コウモリはペットとして飼える!飼育可能な種類と注意点

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コウモリは「汚い」「感染症にかかりそうで怖い」などのネガティブなイメージが定着していますが、よく見ると愛くるしい顔立ちをしています。性格も温厚で大人しいです。
「コウモリを飼ってみたいけど、ペットにできるのかな?」と疑問を抱いている方は多いのではないでしょうか。
コウモリは品種によってはペットとして迎え入れることが可能です。しかし、飼育する場合はいくつか注意点があります。
今回は、ペットとして飼えるコウモリの種類、購入できる場所と価格相場、飼育に必要なものと注意点を紹介します。
・ペットとして飼育できるコウモリの種類
・コウモリの販売場所と価格
・コウモリを飼ううえでの注意点
コウモリはペットとして飼える
結論からいうと、コウモリはペットとして飼育できる動物です。ただし、飼育できるコウモリは限られています。
飼育可能なのは、販売されているコウモリのみで、野生のコウモリを飼うことは法律で禁止されています。
飼育できるのは販売されているコウモリのみ
ペットとして飼えるのは、店舗やイベントで販売されているコウモリのみです。
こちらで販売している場所を詳しく紹介しているため、参考にしてみてください。一方で、野生のコウモリの飼育は法律で禁止されています。
野生のコウモリは飼えない
山や洞窟、住宅街などでコウモリを見かけることがあります。「野生のコウモリを捕まえて飼えば、購入費用はかからないのでは?」と思う方がいるかもしれません。
しかし、鳥獣保護管理法で野生のコウモリの飼育は禁じられています。コウモリの殺傷と捕獲をすると、100万円以下の罰金もしくは1年以下の拘禁刑が科せられます。
自宅の敷地内でコウモリを見つけた場合、一時的な保護は可能ですが、自治体に連絡をしなければならず、将来的には必ず野生にかえす必要があります。
コウモリの生態
そもそもコウモリはどういう動物なのでしょうか。コウモリの分類や身体の秘密、暮らしについて解説します。
コウモリは何類?
空を飛ぶ動物であるため、コウモリは鳥類だと思われがちですが、実は哺乳類です。全世界で約1,000~1,400種生息しており、哺乳類約6,500種の約4分の1を占めます。
よく見ると飛び方が異なり、真っすぐに飛行する鳥類に対して、コウモリは不規則に蛇行しながら飛びます。
コウモリの身体の秘密
コウモリが空を飛ぶときに使う身体の部位、一般的に「翼」といわれていますが、正しくは「飛膜」という名称です。
前足に相当する部分で、よく見ると5本の指があり、1本1本の間に大きな膜が張っています。
指先は鋭い鉤爪のような形をしていて、逆さまにぶら下がって生活するためにしがみつく力が非常に強いです。
コウモリの暮らし
コウモリは樹木や洞窟にぶらさがって暮らしています。基本的に、単体で生活することはありません。
品種によって数に大きな差がありますが、ねぐらの中で集団を形成し、身を寄せ合っています。
コウモリはオオコウモリとココウモリの2種類に分けられる
コウモリはオオコウモリとココウモリの2種類に分けられます。体長やエサなど生態が異なり、全く違う動物だともいわれるほどです。
オオコウモリ
体長 | 20~30㎝ |
エサ | 果実、花、樹の葉 |
棲み処 | 樹上、樹洞 |
活動時間 | 昼、夜 |
亜熱帯地方を中心にあたたかい地域に生息する、体長20~30cm程度のコウモリです。主に果実を食べることから別名「フルーツコウモリ」「フルーツバット」と呼ばれます。
エサとする果実や花のついた樹の上や樹洞を棲み処とします。コウモリは夜に活動するイメージが強いですが、オオコウモリには昼行性の品種も存在します。
目が大きく、キツネや犬のような可愛い顔立ちが特徴。視力と嗅覚に優れ、目と花を使ってエサの場所を特定します。
ココウモリ
体長 | 5~10㎝ |
エサ | 昆虫 |
棲み処 | 廃坑、洞窟、民家 |
活動時間 | 夜 |
ココウモリは体長5~10cm程度の小さなコウモリです。主食である昆虫を求めて、山間部や森だけではなく、人間の住む都市部にも姿を現します。
夜行性で、昼は人目につかない廃坑や洞窟、民家などで寝ています。
オオコウモリと違って目が悪く、超音波を使って仲間とコミュニケーションをとったりエサを捕まえたりします。
飼育に適しているのはオオコウモリ
ペット用に販売されているのは、東南アジアや中東、アフリカなどの熱帯地域に生息するオオコウモリです。
日本国内に生息しているのは、ほとんどがココウモリです。
ココウモリのほうが小柄で飼育しやすいように思えますが、昆虫を主食とするためにエサの管理が難しいこと、品種によっては数百匹単位で暮らすこと、人目につかない暗い環境を用意しなければならないことから、特別な環境下が作れない一般家庭での飼育はほぼ不可能です。
そもそも、日本では鳥獣保護管理法によりコウモリは保護されているため、捕獲も販売も禁止されています。
コウモリって人間になつくの?
