ヤチネズミは日本固有種!亜種ごとの違いも紹介

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ヤチネズミは日本の限られた地域にしか生息していないネズミで、分布している地域ごとに3つの亜種がいます。
本記事では目にする機会の少ないヤチネズミの生態を詳しく解説します。
3つの亜種ごとの違いのほか、名前が似ているエゾヤチネズミと異なる点、さらにヤチネズミより身近なネズミについても紹介するため、ぜひ最後までご覧ください。
・ヤチネズミの生態
・ヤチネズミとエゾヤチネズミの違い
・身近なネズミの存在
ヤチネズミとは

| 学名 | Eothenomys andersoni |
| 英名 | Anderson’s red-backed vole |
| 和名 | ヤチネズミ |
| 分類 | げっ歯目ネズミ科ビロードネズミ属 |
| 体長 | 8cm~10cm |
| 体重 | 22g~43g |
| 生息地 | 日本 |
| 棲み処 | 森林、岩場、谷地 |
| 食性 | 雑食 |
リス・ネズミ ハンドブック|文一総合出版
ヤチネズミは、日本固有種のネズミで、和歌山県の紀伊半島から本州中部、東北地方にかけて分布しています。
生息する地域ごとに、トウホクヤチネズミ、ニイガタヤチネズミ、ワカヤマヤチネズミの3つの亜種に分かれています。
| 種 | 生息域 |
| トウホクヤチネズミ | 東北地方 |
| ニイガタヤチネズミ | 本州中部 |
| ワカヤマヤチネズミ | 和歌山県 紀伊半島 |
外見の違いはわずかなため、専門家の間でも亜種として分けるべきか議論されています。
ヤチネズミの見た目

ヤチネズミは尾を含めて13cm程度の小柄なネズミです。
茶褐色の体毛に覆われ、小さな目と耳が愛くるしい印象を与えます。
ニイガタヤチネズミは若干毛色が赤く、ワカヤマヤチネズミは尾を含めて17cm程度と、ほかの亜種よりも少し大柄です。
ヤチネズミの棲み処

本州では、平地から標高2,500m以上の山間部まで幅広く分布し、岩場や谷地などさまざまな場所に巣をつくります。
和歌山県紀伊半島に分布するワカヤマヤチネズミは、岩が多い沢沿いに棲みつくことが多いです。
地下30cm~40cmに直径3cm程度のトンネルをつくり、食料を蓄える貯蔵庫や寝床など、用途によって部屋をわけます。
ヤチネズミの主食

ヤチネズミは雑食性ですが、草、種子、木の実などの植物を好む傾向があるとされています。
具体的な食べものの種類はまだ特定されていませんが、過去の研究では、フンからクマイチゴに近い植物のDNAが検出されています。
ヤチネズミの繁殖

生息する地域によって繁殖期が異なり、本州に分布するトウホクヤチネズミとニイガタヤチネズミは夏、ワカヤマヤチネズミは冬~春です。
一度に出産する幼獣の数は2子~6子と確認されています。
ヤチネズミとエゾヤチネズミの違い

ヤチネズミと名前が似ているエゾヤチネズミという種がいます。
エゾヤチネズミは北海道に生息するタイリクヤチネズミの亜種で、ヤチネズミの亜種ではありません。
ヤチネズミがビロードネズミ属であるのに対し、エゾヤチネズミはヤチネズミ属であり、分類上違う種とされています。
体の大きさ、毛色
| ヤチネズミ | エゾヤチネズミ | |
| 体長 | 8cm~10cm | 10cm~13cm |
| 尾長 | 4cm~5.5cm | 4.3cm~5.5cm |
| 体重 | 22g~43g | 25g~50g |
体はエゾヤチネズミのほうが大きく、全長で比べると2cm~5cm程度違います。
体毛はヤチネズミが茶褐色である一方、エゾヤチネズミは暗灰褐色で、ヤチネズミより暗い色味です。
生息域

