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シロアリ対策にホウ酸は効果的?メリットとデメリットを徹底解説

  • シロアリ
2025.03.22

シロアリ対策の方法としてホウ酸が注目を集めています。ホウ酸は天然由来の成分で人体への安全性が高く、効果が長期間続くという特徴があります。

しかし実際の使用には様々な制限があり、状況によって適切な使用方法を選ぶ必要があります。

この記事では、ホウ酸によるシロアリ対策の仕組みや特徴、メリット・デメリットについて詳しく解説していきます。

ホウ酸でできるシロアリ対策

ホウ酸は天然由来の無機鉱物から作られる成分で、古くから防腐剤や殺虫剤として利用されてきました。シロアリに対しては、体内に蓄積することで代謝を阻害し死に至らせる効果があります。ホウ酸は人体には無害ですが、腎臓を持たないシロアリには強い毒となるのです。

木材にホウ酸を含浸させることで、シロアリによる食害を防ぐことができます。また、シロアリが巣に持ち帰って仲間に分配することで、全体に毒が回っていくことになります。ただし、ホウ酸は予防措置であって、すでに発生したシロアリの駆除には適していません。

ホウ酸とは

ホウ酸は自然界に広く存在する無機物で、主にホウ素鉱物から精製される白色の結晶性粉末です。殺虫効果や防腐効果があることから、様々な用途に利用されてきました。

医薬品や化粧品、目薬の防腐剤としても使用されていて、人にとっては安全です。シロアリ対策においては、木材保存剤として使用されることが多く、特に新築時の予防処理として使われます。

ホウ酸は水に溶けやすい性質を持ち、木材に浸透しやすいという特徴があります。また、揮発性が低く効果が長期間持続するため、一度処理を行えば長期にわたってシロアリ予防効果を期待できます。

ただし、水に溶けやすい性質は逆に、雨水や湿気による流出のリスクもあるということです。そのため、使用場所には注意が必要です。

ホウ酸を使ったシロアリ対策のメリット

ホウ酸を使用したシロアリ対策には、多くのメリットがあります。それぞれ詳しく説明していきます。

長期間効果が持続する

ホウ酸による防蟻処理の最大のメリットの一つが、効果の持続性です。

一般的な防蟻剤は有機化合物で、時間とともに分解・揮発して効果が低下していきますが、ホウ酸は無機物であるため分解されにくく、効果が半永久的に持続します。

通常の防蟻剤が3-5年程度で効果が低下するのに対し、ホウ酸処理は適切に施工されれば10年以上の効果持続が期待できます。そのため定期的な再処理をしなくてよく、長期的なコスト削減にもつながります。

木材内部に深く浸透したホウ酸は、雨や湿気の影響を受けにくい場所では半永久的に残存します。ただし、屋外や湿気の多い場所では、水による流出のリスクがあることに注意が必要です。

費用がかさみにくい

ホウ酸処理は、はじめは他の防蟻処理と同程度かやや高めになる可能性がありますが、長期的に見ると費用対効果に優れています。

一般的な防蟻剤による処理では、効果の持続期間が限られているため、3-5年ごとに再処理が必要となり、その都度費用が発生します。

一方、ホウ酸処理は効果が長期間持続するため、定期的な再処理の必要性が大幅に減少します。そのため長期的なメンテナンス費用を抑えることができます。

ホウ酸自体は比較的安価な材料であり、特殊な機械や設備を必要としないため、施工のコストも抑えられます。予防効果が高いため、シロアリ被害による修繕費用や建物の価値低下などのリスクも軽減できます。

外来種にも効果がある

ホウ酸処理は、日本在来のヤマトシロアリやイエシロアリだけでなく、近年問題となっているアメリカカンザイシロアリなどの外来種に対しても効果を発揮します。

アメリカカンザイシロアリは従来の防蟻処理では対応が難しいとされていますが、ホウ酸は有効です。ホウ酸の作用メカニズムが種を問わずシロアリの生理機能に作用するためです。新築時にホウ酸処理を施しておけば、将来的な外来種の侵入リスクに対しても備えることができます。