「ペットとして飼えることは分かったけど、コウモリって人になつくの?」と疑問に思う方がいるかもしれません。
コウモリは吸血鬼や悪魔のモチーフとして使用されるため、怖いイメージを抱きやすい動物です。
しかし、実はコウモリは人間になつく可愛い動物。コウモリの性格、特性について、詳しく紹介します。
温厚な性格で人になつく
ペットに適しているオオコウモリは、大人しくて温厚な性格をしており、人になつきます。
飼い始めた当初は警戒されますが、信頼関係を築いていくと、自ら飼い主の手にしがみついたり、身体を摺り寄せたり、それはもうメロメロなほどに甘える場合も。
オオコウモリの体毛は犬のようにふさふさとしていているため、すりすりと腕に寄ってきたら、心地よいうえに可愛くて思わず抱きしめたくなるのではないでしょうか。
コウモリは人の顔を覚える
驚くべき事実ですが、コウモリは人の顔を覚えます。過去にケガの手当をした人のことを記憶していて、他の人には目もくれずに甘えていた事例もありました。
ペットとして飼った場合も、丁寧に世話をすれば「自分を大事にしてくれる人」と認識してより親近感がアップするでしょう。
オオコウモリを販売している場所
オオコウモリは一般的なペットショップでは購入できません。専門店、もしくは専門イベントで入手可能です。
エキゾチックアニマル専門店
オオコウモリは、ハリネズミやフクロモモンガなどの珍しい哺乳類、爬虫類や両生類、猛禽類を取り扱うエキゾチックアニマル専門店で販売されています。
ただし、なかなか入手できないレアな動物であるため、店舗ホームページなどでオオコウモリがいるのか事前にチェックしてから来店しましょう。
エキゾチックアニマル専門店は、一般的なペットショップに比べると店舗数が限られており、近所で見つからない可能性も十分にあります。
「エキゾチックアニマル+お住まいの地域名」などのキーワードで検索し、一番近い店舗はどこなのかを確認しておきましょう。
エキゾチックアニマル展示イベント
ホールや催事場で不定期に開催されているエキゾチックアニマルの展示イベントで、オオコウモリを購入できる場合があります。
主な趣旨はあくまで動物の展示ですが、エキゾチックアニマル保護の観点から、譲り先を探しているイベントは少なくありません。
オオコウモリの販売価格
限られた店舗、イベントでしか手に入らないオオコウモリですが、極端に価格が高いわけではありません。ここでは、オオコウモリの販売価格の相場について、詳しく解説します。
オオコウモリの価格相場は10万~40万円
オオコウモリの価格相場は、10万~40万円程度です。
同じエキゾチックアニマルであるリスザルが80万~100万円、フクロウが40万~60万円程度なので、珍しい動物の中では入手しやすい価格です。
ネコやイヌは20万~40万円で販売されているため、一般的なペットと比べても同じくらいです。
性別や状態で価格に差が出る
「オオコウモリの価格はどういった基準で決まるのか?」と疑問を抱く方もいるでしょう。
ネコやイヌと同様に品種の珍しさや、性別、身体の状態などにより価格が決まります。
比較的オスよりもメスのほうが高値で販売されていることが多く、健康状態がよくケガや病歴のないコウモリは価格が上がりやすいです。
コウモリを飼うために必要なもの
オオコウモリを飼う際は、生息地に近い環境を整えることが大事です。
オオコウモリの多くは、高温多湿な熱帯地方に生息しています。果実を主食としており、樹にぶら下がって生活をする動物です。
こうした環境をつくるために、以下のものを準備する必要があります。
・ケージ
・止まり木・ロープ
・給水器
・エサ
・ペット用ヒーター
・ペット用クーラー
