シダクロスズメバチに遭遇したら?巣の場所や駆除方法も解説

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暖かい季節になるとハチを見かける機会が増えてきます。
なかでも危険なハチといえばスズメバチを想像する方も多いのではないでしょうか。
この記事で紹介しているシダクロスズメバチもスズメバチの一種です。
中部地方では食用とされることもあるシダクロスズメバチですが、人への危険性はあるのでしょうか。
この記事では、シダクロスズメバチの攻撃性や巣をつくる場所、遭遇してしまった場合の対処方法などを解説していきます。
・シダクロスズメバチの特徴
・シダクロスズメバチの攻撃性
・シダクロスズメバチと似ているハチと見分け方
・シダクロスズメバチが巣をつくる場所
・シダクロスズメバチの遭遇したときの対処法
・スズメバチに共通する危険性や駆除方法
スズメバチとは
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スズメバチはハチ目細腰亜目有剣下目スズメバチ上科スズメバチ科スズメバチ亜科に属する昆虫の総称です。
このスズメバチ亜科のなかでもさらに4種類に分けられます。
| スズメバチの分類 | 種類 |
| スズメバチ属 (Vespa) |
オオスズメバチ、キイロスズメバチ、モンスズメバチ、チャイロスズメバチ、ツマグロスズメバチ、ツマアカスズメバチ、コガタスズメバチ、ヒメスズメバチ など |
| クロスズメバチ属 (Vespula) |
クロスズメバチ、シダクロスズメバチ、ツヤクロスズメバチ、キオビクロスズメバチ など |
| ホオナガスズメバチ属 (Dolichovespula) |
ヤドリホオナガスズメバチ、キオビホオナガスズメバチ、シロオビホオナガスズメバチ、ニッポンホオナガスズメバチ など |
| ヤミスズメバチ属 (Provespa) |
ナミヤミスズメバチ、タイリクヤミスズメバチ、オオヤミスズメバチ |
日本に生息しているのはスズメバチ属、クロスズメバチ属、ホオナガスズメバチ属の3種類です。
ヤミスズメバチ属はタイ、ベトナムなどの東南アジアに生息しています。
攻撃性が高く日本で刺傷被害が多いのはスズメバチ属のハチで、オオスズメバチやコガタスズメバチなどが分類されています。
日本産有剣ハチ類図鑑|寺山守・須田博久 編著
日本の真社会性ハチ|高見澤 今朝雄 著
シダクロスズメバチってどんなハチ?

