蜂が怖い!寄ってくる原因と刺されないための対処法

蜂に対する恐怖心は多くの人が持っています。突然蜂が出てきたら、驚いておそろしく思うのも当然です。しかし、正しい知識を持っていれば慌てず対処できます。
この記事では、蜂の生態や行動パターンを理解し、安全に対応するための方法を解説します。
なぜ蜂は人を襲うのか?
蜂が人を襲うとき、それには必ず理由があります。蜂は基本的に攻撃的な生き物ではありません。人間が蜂の生活圏を侵したり、巣を脅かしたりすると、自己防衛のために攻撃してくるのです。
多くの人は「蜂は突然襲ってくる」と思い込んでいますが、実際には警告行動を取ってから攻撃を開始します。蜂の警告行動を理解し、適切に対応することで、蜂に刺されるリスクを大幅に減らすことができます。
蜂が攻撃的になる3つの理由
蜂が攻撃的になる主な理由は以下の3つです。
1つ目は巣の防衛です。巣の周辺で人が動き回ったり、振動を与えたりすると、蜂は巣が危険にさらされていると判断して攻撃的になります。例えばスズメバチは、夏から秋にかけては巣に幼虫がいる時期のため、より警戒心が強くなります。
2つ目は個体の防衛です。蜂は体に触れられたり、急な動きで驚いたりすると、身を守るために刺すことがあります。
3つ目は誤認です。人の動きや匂い、服装によって、蜂が天敵と誤認識してしまうことがあります。特に黒い服装や、汗の匂い、急な動きは敵を連想させ、攻撃の引き金になりやすいのです。
蜂を刺激してしまう3つの行動
人間のどのような行動が蜂を刺激するのか、具体例を見ていきましょう。
①草刈りや庭の手入れ
振動や音が蜂を刺激します。特に機械を使用する作業は要注意です。振動は巣への攻撃と認識される可能性があります。
②急な動きや手払い
蜂が近づいてきたときに手で払おうとする行為は、攻撃と受け取られかねません。また、走って逃げる行動も追跡本能を刺激します。
③強い香りをつける
汗の匂いや香水、整髪料などの人工的な香りは、蜂を興奮させる原因となります。特に花の香りの製品は蜂を引き寄せやすいので注意が必要です。
危険度で見分ける!身近な蜂の種類と特徴
私たちの身の回りには様々な種類の蜂が生息しています。蜂の種類によって危険度や性質が大きく異なるため、見分け方と特徴を知っておくことが重要です。
特に注意しておきたいのは、スズメバチ、アシナガバチ、ミツバチの3種類です。これらの蜂は防衛本能が強く、刺すことで身を守る習性があります。
スズメバチ
スズメバチは日本に生息する蜂の中で最も警戒が必要な種類です。体長2〜4cm程度と大型で、黒と黄色の縞模様が特徴的です。攻撃性が高く、毒性も強いため、刺されると重症化する可能性があります。
巣は木の枝や軒下、時には地中にも作られ、初夏から秋にかけて活発に活動します。警戒範囲が広く、巣から数メートル離れた場所でも攻撃してくることがあります。
巣を守る習性が強く、一度攻撃態勢に入ると、フェロモンで仲間を呼び寄せ集団で攻撃します。
アシナガバチ
アシナガバチはその名の通り、長い脚が特徴的な蜂です。体長は1.5〜2cm程度で、スズメバチより小型です。黒と黄色の縞模様があり、スズメバチと似ていますが、より細長い体型をしています。
スズメバチと比べると攻撃性は低く、巣から離れた場所では人を襲うことはほとんどありません。しかし、巣の近くで刺激を与えると攻撃してくることがあります。
軒下や庭の植物の茂みなどに巣を作る習性があり、人の生活圏内でよく見かけます。巣は比較的小さく、数十匹程度の群れで生活しています。
巣の形状は六角形の巣穴が露出した傘状で、シャワーヘッドのようだとも言われます。スズメバチの球状の巣とは明確に異なる外見です。
ミツバチ
ミツバチは養蜂で飼育されていることが多く、基本的に攻撃性は低い種類です。体長は1〜1.5cm程度で、茶色がかった体色が特徴です。花から花へと飛び回り、花粉を集める姿がよく見られます。
ミツバチは基本的に人を攻撃することは少なく、花の蜜を集めることに専念しています。しかし、巣を守る本能は持っており、巣の近くで刺激を与えると群れで攻撃してくることがあります。
一度刺すと蜂自身が死んでしまうため、本当に危険を感じた時にのみ刺してきます。また、刺された場所にフェロモンが残り、他のミツバチを呼び寄せる可能性があるため、刺された場合はその場所から速やかに離れる必要があります。
蜂に遭遇したときの正しい対処法
蜂に遭遇した際は、パニックにならずに冷静に対処することが重要です。蜂は一般的に人を襲うことは少なく、多くの場合巣を守るために攻撃してきます。
