キクガシラコウモリ徹底解説!顔・エサ・棲み処などを紹介

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キクガシラコウモリは、日本全域に生息する小型のコウモリで、主に洞窟を棲み処とします。
鼻についたひだが特徴的なため、キクガシラコウモリに興味を持ち、生態を知りたいとお考えの方もいるのではないでしょうか。
この記事では、キクガシラコウモリの生態や種類について詳しく解説します。
あわせて、私たちの生活に身近に潜んでいるコウモリの存在についても紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
・キクガシラコウモリの生態
・キクガシラコウモリの種類
・私たちにとって最も身近なコウモリ
キクガシラコウモリとは

| 学名 | Rhinolophus ferrumequinum |
| 英名 | Greater horseshoe bat |
| 和名 | 菊頭蝙蝠 |
| 分類 | キクガシラコウモリ科 |
| 体長 | 3.5~8.2cm |
| 体重 | 4~35g |
| 生息地 | 日本、中国、インド、ネパール、ブータン |
| ねぐら | 洞窟、廃坑、ずい道、地下水路、民家 |
| 食性 | 昆虫 |
識別図鑑 日本のコウモリ|株式会社文一総合出版
キクガシラコウモリは日本をはじめ、中国やインド、ネパール、ブータンに生息する体長約3~8cmのコウモリです。
ヤエヤマコキクガシラコウモリやオキナワコキクガシラコウモリなど、大きさや生息地が異なる品種が複数存在します。
ここでは見た目や身体の特徴、鳴き声など、キクガシラコウモリについて詳しく解説していきます。
キクガシラコウモリの見た目

キクガシラコウモリの特徴は、大きな耳と鼻葉と呼ばれる鼻についているひだです。
鼻葉の形が菊の花のように見えることから、「キクガシラ」という名前が付けられました。
キクガシラコウモリをはじめとする小型のコウモリは、視覚が発達しておらず、周囲の物体がほとんど見えません。
そのため、鼻葉から超音波を発して、周囲からの反響音を聞き比べ、物体までの距離を測定したり、獲物を捕獲したりしています。
キクガシラコウモリの身体
キクガシラコウモリは淡い褐色の体毛に覆われ、丸みを帯びた体つきをしています。ハムスターやモルモットと似ている可愛らしい体型です。
超音波を発するときは、洞窟の壁面やトンネルの天井にぶらさがったままの状態で、身体をころころと回転させます。
キクガシラコウモリの鳴き声

キクガシラコウモリが鳴き声を上げることは滅多になく、鼻葉から発する超音波も高周波のため人間の耳には聞こえません。
コウモリの超音波を検知して、人間の耳で聞き取れる周波数に変換するバットディテクターという機械を使うと「ピリピリ……」という、か細い虫の声のような音として聞き取れます。
キクガシラコウモリの翼

キクガシラコウモリの翼は、縦横比が小さい「広短型」と呼ばれる形状をしています。
高速飛翔には不向きですが、細かな旋回や素早い方向転換ができるため、狭い空間での飛行に適しており、木々が生い茂った障害物の多い場所でもエサの捕獲が可能です。
優れた飛行能力と超音波を組み合わせて、狭く入り組んだ洞窟内でも障害物を正確に把握しながら自在に飛行します。
キクガシラコウモリのねぐら

キクガシラコウモリはも洞窟や廃坑など、暗くて天敵に見つかりにくい場所をねぐらにします。ごくまれに民家に棲みつくことも。
冬眠期と活動期、出産・子育て期と季節に応じてねぐらを使い分けており、最低でも10匹、最大で200匹程度の集団を形成して暮らしています。
キクガシラコウモリのエサ