シダクロスズメバチの基本情報
| 和名 | シダクロスズメバチ |
| 学名 | Vespula shidai |
| 分類 | ハチ目細腰亜目有剣下目スズメバチ上科 スズメバチ科スズメバチ亜科クロスズメバチ属 |
| 体長 | 女王バチ:1.5~1.9cm 働きバチ:1.0~1.4cm オスバチ:1.2~1.5cm |
| 巣の場所 | 閉鎖空間(主に土の中) 稀に木の洞、建物の屋根裏や壁の隙間 |
| 巣の規模 | 巣盤:5~9枚 育房:2,600~34,000房 |
| 巣の特徴 | 茶色または黄褐色 |
| 主な餌 | 幼虫:クモや昆虫などを肉団子状にしたもの 成虫:幼虫の分泌液や樹液など |
| 生息域 | 北海道、本州、四国、九州、種子島、屋久島、韓国、中国、極東ロシア |
シダクロスズメバチは、クロスズメバチ属に分類されるスズメバチです。
体は全体が黒色で白色の縞模様を持ちます。
この種を発見した日本人研究者の苗字が「シダ」だったことから「シダクロスズメバチ」と名づけられました。
シダクロスズメバチは、ヘボや地蜂と呼ばれることがあります。
長野県や岐阜県などの中部地方では成虫や幼虫を甘露煮や混ぜごはんなどに調理して食べる文化があり、郷土料理として親しまれています。
日本昆虫目録 第9巻 膜翅目 第3部 細腰亜目有剣類|一般社団法人 日本昆虫学会 発行
日本の真社会性ハチ|高見澤 今朝雄 著
A TENTATIVE REVISION OF THE SUBGENUS PARAVESPULA OF EASTERN ASIA (HYMENOPTERA : VESPIDAE)|Yamane, Seiki; Wagner, Robert E.; Yamane, Soichi
シダクロスズメバチの生態
シダクロスズメバチは群れを成して生活し、巣の中で分業が行われる社会性昆虫です。
女王バチ、働きバチ、オスバチはそれぞれ役割が違います。
| シダクロスズメバチの分業 | |
| 初代女王バチ |
・初期巣の形成(巣づくり、餌集め、初期の幼虫の育成) ・産卵 ・毒針を持つ |
| 働きバチ | ・巣の拡張と維持 ・幼虫の育成(狩りをして餌を運ぶ) ・巣内の温度調節 ・外敵から群れを守る ・毒針を持つ |
| オスバチ | ・新女王バチとの交尾 ・巣の拡張や幼虫の育成はしない ・毒針を持たない |
| 新女王バチ | ・オスバチと交尾をしたのちに越冬 ・翌年の春から初期巣のを形成し産卵 |
ハチ目の中で腹部に毒針を持つハチは有剣類と呼ばれ、シダクロスズメバチも有剣類に含まれます。
毒針はもともとメスの産卵管が変化したものであるため、オスバチは毒針がないのです。
初代女王バチ
初代女王バチは春頃に行動を開始し、初期は単独で巣作りと幼虫の育成を行います。
1匹で複数の幼虫を育てなければならないため、餌を運ぶのも一苦労です。
そのため、初期に女王バチに育てられてた働きバチは餌の量が少なく体が小さくなる傾向にあります。
働きバチ
働きバチは群れのすべての労働を担当します。
具体的には初代女王バチが作成した初期の小さな巣の拡張や維持や昆虫やクモを狩り肉団子状にして幼虫に与え育成することが主な仕事です。
巣内の温度調節をするために巣に水を持ち帰り散布させる働きバチや入口でハネを羽ばたかせ巣内に空気を送り込む役割の働きバチもいます。
この行動は気化熱を利用して巣内の温度を下げる目的があります。
オスバチ
オスバチは9月~10月頃に羽化しはじめます。役割は繁殖行動のみ。
働きバチのように巣の拡張や幼虫の育児をすることはありません。
新女王バチが巣を旅立つ頃に巣の外に出て、別の巣の新女王バチと交尾をします。
交尾を終えたオスバチは死滅します。
新女王バチ
新女王バチは9~10月頃に羽化しはじめます。
羽化した後は、翌年に初代女王バチとして活動するためにオスバチと交尾をした後、樹木の空洞や木の幹の苔下、落ち葉の中などで越冬することが確認されています。
越冬した新女王バチは翌年の春に初代女王バチとして行動を開始します。
シダクロスズメバチの攻撃性について

シダクロスズメバチが分類されるクロスズメバチ属は他のスズメバチに比べて小型で攻撃性が低く、おとなしい性格をしています。
それでも不用意に近づいてわざと刺激をするようなことがあれば集団で攻撃される恐れがあるため、シダクロスズメバチを見かけても近づかないようにしましょう。
草刈り作業の際に巣に気づかず近づいてしまい、シダクロスズメバチに刺されてしまった事例も報告されています。
シダクロスズメバチと見間違いやすいハチ

シダクロスズメバチと見た目が似ているのがクロスズメバチです。
その生態や見た目、見分け方について紹介します。
クロスズメバチ

クロスズメバチの基本情報
| 和名 | クロスズメバチ |
| 学名 | Vespula flaviceps |
| 分類 | ハチ目細腰亜目有剣下目スズメバチ上科 スズメバチ科スズメバチ亜科クロスズメバチ属 |
| 体長 | 女王バチ:1.4~1.6cm 働きバチ:1.0~1.3cm オスバチ:1.2~1.4cm |
| 巣の場所 | 閉鎖空間(主に土の中) 稀に木の洞、建物の屋根裏や壁の隙間 |
| 巣の規模 | 巣盤:5~9枚 育房:2,600~34,000房 |
| 巣の特徴 | 茶色または黄褐色 |
| 主な餌 | 幼虫:クモや昆虫などを肉団子状にしたもの 成虫:幼虫の分泌液や樹液など |
| 生息域 | 北海道、本州、四国、九州、種子島、屋久島、韓国、中国、極東ロシア |
クロスズメバチもシダクロスズメバチ同様、クロスズメバチ属に分類されるスズメバチで、小型で攻撃性が低くおとなしい性格のハチです。
体全体が黒いことからクロスズメバチと名づけられています。
シダクロスズメバチとクロスズメバチの見分け方

