害虫・害獣  に困ったら「害虫害獣コンシェルジュ」

ベランダのコウモリ対策完全ガイド│フン被害から身を守る方法とは

  • コウモリ
2025.03.27

ベランダでコウモリのフンを見つけると不安になることもあるでしょう。コウモリはただの不快害虫ではなく、感染症を媒介する可能性のある生き物なので、無理もありません。

この記事では、コウモリのベランダ対策について、そもそもコウモリを寄り付かせない方法から、フン被害の対策方法まで詳しく紹介します。

ベランダにコウモリが来る原因と危険性

コウモリがベランダに住み着く主な理由は、物干し竿やハンガーなどぶら下がりやすい構造物があり、室外機からの暖かい空気があるためです。また、ベランダの屋根が雨風を防ぎ、外敵から身を守る隠れ家として最適な環境となっています。特に換気扇やエアコンの配管周り、ベランダの隅など、暗くて狭い場所を好んで利用します。

そして一度住み着くと、フンや騒音による被害が深刻化していきます。コウモリは1日に体重の65%以上の昆虫を捕食し、その分のフンを排出します。そのため、短期間でベランダが汚れ、悪臭の原因となってしまいます。

なぜベランダにコウモリが住み着くのか

コウモリがベランダを好む具体的な理由は以下の3つに集約されます。

まず1つ目は、物干し竿やハンガーなど、ぶら下がりやすい構造物が多いことです。コウモリは休息時に頭を下にしてぶら下がる習性があり、こうした構造物は絶好の休息場所となります。また植物を吊るしているベランダも、コウモリにとって魅力的な環境です。

2つ目は、エアコンの室外機からの暖かい空気です。特に寒い時期、室外機の周辺は適度な温かさを保ち、コウモリの体温維持に適した環境を作り出します。室外機の配管部分の隙間は、コウモリの侵入経路としても利用されやすいため注意が必要です。

3つ目は、ベランダが外敵から身を守りやすい構造だということです。ベランダの屋根は雨風を防ぐだけでなく、フクロウなどの天敵からの攻撃も防いでくれます。また、建物の構造上できる隙間や暗がりは、コウモリが身を隠すのに最適な場所となっています。

コウモリのフンによる3つの危険

コウモリのフンは見た目の不快感だけでなく、実は深刻な3つの危険をもたらします。

1つ目は健康被害のリスクです。コウモリのフンには、ヒストプラズマ症や狂犬病などの病原体が含まれている可能性があります。フンは乾燥して粉状になりやすく、それを知らずに吸入してしまうことで感染症のリスクが高まります。特に免疫力の低い子どもや高齢者は注意が必要です。

2つ目は建物への悪影響です。コウモリのフンは強い酸性を持っており、長期間放置すると建材を腐食させる可能性があります。特にベランダの床や壁、手すりなどのコンクリートや金属部分が劣化しやすく、最悪の場合は構造的な問題に発展する可能性もあります。

3つ目は生活環境の悪化です。コウモリのフンは強い悪臭を放ち、その臭いはベランダから洗濯物にも染み付きます。また、フンにはノミやダニが付着していることがあり、これらが洗濯物を介して室内に侵入する可能性もあります。さらに、フンの臭いに誘われて他のコウモリが集まってくることもあり、被害が拡大する悪循環を生む可能性があります。

ベランダで見かけるアブラコウモリの特徴

日本の住宅地でよく見かけるコウモリの多くは、アブラコウモリ(別名:イエコウモリ)という種類です。このコウモリの特徴を知ることは、効果的な対策を講じる上で重要です。

アブラコウモリの体の大きさは、翼を広げると約25cm、体長は4〜6cm程度と比較的小型です。体重は5〜10g程度で、1〜2cmほどの隙間があれば侵入できてしまいます。夜行性で、主に夕方から夜明けにかけて活動し、蚊や小さな甲虫類などの昆虫を捕食します。

繁殖期は6月から8月で、この時期は特に群れで行動する傾向が強まります。1回の出産で1〜4匹の子を産み、子育ては集団で行います。そのため、一度住み着くと個体数が増加しやすく、被害も大きくなりがちです。

アブラコウモリは超音波を使って飛行や捕食を行い、人間には聞こえない高周波の鳴き声を出します。ただし、興奮時や警戒時には人間にも聞こえる「キィキィ」という鳴き声を発することがあります。これらの音が夜間の騒音となり、近隣とのトラブルの原因になることもあります。

コウモリのベランダ対策で適切な時期

コウモリ対策を行う最適な時期は、春(4〜5月)と秋(9〜10月)です。これらの時期は、コウモリの活動が比較的穏やかで、かつ子育ての時期から外すことができます。

夏場は子育ての最盛期で、冬場は冬眠中となり、対応の難易度が上がるため、自分で対策するならこれらの時期は避けるべきです。

また、コウモリは鳥獣保護管理法で保護されている生物のため、むやみに捕獲や殺傷することはできません。そのため、対策は追い出しと侵入防止に重点を置く必要があります。専門業者に依頼する場合も、この点を理解している業者を選ぶことが重要です。

