ヤドリスズメバチはどんなハチ?特徴や生態など詳しく解説

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ヤドリスズメバチは自分で巣をつくらず、ツヤクロスズメバチがつくった巣に入り込んで乗っ取ってしまう少し変わった生態のスズメバチです。
スズメバチには多くの種類が存在していますが、ヤドリスズメバチはどのようなスズメバチなのでしょうか。
この記事では、スズメバチの一種であるヤドリスズメバチの生態や人への危険性を解説いたします。
・スズメバチの種類
・ヤドリスズメバチの攻撃性
・ヤドリスズメバチと名前が似ているハチの特徴
・ヤドリスズメバチが乗っ取るスズメバチの巣について
・スズメバチに共通する危険性や駆除方法
・スズメバチを駆除する際に必要な道具
スズメバチとは
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スズメバチは多くの種類が存在しており、見た目や巣をつくる場所などさまざまな違いがあります。
一般的にスズメバチと呼ばれているのはハチ目細腰亜目有剣下目スズメバチ上科スズメバチ科スズメバチ亜科に分類される昆虫です。
スズメバチ亜科は、スズメバチ属、クロスズメバチ属、ホオナガスズメバチ属、ヤミスズメバチ属の4種類に分けられます。
| スズメバチの分類 | 種類 |
| スズメバチ属 (Vespa) |
オオスズメバチ、キイロスズメバチ、モンスズメバチ、チャイロスズメバチ、ツマグロスズメバチ、ツマアカスズメバチ、コガタスズメバチ、ヒメスズメバチ など |
| クロスズメバチ属 (Vespula) |
ヤドリスズメバチ、ツヤクロスズメバチ、クロスズメバチ、シダクロスズメバチ、キオビクロスズメバチ など |
| ホオナガスズメバチ属 (Dolichovespula) |
ヤドリホオナガスズメバチ、シロオビホオナガスズメバチ、キオビホオナガスズメバチ、ニッポンホオナガスズメバチ など |
| ヤミスズメバチ属 (Provespa) |
ナミヤミスズメバチ、タイリクヤミスズメバチ、オオヤミスズメバチ |
日本に生息しているのはスズメバチ属、クロスズメバチ属、ホオナガスズメバチ属の3種類です。このなかで特に殺傷被害が多く報告されているのは攻撃性が高いスズメバチ属で、キイロスズメバチやコガタスズメバチに加え、日本最大級であるオオスズメバチが分類されています。
ヤミスズメバチ属はタイやベトナムなどの東南アジアに生息している夜行性のスズメバチで、日本での生息は確認されていません。
ヤドリスズメバチってどんなハチ?

ヤドリスズメバチの基本情報
| 和名 | ヤドリスズメバチ(ヤドリクロスズメバチ) |
| 学名 | Vespula austriaca |
| 分類 | ハチ目細腰亜目有剣下目スズメバチ上科 スズメバチ科スズメバチ亜科クロスズメバチ属 |
| 体長 | 女王バチ:1.7~2.0cm 働きバチ:存在しない(乗っ取った巣の働きバチが働く) オスバチ:1.2~1.6cm |
| 寄生先 | ツヤクロスズメバチの巣 |
| 巣の場所 | 閉鎖空間(土の中、稲わらの中、家の壁間など) |
| 巣の規模 | 巣盤:詳細不明 育房数:400~1500房 |
| 巣の特徴 | 見た目は灰色で和紙のように丈夫な素材でできている(寄生先の巣) |
| 主な餌 | 幼虫:クモや昆虫などを肉団子状にしたもの 成虫:幼虫の分泌液や樹液など ※餌は寄生した巣で育てられていた働きバチが運ぶ |
| 生息域 | 北海道、利尻島、本州、佐渡島、朝鮮半島、中国、モンゴル、極東ロシアを含む全北区北部 |
ヤドリスズメバチはクロスズメバチ属に分類されるスズメバチで、ヤドリクロスズメバチと呼ばれることもあります。
日本では北海道や本州の山岳地帯に生息しており、標高800m~2200mでの生息が確認されています。
クロスズメバチ属は黒い体に白い縞模様をしているスズメバチが多い中、ヤドリスズメバチは黒い体に黄色い模様がついた見た目をしています。
名前にヤドリと付くスズメバチは、社会寄生性昆虫と呼ばれ、他のスズメバチがつくった巣に入り込み、元の女王バチを殺して巣を乗っ取ります。
この記事で紹介するヤドリスズメバチも社会寄生性昆虫であり、ツヤクロスズメバチの巣を乗っ取って生活をします。
日本の真社会性ハチ|高見澤 今朝雄 著
日本昆虫目録 第9巻 膜翅目 第3部 細腰亜目有剣類|一般社団法人 日本昆虫学会 発行
ヤドリスズメバチの生態