シダクロスズメバチとクロスズメバチは見た目がよく似ています。
顔の中心にある黒い模様が口の近くまで伸びていること、複眼内側の白い部分が特徴的であることで判別できますが、近づいて詳しく観察する必要があるため、遭遇して瞬時に種類を判別することは難しいでしょう。
| シダクロスズメバチとクロスズメバチの違い | ||
| 種類 | シダクロスズメバチ | クロスズメバチ |
| 見た目 | 頭盾:中央の黒帯が下部に至る 複眼内側:白い部分が狭く三日月のように凹んだ形 |
頭盾:中央の黒帯が下部に至らない 複眼内側:白い部分が広く凹んでいない |
※個体により例外も存在する
シダクロスズメバチの巣の見分け方

シダクロスズメバチは閉鎖的な場所を好み地中に巣をつくることが多い種類ですが、建物の屋根裏や壁のすき間など、人の住まいの近くに巣をつくることもあります。
シダクロスズメバチはどんな巣をつくる?
| 巣の見た目 | 茶色または黄褐色で全体は丸い形状 |
| 巣をつくる場所 | 閉鎖空間(主に土の中) 稀に木の洞、建物の屋根裏や壁の隙間 |
| 巣の規模 | 巣盤:5~9枚 育房:2,600~15,100房 |
シダクロスズメバチの巣は茶色または黄褐色で丸い形をしています。
見た目は他のスズメバチの巣と似ているため、屋根裏や壁の隙間に巣を作られた場合、巣の見た目だけでスズメバチの種類を判断するのは難しいでしょう。
巣の規模はクロスズメバチよりシダクロスズメバチの方が大きくなる事例が多く確認されています。
シダクロスズメバチが巣をつくる場所一覧

シダクロスズメバチは閉鎖空間に巣を作ります。
主に土の中に巣を作りますが、木の洞や屋根裏、壁の隙間などにも巣をつくることがあります。
目に見えづらい場所にできたスズメバチの巣の駆除は、ハチの巣がどのくらいの規模であるか確認が困難なため、不用意に近づいたり駆除を行うことは避けた方がよいでしょう。
シダクロスズメバチの巣は放置しても大丈夫?
シダクロスズメバチの巣を放置することはリスクが伴います。
スズメバチの群れは時間がたつにつれ働きバチが増えていき、巣の規模もどんどん大きくなります。
気づいたときには1つの巣に1000匹以上のハチが生活している可能性も。
また、シダクロスズメバチは他のハチを狩る習性があるオオスズメバチに巣を狙われることもあります。
オオスズメバチはシダクロスズメバチより警戒心も攻撃性も高いため、非常に危険な存在です。
シダクロスズメバチの巣を見つけたら、早めに駆除をしましょう。
シダクロスズメバチを見かけたらどうする?

ハチを見かけると「刺されてしまうのでは?」と不安になりますが、焦らず冷静な対処を心がけることが大切です。
シダクロスズメバチに遭遇したら

巣やハチを見つけても騒がない
おとなしい性格のシダクロスズメバチですが、棒や手で振り払ったり大声で騒いだりすると自分たちが攻撃されたと勘違いして襲ってくる可能性があります。
巣やハチを見かけても騒がないようにしましょう。
その場から静かに離れる
シダクロスズメバチを見かけたら、近くに巣がある可能性があります。
急いで逃げると走ったときの振動が地面を伝って巣に届き、群れが攻撃態勢になり巣から襲いに来る可能性があります。
刺激をしないように、その場から静かに離れて安全を確保しましょう。
頭や目(黒い部分)に気を付ける
シダクロスズメバチに限らず、スズメバチは黒いものを攻撃する習性があります。
一説では黒くて動くもの = クマと認識して襲ってくるとされています。
そのため、頭や目などの黒い部分を守りましょう。
シダクロスズメバチの巣に近寄らないようにする
巣の場所が確認できる場合、巣には近寄らないように注意しましょう。
シダクロスズメバチは閉鎖空間に巣をつくるため、巣を見つけるのは容易ではありません。
ハチを複数匹見かけても、巣の場所がわからない場合は巣が大きくなる前にプロに相談することをおすすめします。
巣が大きくなるに連れて働きバチの数も増えるため、刺傷の危険性が高まります。
シダクロスズメバチに刺されないためにできること

