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戸建住宅におけるシロアリ対策と被害を防ぐ方法

  • シロアリ
2025.03.29

シロアリは、木造住宅にとって深刻な脅威となる害虫で、放置すれば建物の耐久性を損なう原因となります。

特に日本の気候はシロアリの活動に適しており、適切な対策を講じないと被害が広がる可能性があります。

シロアリの侵入を防ぎ、家を守るためにも予防策をしっかりと行い、定期的な点検を怠らないことが大切です。

本記事では、戸建て住宅向けのシロアリ対策について詳しく解説します。

シロアリ被害のリスクとその影響

シロアリは木材を主な食料とし、住宅の柱や床を食い荒らします。

初期の段階では被害が目に見えにくいため、気付いたときには深刻な状態になっていることが多いです。

床下や壁内部などの見えない部分でシロアリが繁殖すると、発見が遅れてしまい大規模な修繕が必要になる場合もあります。

シロアリ被害が進行すると、以下のような影響が出ます。

家の構造強度が低下する

シロアリによる被害が進行すると、木材が内部から食べ尽くされ、見た目は変わらなくても強度が著しく低下します。

特に、建物の基礎部分である土台や柱が食害を受けると、建物全体の耐久性に影響を及ぼし、大きな地震が発生した際に倒壊の恐れがあり危険です

日本の住宅は多くが木造であるため、シロアリ被害を受けると耐震性が著しく低下する可能性があります。

例えば、阪神・淡路大震災では、シロアリ被害を受けていた建物の倒壊リスクが高かったと報告されています。

また食害が進行しても表面上は変化が見えにくいため、気づいたときには建物の安全性が損なわれているケースも少なくありません。

そのため、定期的な点検と早期の対策が不可欠です。

リフォームや修繕費用が高額になる

シロアリの被害は、初期段階では気づきにくく、発見が遅れると被害が広範囲に及んでしまいます。

軽度な被害であれば数十万円程度の修繕費で済みますが、土台や柱、梁などの構造材まで深刻なダメージを受けると、家全体の補強工事が必要になり、数百万円規模の費用がかかることも珍しくありません。

