シロアリと羽アリの違いとは?見分け方と効果的な対策方法

シロアリや羽アリは、特に木造住宅において重大な害を及ぼす可能性があります。これらの生物を正しく理解し、適切な対策を講じることが重要です。
本記事では、シロアリと羽アリの違いや見分け方、さらに効果的な対策方法について詳しく解説します。
シロアリと羽アリはなにが違う?
シロアリと羽アリは、形態や行動において大きな違いがあります。
シロアリは特定の木材を食害する害虫で、その食性から住宅に深刻なダメージを与えることがあります。
一方、羽アリは繁殖期に見られる特定の個体で、新しい巣を形成するために飛翔します。
これらの違いを理解することで、早期の対策が可能になります。
羽アリは新たな巣を作る役割を持つアリ
羽アリは、春先から夏にかけて繁殖のために飛び立ちます。
彼らの主な役割は新たな巣を作ることで、この行動を通じて種を広げることが目的です。
新しい巣を作る際は、周囲の環境に適した場所を選ぶため、この選択によってシロアリによる被害が新たに発生するリスクが高まります。
羽アリにはシロアリとクロアリが存在する
羽アリには、シロアリとクロアリの2種類があります。
シロアリの羽アリは、木材を食害する可能性があるため特に注意が必要です。
一方、クロアリの羽アリは主に食物を探し回るため、直接的な被害は少ないですが、巣を作ることで家の中に不快な状況を引き起こします。
見分け方としては、体型や羽の色、行動パターンを観察することが有効です。
【シロアリとクロアリの違い】
シロアリ | クロアリ | |
大きさ | 約3.5~6mm | 約6mm |
胴体 | ずんどう | 細くてくびれがある |
触角 | 直線的かつ数珠状 | L字型 |
羽 | 4枚ともほぼ同じ大きさ | 前翅は後翅より大きめ |
羽アリの出現時期 | 4~7月頃 | 6~10月頃 |
シロアリかクロアリかで被害が異なる
シロアリは木材を食害し、建物の構造を脅かす存在です。
シロアリが食害を進めると、構造的な耐久性が失われ、最悪の場合には建物崩壊の危険性もあります。
一方、クロアリは食物を運搬し、時には衛生上の問題を引き起こすこともありますが、直接的な建物への損害は少ないためシロアリほどの注意は必要ありません。
代表的な羽アリのシロアリについて
シロアリにはいくつかの種類があり、それぞれが異なる特徴を持っています。
これを理解することで、発見した際の迅速な対応が可能になります。
イエシロアリ(建築木材加害種)
イエシロアリは、日本で広く分布している種です。イエシロアリは湿度の高い環境を好み、木材を食害する性質があります。
春から秋にかけて発生し、特に雨季や湿度が高い時期に活発に活動します。特に家の基礎や柱の内部に侵入しやすいため、定期的な点検が必要です。
ヤマトシロアリ(建築木材加害種)
ヤマトシロアリは、体が比較的小さく、主に地面から木材に侵入します。この種も湿気を好むため、特に地下や基礎の木材を狙います。
またヤマトシロアリの活動時期としては、主に春から秋にかけて行われるため、この時期には特に注意を払う必要があります。
アメリカカンザイシロアリ(建築木材加害種)
アメリカカンザイシロアリは、乾燥した木材を好む特性があります。そのため、室内の木材部分に被害を与えやすく、主に夏から秋にかけて発生します。
この種は、湿度を適切に管理することが被害防止に繋がります。
シロアリの活動時期は『1年中』
シロアリは特定の季節にだけ活動するわけではなく、1年中活動を続けています。しかし、シロアリの行動パターンや活動は、気温や湿度、季節によって異なるため、特に注意が必要です。
例えば、春から夏にかけてはシロアリの繁殖シーズンで活発になります。この時期、巣の中で羽アリが成長し、成熟した羽アリが新しい巣を作るために飛び立つことが多いです。
羽アリが見られるのはこの時期が最も多く、周囲にシロアリの巣が存在する可能性を示唆しています。一方、秋から冬にかけての寒い時期もシロアリは活動を続けますが、主に巣の中で温かい環境を保ちながら過ごします。
温暖な地域では冬でも活動が見られるため、木材や他の素材を食害します。そのため寒い季節でも油断せず、シロアリの被害に対する対策を講じることが大切です。
シロアリは湿度が高い環境を好むため、雨の多い季節や湿気のある場所では活動が活発になります。地下に巣を持つシロアリは、土壌から水分を吸収するため、乾燥した環境よりも湿った環境で活動します。
このように、シロアリは年中活動を続けており、時期によってその行動が変わります。
シロアリの被害を未然に防ぐためにも常に注意を払い、定期的な点検や専門業者による調査を行うことが大切です。特に新築やリフォームを行った際は、早期の対策を検討することをおすすめします。
羽アリを見つけたときの注意点と対処方法
羽アリを見かけた場合は、迅速かつ適切な対処が重要です。
誤った対処は逆に被害を悪化させる可能性があるため、正しい情報に基づいて行動するようにしてください。
【注意点】殺虫剤で駆除をするのはNG!