山登りやキャンプなどでスズメバチに遭遇する可能性がある山や草むらなどに向かう際、シダクロスズメバチに刺されないためにできることを紹介いたします。
黒い服装を避ける
頭や目(黒い部分)に気を付けるの部分でも触れていますが、スズメバチは黒いものを攻撃する習性があるため、黒い服装を避け、明るく淡い色の服装で向かうのが良いでしょう。
強いニオイを避ける
スズメバチはヘアスプレー、ヘアトニック、香水などの化粧品、柔軟剤の香りなどに反応して近寄ってくる可能性があります。
強い香りがするものは身に着けないようにしましょう。
清涼飲料水(甘い香りがするもの)は避ける
スズメバチは甘い香りがする飲料水の残り液さえも餌として狙ってきます。
主に幼虫の分泌液や樹液を餌にするスズメバチですが、人工的な甘い液体も餌になります。
野外で清涼飲料水を飲んでいるときにスズメバチが感の中にもぐりこみ、気づかずに口を近づけて唇を刺されてしまうケースもあります。
シダクロスズメバチに刺されてしまったら

毒針を持つハチのなかでも、スズメバチ科に属するハチの毒は非常に危険です。
シダクロスズメバチもこのスズメバチ科のハチのため、刺されてしまった場合はすぐに以下の対処をしましょう。
アレルギー反応が出ていないか全身を確認
スズメバチに刺された場合、刺された場所の周辺に痛みや腫れ、赤みが出る局所反応が起こります。
局所反応のみであれば、痛みは数時間~1日でなくなります。
その後もかゆみが伴うしこりが残りますが、完全に回復するまでには数日かかることがあります。
虫刺されに対するアレルギーがある場合、局所反応にとどまらずアナフィラキシーショックを起こし死に至ることもあります。
スズメバチに刺された際、まずはアレルギー反応の兆候がないか全身を確認しましょう。
・不安感
・ピリピリ感
・浮動性めまい(ふわふわと浮いているような感覚のめまい)
・全身のかゆみおよびじんましん
・唇や舌の腫れ
・喘鳴(軌道が狭くなり呼吸時にヒューヒュー、ゼーゼーと音がする)
・呼吸困難
・虚脱(失神を伴わない急激な脱力、血圧の低下)
・意識消失
上記のいずれかの症状が確認された場合は迷わずすぐに救急車を要請し、救急科を受診しましょう。
自身で病院に向かっている間に症状が悪化してしまう可能性があるため油断はできません。
20~30分ほど様子をみて、全身にアレルギー反応の兆候がない場合は、この後ご紹介する3つの対処法を行いましょう。
もし途中で少しでも様子がおかしいと感じたら、すぐに医療機関を受診してください。
傷口を流水で洗い毒を取り除く

スズメバチに刺された傷口を流水でよく洗い流しましょう。
患部にハチの針が残っている場合は、指でつまんでそっと抜きます。
クレジットカードやバターナイフなどで患部を優しくこすってそぎ取る方法も良いでしょう。
患部にハチの針が残っていないことが確認出来たら、傷口周辺を圧迫して毒液を絞り出します。
ハチの毒は水に溶けやすいため、傷口から毒液を絞り出すようにもみながら流水にさらすとより効果的です。
抗ヒスタミン軟膏を塗布し患部を冷やす

経口投与の抗ヒスタミン薬の服用もしくは抗ヒスタミン剤を含むステロイド軟膏を塗布し、濡れたタオルや冷湿布などで患部を冷やしましょう。
かゆみと腫れを和らげることができます。
幹部を持ち上げ腫れを和らげる