ヤドリスズメバチはツヤクロスズメバチの巣を乗っ取って生活をします。
乗っ取り先のツヤクロスズメバチの女王は5月中旬から活動を開始し、巣づくりや産卵を行います。
対してヤドリスズメバチの女王は6月中旬から活動を始めます。
| 女王バチが活動を開始する時期 | |
| ヤドリスズメバチ | 6月中旬 |
| ツヤクロスズメバチ | 5月中旬 |
社会寄生性昆虫であるヤドリスズメバチの女王は、寄生して乗っ取る予定のツヤクロスズメバチの巣が完成した時期に合わせて活動を開始するのです。
寄生先であるツヤクロスズメバチのように自分で巣をつくり働きバチを産み育てるような多くのスズメバチは社会性昆虫と呼ばれ、下記のように群れの中で分業が行われます。
| 社会性昆虫に分類されるスズメバチの分業 | |
| 初代女王バチ |
・初期巣の形成(巣づくり、餌集め、初期の幼虫の育成) ・産卵 ・毒針を持つ |
| 働きバチ | ・巣の拡張と維持 ・幼虫の育成(狩りをして餌を運ぶ) ・巣内の温度調節 ・外敵から群れを守る ・毒針を持つ |
| オスバチ | ・新女王バチとの交尾 ・巣の拡張や幼虫の育成はしない ・毒針を持たない |
| 新女王バチ | ・オスバチと交尾をしたのちに越冬 ・翌年の春から初期巣を形成し産卵 |
ツヤクロスズメバチを含む社会性昆虫の初代女王バチは、越冬から目覚めた後、単独で巣づくりや産卵、初期の幼虫のための餌集めなどを行います。
働きバチが増えてくると、女王バチは巣の中での産卵に専念するようになります。
社会寄生性昆虫であるヤドリスズメバチの女王は、ツヤクロスズメバチの初期の幼虫が働きバチとして羽化する間際に巣に侵入します。
そしてツヤクロスズメバチの女王を殺して巣を乗っ取るのです。
ヤドリスズメバチの女王が産んだ卵からは、新女王とオスバチしか生まれず、働きバチは生まれません。
乗っ取った巣に残されたツヤクロスズメバチの女王バチの子どもを、群れを維持するための働きバチとして利用します。
成虫になったツヤクロスズメバチの働きバチは、疑うことなくヤドリスズメバチの女王が産んだ卵を自分の仲間として育てます。
成虫になったヤドリスズメバチの新女王バチとオスバチは巣から旅立ち、交尾をした後にオスバチは息絶えますが、女王バチは越冬をします。その後またツヤクロスズメバチの巣が完成した頃に活動を開始して、新たな寄生先を探すのです。
日本の真社会性ハチ|高見澤 今朝雄 著
ヤドリスズメバチの攻撃性について

ヤドリスズメバチや寄生先のツヤクロスズメバチが分類されるクロスズメバチ属は、スズメバチのなかでは攻撃性が低く小型でおとなしい種類とされています。
しかし、成虫に触れたり、巣にわざと近づいて刺激をするようなことがあれば、危険を感じて毒針で攻撃してくる恐れがあるため姿を見かけても不用意に近づかないようにしましょう。
ヤドリスズメバチに寄生されるツヤクロスズメバチ

ここまでヤドリスズメバチの生態について紹介をしてきましたが、ヤドリスズメバチに巣を狙われ乗っ取られてしまうツヤクロスズメバチとはどのようなスズメバチなのでしょうか。
ツヤクロスズメバチ

