シロアリ被害の初期サインとは?手遅れになる前にできること

シロアリは家の構造に深刻な影響を与える害虫で、木材を食べ荒らすことで住まいに大きなダメージを与えます。
万が一被害が広がると修繕費が高額になり、家の安全性にも危険が生じるため、早期の発見と対策が欠かせません。
この記事では、シロアリによる被害を未然に防ぐため、初期の兆候を見逃さないためのポイントや、手遅れになる前に実行すべき効果的な対策についてご紹介します。
シロアリ被害における初期サイン
シロアリ被害の初期段階で現れる症状は、主に3つです。
これらを事前に把握しておけば、早期にシロアリの侵入を発見でき、被害を最小限に抑えることができます。
床を叩くと「カタカタ」音が鳴る
シロアリの活動が進行している家では、床を軽く叩いたり、足で踏んだりすると「カタカタ」や「カリカリ」といった音が聞こえることがあります。この音は、シロアリが木材を食べ進んでいるために発生します。
木材内でシロアリが巣を作り、食べた部分が空洞化すると、叩いたときにその空洞が振動して音が響きます。特に木材が薄くて軽い場合は、音が響きやすいので要注意です。
もし自宅の床下から「カタカタ」や「カリカリ」といった音が聞こえたら、シロアリの巣が近くにある可能性が高いです。
音を発する場所が、リビングの床や廊下といった頻繁に使用する箇所であれば、すぐにその場所を確認し、被害が進行する前にシロアリ駆除の専門業者に相談しましょう。
シロアリが作るトンネル「蟻道」がある
蟻道(ぎどう)とは、シロアリが移動するために作る細長いトンネルのことを指します。
蟻道は、シロアリが木材から土壌へと移動する際に使用する通路で、木材を食べ進んでいる場所の周辺に見られることが多いです。
シロアリは乾燥が非常に苦手で湿度の高い場所を好むことから、蟻道は通常木材と壁の隙間、または床下や床の下側など、湿気の多い場所に見られます。
また蟻道は土や木くず、泥やふんなどを使って作られ、長さや形状はシロアリの種類や状況によって異なりますが、湿気を保持しながらシロアリが移動できるように設計されています。
もし自宅の壁や床にこの蟻道が発見されたら、シロアリが家の中に巣を作っている証拠です。特に木材や壁が湿気を含んでいる場合は蟻道ができやすいため、そのような場所を重点的に確認してください。
そして蟻道を発見したら、早期に専門家に調査を依頼してシロアリ駆除を行い、被害の拡大を防ぎましょう。
庭先などで「羽アリ」を目撃する
羽アリはシロアリの中で繁殖を担う個体で、特に春から秋にかけての暖かい季節に活動が活発です。
一般的には6月から9月にかけて多く見られ、湿度が高く暖かい日や雨上がりのタイミングで群れをなして飛び立ちます。羽アリが飛ぶ光景を見た場合は、シロアリが近くに巣を作っているかもしれません。
また羽アリは窓やドアから屋内に入り込むこともあるため、家の中にシロアリの巣がある可能性も高いです。そのため羽アリを目撃したら、周辺や屋内を注意深く調査してください。
特に木材が湿っていたり、家の構造に隙間があったりする場合は、シロアリが繁殖しやすい環境になっています。羽アリを見つけたときは、シロアリ被害の進行を示すサインだと認識し、早急に対策を取ることが大切です。
万が一放置してしまうと、家の構造に深刻なダメージを与える可能性があるため、専門の駆除業者に相談して被害状況を把握しましょう。
シロアリの初期被害を放置することで起こるリスク
シロアリによる初期被害は、一見すると目立たない小さな兆候に過ぎません。
しかし、その被害を放置すると、時間が経つにつれ家屋全体に深刻な影響を及ぼす可能性があります。シロアリ被害は進行が速く、初期段階で対処しなければ、気付いたときには取り返しのつかない状況になってしまいます。
ここでは、シロアリ被害を放置することで生じる具体的なリスクについて詳しく解説します。
建物の構造的な強度低下
シロアリは木材を主な餌とするため、柱や梁(はり)、床などの住宅の構造材を集中的に狙います。
初期段階では木材内部を食べ進むため、外見からは気付きにくいです。しかし被害が進むと木材が空洞化し、建物全体の強度が大幅に低下します。
特に、日本の住宅は木造建築が多いため、シロアリの被害が深刻化すると耐震性が著しく損なわれ、地震や台風などの自然災害時に倒壊するリスクが高まります。
こうした構造的な問題は、修繕に多大な費用と時間を要するため、早期発見・早期対応が極めて重要です。
被害拡大による修繕費の増大
初期段階で対処を怠ると、シロアリは時間とともに活動範囲を広げていきます。
家の一部で始まった被害が、数ヶ月から数年のうちに家全体に及ぶケースも珍しくありません。このような場合、修繕費は初期段階の数倍から十数倍に膨れ上がることがあります。
さらに、建物内部まで被害が進行している場合、表面を補修するだけでは済まず、基礎や内部構造を徹底的に修理しなければいけません。
こうした大規模な修繕は、費用面だけでなく生活面にも大きな負担を与えるため、シロアリ被害を軽視することは非常に危険です。
健康リスクの増加
シロアリ被害が進むと、建材が劣化して粉じんやカビが発生しやすくなります。これにより、室内の空気が悪化し、住人の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
特にアレルギー体質の人や子ども、高齢者にとっては、こうした粉じんやカビは喘息やアレルギー症状などを悪化させる要因となりかねません。また、シロアリの巣には湿気が溜まりやすく、害虫の繁殖を招くこともあります。
このような健康リスクは、放置するとさらに深刻化するため、早急な対策が求められます。
不動産価値の低下
シロアリ被害がある住宅は、不動産としての価値が大きく下がる傾向にあります。
特に被害が進行している家は、買い手が敬遠することから売却が難しくなるだけでなく、価格が大幅に減少することも少なくありません。また被害がある状態で売却を進めると、後から発覚した場合に損害賠償を請求されるリスクもあります。
不動産価値を守るためにも、シロアリ被害は早期に発見し、適切に対応することが大切です。
被害が近隣住宅にも波及するリスク
シロアリは家の中にとどまらず、隣接する住宅や建物にも被害を広げることがあります。
特に木造住宅が密集する地域では、放置されたシロアリ被害が周囲の家屋にも影響を与え、トラブルの原因になることもあります。
近隣トラブルは精神的なストレスだけでなく、修繕費用を一部負担する必要が生じるケースもあるため、迅速な対応が必要不可欠です。
シロアリ被害を未然に防ぐために必要な対策
シロアリの初期被害を軽視すると、家の安全性や健康、経済面に多大なリスクをもたらします。
被害を最小限に抑えるためには、以下のような対策を行うことが効果的です。
定期的なシロアリ調査を専門業者に依頼する家の湿気対策を徹底し、シロアリが好む環境を排除する床下や壁際の点検を怠らず、蟻道や異常な音に注意を払う |
被害が進行する前に早急に専門家へ相談し、適切な駆除と予防策を講じることが安心安全な住環境を守る鍵となります。
シロアリの初期段階での発見と対応こそがリスクを最小化し、将来の大きな負担を防ぐ最善の方法です。
まとめ
シロアリの初期被害を放置すると、建物の安全性や住環境を著しく損なう結果を招きます。気になる兆候があれば、早期にプロに相談し、適切な調査・駆除を行うことが重要です。
被害が進行する前に行動することで、家族の健康や財産を守ることができるので、早期発見・早期対策を心がけてください。
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