・加湿器
・ペットシーツ
・ペット用ウェットシート
・ペット用除菌・消臭スプレー
コウモリの飼育維持費は年間20万円以上
飼育に必要なものを確認する前に、初期費用と年間・月間の維持費がいくらかかるのかを把握しておきましょう。
初期費用は最大30万円程度かかります。
価格相場 | |
コウモリ | 10万~20万円 |
ケージ | 2万~3万円 |
止まり木・ロープ | 1,000円 |
給水器 | 2,000~3,000円 |
ペット用ヒーター | 5,000~7,000円 |
ペット用クーラー | 4,000~3万円 |
加湿器 | 5,000~2万円 |
ケージや給水器、ヒーターやクーラー、加湿器の価格はあくまで一例のため、よりスペックの高いものを要したい場合はさらに初期費用がかかります。
年間維持費は20万円程度、1ヶ月あたり1万7,000円程度かかります。
年間維持費 | 月間維持費 | |
エサ | 9万円 | 7,500円 |
ペットシーツ | 3万2,000円 | 2,640円 |
ペット用ウェットシート | 800円 | 60円 |
ペット用除菌・消臭スプレー | 1万2,000円 | 1,000円 |
医療費(ケガ・病気の治療代) | 7万円 | 5,800円 |
エサは、1パックで170円のバナナ(5本入り500g)だけを与え続けた場合の金額です。フルーツの種類によって維持費は異なります。
ペットシーツは1回4枚使用して1日2回交換、ペット用ウェットシートは1日に1枚使用、ペット用除菌・消臭スプレーは1日3プッシュ噴射を想定したおおよその金額です。
また、コウモリの医療費は一般的なペットの年間負担額を参考に算出しています。
アニコム損害保険株式会社の調査によると、2022年のイヌの医療費の年間平均額が6万7,367円でした。このデータをもとに、7万円と仮定しています。
しかし、コウモリはほとんどのペット保険で非対象となっているためさらに高額になる可能性があります。あくまで最低限かかる金額として覚えておきましょう。
ケージ
オオコウモリの棲み処となるケージを用意します。コウモリは定期的に運動しないとストレスが溜まるため、なるべく動き回ることができる大きいケージが必要です。
理想としては、幅200cm×高さ100cm程度のケージですが、条件を満たす商品が少ないため、最低でも幅150cm×幅100cm程度のものを購入しましょう。
止まり木・ロープ
コウモリは逆さまにぶら下がって生活する習性があります。そのため、ケージ内への止まり木やロープの設置は必要不可欠です。
ケージの格子にぶら下がることも可能ですが、足でものをつかむ力が非常に強く、ケージの破損を防ぐためにも止まり木やロープは用意しておきましょう。
給水器
どの動物でも水分補給は必要不可欠です。
ペット用給水器はさまざまな種類がありますが、コウモリはぶら下がって生活するため、平面に置くタイプの給水機ではなく、側面に取り付けるタイプの給水器の使用をおすすめします。
エサ
オオコウモリは主に果実を食べます。具体的には、リンゴやバナナ、オレンジやキウイなど。コウモリが食べやすいように一口大にカットして与えましょう。
そのほか、栄養補給のためにローリーネクターという市販の粉ジュースを与えると、健康な状態を保ちやすくなります。
与える際は、ネクターと水を1:3の割合で混ぜて柔らかくします。
なお、オオコウモリは1日に体重の2倍ものエサを食べます。バナナなら1日あたり2本程度、リンゴであれば丸々1個、栄養フードなら200~300g程度与えましょう。
ペット用ヒーター
オオコウモリは亜熱帯地方を中心に暖かい地域に生息するコウモリです。ペットとして飼う際は25~30℃程度のあたたかい温度を保つ必要があります。