ツヤクロスズメバチの基本情報
| 和名 | ツヤクロスズメバチ |
| 学名 | Vespula rufa |
| 分類 | ハチ目細腰亜目有剣下目スズメバチ上科 スズメバチ科スズメバチ亜科クロスズメバチ属 |
| 体長 | 女王バチ:1.6~1.9cm 働きバチ:1.2~1.6cm オスバチ:1.3~1.7cm |
| 巣の場所 | 閉鎖空間(土の中、稲わらの中、家の壁間など) |
| 巣の規模 | 巣盤:3枚以下 育房:400~1500房 |
| 巣の特徴 | 見た目は灰色で和紙のように丈夫な素材でできている |
| 主な餌 | 幼虫:クモや昆虫などを肉団子状にしたもの 成虫:幼虫の分泌液や樹液など |
| 生息域 | 北海道、本州、四国、九州、朝鮮半島、極東ロシア、東シベリア |
ヤドリスズメバチが乗っ取るスズメバチの巣

ヤドリスズメバチが乗っ取るツヤクロスズメバチの巣は、ツヤクロスズメバチの基本情報で記載があるとおり、見た目は灰色で和紙のように丈夫です。
巣の素材は枯れた草木や木材の繊維質部分を集めてつくられています。
ヤドリスズメバチが乗っ取るスズメバチが巣をつくる場所

ヤドリスズメバチが乗っ取るツヤクロスズメバチの巣は、土の中や家の壁間などの閉鎖空間につくられます。
閉鎖空間につくられたハチの巣は、全容が見えずどのくらいの規模であるかの確認が難しいため、外から見て「そんなにハチも多くないし大丈夫そうだな」と油断して不用意に近づかないようにしましょう。
見えない部分でハチの巣が大きくなっており、想定以上のハチの大群に攻撃されてしまう可能性があります。
スズメバチの巣は放置しても大丈夫?
ヤドリスズメバチに限らず、スズメバチに巣をつくられてしまった場合、そのまま放置するのは大変危険です。
ヤドリスズメバチの生態の部分で説明したように、社会性昆虫であるスズメバチの女王は春頃に単独で巣づくりや幼虫の育成を行います。
この時期はまだハチの数も女王バチ1匹で危険性は低いですが、働きバチが増えてくると分業が始まり、巣の拡大や幼虫の育成スピードはどんどん速くなります。
「巣が小さいから大丈夫」「忙しいから後で駆除しよう」と放置していると、気づいたときには大量のスズメバチが出入りする大きな巣に成長してしまいます。
スズメバチの巣を見つけた場合は、早めの駆除を検討しましょう。
スズメバチを見かけたらどうする?

実際にヤドリスズメバチに遭遇してしまった場合はどのように対処するべきなのでしょうか。
ここからはヤドリスズメバチに限らず、スズメバチに共通する気を付けたいことや対処方法をご紹介いたします。
スズメバチに遭遇したら

巣やハチを見つけても騒がない
スズメバチを見かけても、急に動いたり大きな声を出したりしないようにしましょう。
このような動きはスズメバチを刺激してしまい、群れに対する攻撃と認識される危険性があります。
巣やハチを見かけたときは、慌てず騒がないように気をつけましょう。
その場から静かに離れる
飛んでいるスズメバチを見かけたときは、近くに巣がある可能性があります。
スズメバチから離れようと走って逃げようとすると、走ったときの振動が地面をつたって巣に伝わり、巣で待機している働きバチが刺激されて一斉に攻撃してくる恐れがあります。
スズメバチを見かけても落ち着いて静かに距離をとるようにしましょう。
スズメバチの巣に近寄らないようにする
巣の場所が確認できている際は、群れを刺激しないように巣に近寄らないようにしましょう。
スズメバチを複数匹見かけるけれど巣の場所がわからない場合は、早い段階でプロに相談することをおすすめします。
巣が大きくなると働きバチの数が増えるため、刺傷の危険性が高くなります。
頭や目(黒い部分)に気を付ける
スズメバチは黒いものや動きのあるものに敏感に反応し、攻撃行動に移りやすい習性があります。
これは黒くて動くものをスズメバチの天敵であるクマと勘違いしてしまうためとされています。
そのため、山林のような自然の多い場所へ出向く際には、帽子の着用などで頭や目の黒い部分を目立たせないようにして、スズメバチを刺激しない服装を心がけると安心です。
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スズメバチに刺されないためにできること