生息域は大きく異なり、ヤチネズミは日本の本州にのみ分布しますが、エゾヤチネズミは日本では北海道のみ、国外ではスカンジナビアからロシア東部、東北アジアと幅広く分布しています。
ヤチネズミに会える場所はある?
本州の限られた地域に生息するヤチネズミを、間近で観察できる場所はあるのでしょうか。
野生のヤチネズミを捕まえてはいけない

ヤチネズミをはじめとする野生のネズミは、鳥獣保護管理法の保護対象であり、無許可での捕獲と殺傷が禁止されています。
違反すると、1年以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金が科されるため、ヤチネズミを見つけても捕まえてはいけません。
動物園では展示されていない
2026年10月時点で、ヤチネズミを展示している動物園はありません。
分類上は異なる種ですが、こちらで紹介したエゾヤチネズミは札幌市円山動物園で観察できます。
ヤチネズミよりも身近なイエネズミ
ヤチネズミは森林、山間部に生息しており、目にする機会がありません。
一方で、私たちの身近にイエネズミと呼ばれる3種のネズミがいます。
・クマネズミ
・ドブネズミ
・ハツカネズミ
クマネズミ

| 学名 | Rattus tanezumi |
| 英名 | Black rat |
| 和名 | 熊鼠 |
| 分類 | げっ歯目ネズミ科クマネズミ属 |
| 体長 | 15cm~17cm |
| 体重 | 150g~200g |
| 生息地 | 東南アジア、日本 |
| 食性 | 雑食 |
クマネズミは、住宅街や繁華街など人間の生活圏に頻繁に姿を現します。
黒灰色や暗灰褐色の体毛が生えており、尻尾を含めると30cmにも及ぶほど大きいです。
近年では、殺鼠剤に耐性をつけたスーパーラットが出現し、駆除に頭を悩ませる方が増えています。
ドブネズミ

| 学名 | Rattus norvegicus |
| 英名 | Norway rat |
| 和名 | 溝鼠 |
| 分類 | げっ歯目ネズミ科クマネズミ属 |
| 体長 | 14cm~20cm |
| 体重 | 150g~500g |
| 生息地 | 世界各地 |
| 食性 | 雑食 |
クマネズミよりも大きな体格をもつのが、ドブネズミです。
暗褐色や灰褐色の体毛をもち、尻尾までの長さが40cm、体重500gに達する巨大な個体も。
水場周辺を好み、下水道や地下水路などで活動しています。
ハツカネズミ

| 学名 | Mus musculus molossinus |
| 英名 | Japanese house mouse |
| 和名 | 二十日鼠 |
| 分類 | げっ歯目ネズミ科 |
| 体長 | 6.3cm~9.2cm |
| 体重 | 10g~16g |
| 生息地 | ユーラシア、北アメリカ、日本 |
| 食性 | 雑食 |
イエネズミのなかでもっとも小さいのがハツカネズミで、尻尾を含めても15cm程度の大きさしかありません。
自然豊かな場所を好む種ですが、寒い時期を迎えると暖をとるために住宅に侵入します。
イエネズミの侵入経路と棲み処
前述の3種は、住宅に侵入し、そのまま棲みつくことからイエネズミと呼ばれています。
具体的にどこから侵入して、どういった場所に棲みつくのかを解説します。
イエネズミの侵入経路

・軒下の隙間
・外壁の穴、隙間
・基礎のヒビ、隙間
・通気口
・配管の隙間
・室外機のダクトの隙間
・雨戸の戸袋
・網戸
・換気口、換気扇
・分電盤
・排水管の隙間
イエネズミは2.5cm程度の500円玉大の隙間や穴があれば、内部に侵入できるとされています。
「我が家は問題ないだろう」と考える方は多いですが、住宅は築10年を超えると外壁や設備が劣化して、亀裂が生じやすくなります。
気がつかないうちにイエネズミが侵入できる隙間や穴ができているかもしれません。
築浅の住宅でも、換気扇や換気口など構造上隙間がある箇所から入ってくる可能性があるため、油断は禁物です。
イエネズミが棲みつきやすい場所

