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シロアリ業者の選び方|自己診断から依頼まで完全ガイド

  • シロアリ
2025.03.22

シロアリ被害は一戸建て住宅の寿命に大きく影響する問題です。適切な対策を講じるためには、まず被害状況を正確に把握し、信頼できる業者を選ぶことが重要です。

本記事では、まず自分でできる被害の確認方法から、信頼できる業者の見分け方、適切な工事依頼のタイミングまで、具体的に解説していきます。

まずは自己診断!本当にシロアリなのか確認しよう

シロアリ業者に依頼する前に、まずは自分で被害の状況を確認してみましょう。急いで業者を呼んでしまうと、不要な工事を勧められたり、高額な見積もりを提示されたりするリスクがあります。まずは以下のポイントに注目して、自宅の状況を確認しましょう。

羽アリの特徴と見分け方

シロアリの羽アリは体長5-7mmで黒や茶褐色をしており、前後の羽の大きさが同じという特徴があります。一般的なアリの羽アリとの違いは、前羽が後羽より大きく、腹部と胸部の境目が細くなっている点です。

シロアリの触角はまっすぐで数珠状ですが、アリの触角は折れ曲がっています。ハチの場合は体が黄色と黒の縞模様で、羽は透明感があり、お腹の部分が細くなっているのが特徴です。

発生時期も重要な判断材料です。シロアリの羽アリは主に春から初夏の気温が20度を超える夕方に見られます。一方、アリの羽アリは夏から秋にかけて発生することがほとんどです。

被害箇所の特徴と確認方法

シロアリ被害の典型的な症状として、まず木材の空洞化が挙げられます。健全な木材では固い音がしますが、被害を受けた木材は空洞のような響きがします。これはアリの食害によるものです。

床のたわみや沈み込みも重要なサインです。歩いた時にきしむ音がする、家具が傾く、床に違和感があるなどの症状がある場合は、床下の木材が劣化している可能性があります。

壁のへこみや変形も注意が必要です。シロアリは壁の中の木材も食害するため、壁紙にシワが寄る、壁がへこむといった症状が出ることがあります。

木材の表面に細かい穴が開いている場合も、シロアリ被害の可能性があります。穴の周りには、木くずのような粉が落ちていることもあります。

水回り近くの木材は特に注意が必要です。キッチンや浴室、洗面所など、水を使用する場所の周辺は湿気が多くなりやすく、シロアリの被害を受けやすい場所です。床下点検口から床下を確認する際は、これらの場所を重点的にチェックしましょう。

木材表面に泥のような物質が付着している場合も要注意です。シロアリは土と唾液を混ぜた蟻道と呼ばれる通路を作ります。この蟻道が見つかった場合は、活動中のシロアリがいる可能性が高いと考えられます。

シロアリ以外の可能性と判別のポイント

シロアリに似た被害を引き起こす害虫として、キクイムシやカミキリムシなどの木材害虫が挙げられます。キクイムシの場合、木材表面に直径1-2mm程度の小さな穴が開き、その周りに細かな木くずが積もっているのが特徴です。

カミキリムシの幼虫による被害は、木材に大きな穴が開くのが特徴です。シロアリの場合は表面からは被害がわかりにくく、内部が空洞化していることが多いです。

木材腐朽菌による腐朽も、シロアリ被害と間違えやすい症状です。腐朽の場合、木材が変色し、触ると柔らかくなっているのが特徴です。湿気による劣化の場合は木材全体が湿っぽく、カビが生えていることもあります。

シロアリ駆除業者を選ぶ前に知っておくべき5つの基準

シロアリ駆除業者を選ぶ際は、5つの重要な基準があります。これらの基準を満たす業者を選べば、思わぬトラブルを避けて安心して任せることができるでしょう。

必ず確認!日本しろあり対策協会の加盟状況

シロアリ駆除業者を選ぶ際、最も重要なポイントの一つが日本しろあり対策協会への加盟状況です。

日本しろあり対策協会は、国土交通省の許可を得て設立された公益社団法人で、シロアリ防除に関する技術指導や資格認定を行っている団体です。加盟業者は、協会が定める技術基準や安全基準を遵守する必要があり、定期的な研修や技術講習も受けています。

そのため、加盟業者は一定以上の技術力と信頼性を持っていると判断できます。加盟の有無は、協会のウェブサイトで公開されている会員名簿で確認できるほか、多くの加盟業者は自社のウェブサイトで加盟を明記しています。

協会は安全性の確認された薬剤のみを認定していて、加盟業者はそれらの薬剤を使用することが義務付けられています。また、定期的な技術指導により、最新の防除技術や安全管理手法を習得していることも特徴です。加盟業者は協会の定める料金ガイドラインに従うため、適正な価格での見積もりが期待できます。

加盟業者を選ぶことで、過度に安価な料金設定や、不要な追加工事を勧めるような悪質な商法は避けられます。万が一トラブルが発生した場合も、協会を通じた解決が期待できます。