エアコンで温度を調節し、あわせてペット用パネルヒーターを使うとコウモリにが快適に過ごせるでしょう。
遠赤外線や紫外線でケージ内をあたためる、爬虫類用のバスキングライトを併用すると、より熱帯地域の環境に近づけることができます。
また、後程詳しく説明しますが、温度を上げるだけだと乾燥しやすいため、加湿器も必要です。
ペット用クーラー
あたたかな環境を好むからといっても、飼育温度を上げすぎると、コウモリは体調を崩します。
海外では酷暑によりオオコウモリが大量に亡くなった事件がありました。近年、日本の夏の暑さは異常で、40℃近くまで気温が上がることがあります。
室内は閉め切ってしまうと空気の流れがないため、50℃以上になる場合も。
夏はエアコンで温度を調節し、エアコンだけで適温に保つのが難しい場合にペット用クーラーを設置しましょう。
加湿器
オオコウモリを飼う際は、温度だけではなく湿度もこまめにチェックして管理する必要があります。
オオコウモリの生息地である熱帯地域にあわせて、50~80%程度の高めの湿度を維持しましょう。
2025年9月までの日本の平均湿度は67%と高い数値ですが、季節関係なく室内でエアコンをつけていると湿度は下がります。
特に秋から冬にかけては外が乾燥する日が多く、エアコンの使用も相まって、部屋を丸ごと加湿しないと、オオコウモリは快適に過ごせないでしょう。
ペットシーツ
コウモリを飼うケージ内に敷くペットシーツも必要です。
新聞紙で代用することもできますが、コウモリは排泄量が多いため、消臭効果のあるペットシーツを使ったほうが部屋にニオイが充満しません。
コウモリは綺麗好きな動物です。ペットシーツは1日に最低でも2回程度は変える必要があります。
とはいえ、不衛生な環境を放置するとコウモリが病気にかかるおそれがあるため、回数にこだわらず、排泄したら都度交換するくらいに考えておくのが良いでしょう。
また、ケージのサイズが大きいため、ワイドサイズのペットシーツでも一気に4枚程度使用します。
ペット用ウェットシート
身体を拭くためにペット用ウェットシートが必要です。コウモリは自ら毛づくろいをして身体の清潔を保ちますが、エサやフンで汚れた場合はすみやかに拭いてあげましょう。
前述のとおりコウモリは大変綺麗好きで、身の回りが不衛生だと体調に影響を及ぼします。
ペット用除菌・消臭スプレー
ペットを飼ううえで気になるのが、身体や排泄物のニオイ。コウモリの場合、排泄量が多いため、自宅内に悪臭が漂う可能性があります。
コウモリの健康を考慮しつつ自宅内を消臭したい場合は、ペット用に作られた除菌・消臭スプレーの使用がおすすめです。
動物の身体に害のない成分が配合されており、なおかつ消臭効果が高いため、自らの生活の快適性を保ちつつ楽しいコウモリライフを送ることができるでしょう。
ペットに適しているオオコウモリの種類
ペットに適しているオオコウモリの中で、特に人気がある2種がいます。エジプシャンルーセットオオコウモリとデマレルーセットオオコウモリです。
それぞれの特徴について詳しく解説します。
エジプシャンルーセットオオコウモリ
体長 | 12~19㎝ |
生息地 | アジア南西部(トルコ、パキスタンなど) アフリカ北東部(エジプト、スーダンなど) |
エサ | 果実 |
寿命 | 10~20年程度 |
活動時間 | 夜 |
エジプシャンルーセットオオコウモリの生態
エジプシャンルーセットオオコウモリは、エキゾチックアニマル専門店で最も多く販売されている品種です。
アフリカや中東に生息しており、洞窟や樹木を棲み処としています。