キクガシラコウモリは昆虫食性で、蛾やハエ、クモ、ハチなどの昆虫を捕食します。
夕方になるとねぐらから飛び立ち、森林や河川、草原などエサが多く生息する場所に向かいます。
低空をゆっくりと飛行しつつ、超音波で獲物の位置を把握しながら採餌を行います。
人間に有害な昆虫をエサとすることから、生きた殺虫剤ともキクガシラコウモリはいわれています。
キクガシラコウモリの繁殖・寿命
キクガシラコウモリは2~3歳で初産し、基本的に一度で1子出産します。
交尾は10月から11月にかけて行われ、雌コウモリは精子を体内に蓄えたまま冬眠に入ります。
冬眠から覚醒すると同時に雌コウモリに排卵が起こり、体内の精子と受精し、6月下旬から7月上旬にかけて出産するのです。
1産1子とはいえキクガシラコウモリの妊娠率はきわめて高く、個体数が増えやすいことから集団の規模は大きくなります。
また、キクガシラコウモリの寿命は身体が小さいわりに長く、標識調査では20.5歳を越えることが報告されています。
コウモリを一時的に捕獲し、個体識別用の標識(番号や記号が刻印された帯)を装着して放し、その後の再捕獲データから移動経路、寿命、個体数の変動などを調べる調査方法。
キクガシラコウモリは準絶滅危惧種
キクガシラコウモリは日本国内での生息数が減少しており、準絶滅危惧種に指定されています。
絶滅危惧種とは、現時点での絶滅危険度は小さいものの、生息条件の変化によって絶滅リスクが高まる可能性がある種です。
大規模な森林の伐採で採餌場所が失われていることに加え、出産や冬眠に利用される洞窟の消滅・環境悪化によって、キクガシラコウモリの個体数は減少しています。
キクガシラコウモリの種類
日本に生息するキクガシラコウモリは、以下の4種類です。
・コキクガシラコウモリ
・オキナワコキクガシラコウモリ
・ヤエヤマコキクガシラコウモリ
各キクガシラコウモリの見た目や生息地、ねぐらなどの特徴を解説します。
二ホンキクガシラコウモリ
| 学名 | Rhinolophus nippon |
| 英名 | Greater Japanese horseshoe bat |
| 和名 | 日本菊頭蝙蝠 |
| 体長 | 5.5~8.2cm |
| 体重 | 16~35g |
| 生息地 | 日本、朝鮮半島、中国、インド、ネパール、ブータン |
識別図鑑 日本のコウモリ|株式会社文一総合出版
二ホンキクガシラコウモリは、北海道と琉球諸島の一部を除く日本のほぼ全域に生息しています。
主にトンネルや洞窟をねぐらとしますが、まれに民家に棲みつくこともあります。
キクガシラコウモリの中で一番身体が大きい品種で、鼻葉の下唇中央に切れ込みがあり、左右に2分割されているのが特徴です。
10匹程度の比較的小規模な集団を形成しますが、200匹も大所帯で暮らしている例も確認されています。
コキクガシラコウモリ
| 学名 | Rhinolophus cornutus |
| 英名 | Japanese little horseshoe bat |
| 和名 | 小菊頭蝙蝠 |
| 体長 | 3.5~5.6cm |
| 体重 | 4~9g |
| 生息地 | 日本 |
識別図鑑 日本のコウモリ|株式会社文一総合出版
コキクガシラコウモリは日本固有種で、北海道から九州および奄美諸島を含む周辺離島まで幅広く生息しています。
主に洞窟内や廃坑、防空壕などをねぐらとしていますが、まれに民家に姿を現します。

