コウモリの巣の見つけ方と対処法!作られやすい場所や追い出し方も解説

家の中にコウモリが住みついているかもしれない。そんな不安を感じたら、すぐに何か対処したくなるのも自然なことです。
コウモリの巣への対処は、法律で決められたルールがあり、慎重に行う必要があります。この記事では、コウモリの巣の見つけ方や、安全な対処方法について詳しく説明します。
コウモリの巣の特徴と見つけ方
日本の家によく住みつくのは、アブラコウモリ(イエコウモリ)という小さなコウモリです。
体の長さは5センチほどで、わずか1センチの隙間からも入ることができます。このため、気づかないうちに家の中に住みついていることもあります。
鳥のように枝を組んで巣を作ることはなく、建物の隙間をそのまま住みかとします。
コウモリは特に以下のような場所を好みます。古い家は壁や屋根に隙間が多いため、特に注意が必要です。
巣を作りやすい場所 | 特徴 | 見つけ方のポイント |
---|---|---|
屋根裏 | 温度が安定し、人が近づきにくい | 夕方の出入りを観察 |
壁の中 | 狭い空間で安全 | 壁を伝う音に注意 |
エアコンの室外機の裏 | 暖かく、隙間がある | 糞の有無を確認 |
シャッターボックス内 | 暗くて狭い空間 | 異臭の確認 |
コウモリの巣ができやすい3つの条件
コウモリは本能的に特定の条件が揃った場所を選んで住みつきます。まず重要なのは、外敵から身を守れる狭い空間です。コウモリは天敵から身を守るため、人や他の動物が簡単に近づけない屋根裏や壁の中といった場所を好みます。
次に重要なのは環境の安定性です。コウモリは体温調節が苦手な動物です。そのため、極端な温度変化を避けられる場所を好みます。屋内は外気の影響を受けにくく、年間を通じて温度が安定しているため、理想的な住処となります。
最後に、餌となる虫が豊富な環境であることも重要です。コウモリは夜行性で、飛んでいる虫を主食とします。街灯や外灯の周りには虫が集まりやすいため、その近くの建物が巣の候補地として選ばれやすくなります。
コウモリの巣による被害と放置する危険性
コウモリが住みつくことで、建物にはさまざまな被害が生じます。最も深刻なのは糞による被害です。コウモリの糞は強い酸性を持ち、建物の木材や金属を腐食させます。特に木材が糞にさらされ続けると、徐々に腐っていき、建物の強度に影響を与える可能性があります。
また、乾燥した糞は粉となって空気中を漂い、それを吸い込むことで健康被害を引き起こす恐れがあります。これは特に子どもやお年寄り、体の弱い人にとって危険です。
夜間には羽ばたき音や鳴き声が響き、住人の睡眠を妨げることも少なくありません。コウモリは夜行性の動物なので、人が休む時間帯に活発に活動します。
さらに、コウモリの巣の存在が判明すると、不動産としての価値が大きく下がってしまう可能性があります。これは売却や賃貸の際に大きな問題となることがあります。
健康被害のリスク
コウモリの巣がもたらす健康への影響は想像以上に深刻です。中でも最も注意が必要なのは、コウモリの糞に含まれる病原菌です。乾燥した糞は粉状になって空気中を漂い、それを吸い込むと呼吸器系の病気を引き起こす可能性があります。
特にヒストプラスマ症という真菌による感染症には注意が必要で、お年寄りや子ども、体力の低下している人は特に危険です。
コウモリは狂犬病ウイルスを持っている可能性もあり、直接触れたり噛まれたりすると感染の危険があります。
また、コウモリの体には多くのダニやノミが付いていることがあり、これらが洗濯物や寝具に移って、皮膚炎やアレルギー反応を引き起こすことがあります。寄生虫は生活空間全体に広がる可能性があるため、早めの対策が必要です。
自分でできるコウモリの追い出し方
コウモリは法律で保護されている動物なので、むやみに捕まえたり傷つけたりするのは違法です。そのため、自分でできる対策は「追い出し」と「再び入ってこられないようにする」ことが基本となります。
なお、追い出しの時期は非常に重要です。適切な時期は4~5月と10月です。冬眠期の1~3月は深い眠りから覚めず、子育て期の6~9月は赤ちゃんが自力で動けないため、これらの時期は避けましょう。
必要な道具と準備
コウモリを追い出す作業を始める前に、安全のための準備が必要です。コウモリの糞には危険な病原菌が含まれている可能性があるため、作業時は必ず以下の防護具を着用します。
- 防塵マスク(N95規格推奨)
- ゴーグル
- ゴム手袋
- 使い捨ての作業着
追い出しには、コウモリ用の忌避剤が欠かせません。広い場所にはくん煙タイプ、狭い場所にはスプレータイプを使います。その他、糞の清掃用具や消毒用アルコール、金網やコーキング材なども準備しておくとスムーズです。
高所作業が必要な場合は安全のため脚立なども必要ですが、無理な作業は避け、難しいと思った時点で専門業者に相談してみましょう。
追い出しの手順