体長は20cm程度、飛膜を広げると40~60cm程度の大きさです。
大きくてくりくりした目が特徴的で、身体の毛はずっと撫でていられるほどにふさふさしており、ペットとして迎えたら溺愛すること間違いなしです。
野生では10年程度の寿命ですが、飼育下では20年以上生きることも。長い人生、エジプシャンルーセットオオコウモリと一緒なら寂しくありませんね。
エジプシャンルーセットオオコウモリのエサ
エジプシャンルーセットオオコウモリは、バナナやリンゴ、オレンジ、マンゴーやキウイなどの果実を食べます。
特に甘味の強いものがお好みの甘党です。繊維の多い果実はすべて飲み込まず、果汁だけ吸い取って吐き捨てることもあります。
デマレルーセットオオコウモリ
体長 | 14~16㎝ |
生息地 | アジア南部(インド、パキスタン、ネパールなど) 中国南部 |
エサ | 果実 |
寿命 | 15年程度 |
活動時間 | 夜 |
デマレルーセットオオコウモリの生態
デマレルーセットオオコウモリは、エジプシャンルーセットオオコウモリとよく似ていますが、体長が少し小さめです。
エジプシャンルーセットオオコウモリよりも希少な品種で、エキゾチックアニマル専門店でもお目にかかれる機会は稀です。
インドやパキスタン、ネパールなどのあたたかい地域に生息しています。通常は2~3匹でねぐらを形成しますが、2,000匹もの大所帯で洞窟に棲みつく場合も。
体長15cm程度とはいえ、数千単位で集合していたら圧巻の光景なのではないでしょうか。
デマレルーセットオオコウモリのエサ
デマレルーセットオオコウモリは、バナナ、パパイア、キウイ、リンゴ、オレンジなどの果実を食べます。
加えて、動物園では蒸しニンジンを与える場合があります。果実だけではなく野菜まで食べる、健康的な姿勢が15年という長寿の秘訣なのかもしれません。
コウモリを飼ううえで注意すべきこと
「コウモリって顔は可愛いし、思っていたより人なつっこいみたいだし、飼ってみたい!」と考えた方は多いでしょう。
そのとおり、コウモリは温厚な性格で愛くるしく、自宅にいたら癒される存在です。
しかし、飼育のハードルが低い動物ではありません。コウモリを飼育するにあたって、以下の注意点を把握しておく必要があります。
・こまめにケージ内を掃除する
・コウモリに運動をさせる
・温度・湿度管理を徹底する
・日中は静かに過ごせる場所にケージを置く
・野生の小動物と接触させない
・ケガに気を付ける
・オオコウモリは長生きする
こまめにケージ内を掃除する
コウモリは大変綺麗好きな動物です。ケージ内の掃除を怠って、不衛生なままにしておくとたちまち体調を崩します。
覚えておきたいコウモリの習性の1つが「溜めフン」です。溜めフンとは、1つの場所にまとめて排泄をすること。
ケージ内に大量のフンを放っておくと不衛生であるうえに、悪臭や害虫の発生の原因になります。
排泄したことに気が付いたら都度ペットシーツを交換するくらいの頻度で、フンを処理しましょう。
加えて、簡単な拭き掃除は毎日必ず行ってください。ケージの格子に排泄物やエサの汁が飛び散って汚れる場合があります。
また、週に1度は住宅用洗剤や中性洗剤を使ってケージ内全体を念入りに拭くと、コウモリにとって快適な環境を維持できます。
コウモリに運動をさせる
コウモリは運動が好きな動物で、狭いケージの中に閉じこもりっぱなしだとストレスが溜まります。
そのため、1日のうちに何時間か、自由に飛び回れる時間を作りましょう。障害物となる置物や割れやすいガラスや陶器類を片づけてコウモリを室内に放してください。
オオコウモリが飛び回る理想の広さは15~20畳程度です。