スズメバチに刺されると、局所反応により患部が通常時の2倍まで腫れあがる事例も確認されています。
刺し傷の場所によっては、患部の位置を心臓より高くすることで腫れが和らぐこともあるようです。
この腫れは蜂巣炎という感染症と見分けが付かないこともあるため、刺され手から1日以上経っても腫れが引かない場合は医療機関を受診しましょう。
シダクロスズメバチの駆除方法

シダクロスズメバチはどんな巣をつくる?の部分で解説したように、シダクロスズメバチは閉鎖空間に巣を作ります。
屋根裏や壁の隙間に作られた巣は大きさが確認できないうえに、狭い空間での作業になるため駆除の難易度が高く非常に危険な作業になります。
地中に巣がある場合は木の根を巻き込んで巣を作っていることもあり巣の撤去が困難なケースも。
4~6月の女王バチが単独で巣をつくる時期以外の駆除は危険性が高いため、少しでも不安を感じる場合は無理に自分で作業をせず、プロに駆除を依頼しましょう。
スズメバチに共通する危険性や駆除方法
シダクロスズメバチに限らず、スズメバチに共通する危険性があります。活動時期の主な行動や駆除方法について確認しましょう。
スズメバチの活動時期別の危険性

| 時期 | 危険度 | 主な行動 |
| 4~5月 | 低 | 女王バチが越冬から目覚め、単独で巣作り、産卵、働きバチの育成を開始。 |
| 6月~7月上旬 | 中 | 働きバチが増えることで巣も大きくなり、群れの成長が急加速する。 |
| 7月中旬~8月 | 高 | 働きバチの数が300匹を超える巣が発生し始める。 |
| 8~9月 | 高 | 勢力が最大になり、巣の規模も最大になる。 |
| 9~11月 | 高 | 新女王バチとオスバチが羽化する。 |
| 12~3月 | 高 | 交尾を終えた新女王バチのみが越冬する。 |
危険度が高の時期はスズメバチの攻撃性が高まっているため、自分で無理に駆除はせずにプロへの依頼がおすすめです。
スズメバチの女王は4月頃に越冬から目覚め、単独で巣作りを開始します。
女王バチは初期の産卵を行い、働きバチを羽化させることで群れの基盤を築きます。
6月下旬になると働きバチの数が増え、巣作りや幼虫の世話が分担されることで群れの成長速度が上がり始めます。
8月~9月にかけて群れの数が最大となり、勢力がピークに達します。
9月~10月の秋ごろには、翌年の世代となる新女王バチとオスバチが羽化し、繁殖活動の準備が始まります。
オスバチとの交尾を終えた新女王バチは、樹木の空洞、木の幹の苔の下、落ち葉の中などで11月~3月の間は越冬します。
翌年の4月頃に目覚め、新たな巣作りを開始するのです。
スズメバチの真実 最強のハチとの共生をめざして|中村正雄 著
スズメバチの駆除に使えるグッズ
捕獲器を使う
ハチが好む甘い香りでスズメバチを誘因し、一度中に入ったスズメバチは二度と外に出られない仕組みになっています。
大量のハチを捕獲することには向いていませんが、女王バチが単独で巣を作り始める春先に仕掛けておくには最適です。
女王バチを捕獲することで、巣作り防止に繋がります。
駆除エサ剤を使う
駆除エサ剤は、フィプロニルという害虫駆除に用いられる成分が配合されたエサ剤が器の中に入っています。
スズメバチが好む甘い香りが広がる仕組みになっており、誘因されたスズメバチが器からエサ剤を持ち帰ります。
巣にいる仲間のハチや幼虫にエサ剤を分け与えることで巣全体にエサ剤の毒が周り、巣を壊滅させることができます。
駆除スプレーを使う
スズメバチ駆除グッズの中で、即効性があり効果的なのは駆除スプレーです。
駆除スプレーにはスズメバチの神経作用をマヒさせるピレストロイド系の成分が入っているものを選びましょう。
