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ハチみたいな虫?それともハチ?怖そうな虫がいたときの対処マニュアル

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2025.03.22

身近な自然界にはハチによく似た生物が存在し、見間違える人も少なくありません。

しかし、そのほとんどは無害で、蛾やアブ科に属する昆虫たちです。

今回の記事では、ハチとよく似た虫たちの特徴や生態について詳しく説明し、見分ける方法や判断する際の基準をご紹介します。

安全に過ごすために、正しい知識を身につけて、生活の不安を解消しましょう。

ハチみたいな虫のほとんどは「蛾」か「アブ」

ハチに似た虫は、一瞬では見分けがつかず本物のハチだと誤認してしまいます。

とはいえ、本当に危害を加えるものはほんの一部だけです。

それでも、ぱっと見はハチだと思うため、怖がってしまうのは自然なことです。

いざというとき慌てないために、以下でその特徴と見分けるポイントを紹介します。

スズメバチかと思う、吸血する危ない「アカウシアブ」

アカウシアブは、国内最大級のアブです。

人や家畜の血を吸う生態のため、注意が必要です。

見た目はオレンジ色と黒のしま模様で、スズメバチと酷似しています。

攻撃パターンとしては、鋭い口器で皮膚を噛み、血を吸います。

生態の特徴

外観は一瞬見間違えてしまいますが、よく見ると、顔に細かい網目状の眼があるのが特徴です。

「ハエ目アブ科」に属し、主にメスが吸血を行います。

吸血することで卵を産むための栄養を得るため、人間や動物に近づいてきます。特に、体温の高い動物や人に反応しやすく、夏場の山や川沿いでよく出会います。

生息地

日本全国に生息しており、特に湿地や水辺周辺でよく見られます。

水辺の植物などに産卵し、卵が孵化した後、幼虫は湿った環境で成長するとされています。

出現時期

おもに6月から9月にかけて活動が活発になります。

特に夏の暑い時期には人間や動物の血を求めて積極的に吸血するため、屋外活動時には注意が必要です。

気温が18度以上になると活発に飛び回るようになります​。

防御方法

攻撃を避ける方法として、ハエ・アブ用の虫除けスプレーの使用が効果的です。

特にディートやイカリジンの成分を含んでいるスプレーを肌に塗ることで、彼らの接近を防ぐことができます。

また、長袖や長ズボンを着用し、肌の露出を最小限に抑えることも効果的です。

野外活動時には、特に湿地や水辺から距離をとって警戒しましょう。

駆除方法

もしアカウシアブを大量に見かけた場合は、駆除業者に相談することが最も安全です。

自力で対処する場合は、彼らの発生源である湿地や水辺の近くで、殺虫スプレーを使って退治する方法が効果的です。

ただし、アカウシアブは非常にしつこく飛び回るため、駆除作業を行う際には適切な防護服を着用し、噛まれないようにすることが重要です。

飛んでる姿はまさにハチに見え、恐ろしい印象を与えますが、適切な防御策を講じることで刺されるリスクを大幅に減らすことができます。

クロスズメバチのような見た目で吸血する危ない「イヨシロオビアブ」

イヨシロオビアブ(伊予白帯虻)は、日本固有種で、夏に山間部の渓流や湿地などで多く見られる吸血性のアブです。

これもよく似ているため誤解されやすいですが、彼らも吸血によって人や動物に被害を与えることがあります。

生態の特徴

体長約10〜15mmと比較的小さく、胸やお腹に縞模様で白い帯状がついているのが特徴です。

メスが吸血を行い、人間や家畜に集団で襲いかかり、皮膚を切り裂いて血を吸います。

特に、人や動物の汗や二酸化炭素に引き寄せられる性質があり、夏場の山岳渓流などでは、噛まれる被害が報告されています。

生息地

