コウモリの寿命と生態は?3~5年の寿命で繁殖力が強い理由と対策方法

コウモリの寿命は種類によって大きく異なります。家屋に住み着くアブラコウモリは3~5年程度ですが、洞窟に棲むコウモリは15年以上生きる種類もいます。
コウモリの適切な対処法を選べるようになるためにも、本記事ではコウモリの寿命や生態、家庭での対応策などを詳しく紹介します。
コウモリの寿命は何年?オスとメスや種類で変わる
種類 | オスの寿命 | メスの寿命 | 主な生息場所 |
---|---|---|---|
アブラコウモリ | 1~3年 | 3~5年 | 民家・建物 |
キクガシラコウモリ | 10年以上 | 15年以上 | 洞窟・廃坑 |
飼育下のコウモリ | 15年以上 | 20年以上 | 動物園など |
コウモリの寿命は、種類によって大きく異なります。
コウモリは1年に1回だけ繁殖期を迎え、1度に産む子供は1~2匹だけです。そのため、急に数が増えることはありませんが、同じ場所に住み続ける習性があるため、家に住みついてしまうと長く付き合うことになります。
また、コウモリは集団で生活する習性もあります。繁殖期を機に一気に数が増えるのはそのためです。
一般的なコウモリの平均寿命は3~5年
野生のアブラコウモリは、平均して3~5年ほど生きます。この寿命は環境によって大きく変化します。寿命を左右する主な要因は、「住む場所の安全性」「餌の確保のしやすさ」「天敵の多さ」です。
家の屋根裏や壁の中に住みついたコウモリは、比較的長生きする傾向があります。天敵から身を守りやすく、温度も安定しているためです。また、街灯に集まる虫を食べられるため、餌にも困りません。特に都市部のコウモリは、農村部のコウモリよりも長生きする傾向にあります。
一方、野外で暮らすコウモリは、鳥に襲われたり、天候の変化で餌が不足したりするため、寿命が短くなりがちです。特に若いコウモリは経験不足から危険な目に遭いやすく、1年以内に命を落とすこともあります。
オスとメスで異なる寿命の理由
コウモリはメスの方がオスより長生きです。アブラコウモリの場合、オスの寿命(1~3年)はメスの寿命(3~5年)の半分ほどです。この差には、生活習慣が大きく関係しています。
メスは集団で暮らし、協力して子育てをします。集団生活には大きな利点があります。天敵から身を守りやすく、寒い時期も体温を保ちやすいのです。また、子育ての時期は安全な場所にとどまるため、危険な目に遭いにくいという特徴もあります。
一方、オスは一人で行動することが多く、特に繁殖期には相手を探して活発に動き回ります。そのため、鳥などの天敵に狙われやすく、体力も使います。オス同士で争うこともあり、怪我をする危険も高くなります。
他の哺乳類と比べて長寿な理由
コウモリは、同じ大きさの小型の哺乳類と比べて長生きします。それには大きく3つの背景があります。
まず大きなポイントは、飛行能力を持つことです。空を飛べることで、地上の捕食者から逃れやすいという大きな利点があります。また、昼間は安全な洞窟や建物の隙間で休み、夜に活動することで、捕食のリスクを大幅に減らしています。
そして冬眠をすることも長生きの理由の一つです。冬眠中は体温や心臓の動きが遅くなり、体の細胞の傷みが抑えられます。その結果、老化の進行が遅くなると考えられています。これは、餌の少ない冬を乗り切り、エネルギーを効率的に使用できる点でも有利に働いています。
優れた免疫システムを持っているのも長寿と関係します。コウモリは様々なウイルスに対する抵抗力が強く、感染症にかかりにくい特徴があります。また、傷ついた細胞を修復する力も優れています。
こうした特徴が、長寿を支えているのです。
コウモリの繁殖サイクルと季節による活動の変化
季節 | 活動レベル | 主な行動 | 対策のしやすさ |
---|---|---|---|