・屋根裏
・天袋
・壁の中
・キッチン
・洗面所、トイレ
・家具、家電の隙間
・押し入れ、クローゼット
・床下
・倉庫
・排水溝
イエネズミは種ごとに好む環境が異なり、住宅のさまざまな場所に棲みつきます。
クマネズミが棲みつきやすい場所

・天袋
・壁の中
・押し入れ、クローゼット
クマネズミは運動能力が優れており、壁、柱、雨どいなどをつたって高所に棲みつきます。
屋根裏、天袋に棲みついたり、移動する途中で壁の中に侵入したり、2階以上の押し入れ、クローゼットの奥に隠れていたりします。
ドブネズミが棲みつきやすい場所

・洗面所・トイレ
・床下
・排水溝
・倉庫
ドブネズミは、クマネズミと対照的に地面に近くジメジメとした環境を好みます。
キッチン、洗面所、トイレなど水回りの床下収納、排水溝に棲みついていることも。
ハツカネズミが棲みつきやすい場所

・キッチン
・家具、家電の隙間
・押し入れ、クローゼット
・倉庫
ハツカネズミは、自然が多い場所を好むため、屋外の倉庫でよく見られます。
ただし、冬になると寒さをしのぐために住宅内に侵入し、小さい体を活かして壁の中、家具や家電の隙間、押し入れやクローゼットの奥に棲みつきます。
また、好物の米や穀物が豊富なキッチンの収納に潜んでいることも珍しくありません。
イエネズミが及ぼす被害

イエネズミに棲みつかれると、さまざまな被害にあう可能性があります。
・食品被害
・悪臭被害
・健康被害
・住宅被害
・騒音被害
・害虫被害
食品被害

イエネズミは雑食で、人間の食べ残しや生ゴミなど、エサにできるものは何でも食べます。
キッチンの収納棚に侵入されて米やレトルト食品などを食べ荒らされたり、生ゴミを食べ散らかされたりする事例は多いです。
住宅内の衛生環境が悪化するだけではなく、経済的損失を受けることもあります。
悪臭被害

ネズミは移動しながら排泄する習性があり、住宅内を動き回りながら、さまざまな場所に糞尿を残します。
鼻をつくツーンとしたアンモニア臭が広がり、吐き気を催したり、頭痛を引き起こしたりする可能性があります。
健康被害

ネズミは、公共のゴミ捨て場や下水道など、人間にとって不衛生な場所を行き来するため、病原体や寄生虫をもっている可能性があります。
下記は、過去にネズミが病原体を媒介し、人間が発症した事例のある感染症です。
| 疾患名 | 潜伏期間 | 症状 | 致死率 |
| 鼠咬症 | 1日~21日 | 悪寒、発熱、嘔吐 など | 約10% |
| レプトスピラ症 | 5日~14日 | 発熱、悪寒、頭痛 など | 5%~15% ※黄疸がある場合 |
| サルモネラ感染症 | 8時間~48時間 | 嘔吐、腹痛、下痢 など | 0.1%~0.2% |
ダニやノミなどの寄生虫に刺されると、激しいかゆみや発疹に襲われることがあります。
ネズミそのものはもちろん、糞尿やかじった痕跡のある食べものからもうつる場合があるため、絶対に素手で触らないようにしてください。
住宅被害

ネズミは一生歯が伸び続けるため、かたいものをかじって長さを調整します。
住宅内の建材、配線、電源ケーブルをかじられると、深刻な事故に発展する可能性があります。
建材を削られると住宅の耐久性が低下するほか、配線やケーブルを食い破られると、停電や漏電が発生することも。
漏電が原因で住宅が火災に見舞われる事故も毎年起こっています。
騒音被害

イエネズミは夜行性で、日没後から夜明けにかけて活動し、「トトト」と走り回る音、「カリカリ」と建材をかじる音、「キーキー」という鳴き声を発します。
人間が眠る時間と重なるため、うるさくて寝付けず睡眠不足になり、体調を崩す可能性があります。
害虫被害