スズメバチに刺されないためできることを紹介いたします。
屋外イベントやキャンプなど、自然が多い場所に出かける際には特に気を付けましょう。
黒い服装を避ける
頭や目(黒い部分)に気を付けるの項目で紹介しましたが、スズメバチは黒くて動きのあるものに反応して攻撃行動に移りやすい習性があります。
そのため、黒い服装は避けて淡く明るい色の服装を心がけるとよいでしょう。
強いニオイを避ける
スズメバチは柔軟剤や香水、化粧品などの香りがするものに反応して近寄ってくる可能性があります。庭の手入れや野外イベントなど、スズメバチに遭遇する可能性がある場所に行く際には強い香りがするものは身に着けないようにしましょう。
清涼飲料水(甘い香りがするもの)は避ける
スズメバチは人工的な甘い液体も餌にします。また、糖分を含むビールや缶チューハイなどのアルコール飲料にも引き寄せられることが確認されています。屋外で飲んでいるときに餌を求めて近寄ってきたスズメバチが缶やコップのなかに入ってしまい、気づかずに口を近づけて唇を刺されてしまうケースもあります。
スズメバチに刺されてしまったら

スズメバチ科のハチは攻撃性が高く、毒針を持つハチのなかでも特に注意が必要です。
刺されてしまった場合は、速やかに以下の対処をしましょう。
アレルギー反応が出ていないか全身を確認
スズメバチに刺された場所は、その周辺に腫れや赤み、痛みがでる局所反応が起こります。
局所反応のみであれば腫れや痛みは数時間~1日程度で引きますが、かゆみの伴うしこりが残るため、完全に回復するまでは数日かかります。
虫刺されに対するアレルギーを持っている場合や過去に全身のアレルギー反応を起こしたことがある人は、スズメバチに刺された場合に局所反応にとどまらずアナフィラキシーショックを起こし命に関わる危険性があります。
スズメバチに刺されたときは、まずは全身にアレルギー反応の兆候がないか確認をしましょう。
・不安感
・ピリピリ感
・浮動性めまい(ふわふわと浮いているような感覚のめまい)
・全身のかゆみおよびじんましん
・唇や舌の腫れ
・喘鳴(軌道が狭くなり呼吸時にヒューヒュー、ゼーゼーと音がする)
・呼吸困難
・虚脱(失神を伴わない急激な脱力、血圧の低下)
・意識消失
上記いずれかの症状が確認された場合は、迷わず救急車を呼び、救急科を受診しましょう。
初期の段階では「自分で対処できそう」と感じていても、病院へ向かう途中で急激に症状が悪化する可能性があるため注意が必要です。
全身にアレルギー反応の兆候がなければ、次にご紹介する3つの対処法を行いましょう。
対処後は20~30分ほど様子を観察し、特に異常が見られなければアレルギー反応がでる可能性は低くなります。
ただし、少しでも普段と違う様子や不安を感じた場合は、念のため医療機関を受診するようにしましょう。
傷口を流水で洗い毒を取り除く

スズメバチに刺された傷口を流水でよく洗い流します。
患部にハチの針が残っている場合は、指でそっと抜きます。
針に触れたくない場合や利き手ではなくうまく取り除けない場合はクレジットカードやバターナイフで優しくこすって取り除く方法も良いでしょう。
患部に針が残っていないことを確認したら、傷口周辺を圧迫して毒液を絞り出します。
ハチの毒は水に溶けやすいため、傷口から毒液を絞り出すようにもみながら流水にさらすとより効果的です。
抗ヒスタミン軟膏を塗布し患部を冷やす

経口投与の抗ヒスタミン薬を服用するか、抗ヒスタミン剤を含むステロイド軟膏を塗布しましょう。
さらに濡れたタオルや冷湿布などで患部を冷やすことでかゆみや腫れを和らげることができます。
患部を持ち上げ腫れを和らげる

スズメバチに刺されると、局所反応により患部が通常より大きく腫れあがることがあります。
刺された場所によっては、患部の位置を心臓より高く保つことで腫れが和らぐ場合もあります。
この腫れは蜂巣炎(ほうそうえん)という感染症と見分けが付かないこともあるため、刺されてから1日以上経っても腫れが引かない場合や痛みや赤みが強くなる場合は医療機関を受診しましょう。
スズメバチの駆除は油断できない!
スズメバチが巣をつくる場所は種類によって異なり、軒下やカーポートのような解放空間、土の中や屋根裏のような閉鎖空間などさまざまな場所に巣をつくられる可能性があります。
閉鎖空間に巣をつくられた場合、巣の全容を確認するのが難しいうえに狭い空間での作業になるため、スズメバチ駆除の難易度が高くなり非常に危険です。
ヤドリスズメバチが乗っ取るスズメバチが巣をつくる場所で紹介したツヤクロスズメバチのように土の中に巣をつくるようなスズメバチの場合、木の根を巻き込んで巣をつくっているケースもあり解放空間に巣をつくるスズメバチと比較して巣の撤去が困難になります。
目に見える解放空間に巣をつくっていても、手の届かない高所に巣がある場合や4~6月の女王バチが単独で巣をつくる時期以外の駆除は危険性が高いため、少しでも不安を感じるときには無理に駆除作業をせずにプロに相談をしましょう。
スズメバチの活動時期別のと駆除道具