春(4-5月) | 中程度 | 冬眠明け・活動開始 | 適している |
夏(6-8月) | 最も活発 | 出産・子育て | 避けるべき |
秋(9-11月) | 活発 | 冬眠準備・交尾 | 適している |
冬(12-3月) | 最も低い | 冬眠 | 難しい |
コウモリは季節によって活動が大きく変化します。日本のコウモリは、春から秋にかけて活発に活動し、冬は冬眠する明確な生活サイクルを持っています。この行動は主に気温と、餌となる昆虫の活動量に影響を受けています。
コウモリの被害を防ぐには、コウモリの活動サイクルを理解し、適切な時期に対策を講じることが重要です。
春の活動開始期(4~5月)
春になると、気温の上昇とともにコウモリは冬眠から目覚め、活動を開始します。この時期は餌となる昆虫類も増え始め、冬眠明けの体力が低下したコウモリが積極的に餌を探します。特にメスは、妊娠期に入るためにもたくさんの栄養を必要とします。
夏の繁殖期(6~8月)
夏は繁殖期を迎え、コウモリが最も活発に活動します。母コウモリは出産後、子が自力で飛べるようになるまで、約1ヶ月間世話を続けます。この時期も、母コウモリは授乳のために多くの栄養を必要とします。
秋の準備期(9~11月)
秋になると、コウモリは冬眠に向けた準備を始めます。この時期、コウモリは餌を食べては体に脂肪を蓄えます。子コウモリたちも成長して自力で飛べるようになり、餌探しに参加します。
この時期は新しい命を作る時期でもあります。メスは交尾後、精子を体内に貯めておき、翌春まで受精を遅らせられるのです。
冬の冬眠期(12~3月)
冬になると、コウモリは本格的な冬眠に入ります。冬眠中は体温を大きく下げ、心臓の動きも通常の10分の1程度まで落として、エネルギーの消費を最小限に抑えます。
冬眠の場所としては、温度が安定し、適度な湿り気がある場所を選び、集団で固まって体温を保ちます。この時期のコウモリは外からの刺激に弱く、冬眠を邪魔されると春まで生きられない可能性があります。
家庭でコウモリ駆除・追い出しをする際に気をつけたいこと
専門業者に依頼しなくても、一般家庭内でできるコウモリ対策はあります。
ここでは、その対策方法の特徴とその際の注意点を詳しく解説します。
対策方法 | メリット | デメリット | 実施時期 |
---|---|---|---|
LEDライト | ・設置が簡単 ・電気代が安い | ・効果は一時的 | 春・秋 |
超音波装置 | ・人には無害 ・広範囲に効果 | ・高価 ・慣れる可能性あり | 通年 |
防鳥ネット | ・長期的な効果 ・確実 | ・見た目が悪い ・設置に手間 | 春・秋 |
ハッカ油 | ・安価 ・すぐに使える | ・効果は短期的 ・臭いが強い | 春・秋 |
侵入経路の特定と封鎖
コウモリは体長5cmほどの小さな動物ですが、わずか1~2cmの隙間からでも入り込むことができます。屋根の軒下や壊れた瓦の隙間、換気口、雨どい周辺などが主な侵入場所となります。
コウモリを見つけ、侵入経路が分かったら、その後金網やネット、コーキング材などを使って隙間を塞ぎます。
しかし、中にコウモリが残っていないことを必ず確認してください。コウモリが巣を作っている場合は、すべてのコウモリが外出する時間帯を見計らって封鎖作業を行います。
ただし、自分で作業をする場合は、高い場所での作業による事故や、コウモリの糞に含まれる病原菌への感染に注意が必要です。経験や知識が不安な場合は、専門業者に相談することをお勧めします。
季節に合わせた予防対策
コウモリの季節による行動の変化を理解し、タイミングに合わせた対策をすると効果的です。
春は冬眠から目覚めて活動を始める時期です。この時期には侵入防止対策として、屋根や外壁の点検・修理、防鳥ネットの設置などを実施しましょう。
