マンションでシロアリ発見!原因と対処法を完全解説
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マンションでもシロアリ被害は発生します。床や壁に使われている木材がシロアリの餌となり、建物の価値を損なう可能性があるため、早期発見と適切な対応が重要です。
この記事では、マンションでのシロアリ発生の原因や対処法を分かりやすく解説します。
マンションでシロアリが発生する3つの主な原因
マンションは鉄筋コンクリート造でもシロアリ被害を受ける可能性があります。シロアリは建物内部の木材を求めて侵入し、床組み材、フローリング、建具、壁下地材などを食害していくのです。
マンションでシロアリが発生する場所としては、1階部分の土との接触部分、コンクリートのひび割れや隙間、水回り周辺の高湿度環境などがあります。シロアリは土中から侵入することが多く、1階部分で被害が発生しやすい傾向にあります。
以下、詳しく説明します。
1階の木材や土との接触部分
マンションの1階部分は、土壌と直接接触する場所が多いため、シロアリが侵入しやすい環境です。特に、専用庭やエントランス周りの植栽帯、ベランダの植木鉢など、土や木材がある場所からシロアリが侵入するケースが見られます。
床下がないマンションでは、コンクリートスラブや土間の上に直接床組みが設置されていることが多く、シロアリが侵入すると即座に木材にアクセスできる状態となっています。
また、建物周辺の土に防蟻処理が十分でない場合、シロアリの侵入リスクが高まります。侵入経路となりやすい場所には、木材や段ボールを置かない工夫が必要です。
コンクリートの亀裂やひび割れからの侵入
コンクリートは経年劣化によってひび割れや亀裂が発生しやすい材料です。シロアリはわずか2mmほどの隙間があれば侵入できるため、一見して問題ないように見えるコンクリートの小さな亀裂も、シロアリの侵入経路となる可能性があります。
特に注意が必要なのは、外壁と基礎の接合部、配管やダクトの貫通部周辺、打ち継ぎ目地などです。こうした場所は構造上の特性から亀裂が生じやすく、シロアリの格好の侵入ポイントとなります。
また、地震や建物の不同沈下によって生じた亀裂も、シロアリの侵入経路となることがあります。
特に古いマンションでは、コンクリートの劣化が進んでいる可能性が高いでしょう。
なお、ベランダや外壁のひび割れを放置すると、雨水の侵入による木材の腐食も進行し、シロアリリスクが高まるだけでなく建物の劣化も進みます。
水回り周辺の高湿度環境
浴室、トイレ、キッチンなどの水回り周辺は、常に湿度が高く保たれやすい環境です。シロアリは高温多湿な環境を好みます。水回り周辺は配管からの水漏れや結露による木材の劣化が起こりやすく、シロアリの活動が活発になりやすいため、要注意です。
換気が不十分な場合、湿気が滞留してカビの発生や木材の腐食を引き起こし、シロアリの被害リスクを高めます。水回り周辺でシロアリ被害を防ぐためには、適度な換気と湿気対策が重要です。
具体的には、換気扇、窓を開けた外気との交換、除湿機などが効果的です。なお、もし配管からの水漏れや結露が見つかった場合は、早めに業者に相談して点検と補修を行うと良いでしょう。
シロアリ被害の見分け方と自己診断ポイント
マンションでのシロアリ被害は、主に目視で確認できる特徴的な症状から判断できます。以下、シロアリの被害を早期発見するための注目ポイントから被害程度の確認方法などを解説します。
壁や床に現れる兆候
まず、壁面に小さな穴や膨らみが出現することがあります。これは、シロアリが内部を食害している証拠です。また、フローリングや木製の建具が変形したり、床を歩くと異常なたわみや軋みを感じたりすることもシロアリ被害のサインです。
壁紙が浮き上がったり、剥がれたりする現象も湿気やシロアリ被害の可能性があります。木材を軽く叩いた時に空洞のような音がする場合や、壁や床の表面に土状のものが付着していたり木屑が落ちていたりする場合は、シロアリの活動が原因のことがあります。
これらの特徴を見つけた場合は、マンション全体の健全性を保つためにも、速やかに専門業者に調査を依頼して早期発見・早期対応につなげましょう。
シロアリと間違えやすい虫との見分け方
シロアリと間違えやすい虫には、主にクロアリやキノコバエなどがあります。
シロアリは体長5-7mm程度で、胴体に括れがなくずんぐりとした体型が特徴です。また、触角が真っ直ぐで短く、前後の羽が同じ大きさです。