北海道から九州までの山間部に広く分布しています。

特に、渓流や水辺、湿地帯でよく見られ、登山や川遊びを楽しむ人たちが注意すべき虫です。

水辺に近い場所で待機し、動物や人間が通ると群れで襲うことが多いです。

出現時期

主な出現時期は7月から8月にかけてで、お盆の時期には特に多く見られます。

イヨシロオビアブは、涼しい早朝や夕方に活発に活動するため、この時間帯に注意が必要です。

夏の終わりになると徐々に数が減り、9月にはほとんど姿を見なくなります。

防御方法

イヨシロオビアブの攻撃を防ぐためには、肌の露出を減らすことが最も効果的です。

長袖、長ズボン、帽子を着用し、特に明るい色の服装を心がけましょう。

黒や青い色はアブが近づいてきやすい色です。

また、市販の虫除けスプレーやハッカ油も効果的で、特に足元や手首、首回りにしっかりと塗布することが推奨されます。

駆除方法

イヨシロオビアブが多く発生する地域では、殺虫スプレーの使用が一つの対策となります。

しかし、彼らは活動範囲が広いため、集団で発生している場合には、個人での駆除が難しいこともあります。

その場合、専門の害虫駆除業者に依頼することで、安全かつ効果的に対応できます。

また、タオルを固く絞り、鞭のように使って追い払うといった物理的な対策も有効とされています。

ハナアブの特徴

ハナアブは体が丸くて小さく、黄色いベースに黒い模様があるため、ハチにかなり似ています。

しかし、ハチと違って毒針を出すことはできないので、刺傷される心配はありません。

ハナアブはハエの仲間で花蜜を食材にするため、口先も人を噛むようにできてないので噛まれる心配もないです。

彼らは花の蜜を集め、植物を食べる害虫を捕まえる益虫です。

飛び方がゆっくりで、よく花の上でホバリングしています。

動きもハチそのものに見えますが、安心しても大丈夫です。

ヒラタアブの特徴

ヒラタアブは体が細長く、ハチのように見える模様をしています。

針などの危害を加える器官を持っておらず、同じくヒトや動物を刺すことはできません。

しかし、アブラムシを食料とし、動物を捕食するため噛まれる可能性があります。

一般には、植物を守るために害虫を捕食するので益虫とされていますが、人に対して絶対に噛まないわけでないので、一定の注意が必要です。

このアブの特徴は、ホバリング飛行です。

ハチよりも静かで素早く移動するので、じっくり観察すると「これはハチじゃないな」とわかるはずです。

スカシバガ科の蛾

この種類には危害がなく、安全です。

蛾の一種ですが、外観的に見間違うようなハチに擬態した体の色や模様を持っているので、単にびっくりするというだけです。

スズメバチだと錯覚させ勘違いさせるほど、黄色と黒のしま模様がかなり似ているのが特徴的です。

スカシバガも人に害を与えることはなく、主に花の蜜を吸っています。

羽が透明で、軽やかに飛ぶのが特徴で、これを見分けるポイントにすると良いです。

ハチよりも飛び方が直線的で、すぐに花から花へ飛び移る姿が印象的です。

珍しいホウジャクはガの一種

ホウジャクは非常に珍しい蛾で、見た目も飛び方もまるでハチドリのようです。

体はふわふわした毛で覆われ、茶色や緑色の模様が特徴です。

ホウジャクも刺したり、襲ったりすることはなく、花の蜜を吸うだけです。

ホバリングしながら吸蜜する姿がハチに似ていますが、ガの一種であり、人にはまったく無害です。

こういったハチに似た虫たちは、一見すると怖いかもしれませんが、刺されることがないため実は安全です。

しっかりと見分けるためには、飛び方や羽の形、体の模様に注目すると判断できます。

また、彼らの多くは私たちにとって益虫でもあり、植物の成長を助ける存在です。

ですので、見つけてもむやみに恐れず、静かに観察してみるといいでしょう。

どうしてこんなにハチそっくりなのか

ハチに類似している一番の理由は、擬態という生態的な進化によるものです。