狭い部屋だとかえって壁や家具にぶつかってケガをする危険があるため、飼育前に相応の部屋を用意できるか検討しましょう。
温度・湿度管理を徹底する
前述のとおり、コウモリは温度と湿度の変化に大変敏感な動物です。飼育場所は常に25~30℃の気温と50~80%の湿度を保つ必要があります。
1年を通してあたたかく湿度の高い亜熱帯地方と違って、日本は季節によって気温も湿度も大きく変わります。
エアコンで室温を調整し、必要に応じて冬はペット用ヒーター、夏はペット用クーラーを使用しましょう。
湿度に関しても、加湿器を使って季節に応じて高い数値を保っておく必要があります。
ただし、エアコンをつけて、加湿器を置くだけではなく、毎日温度計と湿度計で数値をチェックするクセをつけましょう。
少々億劫ですが、大事な命を預かるうえでは欠かせないルーティーンです。
日中は静かに過ごせる場所にケージを置く
ペットとして人気のエジプシャンルーセットオオコウモリ、デマレルーセットオオコウモリは、どちらも夜行性です。
日中は眠っているため、なるべく日光の当たらない暗い場所にケージを設置しましょう。
また、車や電車の音など外の騒音からも遠ざけて、静かに過ごせる環境を整えてください。
大きなタオルやカバーでケージを覆って、外界からの情報をシャットダウンすることもおすすめです。
野生の小動物と接触させない
野生のコウモリやネズミ、ハクビシンなどは、民家に棲みつくことがあります。
自宅に棲みつかれて、ペットであるコウモリと接触した場合、感染症がうつる可能性があります。
特に怖いのは野生のコウモリです。専門店やイベントで販売されているコウモリと違って、おそろしい感染症をもっている可能性があります。
以下は、野生のコウモリが媒介した例のある感染症の一覧です。
感染症 | 潜伏期間 | 症状 | 致死率 |
SARS | 2~10日 | 発熱、悪寒、筋肉痛 ※肺炎への進行し呼吸困難に陥るケースあり |
9.6% |
ニパウイルス感染症 | 4~14日 | 発熱、頭痛、目まい、嘔吐 ※意識障害、筋緊張低下、高血圧、多呼吸を発現する可能性もあり |
32% |
狂犬病 | 30~90日 | 発熱、頭痛、全身倦怠、嘔吐、恐水症、恐風症 | 100% |
エボラウイルス病 | 2~21日 | 発熱、全身倦怠、筋肉痛、頭痛、咽頭痛、嘔吐、下痢、発疹 ※意識障害が発現する可能性もあり |
50% |
ヒストプラスマ症 | 3~17日 | 発熱、頭痛、悪寒、疲労感、咳 | ほぼ0% ※免疫機能に障害がある場合は死に至る危険性あり |
コウモリ自身は大変免疫力が高く、感染症にかかっても症状は発現しません。しかし、コウモリを媒介して飼い主が罹患する可能性があります。
もし自宅に野生のコウモリが棲みついた場合は、早めに駆除しましょう。駆除方法はこちらで解説しています。
SARS(重症急性呼吸器症候群)/国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト
ニパウイルス感染症/国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト
狂犬病(Rabies)/厚生労働省検疫所
ヒストプラスマ症(Histoplasmosis)/厚生労働省検疫所
ケガに気を付ける
運動が好きなコウモリは、活発にあちこちを飛び回ります。ただし、元気すぎるがゆえに物にあたって骨折することがあります。
軽い骨折なら自然に治癒しますが、大きな骨折だと飛べなくなって衰弱し、命の危機に直面する可能性も。
ケージから出して室内を飛ばせる際は、障害物になる置物や、固いガラスや陶器類を片づけましょう。
家具に当たるリスクも考慮し、大きな布やタオルで一時的に覆うとより安全です。