一方、クロアリは胴体に明確な括れがあり、触覚は長め、前羽が後羽より大きいのが特徴です。羽アリの場合、シロアリの羽は透明で同じ大きさの4枚があり、簡単に取れやすいのに対し、クロアリの羽は褐色で前後で大きさが異なり、簡単には取れません。
キノコバエは小型で細長い体型をしており、シロアリより明らかに小さいサイズ感です。
発生時期も異なり、シロアリの羽アリは主に春から初夏に見られますが、クロアリは夏から秋にかけて活動が活発になります。
被害の進行度合いのチェック方法
シロアリ被害の進行度合いを判断するためには、まず以下の目視でわかる範囲を計測して、大まかなあたりをつけるといいでしょう。
被害状況によって行うべき対策が違うので、一つずつ順番に行うのもいいですが、自己処理をしつつ対応可能範囲を超えるものは専門業者に依頼するなど、並行して対策を進めていくのもおすすめです。
被害程度 | 外観の特徴 | 推奨される対応 |
---|---|---|
軽度 | ・床や壁に軽い凹凸や浮き ・表面的な変色のみ ・建具の建て付けに軽い違和感 |
・専門業者による点検 ・予防的な薬剤処理 |
中度 | ・明確な床のたわみ ・壁の変形 ・建具の開閉が悪い |
・早急な駆除処理 ・被害箇所の補修 |
重度 | ・大きな床の沈み ・壁の著しい変形 ・建具が開閉不能 ・水回り周辺の顕著な劣化 |
・構造材の交換 ・全体的な駆除処理 ・補修と予防 |
自分でできるシロアリ対策と予防法
マンションでシロアリ被害を防ぐには、まず壁や床下、水回りなどの湿気をこまめにチェックし、過度な湿気を防ぐことです。
朝と夕方の涼しい時間帯に窓を開け、空気を入れ替えることで室内の湿度を下げられます。浴室やキッチンなど水を使う場所では、使用後に必ず換気扇を回し、床や壁の水気をよく拭き取ります。
除湿機やデシカント式の除湿剤の活用も効果的です。特に梅雨時期や夏場は、室内の湿度が上がりやすいため、積極的に使用しましょう。湿度計を設置して定期的にチェックし、60%前後を維持するのが理想的です。
特に注意が必要なのは、ベランダや室内に木材や段ボールを放置しないこと、外壁のひび割れや窓枠の隙間を見過ごさないことです。
市販の防虫グッズの効果的な使い方
市販の防虫グッズを活用することで、シロアリの予防効果を高めることができます。ただし、使用方法を誤ると効果が得られないばかりか、かえって被害を拡大させる可能性もあるため、正しい使用法を知ることが重要です。
まず、シロアリ予防に効果的な市販品として、防蟻シートや防蟻剤があります。これらは窓枠やベランダの隙間、木材の周辺に設置することで、シロアリの侵入を防ぐ効果があります。
市販の殺虫剤やスプレー式の防虫剤は使用を避けるべきです。一時的な効果しかなく、さらにスプレーの風圧でシロアリを散らかして別の場所に移動させてしまう可能性があります。本格的な駆除が必要な場合は、専門業者の対策を待つのが確実です。
よくある質問
Q. マンションの上層階でもシロアリは発生しますか?
マンションの上層階でもシロアリは発生する可能性があります。特に西日本に多く生息するイエシロアリは、上層階まで被害が及ぶことがあります。
上層階での発生原因として最も多いのが、ベランダや室内に置かれた木材や段ボールからの侵入です。シロアリは羽アリとなって飛来し、これらの木材に定着して繁殖することがあります。また、建物の外壁のひび割れや配管周りの隙間を伝って上層階まで到達することもあります。
Q. マンションの駆除費用は誰が負担するのですか?
シロアリ駆除の費用負担は、被害の発生原因や場所によって異なります。基本的なルールとして、共用部分で発生した被害は管理組合の負担、専有部分での被害は区分所有者または借主の負担となることが一般的です。
共用部分での被害の場合、建物の構造体や共用設備に関わる部分は、管理組合の修繕積立金から支出されることが多いです。例えば、外壁のひび割れからシロアリが侵入した場合や、共用の配管周りで被害が発生した場合などが該当します。
一方、専有部分での被害の場合、その原因や状況によって負担者が変わります。居住者の管理不足が原因(ベランダに木材を放置していたなど)の場合は、居住者負担となる可能性があります。ただし、建物の構造上の問題が原因である場合は、管理組合と協議の上で対応を決めることになります。
賃貸物件の場合、一般的には建物の基本構造に関わる部分は家主負担、居住者の不注意による被害は借主負担となります。
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