コキクガシラコウモリは、ニホンキクガシラコウモリとは異なり鼻葉下唇に3つの切れ込みがあります。
身体の大きさはニホンキクガシラコウモリより一回り小さく、体重は10gにも満たないほど小さいです。
しかし、自身の身体の半分程度の蛾やガガンボなど、体長2cm程度の昆虫を捕食する大胆な一面もあります。
オキナワコキクガシラコウモリ
| 学名 | Rhinolophus pusillus |
| 英名 | Okinawa little horseshoe bat |
| 和名 | 沖縄小菊頭蝙蝠 |
| 体長 | 3.6~4.6cm |
| 体重 | 5~8g |
| 生息地 | 日本(沖縄島、伊平屋島、渡嘉敷島、久米島、宮城島、伊良部島、宮古島) |
識別図鑑 日本のコウモリ|株式会社文一総合出版
オキナワコキクガシラコウモリは、日本の琉球諸島にのみ生息するコウモリです。
見た目はコキクガシラコウモリと非常に似ており、上顎の小臼歯がやや小さいという違いしかなく、見分けるのは極めて困難です。
ねぐらとなる洞窟や採餌場所の森林が、都市開発により失われており個体数は減少傾向にあります。伊平屋島や渡嘉敷島では、オキナワキクガシラコウモリの姿はほとんど確認されていません。
ヤエヤマコキクガシラコウモリ
| 学名 | Rhinolophus perditu |
| 英名 | Yaeyama little horseshoe bat |
| 和名 | 八重山小菊頭蝙蝠 |
| 体長 | 3.9~5cm |
| 体重 | 6~9g |
| 生息地 | 日本(石垣島、西表島、小浜島、竹富島) |
識別図鑑 日本のコウモリ|株式会社文一総合出版
ヤエヤマコキクガシラコウモリは、石垣島と西表島、小浜島、竹富島のみに生息しています。
ほかのキクガシラコウモリと同じく、洞窟をねぐらとしています。
見た目はコキクガシラコウモリと非常によく似ていますが、体長は2~3mm程度大きく、体重は2g程度重たいです。
一般的に50~400匹程度で集団を形成し、石垣島では682匹の集団が確認された例もあります。
朝日新聞「希少コウモリ生息 新石垣空港の建設予定地」
自然保護助成基金「石垣島:カラ・カルスト地域と域外の主要洞窟に生息する絶滅危惧種コウモリ類の生息実態に関する学術調查(2014年2月) 報告」
キクガシラコウモリはなぜ準絶滅危惧種なのか?

二ホンキクガシラコウモリは、埼玉県や静岡県、大阪府など多くの地域で準絶滅危惧種に指定されています。
準絶滅危惧種とは、現時点では絶滅の危険性は低いものの、生息環境の変化次第では「絶滅危惧II類」に移行し、絶滅の危機に瀕する可能性がある種のことです。
| 絶滅 | 我が国ではすでに絶滅したと考えられる種 |
| 野生絶滅 | 飼育・栽培下あるいは自然分布域の明らかに外側で野生化した状態でのみ 存続している種 |
| 絶滅危惧I類 | 絶滅の危機に瀕している種 |
| 絶滅危惧IA類 | ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの |
| 絶滅危惧IB類 | IA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの |
| 絶滅危惧II類 | 絶滅の危険が増大している種 |
| 準絶滅危惧 | 現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種 |
| 情報不足 | 評価するだけの情報が不足している種 |
| 絶滅のおそれのある 地域個体群 | 地域的に孤立している個体群で、絶滅のおそれが高いもの |
自然洞窟の環境悪化や人口巣穴の減少によって、二ホンキクガシラコウモリの個体数は減っています。
自然洞窟の環境悪化

キクガシラコウモリのねぐらは、鍾乳洞や海岸の崖や岩が削られてできた洞窟です。
気温9~21℃、湿度85~100%の環境が適しており、季節によってねぐらを変えています。
しかし、近年レジャー施設や住宅街の開発により、洞窟内の環境が悪化しています。
昼間の隠れ家となる洞窟内で焚き火をしたり灯りをつけたりすることで、キクガシラコウモリが棲めなくなっています。ときには人間がキクガシラコウモリに直接触れる場合があり、さらなるストレスが溜まってねぐらを去らざるを得なくなるのです。
人工洞穴の減少

キクガシラコウモリは廃坑や防空壕など、人工的に作られた洞穴に棲みつくことがあります。しかし、近年人工洞穴が減少しており、キクガシラコウモリの生息地が失われているのです。
人工洞穴内のコンクリートや岩壁は、経年劣化によってひび割れや崩落を起こしやすくなります。
加えて、洞穴内に人が立ち入って壁面に触ったり、物をぶつけたりすることによりさらに劣化します。
メンテナンスをする場合、数百万円もの高額な費用がかかるため、人工洞穴の維持は容易ではありません。
結果的に人工洞穴の数は減少し、キクガシラコウモリの生息環境に影響を与えているのです。
キクガシラコウモリの保護活動
準絶滅危惧種に指定されているキクガシラコウモリを保護するために、自然洞窟の環境保全や人口洞穴の設置が行われています。
自然洞窟の環境保全