安全にスズメバチの駆除をするためには、活動時期別の危険性や駆除方法を確認しておくことが大切です。
知識がない状態で駆除を行い判断を誤ると、大きな怪我に繋がる可能性があります。
スズメバチの活動時期別の危険性

| 時期 | 危険度 | 主な行動 |
| 4~5月 | 低 | 女王バチが越冬から目覚め、単独で巣づくり、産卵、働きバチの育成を開始。 |
| 6~7月上旬 | 中 | 働きバチが増えることで巣も大きくなり、群れの成長が急加速する。 |
| 7月中旬~8月 | 高 | 働きバチの数が300匹を超える巣が発生し始める。 |
| 8~9月 | 高 | 勢力が最大になり、巣の規模も最大になる。 |
| 9~11月 | 高 | 新女王バチとオスバチが羽化する。 |
| 12~3月 | 低 | 交尾を終えた新女王バチのみが越冬する。 |
危険度が高い時期は巣を守る働きバチの数も増え、群れ自体の攻撃性が高まります。
この時期は自分で無理に駆除はせずにプロへの依頼がおすすめです。
この記事で紹介しているヤドリスズメバチのように、スズメバチの種類によっては6月中旬から活動を開始する女王バチも存在しますが、ほとんどの種類が、4~5月頃には越冬から目覚め単独で巣づくりを始めます。
女王バチは初期の産卵を行い、働きバチを羽化させることで群れの基盤を築きます。
6月になると働きバチの数が増え、巣づくりや幼虫の世話が分担されることで群れの成長速度が上がり始めます。
8月~9月にかけて群れの数が最大となり、勢力がピークに達します。
9月~11月の秋ごろには、翌年の世代となる新女王バチとオスバチが羽化し、繁殖活動が始まります。
オスバチとの交尾を終えた新女王バチは11月~3月の間、樹木の空洞や木の幹、落ち葉の中などで越冬します。
翌年の4月~5月頃に目覚め、新たな巣づくりを開始するのです。
日本の真社会性ハチ|高見澤 今朝雄 著
スズメバチの駆除に使えるグッズ

スズメバチの時期別の行動や危険性を踏まえて、実際に駆除をするためにはどのようなグッズがあるのか確認しましょう。
捕獲器
ハチが好きな黒蜜と発酵した樹液の香りでスズメバチを誘引して捕獲します。
大量のハチを捕獲することはできないため、すでに働きバチが増えて大きくなってしまった巣への対処には向いていませんが、女王バチが単独で巣づくりをする春先に仕掛けておくには最適なグッズです。
女王バチが捕獲できれば、巣づくり防止に繋がります。
駆除エサ剤

ハチの巣コロリ スズメバチ用 駆除エサ剤 2個入り|アース製薬
駆除エサ剤にはプロフィニルという害虫駆除に使われる成分が含まれています。捕獲器と同様に、甘い香りでスズメバチを誘引します。誘引されたスズメバチが器からエサ剤を巣に持ち帰り仲間のハチや幼虫に分け与えることで、巣全体にエサ剤の毒が広がります。そして最終的に巣全体の弱体化や壊滅につながるのです。
駆除スプレー
スズメバチを駆除する際に、手早く効果を得たいときに役立つのが市販の駆除スプレーです。
特にピレストロイド系の成分が含まれるタイプは、ハチの神経に作用して動きを弱める特性があるため、素早く安全に対処しやすいのが特徴です。
スズメバチが攻撃態勢に入る前に動きを止められるため、直接近づく必要がある作業でもリスクを抑えて駆除を進められます。
過去に巣をつくられたことがある場所や、軒下・庭木などのスズメバチが巣をつくりやすい環境に事前に散布しておく巣づくり予防スプレーとして使う方法もあります。
あらかじめ散布しておくことで、数か月にわたり巣づくりを防ぐ効果が期待できます。
スズメバチの駆除をする場合は、頭や顔も含め、必ず肌が露出していない状態で行いましょう。
スズメバチは巣を襲われた際に集団で攻撃に出てくる習性があり、油断をすると致命的な怪我につながる可能性があります。
巣が直径10㎝を超える場合は、無理に自分で駆除をせずプロへの依頼をおすすめします。
安全に駆除するために必要な道具一覧
スズメバチの巣を安全に駆除するためには、群れからの攻撃に備えて万全の準備をする必要があります。
必要な道具をそろえて、肌の露出や隙間をしっかり覆って身を守りながら作業に臨むことが大切です。
駆除スプレー 2~3本