なお、コウモリを含むエキゾチックアニマルを診療できる動物病院は数が限られています。
自宅に迎え入れる前に、近隣にエキゾチックアニマル対応可能な動物病院があるか探しておきましょう。
オオコウモリは長生きする
オオコウモリは、10~20年程度生きる長寿な動物です。生まれて1~2年の幼獣を迎え入れるのであれば、最後まで面倒をみられるかを熟考する必要があります。
仮に今あなたが30歳だとすると、コウモリが20年生きた場合、その頃には50歳を迎えています。
今と同じように維持する経済力、体力があるのか、将来について考える必要があります。
独身の場合、結婚する可能性もあるでしょう。結婚後、そして子どもが産まれても、コウモリの面倒をみられるでしょうか。
将来的に自分が飼育し続けるのが不安なのであれば、譲り受けてくれる家族、友人や知人がいるかも考えておきましょう。
コウモリに限ったことではありませんが、ペットは人間と同じ尊い命です。
最後まで責任をもって面倒をみられるかという問題は、動物を飼ううえで最も重要だといえます。
野生のアブラコウモリは害獣!?
ペットとして飼育できるオオコウモリに対して、野生で多く生息しているのがココウモリ。中でも人間に一番近い存在なのがアブラコウモリです。
小さくて顔は可愛いですが、民家に棲みついて深刻な被害をもたらす害獣としての一面をもっています。
住宅街でよく見かけるのはアブラコウモリ
体長 | 3.7~6㎝ |
生息地 | 日本(北海道は南部のみ) 中国(南部・東部・中部) 台湾、ミャンマー(北部) ベトナム(北部・中部)など |
棲み処 | 民家(屋根裏、戸袋、軒下 など) 高架橋 地下水路 など |
エサ | 昆虫 (蚊、カメムシ、ユスリカ など) |
識別図鑑 日本のコウモリ/株式会社文一総合出版
日が沈む頃に、民家の周辺を飛んでいるコウモリを見たことはないでしょうか。
山や森などの自然豊かな地域だけではなく、住宅の多い都市部にも姿を現すのがココウモリの1種、アブラコウモリです。
体長は10cmにも満たないほどに小さく、体重は5~10g程度。蚊やユスリカ、コガネムシなどの昆虫を食べ、高架橋や地下水路、民家にも棲みつく場合があります。
アブラコウモリは民家に棲みつく
アブラコウモリはエサである昆虫を食べに雑木林や河川、水田を訪れ、食後のねぐらとして近くの民家に棲みつくことがあります。
身体が小さいため、屋根や軒下の隙間、換気口など1~2cm程度の隙間があれば簡単に忍び込めるのです。
・屋根の隙間
・軒下の隙間
・玄関の隙間
・雨どい
・室外機のダクト
・換気口
・換気扇
・シャッターの隙間
・雨戸の隙間
アブラコウモリは集団でねぐらを形成します。少なくて10匹、多いと200匹もの大群で棲みつく場合も。
棲みつかれやすいのは、屋根裏や軒下、雨戸の戸袋や床下など、暗くて天敵から身を隠すのに適した場所です。
・屋根裏
・雨どいの中
・室外機のダクト内
・換気口の中
・雨戸の戸袋
・シャッターの隙間
・床下
アブラコウモリがもたらす被害
アブラコウモリに棲みつかれると、さまざまな被害にあう危険があります。
健康被害
アブラコウモリは集団で棲みつき、棲み処やその周辺に大量のフンをします。
乾いていて崩れやすいため、カビが空気中に舞い上がりやすく、住民が皮膚炎や鼻炎などのアレルギーを発症する可能性があります。
加えて、こちらで紹介したとおり、おそろしい感染症を媒介する危険もあります。
住宅被害
アブラコウモリは棲み処に大量の糞尿を溜め込みます。
あまりに量が多いと天井や壁にシミができたり、建材が腐食や劣化する場合も。自宅の耐久性にも影響する深刻な被害です。