擬態とは、ある生物が外見や行動を他の生物に似せる生態変化のことで、自然界によって与えられた生存戦略のひとつです。

特に「ベイツ型擬態」と呼ばれる現象によるものが、今回のケースに該当します。

無害な生物が自然にいる有害な生物に外見を似せることで、自分を襲ったら手痛い反撃を受けるという警告を見せかけることができます。

これが、捕食者から身を守ろうとする自然界での驚異的な進化の結果です。

ハチは、刺す能力と毒を持つため、多くの捕食動物にとって危険で、遭遇を避けたい存在です。

そのため、ハチの怖い印象を外敵に与えるために、アブや蛾などの立場が弱くて食物連鎖の地位が低い虫たちは、進化してきました。

捕食者からハチかもしれないと思ってもらうことで、自分が攻撃されにくくなります。

つまり、ハチに似た虫たちは、外敵や天敵から逃れるために今の姿が形作られましたが、実際にはほとんどの虫は無害で、擬態によって防御することに特化してきた結果です。

ハチみたいな虫のリスクと対処法について

ハチに似た虫であれば、すべてが無害だと安易に判断してはいけません。

特にアブは、吸血する種類もあり、人や動物に被害を与えることがあります。

各種類にどのようなリスクがあるのかを理解し、正しい対策を取ることで、安全に過ごすことができます。

以下では、ハチによく似た虫に出会ったときのリスクと、適切な防御・対処法を紹介します。

正体がアブだと刺されるリスクはあるのか

アブの中には、刺されるというより噛まれるリスクが心配なものもいます。

特にウシアブやブヨなどは、人や動物の血を吸うことがあります。

彼らは吸血することで栄養を補うためで、特に夏場の山や川辺などで活動が活発になります。

アブは鋭い口先で噛んでくるため、刺された時は強い痛みとともに出血します。

そのため、アウトドア活動や野外での作業中には注意が必要です。

アブに刺されてしまったら、かゆみや腫れ、人によってはアレルギー反応が出ることもあります。

ですので、外出中にアブを見かけたら、決してむやみに近づかず、虫除けスプレーを使って対策することが重要です。

また、刺された場合は早めに対処することが大切です。

蛾は刺したり噛んだりしないのか

蛾の仲間は、人や動物に危害を与えることは基本的にありません。

これは、蛾が食物として花の蜜や樹液を吸うだけで、人を攻撃するようにできていないためです。

多くの蛾は昼間に活動する種類が多く、スカシバガはハチのように怖い外観をしているわりに人を攻撃する能力はありません。

スカシバガ科やホウジャクなどが飛び回る姿を見て、刺されるかもと不安になるかもしれませんが、実際には全く無害です。

見た目が似ているだけで、ハチのように攻撃性は持っていません。

もし、蛾を見つけたとしても慌てず、静かにその場を離れれば問題はありません。

家や住まいの周りに現れて迷惑なときは、アースジェットや虫コロリなどの一般の殺虫剤で簡単に駆除が可能です。

アブ科の虫に刺さ(噛ま)れた時の対処法

アブに刺されると、まず痛みが強く、その後腫れやかゆみが出ます。

刺された直後は、できるだけ早く対処することが大切です。

まずは、刺された部分を流水でよく洗い、清潔に保ちましょう。

次に、氷や冷たいタオルで冷やして、炎症を抑えることが大切です。

もし強いかゆみや痛みが続く場合、市販の抗ヒスタミン剤やステロイドを使うことで症状を軽減できます。

また、アナフィラキシーショックなどの重いアレルギー反応が出た場合は、すぐに医師に相談することが必要です。

アブに刺されるのを防ぐためには、虫除けスプレーの使用や、長袖・長ズボンを着て肌の露出を防ぐことが効果的です。

自然の多い場所での活動では、こうした予防策をしっかり取ってください。

どうしても怖い・不安・迷ったときは

どうしても不安で自分で対処するのが怖い場合は、無理せず害虫駆除の専門業者に相談しましょう。