スズメバチの動きを素早く止めることで、集団攻撃が激化する前にスズメバチを駆除することができます。
スズメバチに巣を作られたことがある場所や、軒下や木の洞などのスズメバチに巣を作られやすい場所にあらかじめスプレーをしておくことで、数か月の巣作り防止効果が期待できます。
スズメバチの駆除をする場合は、頭や顔も含め、必ず肌が露出していない状態で行いましょう。
スズメバチは巣を襲われた際に集団で攻撃に出てくる習性があり、油断をすると致命的な怪我につながる可能性があります。
巣が直径10㎝を超える場合は、無理に自分で駆除をせずプロへの依頼をおすすめします。
安全に駆除するために必要な道具一覧
スズメバチの巣を駆除する際には、攻撃から身を守るために必要な道具をそろえて万全の体制で望みましょう。毒針に刺されないためには肌の露出や隙間をなくすことが重要です。
駆除スプレー(2~3本)
カダン スズメバチバズーカジェット 550mL まとめ買い3本セット|フマキラー
スズメバチの攻撃の勢いが収まる前にスプレーが切れてしまった場合、スズメバチを刺激しただけで終わってしまいます。
安全に駆除を終えるためにも、スプレーは複数本用意しましょう。スプレーが余った場合も、戻りバチや巣作り予防にも使えるため無駄にはなりません。
脱脂綿
スズメバチの巣は出入口として穴が1箇所だけ空いています。
駆除を行う際には、巣の中からスズメバチが出てこないように脱脂綿を詰め込み出入口を塞ぎます。
スズメバチが出てきてしまわないよう、隙間なくしっかりと詰め込みましょう。
コーキング剤でも代用が可能です。
白い防護服セット※厚さ7mm以上のもの
スズメバチのなかでもっとも危険なオオスズメバチの針は3〜7mmと長く、薄手の防護服では貫通して刺される恐れがあります。
防護服を準備する際は、必ずスズメバチに対応できる厚さかどうかを確認しましょう。
駆除作業中に防護服の隙間からスズメバチが入り込む危険もあるため、ヘルメットと防護服をファスナーで一体化できるタイプを選ぶと安心です。
白い手袋と長靴もセットで販売されています。
虫取り網
スズメバチの巣の入口に脱脂綿を詰めて、巣の中から大量のスズメバチが出てくることを防いだ後も戻りバチに気をつけなければなりません。
狩りに出たスズメバチが巣に戻ってきた際に攻撃されてしまう可能性があります。
そのような戻りバチを虫取り網で捕獲し、集まったスズメバチはスプレーを吹きかけて駆除します。
厚手のゴミ袋
巣の中のハチの動きが無くなったあとは、厚手のゴミ袋で巣を回収しましょう。
もし巣の中に生きているスズメバチが残っていた際に刺されてしまうリスクを回避するため、厚手のゴミ袋を用意しましょう。
ゴミ袋を二重にして回収できればより安心です。
ヘラ
SK11 スクレーパー ステンレス金ベラ 45mm|セルプラ商事株式会社
軒下や外壁などに作られたスズメバチの巣を除去した際、スズメバチの巣の残骸がこびりついていることがあります。
残った残骸を削るためにヘラがあると綺麗に汚れを落とすことができます。
掃除用具
駆除を終えたあと、地面に落ちたスズメバチの死骸やハチの巣の残骸をまとめて回収するために放棄とちりとりも用意しておきましょう。
赤色灯
夜間にスズメバチの駆除を行う際には赤色灯を使うようにしましょう。
通常のライトを使用すると光に刺激されたスズメバチがライトに向かって飛んでくる恐れがあります。
スズメバチの目には紫外線・青・緑のみが見えており、赤は見えていません。
赤色のライトはスズメバチを刺激することなく駆除対象物を照らすことができるのです。
赤色のライトがない場合は、通常のライトに赤いセロハンを巻き付けることで代用可能です。
スズメバチ駆除の手順

