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コウモリは冬眠する!冬の時期のコウモリを徹底解説

  • コウモリ
2025.03.28

コウモリは冬の間、寒さを乗り越えるために冬眠します。日本でよく見かけるアブラコウモリは、11月から3月頃まで眠り続けます。しかし最近では、特に都会で気温が高くなっているため、冬眠しないコウモリも増えてきています。

この記事では、コウモリの冬眠についてわかりやすく説明し、もし家に住みついた時の対処方法を解説します。

コウモリは冬眠する!冬の時期のコウモリを徹底解説

日本に生息する約30種類のコウモリのうち、特に家屋に住みつきやすいアブラコウモリは11月中旬から3月頃まで冬眠します。

最近は都市部を中心に気候変動の影響で冬眠しないコウモリも増加傾向にあります。気温が15℃を下回らない地域では活動を継続するケースも見られ、冬でも家屋への侵入や騒音被害が発生する可能性があります。

なぜコウモリは冬眠するのか、どんな特徴があるのか、詳しく見ていきましょう。

コウモリはなぜ冬眠するのか

コウモリが冬眠する一番の理由は、冬の間の食べ物不足を乗り切るためです。日本のコウモリの多くは虫を食べて生活していますが、寒い冬は虫がほとんどいなくなります。

そのため、秋のうちに体に脂肪を蓄え、冬眠することで少ないエネルギーで冬を過ごします。冬眠中は体温がぐっと下がり、心臓の動きも普段の数十分の一まで遅くなります。

メスのコウモリは、春に赤ちゃんを産むための準備もこの時期に行っています。冬眠は単なる休眠ではなく、種の存続にも関わる大切な期間なのです。

一般的に、コウモリは11月中旬から3月頃まで冬眠します。アブラコウモリの場合、気温が15度を下回り始めると冬眠の準備を始め、10度以下になるとほぼすべてのコウモリが冬眠状態に入ります。

冬眠中のコウモリの特徴

冬眠中のコウモリは、普段とはまったく違う状態になります。体温は外の気温と同じくらいまで下がり、心臓の動きもとてもゆっくりになります。

体を丸めて翼で包み込み、体温が逃げないようにします。また、複数のコウモリが集まって固まることで、お互いの体温を保ち合います。

完全に眠りっぱなしではなく、暖かい日には目を覚まして水を飲んだり、少し動き回ったりすることもあります。これは春まで生き延びるための大切な生存戦略なのです。

危険を感じると一時的に目覚めて逃げることもできますが、この目覚めには多くのエネルギーを使うため、頻繁に起こされるのは良くありません。病気への抵抗力も弱くなっているため、冬眠場所の環境はとても重要です。

家屋での主な冬眠場所と見つけ方

コウモリが家で冬眠する時に選ぶ場所には、共通した特徴があります。主に屋根裏や壁の隙間、瓦の下など、暗くて温度が安定している場所を好みます。

コウモリがいるかどうかを見つける方法として、まず糞の存在があります。糞は6〜10mmほどの大きさで、黒茶色をしています。乾くとパサパサと崩れやすいのが特徴です。

建物の外壁や軒下に黒い筋状の汚れがある場合、その付近にコウモリの出入り口があるかもしれません。寒くなる前の夕方に建物の周りを観察すると、コウモリの出入りする様子を見つけられることもあります。

都市部での冬眠習性の変化

最近、都会に住むコウモリの冬眠の仕方が変わってきています。都会は建物からの熱で温かく、街灯に集まる虫も年中いるため、冬眠をしないコウモリが増えています。

都会のコウモリは人工的な環境にうまく適応し、建物の隙間で昼間を過ごし、夜は街灯の周りで虫を捕まえて生活しています。

こうした生活の変化は、人間の生活環境の変化に適応した結果です。ただし、年中活動するコウモリによる騒音や糞の問題も増えており、新しい対策が必要になってきています。

冬眠中のコウモリを放っておいてはいけない理由

冬眠中のコウモリを放置すると、人の建物や健康に深刻な影響が出る可能性があります。コウモリの糞や尿には強い腐食性があり、建材を傷めてしまいます。特に木材が腐ると建物の強度に影響が出て、大規模な修理が必要になることもあります。

また、コウモリの排泄物には病気の原因となる菌が含まれており、健康被害の心配もあります。コウモリの住処にはダニや害虫も発生しやすく、生活空間に入ってくる可能性もあります。冬眠中でも、見つけたらすぐ対応して被害を拡大させないようにしましょう。