キクガシラコウモリの棲む自然洞窟の環境を保全するために、次のような対策が取られています。
・洞窟への人の立ち入りを制限する
・火や灯りの使用を禁止する
・コウモリだけが出入りできる扉や柵を設ける
ほかにも観光鍾乳洞では、キクガシラコウモリの年間を通した移動状況や個体数の変動について調査されています。
調査結果をもとに照明の設置場所を決定し、キクガシラコウモリの移動したり天井にぶら下がったりするのを妨げないよう対策しています。
人工洞穴の設置

棲み処を追われたキクガシラコウモリのため、人工洞穴を設置し、生息環境を保全する活動が行われています。
青森県階上町では2004年に、使わなくなった貨物車両を民家の庭に埋設し、人工洞穴としました。
車両の上には盛り土をして内部の温度と湿度を安定させるとともに、入口にトンネル状の通路を設け、光を遮断できるよう工夫しています。
生息環境が急速に悪化している現状では、人工洞穴による保全活動の重要性が高まっています。
キクガシラコウモリの捕獲・殺傷は法律違反
キクガシラコウモリを含むすべてのコウモリは、鳥獣保護管理法によって保護されているため、捕獲・殺傷は法律違反となり、禁止されています。
正式には「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」といい、野生鳥獣の保護と管理を目的とする法律。
絶滅危惧種を守るうえでも、重要な役割を担っている。
鳥獣保護管理法に違反した場合、1年以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金が科されます。
遭遇する機会が少ないキクガシラコウモリですが、見つけても触れたり捕まえたりしてはいけません。
弱っている野生のキクガシラコウモリを見つけた場合も、許可なく保護することは禁止されています。
各都道府県の野生鳥獣担当機関に対応方法について問い合わせましょう。
最も身近なコウモリの存在
私たちが暮らす住宅街に現れる、身近なコウモリはアブラコウモリです。
アブラコウモリの生態やキクガシラコウモリとの違い、人間におよぼす被害などを詳しく解説します。
住宅街に現れるのはアブラコウモリ

| 学名 | Pipistrellus abramus |
| 英名 | Japanese pipistrelle |
| 和名 | 油蝙蝠 |
| 体長 | 3.7~6cm |
| 体重 | 5~11g |
| 生息地 | 日本、中国、台湾 |
| ねぐら | 民家、高架橋、地下水路 |
| 食性 | 昆虫 |
識別図鑑 日本のコウモリ|株式会社文一総合出版
アブラコウモリは主に都市部や住宅地に生息し、人家の周辺で見られることが多いため「イエコウモリ」とも呼ばれます。
自宅周辺で、夕方に飛び回っているコウモリを見かけたら、アブラコウモリの可能性が高いです。
体長は5cm前後と二ホンキクガシラコウモリと同様に小型で、暗褐色や灰褐色のツヤのある体毛に覆われています。
鼻に目立ったひだはなく、耳が小さくネズミのような顔つきです。
日没後20~30分後から夜明けにかけて蚊やユスリカ、カメムシなどの小さな昆虫を住宅街近くの雑木林や河川で捕食します。
アブラコウモリと二ホンキクガシラコウモリの違い

| アブラコウモリ | キクガシラコウモリ | |
| 体長 | 3.7~6cm | 3.5~8.2cm |
| 体重 | 5~11g | 4~35g |
| 見た目 | 鼻先が細長い | 鼻葉にひだがある |
| 生息地 | 日本、中国、台湾 | 日本、中国、インド、ネパール、ブータン |
| ねぐら | 民家、高架橋、地下水路 | 洞窟、廃坑、ずい道、地下水路、民家 |
| 食性 | 昆虫 | 昆虫 |
アブラコウモリとキクガシラコウモリの最も大きな違いは、鼻葉のひだの有無です。
キクガシラコウモリは複雑なつくりの鼻葉をもっていますが、アブラコウモリの鼻にはありません。鼻の形を見れば、キクガシラコウモリかアブラコウモリか簡単に判別できます。
体格はほぼ変わらず、どちらも昆虫食ですが、アブラコウモリが蚊やユスリカなどの小さな虫を捕食するのに対し、キクガシラコウモリは2cm程度の大きな獲物を捕らえることもあります。
また洞窟を主なねぐらとするキクガシラコウモリも、ごくまれに民家に棲みつくことがあります。
アブラコウモリは民家に棲みつく