すぐにできる!ベランダのコウモリ対策4ステップ

コウモリ対策を成功させるには、正しい順序で作業を進めることが重要です。効果的な対策は、追い出しと侵入防止の組み合わせです。対策順に詳しくみていきましょう。

忌避剤で追い出す

何よりもコウモリを追い出すのが先決です。そしてコウモリを追い出すには、ハッカ油やナフタレンを主成分とした忌避剤が効果的です。

狭い場所には忌避スプレー、広い空間には錠剤やくん煙剤を使用します。まず、夜間にコウモリが外出している時間を見計らい、巣の周辺に忌避剤を設置します。コウモリは強い匂いを嫌うため、帰巣を避けるようになります。

忌避剤の使用時は、ペットや子どもへの影響を考慮し、使用方法や注意事項を必ず確認しましょう。短いものだと効果は3〜6時間程度なので、この間に次のステップの侵入防止対策を行う必要があります。

侵入防止ネットを設置する

コウモリが全て出て行ったことを確認したら、すぐに侵入防止のためのネット設置を行います。網目は2mm以下の細かいものを選び、ベランダ全体を覆うように設置します。

取り付け時は、コウモリが通り抜けられる隙間を作らないよう、端部をしっかりと固定します。特に、エアコンの配管周りや壁との接合部など、隙間ができやすい場所は念入りにチェックしましょう。

ネットの固定には防水性の高いテープを使用し、長期間の使用に耐えられるよう工夫します。天候による劣化も考慮し、定期的な点検と必要に応じた補修も計画しましょう。

フンを安全に清掃・消毒する

コウモリのフンには危険な病原菌が含まれている可能性があるため、清掃時は必ず保護具を着用します。必要な道具は、マスク、ゴーグル、使い捨て手袋、長袖の服、消毒液、ちりとり、ビニール袋です。

掃除機は使用せず、フンを湿らせてから箒で掃き集めます。これは、乾燥したフンが粉々になって空気中に舞い上がり、吸い込む危険を防ぐためです。集めたフンは二重にしたビニール袋に入れて密閉し、可燃ごみとして処分します。

フンがあった場所は、市販の消毒液やエタノールでしっかり消毒します。作業後は使用した道具も消毒するか、使い捨ての場合は適切に廃棄します。万が一、素手でフンに触れてしまった場合は、石鹸で手をよく洗い、消毒液で消毒してください。清掃作業は風通しの良い状態で行い、体調の悪い時は避けましょう。

ベランダの環境改善で再発防止

コウモリの再発を防ぐには、ベランダの環境改善が重要です。

まず、コウモリが好む暗く狭い場所をなくすため、不要な物は片付けます。物干し竿やハンガーラックは使用時以外は収納し、植物は可能な限り地面に置く形に変更します。エアコンの室外機周りは定期的に点検し、配管の隙間や劣化した部分は補修します。

照明を設置して明るくすることも効果的です。また、コウモリの餌となる虫を寄せ付けないよう、ベランダの排水口や植木鉢の受け皿など、水が溜まりやすい場所も定期的に清掃します。

一度対策を行っても建物の経年劣化などで新たな隙間ができる可能性があるため、定期的な点検と維持管理は必要です。

専門業者による駆除が必要なケースとは

自分での対策が難しい状況もあります。例えば、すでに大量のコウモリが住み着いている場合や、高所作業が必要な場合、建物の構造上の問題がある場合です。

複数回の対策を試みても効果が見られない際も、専門業者への相談をおすすめします。プロの害獣駆除業者であれば、法律に則った適切な方法で、コウモリの追い出しから侵入防止対策、そして清掃・消毒まで一貫して対応できます。

ただし、業者選びは慎重に行い、無料見積もり、実績、アフターフォローの有無などをしっかり確認しましょう。

よくある質問

コウモリがベランダに来なくなる方法は?

ベランダへのコウモリの侵入を防ぐ最も効果的な方法は、物理的な侵入防止と環境改善の組み合わせです。

具体的には、網目の細かいネットの設置、忌避剤の使用、照明の設置による明るい環境作り、そして隙間の補修が基本となります。コウモリは夜行性で暗い場所を好むため、明るさを保つことが重要です。

コウモリの餌となる虫を寄せ付けないよう、ベランダの清潔さを保ち、水たまりを作らないことも大切です。ただし、一度住み着いたコウモリは強い帰巣本能を持っているため、再発防止には追い出しだけではなく物理的に来れないようにするなど対策しましょう。

コウモリが完全にいなくなるまでどのくらいかかる?

コウモリを完全に追い払うまでの期間は、状況によって大きく異なります。単純な予防的な対策の場合は、設置工事に数時間程度で済みますが、すでに住み着いている場合はより時間がかかります。

忌避剤による追い出し、その間にネットの設置や隙間の補修などの物理的対策を実施などをすると、完全な解決まで1ヶ月程度かかることもあります。

また、季節によっても効果的な対策時期が異なります。冬は冬眠中のため追い出しが難しく、夏は子育ての時期で特に注意が必要です。最も効果的な対策時期は春と秋です。

なお、自分での対策が難しい場合や、複数回の対策を試みても効果が見られない場合は、早めに専門家に相談することをおすすめします。

Related Articles
関連コラム

Inquiry Process
問い合わせの流れ

フォームから問い合わせ

フォームで問い合わせ お問い合わせページはこちら

  • 1

    フォーム送信

  • 2

    相談内容に応じてプロが対応

電話から問い合わせ

電話で問い合わせ 050-3528-0304

  • 1

    電話

  • 2

    コールセンターにてヒアリング

  • 3

    相談内容に応じてプロが対応