冬眠中の駆除は難しい

冬眠中のコウモリの駆除が難しい理由は主に3つあります。まず、冬眠中は体温がとても低く、ほとんど動かない状態なので、通常の方法では追い出すことが困難です。

一方で、コウモリは法律で保護されている動物で、許可なく捕まえたり傷つけたりすることは禁止されています。違反すると1年以下の懲役や100万円以下の罰金の対象となります。

最後に、冬眠中のコウモリを無理に追い出そうとすると、体力を使い果たして死んでしまう危険があります。建物の中で死んでしまうと、悪臭や衛生上の問題を引き起こす原因になってしまいます。

専門業者は冬眠中のコウモリにどんな対策をするのか

専門家は、まず建物の調査を行い、コウモリがどこから入ってきているのか、どこに住んでいるのかを正確に調べます。その上で、建物の状態や被害の程度に応じた最適な対策を提案します。

専門家に依頼するメリットは、法律に沿った適切な方法で駆除できることに加え、再び住みつかないための予防対策まで含めて対応してもらえる点です。作業後の清掃や消毒も専門的な知識に基づいて行われるため、安全性も確保できます。

冬眠中でもできる予防対策3つ

冬眠期間中でも、春に向けて自分で準備できる対策があります。専門業者への対策をしたくない場合は、以下の対策を行ってみましょう。

建物の点検と記録

コウモリが入り込める場所を探して写真やメモを残します。特に、屋根裏の換気口、瓦の隙間、外壁のひび、雨どい周りの隙間をチェックしましょう。

専門業者への相談

冬は害虫駆除業者も比較的時間に余裕があるため、じっくり相談できます。複数の業者から見積もりを取り、適切な対策方法と費用を検討できます。自分での対策で済むかどうか不安な場合も、相談してみてもいいでしょう。

修理材料の準備

追い出した後に、2度と戻って来れない環境づくりも欠かせません。春に向けて必要な防鳥ネットや金網、隙間を埋める材料などを準備しておきます。

専門業者に相談すべき状況の判断基準

専門業者に依頼するべきか迷った場合は、以下の条件に当てはまっていないかどうか確認してみてください。当てはまる場合は、自分での作業が難しいので、安全確保のためにも相談してアドバイスをもらいましょう。

  • 多くのコウモリが群れで住みついている 
  • 建物の構造が複雑で、侵入経路がわかりにくい 
  • 自分で駆除を試みて失敗した経験がある 
  • 高所作業が必要な場合
  • コウモリの糞や尿による悪臭や、アレルギー症状が出ている

よくある質問

Q. 冬眠中のコウモリは完全に動かないの?

冬眠中のコウモリは、完全に活動を止めているわけではありません。体温と代謝を下げて省エネモードで過ごしていますが、気温の変化や外からの刺激で、時々目を覚まして活動することがあります。

特に都会では、建物からの暖かい空気や街灯の影響で、完全な冬眠状態に入らないコウモリが増えています。気温が15度を超える暖かい日には、餌を探しに出かけることもあります。

また、冬眠中でも数週間に一度は目覚めて、水を飲んだり体調を整えたりする必要があります。ただし、この活動はとても短い時間で、最小限のエネルギーで行われます。

Q. コウモリの冬眠場所から異臭がする場合の対処法は?

異臭の主な原因は、コウモリの糞尿が溜まっているか、不幸にも死んでしまった個体がいる可能性があります。

まずは、臭いの出どころを特定することが大切です。ただし、天井裏や壁の中など、直接確認が難しい場所が多いため、無理な調査は避け、専門家に相談することをお勧めします。

臭いのする場所の換気は最小限にし、窓を開ける時はマスクを着用しましょう。コウモリの糞尿には病気の原因となる菌が含まれている可能性があるためです。

Q. 春までコウモリ対策を放置しても大丈夫?

コウモリ対策を春まで放置することはおすすめできません。たしかに冬眠中は活動が少なく目立ちませんが、この時期を準備期間として活用するか、すぐに専門業者に対策を依頼することが大切です。

春になると冬眠から覚めたコウモリは繁殖期を迎え、メスは1回の出産で1〜4匹の赤ちゃんを産みます。対策を放置すると、個体数が急激に増える可能性があります。

また、コウモリの糞尿は冬眠中も溜まり続け、建材を腐食させたり、カビやダニの原因になったりします。長期間の放置は、建物の損傷や衛生上の問題につながる可能性があります。

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