙げられます。コウモリが軒下で見つかるのは、軒下がこうした条件を満たす絶好の環境となっているからです。
さらにコウモリは哺乳類で、一定の体温を保つ必要がありますが、体が小さいため温度変化の影響を受けやすいという特徴があります。現代の住宅は高い断熱性能を持ち、軒下の温度変化が少ないため、コウモリにとって理想的な休息場所となります。
コウモリは、超音波を使って飛行経路や獲物を見つけます。住宅の軒下は、この超音波の反響を利用しやすい構造になっています。さらに、住宅周辺の街灯に集まる虫は、コウモリの重要な餌源となります。軒下は休息できるだけでなく、餌場にも近い良い場所ということです。
地域別・季節別の特徴と対策時期
日本では、主にアブラコウモリやユビナガコウモリなどの種類が住宅近辺で見られますが、その分布は地域によって特徴があります。
都市部では、主にアブラコウモリが多く見られ、建物の隙間を好みます。一方、温暖地域の郊外や農村部ではユビナガコウモリなども見られますが、基本的に洞窟のような場所を好みます。
季節による活動の変化も重要です。春は繁殖期にあたり、雌のコウモリが出産・育児に適した場所を探し始めます。夏は活動が最も活発になり、餌を求めて広範囲を飛び回ります。
秋は、冬眠に向けた準備期間です。この時期は、越冬場所を探して移動する個体が増加します。
自分でできる軒下のコウモリ対策
コウモリは鳥獣保護管理法で保護されていて、自分で勝手に捕獲・駆除することが禁止されています。自分で実施できる範囲としては追い出しか防止のみなので、もしそれで対応しきれない場合は専門家に相談しましょう。
ここでは自分でできるコウモリ対策を紹介します。
自分でコウモリ対策する手順とスケジュール
コウモリの侵入場所が分かっていて、そこからの侵入を防ぎ再発を防止するなら、まずは必要な道具と材料を準備します。基本的な道具として、忌避剤(スプレータイプ・ジェルタイプなど)、ステンレスメッシュ、シーリング材、作業用手袋、防塵マスクなどが必要です。
コウモリを中に閉じ込めてしまわないよう、作業は必ずコウモリを追い出した後の日中に行います。まず周辺に落ちている糞の清掃から始め、次に侵入経路の隙間を塞ぎます。小さな隙間であればシーリング材で封鎖し、換気口などの開口部は埋められないのでステンレスメッシュを取り付けます。その後、忌避剤を軒下全体に散布します。
作業時間は、準備と清掃を含めて2〜3時間程度と見積もっておけば良いでしょう。
どんな時に専門業者に対策を依頼するべきか
一日の糞の量が少なく、被害が軒下の一部に限られている場合は、普通の追い出し対策で十分な効果が期待できます。
一方、コウモリの被害が大規模な場合や、建物の高所での作業が必要な場合は、安全のためコウモリ駆除の専門業者へ依頼を行いましょう。特に屋根裏や天井裏にまでコウモリが侵入した形跡があれば、建物の構造を理解した上での慎重な対応が求められます。専門家は、適切な足場を組み、建材を傷めることなく、作業を進められます。
建物全体の点検と予防措置の実施も専門家に任せられます。コウモリの侵入経路は複雑で、素人目では発見が難しい場合もあります。専門業者は経験に基づいて潜在的な侵入経路を特定し、効果的な封鎖を行うことができます。
特に建物が古い場合や、過去に雨漏りなどの問題があった場合は、建物の保全も含めて見てもらうと再発防止にもつながります。
専門業者が行う対策方法を紹介
専門家による対策は、事前調査から予防措置まで、体系的に行われます。ここでは、一般的なコウモリ駆除での作業工程とその効果について説明します。
主な作業の流れ
専門業者によるコウモリ対策は、まず入念な事前調査から始まります。調査の際は赤外線カメラやファイバースコープなどの専門機器を使用することもあり、コウモリの侵入経路と活動範囲を特定します。同時に建物の構造上の特徴も確認し、最適な対策方法を検討します。
その後具体的なコウモリ対策を行うことになりますが、内容としては、清掃と消毒、侵入経路の封鎖、予防措置の設置を行います。特殊な集塵機を使用した糞の除去、業務用の消毒剤による衛生処理、耐久性の高い材料での侵入経路の封鎖などを実施することもあります。
コウモリ対策が完了したら、その対策した侵入口から再発した場合の保証が付けられます。
よくある疑問
コウモリを自分で駆除してはいけないのはなぜですか?
コウモリは鳥獣保護管理法で保護されており、正当な理由のない捕獲や、殺傷は法律違反となります。違反した場合は、1年以下の懲役、または100万円以下の罰金が科せられる可能性があります。また、許可を得て捕獲する場合でも、専門的な知識と技術が求められます。
そのため、一般家庭ではコウモリ対策は「追い出し」と「予防」が基本となります。駆除が必要な時は自分で自治体に相談して許可を得るか、駆除専門業者に依頼しましょう。
コウモリ対策は季節によって変える必要がありますか?
コウモリの行動は、季節によって大きく変化します。コウモリ対策は、この変化に対応していくことで効果を発揮しやすくなります。
春(3〜5月)は、冬眠後のコウモリが活動を始める時期です。この時期は、メスが出産・育児に適した場所を探して活発に移動します。
夏(6〜8月)は、活動が最も活発な時期です。気温が高いため、コウモリの代謝も活発になり、餌を求めて広範囲を飛び回ります。対策を行う場合は、仔コウモリへの配慮が必要です。具体的には、仔コウモリの有無を確認し、いる場合は成長を待って対策を実施します。
この時期は、忌避剤の効果が低下しやすいため、より頻繁な対策の更新が必要となります。
秋(9〜11月)は、越冬準備の時期です。新たな住処を探して移動する個体が増えるため、予防対策の強化が重要です。この時期は、コウモリの侵入を防ぐために、建物の点検と補修を入念に行う必要があります。
緊急でコウモリが室内に入ってきた場合はどうすればいいですか?
まずは慌てず、部屋の窓を大きく開けます。同時に、コウモリが外に逃げやすいよう、窓以外の出入り口は閉めます。室内の照明は消し、窓の外を明るくすることで、コウモリが出口を認識しやすくなります。エアコンや扇風機は停止し、空気の流れを最小限に抑えます。
コウモリを追い払う際は、直接触れないように気をつけましょう。万が一の接触による事故を防ぐため、厚手の手袋や布を用意します。コウモリが興奮して部屋中を飛び回るのを防ぐため、急な動きは控えましょう。
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