(フマキラー)カダン スズメバチバズーカジェット 550ml まとめ買い3本
駆除作業の途中でスプレーが足りなくなると、巣を刺激して興奮したスズメバチに対応できなくなる恐れがあります。
安全に作業を終えるためには、あらかじめスプレーを複数本用意しておくと安心です。
余ったスプレーも、戻りバチの対策や新しい巣の予防に活用できるので、無駄にはなりません。
脱脂綿

サルバ 白十字 FC脱脂綿100g 10953(ポリホウソウ)
スズメバチの巣には、出入り口として1か所だけ穴が開いています。
駆除の際は巣の中からハチが飛び出さないよう、脱脂綿などで出入口をしっかり塞ぐことが重要です。
隙間があるとハチが外に出てしまい危険なので、隙間なく詰め込むよう注意しましょう。
プロの駆除業者は、脱脂綿の代わりにお風呂のタイルの隙間などに使われるコーキング剤を使用してより確実に巣穴を塞ぐこともあります。
白い防護服セット※7mm以上の厚手のもの
スズメバチのなかでも特に攻撃性が強いオオスズメバチは、3〜7mmほどの長い針を持っています。
薄手の防護服では貫通してしまう危険があるため、作業用の防護服を選ぶ際はスズメバチに対応した十分な厚みがあるか必ず確認しましょう。
また、作業中にハチが防護服の隙間から入り込む事故を防ぐためには、ヘルメットと防護服がファスナーで連結できるタイプが安心です
白い手袋や長靴がセットになった製品も多く、安全対策を一式そろえておくとより確実です。
虫取り網
スズメバチの巣を駆除する際は、戻りバチにも注意が必要です。
外でエサを探していたハチが巣に戻ってくるタイミングで遭遇すると、攻撃される恐れがあります。
戻ってきたハチは虫取り網で捕まえ、集まった個体にはスプレーをかけて処理しましょう。
閉鎖空間など駆除しづらい場所に巣がある場合、プロの駆除業者は先に虫取り網で働きバチを捕獲し、数を減らしてから作業に入ることもあります。
厚手のゴミ袋
巣の中のハチが動かなくなったことを確認したら、巣を厚手のゴミ袋に入れて回収します。
まだ生きているスズメバチが内部に残っている可能性もあるため、薄い袋で回収すると刺される危険が残ります。
心配な場合は、ゴミ袋を二重にして包むとより安心です。
ヘラ
軒下や外壁などにつくられたスズメバチの巣を撤去したあと、表面に巣の残りがこびりついていることがあります。
こうした残骸をきれいに落とすには、ヘラを使って丁寧にこそげ取ると細かい汚れまでしっかり取り除けます。
掃除用具
巣の駆除が済んだあとは、地面に落ちているスズメバチの死骸や巣の破片をほうきとちりとりで集めて処分しましょう。
夜間作業に赤色灯は使える?
一般的にはハチ目の昆虫は赤い光を認識しにくいと言われており、夜間の駆除作業では赤色灯を使ったり、懐中電灯に赤いセロハンを巻き付けて明かりを弱める方法が紹介されることがあります。
ただし近年の調査で、スズメバチの種類によっては赤色を含む暖色系の光にも寄ってくる場合があることが確認されました。
そのため、赤色灯を使えば必ず安全というわけではありません。
夜間の駆除は、照明の種類に関係なく危険を伴います。
作業を行う際は、十分に注意することを忘れないようにしましょう。
スズメバチ駆除の手順