夏は繁殖期となり、メスが子育てを行います。この時期に家でコウモリを見つけても、追い出しは避けるべきです。子育て中のコウモリを無理に追い出すと、飛べない子供が取り残されて死んでしまい、悪臭や衛生面での二次被害を引き起こす可能性があります。
年間を通じた予防対策として、屋外照明を控えめにあるいはLEDに変更して虫を寄せ付けにくくしたり、定期的な建物の点検・修理を行ったり、樹木の剪定することが効果的です。
こうした対策は簡単そうに見えますが、継続的に行うことで、コウモリの住み着きを防ぐことができます。
専門業者に相談すべき状況の見極め方
コウモリ対策は自力で行える部分もありますが、状況によっては専門業者への相談を行いましょう。
天井裏から頻繁に物音が聞こえたり、夕方に多数のコウモリが出入りしたりする場合は、すでに大規模なコロニーが形成されている可能性が高く、専門業者による対策が安全です。
また、糞の量が多く天井にシミができている、悪臭が発生している、夜間の騒音が激しいなどの症状がある場合は、建物への損傷や健康被害のリスクが高まっているため、早急な対応が求められます。
侵入経路の特定が困難な場合や、高所作業が必要な場合も、安全面を考慮して専門業者に依頼することをおすすめします。
プロなら法律に則った適切な方法でコウモリを追い出し、侵入経路を完全に封鎖します。さらに、糞の除去や消毒作業も行い、建物と住民への二次被害を防ぐことができます。状況に応じて、最適な対策プランを提案してもらうと良いでしょう。
よくある質問
Q:コウモリ駆除に最適な時期はいつ?
コウモリ駆除に最も適した時期は、春(4~6月)と秋(9~10月)です。春は冬眠から目覚めて活動を始める時期で、まだ繁殖が始まっていないため、比較的少ない個体数に対して対策を行うことができます。また、気温も安定してきて人も作業がしやすい時期です。
秋も追い出しに適していますが、夏の繁殖期を経ているため、数が増えている可能性があります。そのため、より慎重な対応が必要です。
逆に、避けるべき時期は夏の繁殖期(7~8月)と冬の冬眠期(11~3月)です。繁殖期は子育て中のため、無理な追い出しは子供の死亡につながり、悪臭や衛生面での二次被害を引き起こす可能性があります。
Q:コウモリのふんの危険性は?
コウモリのふんには、建物への被害と健康への影響という二つの重要な危険性があります。
建物への被害として最も深刻なのは、ふんの湿気により天井材や木材が腐食することです。長期間放置すると、最悪の場合は天井が抜け落ちる危険性もあります。また、ふんは他の害虫(ゴキブリやダニ)を引き寄せる原因にもなります。
健康への影響も看過できません。乾燥したふんが粉状になって空気中を漂い、住民がこれを吸い込むとアレルギーや呼吸器系の病気を引き起こす可能性があります。病原菌による感染症のリスクもあります。
糞の掃除をする時は、必ずマスク・ゴーグル・手袋を着用し、粉じんを吸い込まないよう注意が必要です。掃除の後は必ず消毒を行い、残った病原菌を完全に除去しましょう。
Related Articles
関連コラム
-
エアコンのコウモリ対策完全ガイド|自分でできる安全な追い出し方から予防策まで
- コウモリ
コウモリがエアコンに住み着くことがあります。なぜわざわざエアコンの中に入り込んでしまうのでしょうか?...
-
コウモリのふん、掃除の仕方は?具体的なやり方と危険性をチェック
- コウモリ
コウモリのふんを見つけたら、すぐに対処することが大切です。ふんには病気の原因となる菌が含まれているた...
-
コウモリ駆除にハッカ油は効果的?正しい使い方と注意点
- コウモリ
家の近くでコウモリを見かけて困っていませんか?コウモリは病気や寄生虫を運ぶ可能性があるので、早めの対...
-
コウモリは冬眠する!冬の時期のコウモリを徹底解説
- コウモリ
コウモリは冬の間、寒さを乗り越えるために冬眠します。日本でよく見かけるアブラコウモリは、11月から3...