ペットボトルで簡単トラップ!安く蜂駆除するための手作り方法も紹介

春から初夏にかけて、蜂を見かけることが増えてきます。特に3月から5月は、女王蜂が新しい巣を作るために活発に活動する時期です。
この時期に庭や軒先で蜂を見かけたら、すぐに適切な対策を取ることで夏以降の蜂被害を防げます。家庭でできる効果的な対策の一つが、ペットボトルを使った蜂トラップです。この記事では、安全に自分で作れる蜂トラップの作り方と、正しい使い方を解説します。
ペットボトルトラップのメリット3選
蜂の対策には様々な方法がありますが、ペットボトルトラップには3つの大きな良さがあります。簡単で安く、家庭で気軽に取り組める対策方法です。
初期費用1000円以下で始められる価格の安さ
ペットボトルトラップの材料は、ほとんどが家庭にある物を使うことができます。新しく購入が必要な物があっても、1000円もあれば準備できます。市販の蜂トラップは1個2000円前後するため、節約になります。
誘引剤には家庭にある調味料や飲み物が使えるので、続けやすいのも魅力です。庭が広い場合など、複数のトラップを置きたいときでも、費用を抑えながら対策できます。
女王蜂を捕獲して被害を未然に防止
春先に単独で飛んでいる蜂の多くは、新しい巣を作ろうとしている女王蜂です。この時期にトラップを設置することで、効率よく女王蜂を捕獲できます。
また、一度蜂が巣を作った場所には、翌年も蜂が来やすい傾向があるため、前年に蜂が来た場所には早めにトラップを設置するのが効果的です。
専門知識不要で安全に取り組める手軽さ
ペットボトルトラップは、誰でも簡単に作ることができます。ペットボトルに数カ所の切れ込みを入れ、誘引剤を入れるだけです。トラップの中に入った蜂は外に出てくることがほとんどないため、安全性も高いのが魅力です。
設置や回収は、蜂が活動していない夜間や早朝に行えば、刺される心配もありません。慣れない人でも、無理なく取り組める対策方法といえます。
ペットボトル蜂トラップの作り方
STEP1:必要な材料と道具を準備する
トラップ作りで最も重要なのが、適切な材料と道具の準備です。まず凹凸の少ない、ツルッとした表面の2リットルペットボトルを用意します。凸凹の少ないものを使うことで、蜂がボトルの内側を這い上がりにくくなります。
道具は、カッター、定規、油性マジック、そして計量カップがあると便利です。吊り下げ用の紐は、耐久性のある太めの紐か針金を用意します。
また、誘引剤の材料として、酒(焼酎か日本酒)、砂糖、酢を準備します。材料は新鮮なものを使うと、より効果を発揮します。
STEP2:ペットボトルを加工する
まず、キャップから2~3センチ下の位置に、2センチ四方の切り込みを4か所入れます。切り込みは「H」の形にし、上部を外側に、下部を内側に折り曲げます。
この形状が重要で、外側に折った上部は雨除けになり、内側に折った下部は蜂が外に出られないようにする仕組みになります。切り込みの大きさは必ず定規で測り、2センチ以上大きくならないよう注意します。大きすぎると蜂が逃げ出してしまう可能性があるためです。
それからペットボトルの中央部分に小さな穴を1つ開けます。これは雨水が溜まった時の排水口として機能します。排水口があることで、誘引剤が薄まりすぎるのを防げます。
STEP3:誘引剤を調合する
誘引剤は以下の基本の配合をベースに、家にあるものでレシピを調整しながら作ります。
【基本の配合】
- 酒300ml
- 酢100ml
- 砂糖125g
この基本の配合で、甘みと発酵臭が蜂を誘き寄せます。酢を入れることで、ミツバチを寄せ付けない効果も期待できます。
焼酎250mlとオレンジジュース250mlを混ぜる方法もあります。また、ブドウ風味の乳酸菌飲料180mlと水120mlの組み合わせも効果的です。
地域や季節によって効果に差が出るため、可能であれば複数の配合を試してみると良いでしょう。
誘引剤は時間とともに発酵が進みますが、2週間程度で効果が弱まってくるため定期的に交換します。
STEP4:トラップを完成・設置する
調合した誘引剤をペットボトルに入れていきます。誘引剤の量は、ペットボトルの容量の4分の1程度が目安です。入れすぎると蜂が溺れにくくなり、少なすぎると誘引効果が弱くなってしまいます。
トラップを吊るすための紐は、キャップの下にしっかりと巻きつけて固定します。結び目を二重にするなど、落下防止の工夫をしましょう。雨風で落ちない程度にしっかりと固定します。
最後に、人が誤って触れることを防ぐため、油性マジックで「蜂トラップ」と大きく書いておきます。設置日も記入しておくと、交換時期の管理がしやすくなります。
蜂トラップ設置のポイント
トラップの効果は、設置場所で大きく変わります。ここでは効果的な設置方法と、安全に使用するための重要なポイントを説明します。
トラップの取り付け位置は地上2m以上
トラップは必ず地上から2メートル以上の高さに設置します。高い位置に設置することで、子どもやペットが触れない安全な高さを保てます。さらに蜂は上空を飛ぶ習性があるため、高い位置の方が捕獲効率が良くなります。
誘引効果の高い日陰や植物周辺がおすすめ
設置場所は、直射日光の当たらない日陰を選びます。日光が強すぎると誘引剤が早く蒸発してしまい、効果が落ちるためです。