さらに、床下の被害が広がるとフローリングの張り替えが必要になったり、壁内の食害によって内装の補修費が発生したりするため、予想以上の出費につながります。

シロアリの駆除自体にも費用がかかるため、早めの対策を講じることで大規模な修繕を回避しましょう。

新築時に防蟻処理を施していても、経年劣化により効果が薄れるため、定期的なメンテナンスが必要となります。

健康被害のリスクが高まる

シロアリが生息する環境は湿気が多く、木材が腐朽しやすいため、カビやダニが発生しやすくなります

シロアリが作る巣や通路(蟻道)に湿気がこもり、カビが繁殖することで、住人が知らない間に空気中にカビの胞子が広がってしまうのです。

これが原因で、アレルギー症状や喘息を引き起こす場合があります。

また、ダニが繁殖すると、それを餌とする害虫(チャタテムシやコナダニなど)も発生して、さらにアレルギー反応を悪化させる要因にも繋がり危険です。

特に小さな子どもや高齢者、アレルギー体質の人がいる家庭では、シロアリ被害を放置すると健康被害が深刻化する恐れがあります。

さらにシロアリは菌を媒介することもあり、噛まれた際に細菌感染を引き起こすリスクも指摘されています。

家の構造だけでなく、住む人の健康を守るためにも、シロアリ対策は早めに行うべきです。

シロアリの侵入経路と発生しやすい場所

シロアリが侵入する主な経路は、家の基礎部分や床下のような隙間の多い構造部分です。

以下のような場所は、シロアリの被害を受けやすいので注意が必要です。

床下

床下は日光が当たらず、風通しが悪いため湿気がこもりやすい場所です。

日本のような湿度の高い地域では、地面からの湿気が床下に滞留しやすく、木材が常に湿った状態になることがあります。

このような環境は、シロアリにとって最適な生息地となり、被害が発生しやすいです。

さらに、湿気が多い床下では木材の腐朽も進みやすく、シロアリが侵入しやすくなるだけでなく、カビやダニが発生する原因にもなります。

床下の換気が不十分な場合は、湿気を逃がすために換気口の増設や調湿剤の設置、防湿シートの敷設などの対策を講じることが重要です。

定期的に床下の点検を行い、湿気の状態を確認することでシロアリの発生を未然に防げます。

基礎のひび割れ

建物の基礎部分に生じたひび割れは、シロアリの侵入経路となる可能性があります。

シロアリは体が小さく、1mm程度の隙間があれば簡単に内部へ入り込めます

コンクリートの基礎は経年劣化や地震の影響で細かなひび割れが発生しやすく、放置するとそこからシロアリが建物内部へ侵入して、木材部分へと被害を広げていくのです。

シロアリは光や乾燥を嫌うため、ひび割れた基礎の内部を通って床下へと進行することが多く、気づかないうちに建物の構造部分が食害されているケースも少なくありません。

対策としては、定期的に基礎の状態を点検し、ひび割れが見つかった場合は早めに補修しましょう。

基礎周辺の水はけを良くして余計な湿気を防ぐと、シロアリの侵入リスクを低減できます。

外壁と土の接触部分

建物の外壁が直接地面と接している部分は、シロアリが建物へ侵入しやすい経路の一つです。

コンクリート基礎が十分な高さを確保していない建物では、外壁の下部が土に接しているケースがあり、このような場所はシロアリにとって格好の侵入ポイントです。

シロアリは地中に巣を作り、餌となる木材を求めて移動する習性があり、外壁が土に接していると、そこから建物内へと進入しやすくなります。

外壁の隙間やひび割れがあると、さらに深部へと侵入するリスクも高まります。

この問題を防ぐには、外壁と地面の間に十分なクリアランスを設けることが重要です。

具体的には、建物の基礎部分を30cm以上確保し、シロアリが直接侵入できないようにするのが理想的です。

そして、外壁周辺の土壌に木材や腐葉土などのシロアリの餌となるものを置かないのも、被害を防ぐための有効な手段の一つです。

ウッドデッキや庭木の根元

ウッドデッキや庭木の根元は、シロアリが発生しやすい場所の一つです。

特に、地面に直接設置されたウッドデッキや湿った状態のまま放置された木材は、シロアリの格好の餌となりやすく、ここから建物へと侵入するリスクが高まります。

庭木の根元にも注意が必要で、枯れた木の根や切り株が残っていると、そこにシロアリが巣を作り、やがて建物へと移動してくる恐れがあります。

また、薪や木製のガーデン用品を地面に直接置いておくと、シロアリの繁殖場所となる可能性があるため、適切な管理が必要です。

対策としては、ウッドデッキを設置する際は防腐処理を施した木材を使用し、地面との間に隙間を設けて通気性を確保することが重要です。

また、庭木の根元にシロアリが発生しないように定期的な剪定や清掃を行い、不要な木材は早めに撤去して被害を防ぎます。