- 屋根の隙間
- 軒下の隙間
- 玄関の隙間
- 雨どい
- 室外機のダクト
- 換気口
- 換気扇
- シャッターの隙間
- 雨戸の隙間
キクガシラコウモリと同じく、アブラコウモリは暗く湿った場所を好みます。
もともとは洞窟や木の中にできた空洞などをねぐらにしていましたが、都市化によって棲み処が減ったため、民家に棲みつくようになりました。
アブラコウモリは雑木林や河川など、住宅街のよくある自然にエサを求めて飛来し、捕食後は天敵に見つかりにくい場所に身を潜めます。
エサ場の近くにあり、アブラコウモリが好む暗くてジメジメした場所が多い民家は、食後のねぐらとして最適です。
身体が小さく、外壁のひび割れや屋根材の継ぎ目など、1~2cmの隙間から侵入します。
アブラコウモリが棲みつきやすい場所は以下のとおりです。

- 屋根裏
- 雨どいの中
- 室外機のダクト内
- 換気口の中
- 雨戸の戸袋
- シャッターの隙間
- 床下
アブラコウモリがもたらす被害

アブラコウモリは民家に棲みつき、健康被害や住宅被害などさまざまな被害を及ぼします。
健康被害
アブラコウモリのフンは、パサパサしており崩れやすく、空気中に舞いやすい特徴があります。
乾燥して粉塵化したフンを吸い込むとくしゃみや目のかゆみなどのアレルギー症状を引き起こします。
またアブラコウモリを含む野生のコウモリは、さまざまな菌やウイルスを保有している可能性が高く、感染症に罹患するかもしれません。
以下は、コウモリが媒介する菌やウイルスによって引き起こされる代表的な感染症です。
| 感染症 | 潜伏期間 | 症状 | 致死率 |
| サルモネラ症 | 12時間 | 1日10回以上の激しい下痢や腹痛、発熱 | 0.1~0.2% |
| エボラ出血熱 | 2~21日 | 発熱、頭痛、筋肉痛、下痢、嘔吐、発疹 | 50% |
| ニパウイルス感染症 | 4~14日 | 発熱、頭痛、めまい、嘔吐 | 32% |
| ヒストプラスマ症 | 3~17日間 | 発熱、頭痛、悪寒、疲労感 | ほぼ0% (病型によっては死に至る場合がある) |
| 狂犬病 | 1~3ヶ月 | 発熱、頭痛、全身倦怠 | 100% |
| SARS | 2~10日 | 発熱、悪寒戦慄、筋肉痛 | 9.6% |
罹患すると死に至る可能性もあるため、自宅にアブラコウモリが棲みついても絶対に素手で触らないようにしましょう。
住宅被害
アブラコウモリが棲みつくと糞尿によって住宅が汚れ、建材の腐食が進行します。
屋根裏に棲みつかれた場合、天井や壁にシミができるだけでなく、建材が腐食して強度を失い、住宅の耐久性が低下する原因になります。
また、腐食した建材がシロアリを呼び寄せる可能性も。
湿気を含んで柔らかくなった建材はシロアリの大好物です。シロアリの食害にあうと、さらに住宅が脆くなってしまいます。
騒音被害
アブラコウモリは、羽音や鳴き声による騒音被害を引き起こします。
夜間にアブラコウモリは活発化し、「バサバサ」と羽ばたく音や、「キーキー」という鳴き声を発します。
また、わずかな隙間を這って移動するため、天井裏や壁の断熱材に体が擦れて「カサカサ」という摩擦音を立てることも。
集団で棲みつくと、複数のアブラコウモリによって発せられる音が室内に響き渡ります。
こうした騒音はストレスの原因となるだけでなく、就寝時に物音を立てられることで睡眠不足を引き起こし、体調不良につながる恐れもあります。
悪臭被害
アブラコウモリのフンは5~10mm程度と小さいですが、1匹につき一晩に100~500匹程度の昆虫を捕食するため、大量に排泄します。
仮に屋根裏に棲みつかれた場合、一面がフンで覆い尽くされることも。大量のフンから発生するニオイは強烈で、ドブとアンモニアの匂いを混ぜたような酸っぱい悪臭が漂います。
棲みつかれた場所の周辺だけでなく、建物全体に糞による悪臭が充満することもあり、住民は大変な不快感を抱くでしょう。
アブラコウモリが棲みついたら駆除しよう