忌避剤を使用する際は、10秒以上の連続噴射は避け、コウモリを気絶させないよう注意します。使用後は10分ほど様子を見て、コウモリが出て行ったことを確認します。
コウモリが完全に出て行ったら、フンの清掃と消毒を行います。フンの清掃にはの際は、直接触れないようにしながら、粉塵が舞うのも防止するため湿らせて対応するのがおすすめです。清掃後は高濃度アルコールなどで消毒し、病原菌を除去します。
寄生虫対策として殺虫剤(くん煙タイプ)も併用することをおすすめします。ノミやダニなどの寄生虫が残っていると、新たな健康被害の原因となる可能性があります。
再侵入を防ぐ方法
コウモリを追い出した後は、再び入ってこられないようにすることが重要です。アブラコウモリは2cm程度の隙間からも侵入できるため、考えられるすべての侵入経路を塞ぐ必要があります。
屋根の隙間、換気口、通気口などの開口部には、目の細かい金網を取り付けます。金網の固定にはコーキング材を使用し、隙間なく確実に取り付けます。
ただし、通気や換気に必要な開口部を完全に塞いでしまうと、建物に悪影響を及ぼす可能性があります。必要な通気は確保しましょう。
専門業者に依頼すべき状況の見極め方
コウモリの巣の対処は自分でもできますが、状況によっては専門業者への依頼が賢明です。プロは適切な装備と経験を持っているので、安全かつ確実な駆除を行います。また、建物の構造を理解した上で、効果的な再発防止策を提案することも可能です。
適切な対処による安心感や、再発防止による経済的メリット、けがなどの危険性の排除などを重視する場合は、自分でやるより業者にしてもらうといいでしょう。
自分で追い出すのが危険なケース
以下のような状況では、専門家への依頼を強く推奨します。
- 高所作業が必要な場合
- 大規模な巣が形成されていて大集団になっている場合
- 建物の構造上、侵入経路の特定や封鎖が難しい場合
- 過去に自力での駆除を試みて失敗している場合
- 健康上の不安がある場合(アレルギー体質や呼吸器疾患がある方など)
業者選びのポイント
信頼できる害獣駆除業者を選ぶ際は、以下の点を確認しましょう。
- 鳥獣保護管理法を理解し、適切な許可を持っているか
- コウモリ駆除の実績と経験が豊富か
- 料金体系が明確で、見積もりが無料か
- 作業後の保証制度があるか
- アフターフォローや再発防止のメンテナンスサービスは充実しているか
蝙蝠の駆除業者に依頼するという経験はそれほどあるわけではありません。具体的な比較のためには、複数の業者から見積もりを取り、サービス内容と価格を比較検討することをおすすめします。
費用相場と期間
コウモリの巣の専門的な駆除にかかる費用は、状況によって変動します。一般的な相場として、シンプルな追い出しと侵入防止工事で15万円前後からとなります。
作業期間は通常1~3日程度ですが、大規模な集団になっている場合や建物の修繕が必要な場合は、より長期間かかることがあります。
費用には以下が含まれるのが一般的です。相見積もりを取ったなら、見積りの内容に含まれているか確認しましょう。
- 現地調査
- 駆除作業
- 清掃・消毒
- 侵入防止工事
追加で必要となる可能性がある費用
- 建物の修繕費用
- 高所作業車のレンタル料
- 特殊な工事が必要な場合の材料費
見積もり時には、これらの追加費用の可能性について確認し、作業後の保証内容についても事前に確認しておくことが重要です。
よくある質問
Q. コウモリを自分で駆除してはダメ?
コウモリは鳥獣管理保護法で保護されており、許可なく捕まえたり傷つけたりすることは禁止されています。違反すると1年以下の懲役または100万円以下の罰金の対象となります。
追い出しや侵入防止は認められています。自分で対処する場合は、忌避剤を使って追い出し、侵入経路をふさぐ方法が推奨されます。不安がある場合は、専門家に相談することをおすすめします。
Q. コウモリに好かれる家の特徴は?
暗くて暖かい空間があることが最大の特徴です。古い家は、年月とともに生じた隙間が侵入口となりやすく注意が必要です。特に瓦屋根の家は、瓦のずれによって生じた隙間から侵入されやすい傾向にあります。
また、街灯や水辺の近くは虫が多く集まるため、コウモリの格好の餌場となります。暖房や空調設備からの暖かい排気も、コウモリを引き寄せる原因となることがあります。
Q. コウモリを1匹見かけたら実際何匹くらいいる?
コウモリを1匹見かけた場合、実際にはもっと多くのコウモリが住んでいる可能性が高いです。アブラコウモリは群れで生活する習性があり、通常10~30匹程度の群れを作ります。環境が良ければ100匹以上の大きな群れになることもあります。
特に夕方に1匹見かけた場合、それは餌を探しに出てきた一匹で、巣には他のコウモリが残っていることが考えられます。また、夏の繁殖期には出産により数が急増することもあるため、1匹でも見かけたら早めの対策を検討することをおすすめします。
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