エアコンのコウモリ対策完全ガイド|自分でできる安全な追い出し方から予防策まで

コウモリがエアコンに住み着くことがあります。なぜわざわざエアコンの中に入り込んでしまうのでしょうか?
本記事では、その原因や対処法、健康リスクについて詳しく解説します。
コウモリはなぜエアコンに住み着くのか
エアコンは意外にもコウモリの格好の住みかになっています。その理由はエアコンの構造と設置環境に深く関係しています。
エアコンの室外機周辺は風を遮るため寄りつきやすく、さらに暖かい環境を求めるコウモリにとっては、室内に入っていくための理想的な侵入口になります。
さらにエアコンの内部は外敵から身を守りやすい暗く狭い空間です。特に春から秋は子育ての時期なので、安全な住処を求めるコウモリがエアコンに目をつけやすくなる時期とも言えます。
特にエアコン工事の際に開ける配管用の穴は要注意です。作業のしやすさを考えて少し大きめに開けられた穴が、完全に塞がれていないケースが少なくありません。わずか直径2-3cmほどの隙間があれば、コウモリは簡単に入り込むことができます。
エアコンでコウモリを発見!まず何をすべき?
エアコンでコウモリを見つけた時、慌てて殺処分に走ってはいけません。なぜなら、コウモリは法律で保護されている動物で、むやみに傷つけることは違法となるからです。
また、コウモリは様々な感染症を媒介する可能性があるため、素手での接触を避けるだけでなくその排泄物からも距離を置くのが適切です。
まずすべきことは、状況を正確に把握することです。コウモリの数、鳴き声や羽音の生じている場所、フンの有無などを確認しましょう。これらの情報は、その後の対策を考える上で重要な手がかりとなります。
なお、複数のコウモリが住み着いているような場合は、自力での対応は危険を伴います。自分で対応するのと並行して、念のため専門業者に相談しておくと対応が早いでしょう。
エアコン内でコウモリ発見したら4つのポイントを確認
エアコンでコウモリを発見した際は、侵入経路、生息状況、エアコンの内部、そして建物への被害状況を確認しましょう。
確認ポイント | チェックする内容 | 確認の目的 |
---|---|---|
侵入経路 | エアコンの配管口、カバーの隙間、室外機周辺の点検 | 対策の的を絞れる |
生息状況 | フンの量や場所、鳴き声の頻度から判断 | 専門家対応の要否判断 |
エアコン内部 | フンや悪臭の室内への影響を確認 | 健康被害の防止 |
建物への影響 | 壁や天井のシミ、変色の有無をチェック | 建物修復と被害深度の把握 |
危険!絶対にしてはいけない対処法
コウモリ対策には、決してしてはいけない危険な方法があります。
最も避けるべきは、コウモリに効く殺虫剤や薬剤の使用です。コウモリは法律で保護されている動物で、殺傷は違法になってしまいます。
さらに、エアコンにいるコウモリに直接吹きかけてしまうと、エアコン内に残った薬剤が室内に広がり、健康被害を引き起こす危険もあります。
素手での捕獲も重大な事故につながりかねません。コウモリは狂犬病などの感染症を持っている可能性があり、噛まれたり引っかかれたりした場合の健康被害は深刻です。
素人判断でのエアコン分解も避けるべき対応です。エアコンが故障する可能性があるだけでなく、驚いたコウモリが予期せぬ行動を取る可能性があります。
放置しては危険?コウモリの健康リスクとは
コウモリをエアコン内に放置すると、コウモリのもつ病原菌や感染症へ感染するリスクがあります。
特にコウモリのふんは最初から乾燥気味ですが、少しの刺激で粉となって空気中に舞い上がります。これを吸い込むことで人やペットが呼吸器系の病気を引き起こす可能性があります。
さらに深刻なのは、コウモリが媒介する可能性のある感染症です。エアコンの使用により、これらの病原体が室内に広がるリスクがあります。
自分でできる!コウモリの安全な追い出し方