料金体系の透明性と見積もりの詳細度

信頼できる業者は必ず透明性の高い料金体系と、詳細な見積もりを提示してくれます。

一般的なシロアリ駆除の料金は、床面積(平米または坪)に単価を掛けた金額が基本となります。この基本料金に加えて、必要に応じて追加される工事や、オプションサービスがある場合は、それぞれの内容と金額が個別に記載されているのが通常です。

見積もりに含まれる内容として、事前調査費、薬剤費、施工費、保証料などがあります。

特に重要なのは、追加料金が発生する可能性のある条件が明記されていることです。例えば、床下点検口の新設が必要な場合や、被害が想定以上に広がっていた場合などの追加工事の可能性と、その場合の概算金額も事前に確認できることが望ましいです。

保証内容と期間も料金に関わる重要な要素です。一般的な保証期間は5年ですが、業者によって保証内容や条件が異なります。再発時の無料施工の有無や、定期点検の回数なども確認しておきましょう。

施工実績と口コミの多さ

シロアリ駆除業者の信頼性を判断するために、業者のウェブサイトで公開されている施工実績を確認しましょう。

実績数だけでなく、具体的な施工事例や、before/after写真が掲載されているとなお良いでしょう。

ただし、ウェブサイトの情報は業者が作成したものなので、時間があれば外部の口コミサイトやSNSでの評価も確認しましょう。実際に工事を依頼した人の生の声を読むことができ、業者の対応の良し悪しや、施工品質、アフターフォローの状況などを知ることができます。

施工実績や口コミの中では、特に工事の丁寧さ、説明の分かりやすさ、価格の適正さ、アフターフォローの質などに注目してみましょう。

保証内容とアフターケアの充実度

一般的な保証期間は5年ですが、業者によって保証内容や条件が大きく異なることがあります。保証期間、保証の対象範囲、保証適用の条件、再発時の対応方法などが明確か確認しましょう。

特に、再発時の無料施工の有無や、建物被害が発生した場合の補償範囲について、しっかりと確認します。

使用する薬剤と工法の安全性

シロアリ駆除に使用される薬剤と工法の安全性は、人体への影響や家の周辺環境への配慮の観点から非常に重要です。信頼できる業者は、使用する薬剤の種類や特性、安全性について詳しく説明してくれます。

薬剤については、日本しろあり対策協会が認定した安全性の確認された薬剤を使用しているかを確認します。

工法としては、主にバリア工法とベイト工法の2種類があります。バリア工法は薬剤を土壌や木材に直接散布する方法で、即効性があります。一方、ベイト工法は餌となる木材に薬剤を含ませ、シロアリの習性を利用して巣ごと駆除する方法です。それぞれの工法の特徴と、自宅の状況に適した方法を説明してくれる業者を選びましょう。

特に、小さな子どもやペットがいる家庭では、薬剤の安全性と使用後の注意点について、しっかり状況を伝えた上で確認が必要です。

企業規模で見るシロアリ駆除業者の特徴

シロアリ駆除業者は、企業規模によってそれぞれ異なる特徴があります。大手企業、ホームセンター、地域密着型の中小企業など、それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、自分のニーズに合った業者を選ぶことが重要です。

業者の種類料金帯 (30坪)メリットデメリットアフターケア
大手企業30-50万円・豊富な施工実績・安定した技術力・充実した保証・料金が高め・融通が利きにくい全国対応の保証制度定期点検付き
ホームセンター20-30万円・手頃な価格・相談がしやすい・ポイント特典・品質にばらつき・提携業者任せ地域限定の保証店舗での受付
地域密着型15-25万円・きめ細かな対応・地域特性を熟知・融通が利く・対応力に限界・保証体制が弱い同一担当者による継続的なケア

企業規模による違いは、料金設定やサービス内容、対応の柔軟性などに表れます。料金は一般的に、大手企業が最も高く、次いでホームセンター、地域密着型の中小企業の順となります。

サービス内容については、大手企業は標準化された高品質なサービスを提供する一方、地域密着型の中小企業は、個々の状況に応じた柔軟な対応が可能です。

大手のシロアリ駆除業者の特徴

大手の駆除業者は、全国規模で事業を展開し、豊富な施工実績と確立された技術力を持つことが特徴です。

一般的に、施工品質は安定しており、アフターケアも充実しています。技術者の教育体制が整っており、最新の技術や工法を導入する余裕があるため、高度な施工にも対応可能です。また、大規模な保証体制を持っているため、長期的な安心感があります。

一方で、料金は比較的高額になりがちで、対応の柔軟性には欠ける場合があります。マニュアル化された対応が基本となるため、個別の状況に応じた臨機応変な対応が難しいこともあります。

大手業者の特徴として、複数の工事を同時に提案できる総合的なサービス体制を持っていることも多く、シロアリ駆除以外の建物メンテナンスも一括で依頼できる利点があります。