①必要な道具が揃っているか確認
安全に駆除するために必要な道具一覧で紹介した駆除グッズが揃っているか確認しましょう。
防護服がある場合は、装着後に隙間がないか確認しましょう。
ヘルメットと防護服のチャック、手袋の間、長靴とズボンの間などに隙間があると、駆除の最中にスズメバチが侵入してくる可能性があります。
また、不足しているグッズがあれば駆除前に購入しましょう。
②スズメバチの巣穴に駆除スプレーを噴射する
スズメバチの巣穴に駆除スプレーを一気に噴射しましょう。
スプレーは1本では足りなくなる可能性があるため、必ず予備のスプレーも手の届くところに置いておきましょう。
スズメバチの羽音が収まったタイミングでスズメバチが外に出てこないように巣穴に脱脂綿を入れてフタをします。
③巣を切り離してゴミ袋の中に入れる
十分にスプレーをして巣穴に蓋をしたあとは、巣が作られている場所から巣を切り離して厚手のゴミ袋の中に入れます。
巣が土の中にある場合は手で掘り起こします。
※スコップを使用すると巣が崩れて回収しづらくなったり、生き残ったハチが襲ってくる可能性があります。
④ゴミ袋を何重にも縛る
万が一生きているハチがいた場合非常に危険なため、ゴミ袋は何重にも縛りましょう。
⑤戻りバチを防ぐために駆除スプレーを噴霧する
狩りのために巣の外にいたスズメバチが戻ってくる場合があります。
その際に巣が元あった場所に寄り付かなくするために忌避剤として駆除スプレーを噴霧しておきましょう。
⑥駆除したハチの巣を自治体のルールにしたがって処分する
ハチの巣をそのまま放置した場合、サナギが羽化して成虫になる危険性や他の虫が餌として群がる可能性があり衛生的にもよくありません。
駆除したハチの巣は各自治体のルールにしたがって処分しましょう。
一例として、神奈川県の横浜市ではハチの巣を燃えるゴミとして処分することができます。
高所や入り組んだ場所の巣は危険度が高い

スズメバチは手の届かない高所や、屋根裏や床下のような入りづらい場所に巣をつくることもあります。
特に屋根裏や床下に作られた巣は外からは巣の大きさやハチの数が確認できないため、想定より巣が大きく大量の働きバチが羽化している可能性があります。
また、身動きがとりづらく暗い場所での作業になるため慣れていないとハチに囲まれてパニックになることも。
このような場所の作業は軒下や木の枝にできたスズメバチの巣の駆除作業より危険度が高いため、無理に作業を行うことはせず、プロのハチ駆除業者に依頼するのが良いでしょう。
スズメバチ駆除のプロが土の中に巣をつくるスズメバチの巣を駆除する際、スコップを使わず手で掘り進めます。
①スズメバチを刺激してしまう恐れがある
②巣を傷つけ改修しづらくなる
自分で駆除をするのが不安な方はプロに依頼した方が安心
スズメバチの巣が手の届かない高い場所や、巣が大きくなっている場合の駆除作業は危険が伴います。
そのようなときは無理をせず、プロに相談するのが安心です。
プロのハチ駆除業者であれば、状況に合わせて適切な方法で駆除してくれるうえ、防護服や専用の道具もそろっているので、安全かつスムーズに対応してくれます。
害虫害獣コンシェルジュは「これはスズメバチの巣なのかわからない」「駆除すべきか迷っている」といった段階でも、見積りや相談を無料で受け付けています。
少しでも不安を感じる場合は無理をせず、お問い合わせフォームまたはお電話よりお気軽にご相談ください。
まとめ
・クロスズメバチ属のおとなしい性格のスズメバチ
・閉鎖空間(土の中や屋根裏など)に巣をつくる
・巣は茶色または黄褐色
・北海道、本州、四国、九州に生息している
この記事ではシダクロスズメバチの生態や似ているスズメバチとの見分け方、スズメバチの駆除や対策方法について解説しました。
シダクロスズメバチは閉鎖空間に巣をつくるため、すでに働きバチが活発に出入りしている巣は外から見えない部分で巣が大きくなっている可能性が高く、駆除には危険が伴います。
少しでも不安を感じる場合はプロの無料相談を利用しましょう。
スズメバチの駆除は害虫害獣コンシェルジュでも承っておりますので、お問い合わせフォームまたはお電話よりお気軽にご相談ください。
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