前述のとおり、イエネズミは住宅内の食料品を食べ荒らしたり、糞尿をまき散らしたりして衛生環境を悪化させます。
汚れや匂いに集まってきやすいのが、ゴキブリやハエなどの害虫です。
害虫がわくとさらに生活の不快指数が上がり、安心して暮らせなくなるでしょう。
イエネズミの駆除方法

イエネズミに棲みつかれると、悪臭や騒音などさまざまな被害に悩まされるため、はやめの駆除をおすすめします。
イエネズミは捕獲、殺傷OK

野生のネズミの捕獲と殺傷は法律で禁止されていると解説しましたが、
クマネズミ、ドブネズミ、ハツカネズミの3種は人間の生活に深刻な被害を及ぼすため、鳥獣保護管理法の保護対象外です。
イエネズミを捕まえたり殺傷したりしても罪に問われません。
捕獲する方法

イエネズミを捕獲する際は、市販の粘着シートか捕獲器を使用します。
こちらで紹介した侵入経路やイエネズミの通り道に設置すると捕まえやすいです。
粘着シートは1枚だけではなく複数敷き詰めて逃げ場をなくしましょう。
捕獲器を使う場合は、カゴのなかにナッツやソーセージなどのエサを入れておくと、イエネズミが寄ってきやすいです。
捕まえることができたら、イエネズミを殺して死骸を処分します。
粘着シートで捕らえた際はシートを折って圧死させ、捕獲器であれば水をはったバケツにカゴごと沈めて溺死させます。
捨てる際はニオイが漏れないようにゴミ袋の口をしっかりと縛って密封してください。
殺鼠剤を使う方法

殺鼠剤は、イエネズミの食性にあわせてつくられた毒餌タイプが一般的です。
一度口にするだけで死亡するタイプと、繰り返し食べることで徐々に死に向かっていくタイプがあります。
捕獲時と同様に、侵入経路や通り道に設置するのがおすすめです。
また、オリーブオイルやソースなど、ニオイが強い調味料を混ぜるとイエネズミが寄ってきやすくなります。
殺鼠剤で死亡したイエネズミは、ゴミ袋に入れて処分してください。
燻煙剤を使う方法

イエネズミが苦手とする成分を含んだ煙を発生させて追い出す方法です。
薬剤が隅々まで行き渡るため、屋根裏や床下などの広い空間にいるイエネズミを一掃できます。
また、死骸を処分する手間もなく、「ネズミを自分で処理したくない」という方におすすめです。
燻煙剤を使用する前に、周囲の床、壁、家具、家電に薬剤が付着しないように養生し、煙が発生している間は離れた部屋で待機しましょう。
自分で駆除できない場合はプロに依頼
イエネズミは自分で駆除できる害獣ですが、再発率が高いのが実情です。
捕獲できたと思ってもまだ複数匹潜んでいたり、燻煙剤で追い出してもまた戻ってきたりすることは珍しくありません。
また、イエネズミは病原体や寄生虫をもっている可能性があり、駆除をする工程で接触すると感染症にかかる恐れも。
「自分で駆除しても全然ネズミがいなくならない」「ネズミに触れるのがこわい」という方は、プロへの依頼をおすすめします。
プロは、豊富な経験と専門知識を活かして徹底的かつ安全にイエネズミを駆除することが可能です。
まとめ
ヤチネズミの生態と、私たちの身近にいるネズミについて解説しました。
ヤチネズミは本州の限られた地域に生息しており、動物園に展示されておらず、目にする機会が少ない種です。
一方で、イエネズミは住宅街や繁華街に頻繁に姿を現し、住宅に棲みついて人間に被害をもたらす害獣の一面をもっています。
イエネズミ被害にお困りの際は、ぜひ害虫害獣コンシェルジュにご相談ください。
現地調査から駆除、棲みついている場所の清掃と消毒、侵入経路の封鎖まで一括で対応します。
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- 侵入経路の封鎖作業:500 円~
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