ただし、すでにシロアリが侵入・定着している場合は、ホウ酸処理はもちろん行った方がいいですが、専門業者による駆除対策も必要となります。

ホウ酸処理を新築時に行うべき理由

新築時のホウ酸処理は、最も効果的なシロアリ予防対策の一つです。

建築段階で処理を行うことで、木材の内部まで十分にホウ酸を浸透させることができ、建築後だと木の重なりなどで処理が難しい箇所にも万遍なく施工が可能です。

新築時はシロアリの被害がない状態です。予防的な意味ではこれ以上いいタイミングはないでしょう。

さらに、建物の資産価値を長期的に維持する効果も期待できます。新築時に適切な防蟻処理を実施していることは、将来の売却時などにもプラスの評価要素となります。

ホウ酸でのシロアリ対策の注意点

ホウ酸でシロアリ対策を行う際には、いくつかの重要な注意点があります。ホウ酸の特性を理解した上で、適切な使用環境と方法を選択するようにしましょう。

使用できない条件と場所がある

ホウ酸は水に溶けやすい性質を持つため、屋外や地面に近い場所など、水分との接触が避けられない環境での使用は適していません。また、すでにシロアリの被害が発生している時もはホウ酸ではない対応をまず行う必要があります。

新築時の予防処理や、乾燥が保たれる室内での使用が望ましいでしょう。

効果が出るまの時間

ホウ酸によるシロアリ対策は、即効性があるものではありません。効果が現れるまでには通常2〜3ヶ月程度必要です。ホウ酸はシロアリの体内に蓄積されていく過程で効果を発揮する仕組みだからです。

シロアリがホウ酸処理された木材を食べ、その後巣に戻って他の個体と接触することで、徐々に効果が広がっていくのです。

専門業者による施工のメリット

ホウ酸を施してシロアリ対策をしたいなら、満遍なく適切な場所に使用しなくては意味がありません。基本的には、実績と経験を持つ施工業者にお願いするのが理想です。

施工後のアフターフォローや保証制度の提供など、安心できるサービスを受けられることも大きな利点です。専門業者に依頼するメリットを整理して解説します。

適切な施工方法

ホウ酸でシロアリ対策をする際は、建物の構造や環境を調査し、その条件での最適な処理方法を考えなくてはなりません。

ホウ酸の場合、水分との接触を避けるため、施工場所の選定や養生方法には特に注意が必要です。また、使用する薬剤の濃度や量の調整、施工時期の選定なども、専門家の知識と経験に基づいて判断されます。

さらに、処理後の効果確認や記録の保管など、継続的な管理のための体制も整備されています。こうしたことの積み重ねで、家庭で行うより確実なシロアリ対策が実現できるのです。

保証制度の活用

専門業者による施工では、充実した保証制度を利用することができます。一般的な保証期間は5年から10年程度で、この間にシロアリ被害が発生した場合は、無償で再施工や補修が行われます。

保証を受けるためには、年1回程度の定期点検を受けることが条件となるものもありますが、こうした1年ごとの点検は主にベイト工法の確認と取り替えのために行われるのがほとんどです。ホウ酸処理のものであれば通常通りの5年から10年とみていて問題ありません。

よくある質問

ホウ酸は本当に安全なの?

ホウ酸は、人体や哺乳類に対して比較的安全な物質とされていますが、これは適正な使用量と使用方法を前提としています。過剰摂取や不適切な取り扱いは避ける必要があります。特に、小さな子どもやペットがいる家庭では注意が必要です。

詳しくは本記事内の「ホウ酸とは」をご覧ください。

ホウ酸でのシロアリ予防は自分で施工できる?

技術的には可能ですが、多くの注意点と制限があります。まず、適切な濃度の調整や施工箇所の選定には専門知識が必要です。水濡れを避けて施工時の十分な換気を確保するなど、様々な観点で注意して行わなくてはならないのです。

確実な効果を得るためには、専門業者による施工がおすすめです。特に、広い家や重要な難しい施工箇所があるなら大変なので、まず業者に相談を入れてみるといいでしょう。

本記事内の「 専門業者による施工のメリット」も参考にしてください。

ホウ酸でのシロアリ予防、効果はどのくらい続く?

ホウ酸による防蟻処理の効果持続期間は、基本は約5年以上、条件が悪くなければ半永久的に続きます。

ホウ酸は無機物質であり、通常の使用条件下では分解されにくい特徴があります。しかし、水分との接触があったり、湿気の多い環境や雨水の影響を受ける場所だと効果が薄まっていきます。

施工箇所の定期的な点検と必要に応じた補修も行うべきです。建物の状態変化や新たな水分の侵入などにより、追加の処理が必要になる場合があります。また、効果の持続期間は、シロアリの種類や環境条件によっても異なります。

専門業者による定期点検を受けることで、効果の持続状況を確認し、必要な対策を適切なタイミングで実施することができます。定期的な状態確認は必要です。

本記事内の「長期間効果が持続する」も参考にしてください。

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