コウモリの鳴き声の特徴と対処法とは?自分で今すぐできる解決策も紹介

夜中に「キーキー」という鳴き声や「バサバサ」という羽音が聞こえて眠れない、換気口の周りに黒い粒のようなものが落ちているなど、コウモリらしき形跡に気付いたら対処法を考えましょう。
本記事では、まず今聞こえている音の正体を特定する方法から、具体的な対策まで、自分でできる対策を中心に紹介していきます。
今聞こえている音の正体を判断する
コウモリの鳴き声が聞こえた、と思ったらまずは今聞こえている音が本当にコウモリなのか確認しましょう。コウモリの鳴き声や音は特徴的ですが、音の聞こえ方は、場所や時間帯、建物の種類や築年数によっても大きく変わります。
どんな場所でコウモリの鳴き声がする?場所別の特徴
コウモリの音が聞こえる場所に、そもそも特徴があります。最も多いのは換気口周辺で、「バサバサ」という羽音と共に「キーキー」という鳴き声が聞こえることがあります。このような場合は、換気扇のダクトを巣として利用している可能性が考えられます。
次に多いのが屋根裏で、夜間に断続的な羽音が聞こえます。特に天井が薄い最上階の部屋では、コウモリの動きがよく伝わってきます。壁の中からも音が聞こえる場合は、壁の内部に隙間がある可能性が高いです。
また、こうして音が聞こえた場所の周辺には、発生源がコウモリであればフンが見つかります。フンは黒くて細長い形状で、乾燥していて崩れやすいのが特徴です。音が聞こえる場所の周辺を注意深く観察しましょう。
築年数や建物の種類でコウモリの鳴き声の聞こえ方が違う
コウモリの侵入しやすさや音の聞こえ方は、建物の特徴によっても大きく異なります。築20年以上の木造住宅では、経年劣化による隙間からコウモリが侵入しやすく、建材が薄いため音もよく通ります。特に瓦屋根の場合は、瓦のわずかな隙間からでも侵入可能です。
一方、新築や鉄筋コンクリート造の建物では、主に換気システムを通じた侵入が多く、音は換気口周辺でよく聞かれます。集合住宅の場合は、最上階や外壁に面した部屋で、多くの被害の報告がされています。
ベランダの天井裏やエアコンの配管周りの隙間も、コウモリの侵入経路として要注意です。コウモリは、定期的なメンテナンスが行われていない建物ほど侵入しやすい傾向にあります。
季節や時間帯による音の変化
コウモリの活動は、季節と時間帯によって大きく変化します。活動が活発なのは、4月から10月の時期です。特に7〜8月の繁殖期は、子育てのためにエサを求め、出入りが頻繁になります。活動時間のピークは、夕方の日没直後と、夜明け前の2つの時間帯です。
日没後30分程度は、巣から餌を探しに出て行く個体が多く、「バサバサ」という羽音が頻繁に聞こえます。明け方は、戻ってくる個体が集中するため、再び騒がしくなります。真夜中は、外で餌を探している時間のため、比較的静かです。
夏場は日の入りが遅いため活動開始も長くなり、冬場だと早い時間から活動を始めます。11月から3月頃までは冬眠期間です。しかし、暖かい日には活動する個体もいます。雨の日は活動が減少し、晴れた無風なら活発に動き回る傾向があります。
コウモリかネズミかを見分けるポイント
住宅で聞こえる動物の音で判別が難しいのが、コウモリとネズミの違いです。どちらも夜間に活動が増え、似たような鳴き声を出します。
コウモリかネズミかを見分けるには、音の種類、フンの特徴、活動場所など、複数の観点から総合的に判断します。
発する音の違いと判別方法
コウモリとネズミでは、発する音に明確な違いがあります。コウモリの場合の主な音は「バサバサ」という羽音で、移動時に必ず聞こえます。警戒時には「キーキー」という鳴き声を出しますが、これは断続的です。
一方ネズミは、「カリカリ」という物をかじる音が特徴的です。この音は、コウモリだと聞こえることがありません。また、ネズミは「トトトト」という走り回る足音を立てます。この音は、壁や天井裏を移動する際に聞こえ、コウモリの羽音とは明らかに異なります。
ネズミの鳴き声は「キーキー」「チューチュー」と表現されますが、コウモリより持続時間が短く、より甲高い傾向にあります。また、ネズミの音は昼夜を問わず聞こえることがありますが、コウモリの音は必ず夜間に聞かれます。
痕跡から見分ける方法
コウモリとネズミのフンは、一見似ているように見えますが、詳しく観察すると明確な違いがあります。
コウモリのフンは長さ5〜10mmの細長い円柱状で、表面はざらざらしており、乾燥のため簡単に崩れます。フンの色は黒から濃い茶色で、虫の殻が含まれているのが特徴です。また、決まった場所に集中して見られます。
一方、ネズミのフンは大きさこそ同じく5〜10mmですが、両端が丸みを帯びた楕円形で、表面はつやがあり、簡単には崩れません。色は茶色から灰色で、建物のあちこちに散らばって発見されます。