突然の動きや大きな音は蜂を刺激する原因となるため、慌てて逃げたり手で払ったりするのは避けましょう。まずは姿勢を低くし、ゆっくりとその場を離れることが安全な対処法となります。
蜂に襲われそうな状況では、上着やタオルで頭部を保護し、目を守るのを優先しましょう。
とっさの場面での安全な行動手順
蜂に遭遇して攻撃されそうだと思ったら、慌てず次のことを順番にこなしていきましょう。
まずその場で立ち止まり、急な動きは避けます。次に、しゃがんでできるだけ低い姿勢を取り、頭部を保護します。蜂は横の急な動きに敏感なので、まず蜂の視界から外れた上で、逃げていくのです。
蜂が近くを飛んでいる場合は、ゆっくりとした動きで後ずさりしながら、その場から離れましょう。走って逃げると、蜂の追跡本能を刺激してしまう可能性があります。また、大きな声を出したり、腕を振り回したりすることも避けてください。
もし室内に蜂が入ってきた場合は、窓を開けて自然に外へ出ていくのを待つのが最も安全な方法です。部屋が明るい場合は電気を消し、窓の光の方へいきやすいよう誘導するとさらに良いでしょう。
蜂を寄せ付けない!環境づくりのポイント
家周辺で蜂に遭わないようにするためには、蜂が来ない仕組みを作っておきましょう。
特に甘い香りのする植物や、腐った果物などは蜂を引き寄せる原因となります。また、蜂が巣を作りやすいような場所のチェックや、不要な物の片付けなども効果的な予防策となります。
巣を作られやすい場所のチェック方法
蜂の巣は、家屋の軒下や庇、屋根裏、物置、樹木の枝など、様々な場所に作られます。こうした場所を定期的にチェックするだけで、早期発見につながるほか、蜂が人の気配を感じて巣を作らなくなることも狙えます。
春先は女王蜂が単独で巣作りを始める時期なので、この時期の点検が特に重要です。
効果的な予防対策と注意点
蜂を寄せ付けないために、庭やベランダの清掃、不要物の撤去などを定期的に行いましょう。
防虫ネットの設置や、蜂が嫌がる香りのする植物(ユーカリやラベンダーなど)を植えることも効果的です。
ただし、一度巣を作られた場所には再び巣を作られやすいので、跡地の清掃と再発防止策を講じることが重要です。
専門家に相談すべき状況の見極め方
蜂の巣を発見した場合、その状況によって自力での対処が危険な場合があります。特にスズメバチの巣は絶対に素人判断での駆除は避け、専門家に依頼すべきです。
また、巣の位置が高所にある場合や、巣が大きい場合、複数の蜂が飛び回っている場合なども、自分でやると怪我をする恐れがあるので専門業者を呼んだほうが安全です。
専門家への相談のタイミングとしては、何匹かの蜂を見かけた時点、あるいは巣を見つけた時点が適切です。巣が大きくなるにつれて駆除も困難になり、費用も高額になる傾向があります。また、アレルギー体質の方がいる家庭では、特に早めの対応が重要です。
よくある質問
Q. 蜂は人に執着して追いかけてくるの?
蜂は基本的に通りすがりの人を執着して追いかけることはありません。ただし、巣を守るために攻撃的になることはあります。
蜂が追いかけてくるように感じるのは、多くの場合、人の行動が蜂を刺激してしまっているためです。急な動きや大きな音、強い香りなどが蜂を刺激する原因となります。
特にスズメバチは巣を守る本能が強く、巣の周辺では警戒行動をとります。巣から離れた場所では、人を追いかけることはほとんどありません。ただし、一度攻撃態勢に入った蜂は、数十メートルにわたって追跡してくることもあるため、そのような場合は姿勢を低くし、ゆっくりとその場を離れることが重要です。
Q. 蜂の巣を自分で駆除してもいい?
蜂の巣の自力駆除は危険を伴います。特にスズメバチは攻撃性も毒性も強いため、スズメバチの巣は素人判断での駆除は避けるべきです。
蜂は巣を守るために集団で攻撃してくることがあり、命に関わる危険性があります。また、もし不適切な駆除方法をしてしまったら、かえって蜂を刺激し、周囲への被害を拡大させる可能性があります。
Q. 蜂アレルギーかどうかわからないときは?
蜂アレルギーの有無は、医療機関での検査で確認することができます。特に過去に蜂に刺されて強い反応が出た経験がある方は、検査を受けることをおすすめします。アレルギー反応は、2回目以降の刺傷でより強く現れる可能性があるので油断は禁物です。
蜂アレルギーの症状には、軽度な場合の局所的な腫れや痒みから、重度な場合のアナフィラキシーショックまで様々です。アナフィラキシーは生命に関わる重篤な症状を引き起こす可能性があります。
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