効果的なシロアリ対策の方法

シロアリの被害を防ぐには、事前の対策が非常に重要です。

シロアリは一度侵入すると建物の内部で増殖し、柱や床を食い荒らしてしまいます。

被害が進行すると修繕費用が高額になり、最悪の場合は家の安全性が損なわれることもあります。

こうしたリスクを回避するには、日頃からの予防策や早期発見のための点検、そして万が一発生した際の適切な駆除が不可欠です。

ここでは、シロアリ被害を未然に防ぐための具体的な対策について解説します。

予防措置の徹底

シロアリ対策の基本は、被害が発生する前の予防です。

シロアリは湿気を好み、木材を食害するため、家の環境を整えることで侵入リスクを大幅に減らせます。

以下の具体的な方法を実践すると、効果的にシロアリの発生を防げます。

床下の換気を改善する

床下は湿気がこもりやすく、シロアリが繁殖しやすい環境になりがちです。

風通しが悪い家では湿気が滞留して木材が湿った状態になり、シロアリの温床になってしまいます。

これを防ぐには、床下に換気口を設置したり、既存の換気口の周囲に障害物を置かないようにしたりすることが大切です。

さらに、調湿材を敷いたり、除湿機を活用したりすることで、湿度を適切に管理できます。

家の周囲の環境を整える

シロアリは屋外の木材や枯れ木に巣を作ることが多く、そこから家の中へと侵入してくるケースがあります。

したがって、庭や敷地内に不要な木材を放置しないようにしましょう。

特に薪や廃材を地面に直接置くと、そこからシロアリが発生しやすくなります。

枯れた庭木や切り株もシロアリの住処となるため、こまめに処分して、敷地内の清掃を徹底するのが効果的です。

防腐・防蟻処理を施す

建物に使用される木材には、シロアリが嫌がる防腐・防蟻処理が推奨されます。

特に、新築時やリフォームの際に防蟻剤を塗布することで、長期間にわたってシロアリの侵入を防げます。

既存の住宅でも定期的に防蟻剤を再塗布すると、予防効果を持続できます。

シロアリ駆除の実施

すでにシロアリの被害が確認された場合は、早急に駆除作業を行う必要があります。

シロアリは巣を形成しながら増殖していくため、放置すると被害が拡大して、家の構造に深刻なダメージを与えます。

主な駆除方法は、以下の3つです。

薬剤散布

専門の薬剤を使用してシロアリを駆除する方法です。

建物の基礎部分や木材に直接薬剤を散布し、シロアリの活動を停止させます。

即効性が高い方法ですが、薬剤の効果が時間とともに薄れるため、定期的なメンテナンスが必要です。

ベイト工法

ベイト剤と呼ばれる毒餌を設置し、シロアリがそれを巣に持ち帰ることで、コロニー(巣)全体を壊滅させる方法です。

即効性は低いものの、巣ごと根絶できるため、長期的な効果が期待できます。

物理的なバリアの設置

シロアリの侵入経路を封鎖し、建物内への侵入を防ぐ方法です。

防蟻シートの敷設や、基礎部分の補強などがこれにあたります。

すでに被害が発生している場合は、駆除と並行して実施することで再発を防げます。

定期点検の実施

シロアリ対策の効果を維持するためには、定期的な点検が欠かせません。

特に、シロアリの活動が活発になる春から夏にかけては、専門業者による点検を受けることが推奨されます。

定期点検には、以下のようなメリットがあります。

シロアリの活動を早期発見することができる

シロアリの被害は、目に見えない部分で進行することが多いため、素人では気づきにくいものです。

専門業者による点検を受けると、わずかな被害の兆候を発見し、早期対策を講じることができます。

被害が拡大する前に対策が打てる

シロアリの被害が深刻化すると、柱や土台が脆くなり、家の耐震性に影響を与えます。

定期的な点検で、被害が進行する前に適切な処置を施して、修繕費用も抑えられます。

保証が適用される場合がある

業者によっては、シロアリ駆除後に保証を付けている場合があります。

保証期間内に定期点検を受けると、万が一再発した際の補償を受けられる可能性があります。

契約時に保証内容を確認し、保証期間中は継続的に点検を受けることが重要です。

まとめ

シロアリの被害は放置すると深刻な影響を及ぼし、建物の耐久性を損なうだけでなく、高額な修繕費用が発生する可能性もあります。

そのため、日頃からの予防措置や定期点検を徹底し、シロアリが発生しにくい環境を維持することが大切です。

万が一シロアリの侵入が確認された場合は、迅速に駆除を行い、再発防止のための対策を講じて、安全な住環境を維持しましょう。

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