ホームセンターなどの店舗によるシロアリ駆除の特徴

ホームセンターなどの店舗型の駆除サービスは、利便性の高さと比較的手頃な料金が特徴です。

日常的に利用する店舗で相談や依頼ができ、シロアリ駆除に関する製品や道具も同時に購入できます。また、ポイントカードなどの特典が使える場合もあります。

しかし、実際の施工は提携業者に委託することが多く、品質や金額については一様には言えません。施工を行う業者の選定基準や技術力の確認が難しい点は、デメリットと言えます。

ホームセンターのシロアリ駆除サービスは料金体系が明確で分かりやすい反面、個別の状況に応じた柔軟な対応が難しい場合があります。アフターフォローの体制も業者によって異なるため、事前の確認が必要です。

地域密着型の中小企業によるシロアリ駆除の特徴

地域密着型の中小企業は、地域特性を熟知した細やかなサービスと、柔軟な対応が特徴です。

地域の建築傾向や気候条件を熟知しているため、地元で効果を発揮している駆除方法を提案できます。また、大手企業に比べて料金が比較的安価で、状況に応じた柔軟な価格設定も可能です。

ただし企業規模が小さいため、対応が遅れる可能性もあります。地域密着型の企業の強みは、顧客との密接な関係構築にあります。地域での評判や過去の実績、技術者の資格保有状況などを確認することが重要です。

要注意!悪質業者の見分け方と対処法

シロアリ駆除業界には悪質な業者もいます。運悪く依頼することになり、実際の支払い金額よりも低価格の見積りや不必要な工事を勧められるなどのトラブルが後を絶ちません。

そんな悪質業者を見分けるには、いくつかのポイントがあります。まず第一に、業者からの一方的な営業電話や突然の訪問販売は要注意です。信頼できる業者は、顧客からの依頼を待つのが基本姿勢です。ありもしないシロアリ被害をでっち上げるなんて話もきかないわけではありません。

次に、「今すぐ駆除が必要」と過度に焦らせる営業トークにも要注意です。シロアリ被害は確かに早期発見・早期対処が望ましいものの、1日でも早い方がいいというほど緊急性の高いジャンルではありません。その日のうちに契約を迫るような業者は避けるべきです。

見積書を提示せずに口頭だけで金額を提示する業者も危険信号です。必ず詳細な見積書の提出を求め、作業内容や料金の内訳を確認しましょう。見積書には使用する薬剤の種類や施工方法、保証内容なども明記されているべきです。

極端に安価な見積りを出す業者にも注意が必要です。業界の相場を把握し、あまりにも安い見積りには警戒心を持つことが大切です。

シロアリ駆除に便乗して、本来不要な工事やサービスを勧められたら、用心しておきましょう。特に多いのが床下換気扇の設置や床下調湿工事、防腐剤の塗布などです。確かにこれらの工事が必要になる場合もありますが、状況によっては不要なものも多いものです。追加工事を提案された場合は、本当に必要なのかをしっかり聞き取り、相見積もりの際も必要性を各社に確認するなど、慎重に判断しましょう。

シロアリ駆除の料金相場と費用の内訳

シロアリ駆除の料金は、施工面積や建物の状態、選択する工法などによって変動します。一般的な相場は1平米あたり2,000円から3,000円程度で、これに施工面積を掛けた金額が基本料金となります。

ただし、建物の構造や被害状況によって追加費用が発生する可能性があります。たとえば、床下空間が狭い場合や、床下点検口の新設が必要な場合は、別途費用が必要になることがあります。

シロアリの被害が広範囲に及んでいる場合は、より多くの薬剤や作業時間が必要になるため、費用が増加する可能性があります。さらに、選択する工法によっても費用は変わってきます。一般的なベイト工法は初期費用が高めですが、効果は確実です。

一方、液剤を散布するバリア工法は比較的安価ですが、定期的なメンテナンスが必要になる場合があります。

<追加工事の金額の目安>

追加工事の種類費用目安必要となる状況
床下点検口新設3-5万円床下点検口がない場合
床下湿気対策5-10万円湿気が著しく高い場合
構造材の補強・交換10-30万円被害が構造材に及ぶ場合
水漏れ修繕5-15万円水回りに問題がある場合

シロアリ駆除の工法と選び方

シロアリ駆除の主な工法には、バリア工法とベイト工法の2種類があります。

バリア工法は、床下や建物周囲に薬剤を散布してシロアリの侵入を防ぐ方法です。即効性があり、比較的低コストで実施できますが、5年程度で効果が低下します。費用は1平米あたり2,000円から3,000円程度です。

一方、ベイト工法は、特殊な餌付き薬剤を設置してシロアリの群れごと駆除する方法です。効果は確実ですが、初期費用が高めで、効果が表れるまでに時間がかかる特徴があります。費用は1平米あたり3,000円から5,000円程度です。

工法の種類バリア工法ベイト工法
特徴薬剤散布による予防と駆除餌付き薬剤で巣ごと駆除
初期費用20-30万円30-50万円
効果即効性あり1-3ヶ月で効果発現
持続期間約5年5-7年
向いている場合・早急な対応が必要・予防重視・コスト重視・確実な駆除希望・再発防止重視・長期的視点

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