フンの場所は、コウモリの場合は主に外壁沿いや軒下に集中しますが、ネズミの場合は室内や床下など、建物内部に多く見られます。さらに、コウモリの痕跡にはかじり跡が一切ないのに対し、ネズミは配線や木材、断熱材などをかじった跡を残すことがほとんどです。
活動パターンの違い
コウモリとネズミでは、活動時間帯や行動範囲が大きく異なります。コウモリは完全な夜行性で、日中は巣で休んでいます。活動は日没後から夜明けまでに限定され、特に夕方と明け方に活発になります。行動範囲は、巣から数キロに及びますが、建物内部での移動は限定的です。
対してネズミは夜行性ですが、空腹時や外敵がいない場合、昼間も活動します。建物内をくまなく移動し、餌を求めて広い範囲を動き回ります。また、コウモリは季節による活動の変化が明確で、冬季は活動が低下しますが、ネズミは年間を通じてほぼ同じような活動量です。
巣の作り方も異なり、コウモリは天井裏や壁の上部を好みますが、ネズミは床下や壁の下部に巣を作る傾向があります。
住宅で見つけるコウモリの特徴
日本の住宅でよく見られるのは主にアブラコウモリという種類で、体長4〜6cmという小さな体格ながら、非常に賢く、人間の生活環境にうまく適応しています。
コウモリが住宅を選ぶ理由は、主に「安全性」「温度管理」「餌場への近さ」の3点です。住宅の屋根裏や壁の中は、外敵から身を守りやすく、雨風を防げる絶好の環境です。特に断熱材の入った空間は温度が安定しており、子育ての場所として使われます。
また、住宅街には街灯が多く、そこに集まる虫を餌にできます。また、住宅の換気扇から漏れる生活臭は虫を引き寄せ、エサの確保が容易です。
体が小さいアブラコウモリは、人間には気付きにくい小さな穴を見つけ、わずか2cmほどの隙間があれば侵入します。例えば、経年劣化で生じた瓦のずれ、サイディングの隙間、換気口の破損部分などです。
一度住み着いたコウモリは、その場所を記憶して毎年戻ってくる習性があるため、対策をしないまま放置すると、被害が大きくなっていく可能性があります。
自分でできるコウモリ対策と手順
コウモリは法律で保護されている動物のため、自分でできることとしては基本的に追い出しと再侵入防止となります。以下では、自分で実施できる追い出し方、侵入防止策の行い方について解説します。
コウモリの鳴き声が聞こえたらまずやるべきこと
侵入経路の特定:家を住処にしている場合、日が暮れる頃に家から_出入りする所を見られるかもしれません。日没前に建物の外周を観察し、コウモリの出入りする場所を探します。観察は3日程度は続け、すべての出入り口を把握することが重要です。
照明を設置:コウモリは夜行性なので、住処が明るくなると居心地が悪くなり移動を考えます。侵入口が見つかったら、付近に照明を設置するのも一時的な対策として有効です。
忌避剤の設置:忌避剤は出入り口付近に設置し、2〜3日様子をみます。忌避剤の内容によっては効く個体と効かない個体が出たりするので、効き具合は観察します。この間、フンの量や騒音の変化を記録しておくと、効果の判断に役立ちます。
コウモリ追い出し後の侵入防止対策
コウモリが外出したことを確認してから、侵入防止対策を実施します。防獣ネットは、目の細かい(1.5cm以下)ものを選び、金具でしっかりと固定します。換気口カバーを設置する場合は、通気性を確保しながら、隙間なく取り付けることが重要です。
壁のひびや隙間はコーキング材で埋めることができますが、必ず外側から施工します。内側から塞ぐと、コウモリを閉じ込めてしまう危険があります。また、防鳥ネットを建物全体に設置する方法もありますが、慣れない人が行うと隙間ができる可能性があるほか危険性もあるので、業者への依頼を推奨します。
コウモリ予防のための定期点検ポイント
コウモリの鳴き声を2度と家で聞かないためには、年2回(春と秋)の建物点検が効果的です。特に注意すべき場所は、屋根と外壁の接合部、換気口周り、破風板の付け根、雨樋周辺です。これらの場所に2cm以上の隙間を見つけた場合は、早めに補修します。
また、LED照明や防虫網戸の設置も、虫を寄せ付けにくくする効果があります。日常的な予防としては、換気口のフィルター清掃や、外壁の定期的な点検が重要です。コウモリのフンを見つけた場合は、必ずマスクと手袋を着用して清掃し、飛び散らないよう水で湿らせながら除去します。
予防対策は、建物の維持管理としても有効なので、定期的に実施しましょう。
確実な解決のために
コウモリの問題は、早期発見と適切な対策で十分に解決可能です。焦って早急な対策をとるのではなく、コウモリの行動をよく理解してから対策を始めることで、一般家庭でも対応可能です。
なお、以下のような場合は、専門家への相談を検討しましょう。
- 複数の侵入経路が見つかった場合 /li>
- 自力での対策後も改善が見られない場合/li>
- 建物の構造上、作業が困難な場所がある場合/li>
- 天井裏などに大量のフンが堆積している場合
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