アブラコウモリが自宅に棲みつくと感染症リスクや騒音など、さまざまな被害をもたらすため、すみやかに駆除する必要があります。
ただし、正しい手順で対処しなければ法律に違反したり駆除に失敗したりする可能性があるため、正確な知識を身につけたうえで対応しましょう。
ここでは自分で実践できる、アブラコウモリの正しい駆除方法を解説します。
アブラコウモリも捕獲・殺傷NG
キクガシラコウモリと同様に、野生のアブラコウモリは鳥獣保護管理法の保護対象です。
騒音や悪臭などの被害に遭っているとしても、捕獲や殺傷をしてはいけません。駆除する過程で傷つければ、1年以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金が科されます。
アブラコウモリの駆除とは、傷つけたり殺したりせず、追い出すことを指します。
①巣の場所と侵入経路を特定
アブラコウモリを駆除する前に、巣の場所と侵入経路を特定します。
アブラコウモリの巣は、鳥のように葉や枝を集めてつくられるわけではありません。アブラコウモリが集団でねぐらにして棲みついている場所そのものを巣といいます。
アブラコウモリの巣がある場所を把握しないと完全に追い出すことができません。
追い出したあとは、帰巣本能の強いアブラコウモリが再び戻ってこないよう、侵入経路を封鎖する必要があります。
巣の場所と侵入経路を特定する際は、アブラコウモリの出入りが活発な時間である夕方から夜間にかけて、家の周辺を観察するといいでしょう。
糞が落ちている場所や悪臭がする場所だけでなく、換気口や屋根瓦の隙間、エアコンの配管周りなども確認し、巣と侵入経路を特定しましょう。
②駆除道具の購入
巣の場所と侵入経路を特定できたら、駆除道具を購入します。
アブラコウモリを駆除するために必要な道具は、以下のとおりです。
| 道具 | 商品 | 用途 |
|---|---|---|
| 防じんマスク | フンの菌を吸い込みを防ぐ | |
| ゴム手袋 | アブラコウモリの身体やフンに直接触れるのを防ぐ | |
| 忌避スプレー | アブラコウモリを追い出すための薬剤 | |
| ハンドクリーナー | 大量のフンを清掃する | |
| 消毒液 | フンを清掃した後に消毒する | |
| 殺虫剤 | フンに寄ってきた害虫を駆除する | |
| コーキング剤 | 侵入経路を塞ぐ | |
| コーキングガン | コーキング剤を塗布する | |
| 隙間パテ | 侵入経路を塞ぐ | |
| パッキンテープ | 侵入経路を塞ぐ | |
| 金網 | 侵入経路を塞ぐ | |
| 金切りばさみ | 金網を侵入経路に合わせた形に切る | |
| 脚立 | 駆除するのに高所作業がともなう場合に使う |
駆除道具はいずれもネット通販やホームセンターで手に入ります。
③アブラコウモリを追い出す
駆除道具を用意できたら、アブラコウモリの追い出しを行います。
棒やほうきなどの道具を使って追い出すと、アブラコウモリを傷つけてしまう危険があるため、忌避スプレーを使用します。
コウモリはハッカのニオイを嫌います。
忌避スプレーの主成分はハッカであるため、アブラコウモリを効果的に追い出せます。
換気口や屋根瓦の隙間など、侵入経路の隙間から忌避スプレーを噴射してアブラコウモリを追い出しましょう。
作業時の注意点として、驚いたコウモリが急に飛び出してくることがあります。
脚立やハシゴを使う場合は、コウモリの動きに驚いて転倒しないよう、可能であれば他の人に支えてもらいましょう。