①必要な道具がそろっているか確認
駆除作業を始める前に、安全に駆除するために必要な道具一覧で紹介した必要な道具がそろっているか確認しましょう。
防護服を使う場合は、着用後に全体をチェックして穴や隙間がないか確認することが大切です。
ヘルメットと防護服のチャック、手袋との隙間、長靴とズボンの間など、わずかな隙間でもハチが侵入する恐れがあります。
必要な道具が不足している場合は、駆除を始める前に購入しましょう。
②スズメバチの巣穴に駆除スプレーを噴射する
スズメバチの巣穴には、駆除スプレーを一度にしっかり噴射しましょう。スプレーをする際には風向きを確認して、風上から巣に向けて噴射します。スプレーは必ず手元に予備を置き、使用中に切れてもすぐに交換できるように準備しておくことが大切です。ハチの羽音が静まったタイミングで、巣穴からスズメバチが出てこないように脱脂綿でフタをして封じます。
③巣を切り離してゴミ袋の中に入れる
スプレーを十分に噴射して巣穴に蓋をしたら、巣を切り離して厚手のゴミ袋で回収します。巣が土の中にある場合は、手で慎重に掘り起こすようにしましょう。※スコップなどを使うと巣が崩れて回収が難しくなったり、生き残ったハチに襲われる危険があります。
④ゴミ袋を何重にも縛る
もし巣の中に生きているハチが残っている場合は非常に危険です。ゴミ袋は何重にもしっかり縛るようにしましょう。
⑤戻りバチを防ぐために駆除スプレーを噴霧する
狩りに出ていたスズメバチが巣に戻ってくることがあります。戻りバチが元の巣の場所に寄り付かないように、忌避効果を期待して駆除スプレーを周囲に軽く噴霧しておくと安心です。
⑥駆除したハチの巣を自治体のルールにしたがって処分する
ハチの巣を庭などに放置すると、戻りバチや新たなハチが巣に集まる危険があります。放置したままでは刺されるリスクが高まるため、駆除後は適切に処分することが大切です。
巣の捨て方は、住んでいる自治体のルールにしたがって処理しましょう。自治体によっては燃えるゴミとして出せる地域もありますが、事前に確認してから捨てると安心です。
高所や入り組んだ場所の巣は危険度が高い

スズメバチは屋根裏や床下のように人が入りにくい場所や、手の届きにくい高所にも巣をつくることがあります。
特に屋根裏や床下のような閉鎖空間の場合は外から巣の大きさやハチの数を正確に確認できないことが多く、想像以上に大きな巣に成長していて多数の働きバチが生活していることもあります。
また、狭く暗い場所での作業は動きが制限されやすく、慣れていないとハチに囲まれて慌ててしまう危険もあります。
このような環境での駆除は、軒下や木の枝にある巣よりもさらにリスクが高いため、無理に自分で駆除せず、プロのハチ駆除業者に依頼するのが安全です。
スズメバチ駆除のプロが土の中に巣を作るスズメバチの巣を駆除する際はスコップを使わず手で掘り進める。
《理由》
①スズメバチを刺激してしまう恐れがある
②巣を傷つけ改修しづらくなる
自分で駆除をするのが不安な方はプロに依頼した方が安心
手の届かない高い場所に巣があったり、すでに巣が大きく成長している場合は、駆除作業に思わぬ危険が伴います。
そのようなときには無理に自分で駆除をしようとせず、プロのハチ駆除業者に相談するのが安心です。
プロであれば、巣の場所の把握やスズメバチの種類に応じた適切な方法で駆除してくれるうえ、防護服や専用道具もそろっているため、安全かつスムーズに対応してもらえます。
まとめ
・クロスズメバチ属のスズメバチ
・社会寄生性昆虫でツヤクロスズメバチの巣を乗っ取る
・ヤドリスズメバチに働きバチは存在しない
・乗っ取った巣の働きバチを利用して新女王バチとオスバチを育てさせる
・日本では北海道、利尻島、本州、佐渡島に生息している
この記事ではヤドリスズメバチの生態やスズメバチに共通する駆除や対策方法について解説しました。
ヤドリスズメバチは働きバチを産まないことや生息地が限られていることから、数の少ない珍しい種類のスズメバチです。
もし遭遇した場合は、刺激せずに静かにその場を離れるようにしましょう。
害虫害獣コンシェルジュは「これはスズメバチの巣なのかわからない」「駆除するべきか迷っている」といった状況でも、見積りや相談を無料で受け付けています。
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- ハチ
スズメバチの天敵といわれているカマキリ。 カマキリは狩りに特化した能力を持つ昆虫ですが、凶暴なスズメ...