ハチに似ている紛らわしい虫の多くは、ほとんどが無害で安心していいものですが、種類の判断が難しいことがあります。

特に、刺されるリスクがある虫かどうか判断に迷ったときは、プロに見てもらうことで安心感を得られます。

駆除業者は、経験と知識を活かして安全に対応してくれます。

自分ではどうしたらいいかわからない、不安で近づけないという場合は、業者に依頼することで確実に解決できます。

迷ったら、まずは専門家に相談して、安全な対策を取るのが最善です。

無理せず、身の安全を優先して行動しましょう。

ハチみたいな虫を見つけた時の正しい処置手順

ハチそっくりの虫に遭遇したら、どう対処するべきか迷うことがあるでしょう。

この章では、大丈夫なものとリスクのある虫を見分ける方法や、見つけたときに取るべき正しい行動を解説します。慌てずに冷静に対処することで、無用な危険を回避できます。

これはハチじゃない!と分かったとき

これまでの解説のとおりで、ハチに似た虫の多くは擬態しているだけでおおむね安全です。

ハナアブ(ハエの仲間)や、スカシバガ(蛾の一種)がその代表で、見た目はまるでハチのような出で立ちですが、実際には無害な虫がほとんどです。

例えば、ハナアブは花の周りを飛び回ることが多く、蜜を集めています。

彼らは人を刺すことはなく、むしろ植物を守る素晴らしい益虫です。

スカシバガは植物性を主食とする生き物なので、そもそも毒針のような器官を持っていないため、人や動物に対して危険はありません。

ハチではないとわかったら、慌てる必要はありません。

そのままそっとしておくか、駆除する場合でも最低限の殺虫スプレー程度で完了します。

安全な駆除のための服装と道具

特に、噛むタイプのアブなどを自分で駆除するときには、まず安全を最優先に考えましょう。

ハチではないと分かっても、油断せずに適切な服装と道具を使うことが大切です。

まず、長袖、長ズボン、帽子など、肌の露出を最小限にする服装を選びましょう。

薄い色の服を着ると、虫が寄りにくくなります。

また、細菌や寄生虫がいる可能性も高いため、手袋をつけて直接虫には触れないようにしてください。

道具としては、虫取り網や殺虫スプレーが有効です。

こういった服装と道具を準備しておけば、安全に対処できます。

害虫駆除業者に頼むべきタイミング

自分で駆除が難しい場合や、昆虫が怖い人、不安が強いといった時は、無理をせずに害虫駆除業者に頼むべきです。

特に、大量にハチに似た虫が発生している場合や、駆除方法に自信がない場合は、専門の業者に任せた方が安全です。

例えば、家の周りにハチそっくりの虫が大量に発生し、ハチの巣が近くにあるかもしれない状況では、自分で駆除するのは危険です。

また、刺された経験がある人やアレルギーが心配な場合も、無理をせずに業者に依頼した方が安心です。

駆除業者は、適切な道具と経験を持っているため、安全に素早く駆除してくれます。特に自信がない場合は、早めに専門家に相談することをおすすめします。

まとめ:ハチみたいな虫は紛らわしいが知識があれば大丈夫

ハチに似た虫は、一見危険に思えるかもしれませんが、多くは無害な蛾やアブです。

ただし、一部のアブは人や動物を噛んで吸血するため、注意が必要です。

ハチかどうかをしっかりと見分け、無害であれば騒がずにそっとしておくことが安全な対処法です。

もし、アブのように刺す危険がある虫に遭遇した場合は、虫除けスプレーや適切な服装で防御することが効果的です。

自力での対処が難しい場合は、無理をせずプロの害虫駆除業者に相談するのが最善の方法です。

専門業者は確実に駆除し、安心して過ごせる環境を整えてくれます。

害虫駆除は、時に早めの対処が鍵となります。

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