忌避スプレーは人体には無害ですが、アブラコウモリを追い出すには何度も噴射する必要があるため、防じんマスクをしておくと気管支への影響を抑えられ安心です。
④巣の清掃と消毒
アブラコウモリを追い出したあとは、巣の清掃と消毒をおこないます。
巣には大量の糞が蓄積されるため、防じんマスクと使い捨て手袋を着用し、病原菌の吸い込みや直接接触を防ぎましょう。
最初にハンディクリーナーでフンを除去したあと、雑巾に消毒液を染み込ませて拭き取り、病原菌が空気中に飛散しないよう配慮します。
作業後は、手洗いや衣服の洗浄も忘れないようにしましょう。
また、アブラコウモリの糞に引き寄せられて、ゴキブリやダニなどの害虫が発生していることがあるため、殺虫剤を準備しておくと安心です。
⑤侵入経路を塞ぐ
巣の清掃と消毒を終えたら、アブラコウモリの侵入経路を塞ぎます。
帰巣本能の強いアブラコウモリは、侵入できる隙間があると再来して棲み着く可能性があります。
二度と被害に遭わないために、アブラコウモリの侵入経路を完全に塞ぐことが重要です。
侵入経路を塞ぐときは、場所によって使用する道具を変える必要があります。
通気口や換気口など、密閉すると生活に支障をきたす場所には、編み目が1cm以内の金網を使用します。
屋根や軒下の亀裂や小さな隙間は、コーキング剤や害獣パテを使用してしっかり密閉しましょう。
あわせて、アブラコウモリを寄せ付けない環境を作ることも重要です。
天井や屋根裏などの広いスペースには、置き型の忌避剤がおすすめです。
置き型の忌避剤は強すぎない香りで近隣への影響が少なく、2ヶ月程度効果が持続します。
またアブラコウモリはハッカのニオイが苦手なため、巣をつくられやすい場所や侵入されやすい場所にハッカ油をまくのも効果的です。
ハッカ油をまくと、アブラコウモリだけでなく害虫防止の除け効果も期待できます。
自分での対応が不安ならプロに依頼
駆除グッズを揃えて正しい手順を踏めば、アブラコウモリを自力で駆除することは可能です。
しかし、駆除するにはアブラコウモリと直接対面する必要があり、万が一直接肌に触れると感染症にかかる可能性があるため、不安に感じる方は多いでしょう。
また、アブラコウモリが棲み着いた場所が屋根裏や床下の場合、人が入るための点検口が必要になります。
点検口がない場合は新たに設置しなければなりませんが、専用の工具と知識・技術が求められるため、経験のない方には対応が困難です。
自分で対処するのが不安、あるいは難しいと判断した場合は、無理せずコウモリ駆除のプロに依頼しましょう。
豊富な実績と確かな技術力で、アブラコウモリの駆除から再侵入防止まで対応します。
まとめ
キクガシラコウモリの生態と、私たちの身近にいるアブラコウモリについて解説しました。
キクガシラコウモリは洞窟や廃坑をねぐらとするため、日常生活で遭遇する機会は少ないです。
一方、アブラコウモリは住宅街に出没するため遭遇しやすく、民家に棲みつくとさまざまな被害をもたらします。
アブラコウモリが自宅に棲みついたときは早急な駆除が必要ですが、自分で対処するのが不安な場合は、コウモリ駆除のプロへの依頼をおすすめします。
害虫害獣コンシェルジュは、アブラコウモリに関する豊富な知識と確かな技術力を活かし、現地調査から駆除、再侵入防止対策まで一貫して対応いたします。
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