殺虫剤を使った羽アリの駆除はあまりおすすめできません。
多くの殺虫剤には、羽アリが嫌がる成分が含まれており、これが逆に羽アリを散らしてしまうからです。
もし殺虫剤で完全に駆除できた場合は問題ありませんが、生き残った羽アリが忌避効果によって他の場所へ移動してしまうと、結果的に駆除が難しくなる恐れがあります。
羽アリの駆除は、基本的に専門の業者に依頼するのが最も効果的ですが、どうしても業者をすぐに呼べない場合には、次の項目でご紹介する方法を試してみましょう。
【対象方法①】掃除機で吸引駆除
羽アリを見つけたら、まずは掃除機で吸い取るのが効果的です。
この方法は羽アリを物理的に取り除くことができ、比較的簡単に行うことができます。
しかし、掃除機の袋はすぐに処分し、羽アリが再び逃げないように注意が必要です。
【対処方法②】ビニール袋などで捕獲する
羽アリを捕まえるためには、ビニール袋や容器を用意して直接捕獲する方法も有効です。その際、捕まえた羽アリは業者に相談する際の参考になります。
また、捕獲したアリの特徴をメモしておくと、業者により詳細な情報を提供することができます。
羽アリを家に入れないための予防策
羽アリの侵入を防ぐためには、日常的な予防策が欠かせません。
以下の方法を実践することで、被害のリスクを低減させることができます。
窓を開けっ放しにしない
夜間は窓を閉めることを心掛け、羽アリが侵入する隙間を作らないようにしてください。
特に春から夏にかけては、羽アリが繁殖活動のために飛び回る時期なので、無防備な状態では家の中に容易に侵入される危険性があります。
外部からの風通しや換気が必要な場合は、窓を開ける時間を制限し、可能であれば換気扇や空気清浄機を利用することで、羽アリの侵入を防ぐことができます。
網戸を閉める
網戸が破れていると、羽アリが簡単に侵入してしまいます。定期的に網戸の状態を確認し、破れや穴がないかをチェックすることが重要です。
もし破損が見つかった場合は、早めに修理や交換を行うことで、羽アリの侵入を防止できます。また網戸を取り付ける際は、しっかりとした密閉性を保つことも大切です。
そうすることで外部の昆虫だけでなく、ほかの害虫の侵入も防ぐことができます。
夜は必ずカーテンを閉める
外からの光は、羽アリを引き寄せる要因となります。特に夜間は、室内の明かりが外に漏れることで羽アリを誘引してしまうため、カーテンを閉めることが非常に効果的です。
また、外部の照明が羽アリをさらに惹きつけることもあるため、窓辺の明かりが外に漏れないようにすることが大切です。
夜はできるだけ光を遮断し、羽アリが近寄れない環境を整えることで、より安心して過ごすことができます。
自宅周辺でシロアリ&羽アリを見かけたら業者に相談
シロアリや羽アリを自宅周辺で見かけた場合は、早急に専門業者に相談することが大切です。特にシロアリは、早期発見と迅速な対応が被害を最小限に抑えるための鍵となります。
業者に依頼すると、まずは専門の調査が行われ、シロアリの発生状況や侵入経路を徹底的に確認します。
この調査では目視だけでなく、必要に応じて専用の機器を使用して床下や壁内部の状態も調べます。また調査の際は、羽アリのサンプルを取っておくことをおすすめします。
羽アリまたはその羽だけでも数匹捕まえて、ビニール袋や容器に入れて保管しておくとよいでしょう。そうすることで、駆除業者が調査の際に迅速に判別ができ、適切な駆除方法で駆除を行う手助けとなります。
ご自身でシロアリか羽アリかの判断がつかない場合でも、業者は家屋の内外を調査し、正確な判別を行います。
専門家の知識と経験を活かして、最適な駆除プランを提案し、必要な対策を行ってくれるので安心して任せることができます。
さらに業者による駆除作業は、長期間の効果が期待できるため、後の再発防止にも繋がります。
まとめ
今回は、羽アリとシロアリの違いや見分け方について詳しく解説しました。
羽アリはアリの種類そのものではなく、シロアリやクロアリが巣を移動する際に見られる役割の一つです。
羽アリは新しい巣を作るために飛び立ち、その後に羽を落として新たな生活を始めます。そのため、羽アリを発見したからといって軽視することはできません。
放置してしまうと、被害が広がる危険性があるからです。また羽アリを見かけることは、近くにシロアリやクロアリの巣が存在するサインであるため、できるだけ早く専門の業者に調査や駆除を依頼することをおすすめします。
特に、最近羽アリを頻繁に見かけるようになった場合には、迅速な対応が大切です。
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