ここからは、自分で安全に実施できるコウモリの追い出し方を紹介します。コウモリを傷つけることなく、対処するための方法ですが、確実な駆除をしたい場合や複数のコウモリがいる場合は対応しきれない可能性があります。
LEDライト
コウモリは強い光を本能的に避ける習性があり、この特徴を利用して追い出すことができます。
やり方としては、エアコンの室外機周辺や配管付近に明るいLEDライトを設置します。ただし、光が直接近所の家に届かないよう、照射角度や向きを工夫することが大切です。
効果を得るためには、コウモリが活動する夕方から朝方まで継続して点灯させましょう。およそ1週間ほど続けることで、コウモリは別の場所へ移動していくことが期待できます。LEDは消費電力が少ないため、コストも最小限に抑えられます。
超音波発生器
コウモリの追い出しに効果的なもう一つの方法が、超音波発生器の活用です。コウモリは超音波を使って周囲の状況を把握する習性があります。この特徴を利用して、コウモリの活動を妨げることができます。
超音波発生器は設置が比較的簡単で、電源を入れるだけで継続的に効果を発揮します。エアコンの室外機付近に設置することで、ある程度その周辺へコウモリが立ち寄るのを予防することができます。ただし、超音波は障害物に弱く直進性が強いため、設置場所の方向性や位置どりには注意が必要です。
なお、超音波は人には聞こえませんが、ペットに影響を与える可能性があります。犬や猫を飼っている家庭では、ペットの様子を観察しながら使用するようにしましょう。
忌避剤
天然成分を含む忌避剤も、コウモリ対策の選択肢の一つです。ナフタリンやハッカ油などを利用した市販の忌避剤は、比較的安全に使用できます。
忌避剤を使用する際は、エアコンの外部や周辺部分に設置します。エアコン内部への直接噴霧は避け、必ず使用説明書に従って使用してください。室内に強い臭いが漏れる可能性もあるため、使用量や設置場所は慎重に調整しましょう。
エアコン周りの隙間をふさぐ方法と予防法
エアコン周りの隙間対策は、コウモリの再侵入を防ぐ上で最も重要です。配管穴周りには専用のパテを充填し、さらに目の細かいステンレス製の防虫ネットを設置します。
また、エアコンだけでなく、換気扇や屋根裏、雨戸の戸袋などもコウモリの侵入経路となる可能性があるため、建物全体をチェックすると良いでしょう。
<定期点検で確認すべきポイント>
点検項目 | 確認内容 | 対策時期 |
---|---|---|
配管穴周り | パテの劣化、隙間の有無 | 春・秋の年2回 |
室外機カバー | 接合部の緩み、破損状態 | 3ヶ月に1回 |
エアコン本体 | 壁との隙間、異音の有無 | 使用時随時 |
周辺環境 | 異臭、フンの有無 | 月1回程度 |
エアコンの設置状態が経年で変化し、壁との間に隙間ができることがあります。この隙間もコウモリの侵入経路となる可能性があります。
エアコン周りの異臭や、コウモリの糞の有無、夜間の異音なども確認しましょう。早期発見が被害の拡大を防ぐ鍵となります。
よくある質問
Q. コウモリ追い出し後にエアコンクリーニングは必要?
衛生面と機能面の両方でメリットがあります。一般的な家庭用洗剤による清掃では徹底的な対応ができていない可能性があるため、専門業者によるクリーニングをしてもらうのが安全です。
糞尿の付着は、健康被害を及ぼすだけでなく、エアコンの機能低下や故障の原因にもなりえます。特に熱交換器や送風ファンに付着した場合、空調効率の低下や異臭の原因となります。
Q. コウモリ駆除のプロに依頼すべき状況の見極め方は?
エアコン内部で糞や異臭が確認された時は、すでにコウモリが住み着いている証拠です。対応範囲や衛生対策面などで、家庭での対応が難しい場合があり、そうなると専門業者の助けが必要でしょう。夜間に異音が頻繁に聞こえる場合も同様です。
高所作業が必要な場合も、安全面を考慮して専門業者に依頼すべきでしょう。
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