蜂は木々や花の周りを飛ぶ習性があるため、庭木の近くや植え込みの周辺が効果的です。特に、蜂が好む果樹や花の近くは、女王蜂が巣作りの場所を探して頻繁に訪れます。
ただし、間違ってぶつかるなど蜂トラップが思わぬ事故の原因になるのを防ぐため、人がよく通る場所は避け、建物からも2メートル以上離して設置します。
以前に蜂の巣があった場所の近くも効果的です。
6月以降は必ず撤去する
6月以降になると、蜂の生態が大きく変化します。この時期、女王蜂は巣の中で産卵に専念し、代わりに働き蜂が活発に活動を始めます。働き蜂は女王蜂と違い、集団で行動する習性があります。
トラップを設置したままにしていると、多数の働き蜂を誘引してしまい、かえって危険な状況を作り出してしまいます。そのため、5月末までには必ずトラップを撤去します。撤去する際も、夜間か早朝に行い、蜂の活動が活発な日中は避けます。
なお、撤去したトラップはしっかり洗って保管しておくと、翌年また使えます。
安全な管理と処分方法
トラップ内の蜂の死骸を処理する際は、細心の注意が必要です。見た目は死んでいても、完全に動きが止まっていない場合があります。また、死んでいる蜂でも毒針で刺される可能性があります。
処理は必ず手袋を着用して行います。トラップ内の蜂を直接触らず、誘引剤ごと新しい容器に移し替えます。その後、死骸が浮いてきたところを、箸やピンセットなどの道具を使って取り除きます。
蜂の死骸は新聞紙で包み、可燃ゴミとして処分します。この際、死骸や毒針が散らばらないよう、しっかりとビニール袋に入れてから捨てます。
専門家への相談が必要なケース
ペットボトルトラップは春先の予防対策として効果的ですが、状況によっては専門家への相談が必要です。以下のようなケースでは、自力での対応は避け、専門家に任せましょう。
すでに蜂の巣が作られている
蜂の巣を発見した場合、大きさにかかわらず自力での駆除は避けるのが無難です。蜂の巣には多数の働き蜂がいて、刺激を与えると集団で攻撃してくる習性があります。
巣を発見したときは、まず周囲の人に知らせ、近づかないよう注意を促します。その場所が人通りの多いところであれば、張り紙をして注意喚起をします。特に夏以降は蜂の攻撃性が高まっているため、速やかに専門家に連絡しましょう。
また、巣を見つけたらその場所を写真に撮っておくと専門家への相談がスムーズです。
高所での作業が必要
軒下や高木など、はしごを使わないと届かない場所での作業は避け、専門業者の技術と適切な安全器具に頼るのがおすすめです。
足場が不安定な状態での作業は、転落事故の危険があります。また、高所では蜂に襲われた際の避難が難しくリスクがあります。
なお、マンションのベランダや軒下に巣を見つけた場合は、まず管理会社や自治会に相談するのが良いでしょう。
複数の蜂が頻繁に飛来している
同じ場所に複数の蜂が行き来している場合、近くに巣がある可能性があります。蜂は巣から半径2キロメートルほどの範囲で活動するため、巣の場所を特定するのは簡単ではありません。
このような状況では、まず蜂の種類と飛行方向を確認します。蜂が複数で飛んでいる場所を見つけたら、その周辺への立ち入りを控えます。専門家は蜂の行動パターンから巣の場所を特定する技術を持っているため、早めの相談をしておくと事故防止に役立ちます。
よくある質問
Q. トラップに反応がない場合の対処法は?
トラップに蜂が寄ってこない場合、まず設置場所を見直します。蜂の活動が見られる場所から、少し離れた日陰に移動させると効果が出やすくなります。
誘引剤の種類を変えることも効果的です。地域や気候によって、蜂の反応は変わってきます。最初の配合で効果が見られない場合は、別の配合を試してみましょう。
例えば甘みの強い誘引剤を使っているなら、発酵系の誘引剤に変更してみて様子を見て、それでも効果がない場合は設置場所を変えてみましょう。ただし、周辺で蜂の姿が全く見られない場合は、その地域に蜂がいない可能性もあります。
Q. 市販のトラップとの使い分けは?
市販のトラップは、誘引効果が確実で、耐久性も高いという特徴があります。特に蜂の対策が初めての方は、市販品で効果を確認してから、同じ場所に手作りトラップを追加していくと良いでしょう。
また、市販品と自作のトラップを組み合わせることで、より広い範囲をカバーすることができます。ただし、複数のトラップを設置する場合は、それぞれ3メートル以上離すことをおすすめします。近すぎると効果が分散してしまう可能性があるためです。
Related Articles
関連コラム
-
家の中に蜂が入ってきた!蜂が家に侵入したときの対処法と予防策を解説
- ハチ
安全なはずの家の中に、蜂がいたら恐ろしく思って慌てるのも無理はありません。どこから入ってきたのか、な...
-
ハチみたいな虫?それともハチ?怖そうな虫がいたときの対処マニュアル
- その他害虫
身近な自然界にはハチによく似た生物が存在し、見間違える人も少なくありません。 しかし、そのほとんどは...
-
大阪府の蜂駆除完全ガイド|自分でできる対処から業者依頼まで
- ハチ
大阪府で蜂の巣を発見した際、どう対処すればいいでしょうか。 身近な場所で蜂や蜂の巣を見つけると不安に...
-
エアコン室外機に蜂の巣が!自分でできる対処法と専門業者への依頼がおすすめな理由を紹介
- ハチ
蜂はエアコンの室外機の中に酢を作ることがあります。エアコンの室外機周辺で蜂を見かけたら要注意です。室...