騒音被害
身体が小さいとはいえ、数十匹単位で棲みつかれるとその羽音は大変騒がしいです。
基本的に鳴き声を上げることは少ないですが、危険を察知すると「キィキィ」と甲高い声を出す場合も。
アブラコウモリは夜行性のため、夜遅くにカサカサ動き回られたり鳴き声を出されたりしたら安心して眠れないでしょう。
悪臭被害
アブラコウモリの大量のフンで困るのが、何といっても悪臭です。アブラコウモリのフンはドブ臭とアンモニア臭を混ぜたような、独特のツーンとしたニオイがします。
家の中に悪臭が漂っていたら快適に過ごせません。屋外に多くのフンを撒き散らすこともあり、近隣の住民から苦情を受ける可能性もあります。
アブラコウモリに棲みつかれたら駆除しよう
アブラコウモリは、人間にさまざまな被害を及ぼす厄介な害獣です。自宅に棲みつかれた場合は、すみやかに駆除しましょう。
しかし、コウモリは鳥獣保護管理法の保護対象であり、殺傷と捕獲が禁止されています。そのため、傷つけずに自宅から追い出すことが「アブラコウモリの駆除」です。
アブラコウモリの駆除は、以下の手順に沿って行います。
1.棲み処と侵入経路の特定
2.駆除道具の購入
3.アブラコウモリを追い出す
4.棲み処の消毒と清掃
5.侵入経路を塞ぐ
棲み処の場所および侵入経路を特定でき、アブラコウモリを追い出すための忌避スプレーなどの道具も用意できれば自分で駆除できます。
ただし、屋根裏や床下などの内部に侵入しにくい場所に棲みつかれた場合は、経験や技術がないと対処が難しいです。
また、最後は必ず侵入経路を塞ぐ必要があります。コウモリには帰巣本能があり、一度棲みついた場所に再度戻ってくる可能性が高いためです。
再来した際に侵入できないように、コーキング剤や金網を使って侵入経路をしっかりと塞ぐ必要があります。再来防止対策まで行って、アブラコウモリの駆除は完了です。
自分で駆除する自信がない場合は、プロへの依頼を検討しましょう。
多くのアブラコウモリ駆除の経験と、豊富な専門知識で、棲み処と侵入経路の特定から再来防止まで対応します。
アブラコウモリ被害に困った際は、ぜひ検討してみてください。
まとめ
ペットとして飼えるコウモリの種類、価格相場や販売場所、必要なものや飼育時の注意点を解説しました。
エキゾチックアニマル専門店や展示イベントで、コウモリは販売されています。
入手ルートが限られているものの、ペットに適しているオオコウモリは身体はふわふわの毛に覆われていて目が大きく、一度見たら虜になってしまうほどの愛くるしさです。
しかし、飼育時に30万円近い初期費用がかかるうえ、年間18万円程度の維持費がかかります。飼育場所の気温や湿度を保つほか、定期的な運動が必要です。
長いと20年近く生きる動物であるため、最後まで面倒をみられるのかも飼育前に熟考しましょう。
また、ペットとして飼育できるコウモリとは別に、私たちの身近にはアブラコウモリが生息しています。
小さくて可愛いコウモリですが、民家に棲みついてフン害や騒音被害をもたらす厄介な存在です。
もし自宅を棲み処とされた場合は、早めに駆除することをおすすめします。
自分で駆除できる動物ですが、棲みついている場所によっては対処が難しかったり、再来対策を完全にできなかったりする可能性も。
不安な場合は、アブラコウモリ駆除のプロである害虫害獣コンシェルジュにご相談ください。
家から完全にアブラコウモリを追い出し、二度と棲みつくことがないように徹底した対策を行います。
アブラコウモリのいない安心した生活を取り戻したい方、ぜひ一度お問い合わせください。
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