コウモリに咬まれたらまず洗浄、消毒!医療機関に行く目安は?

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コウモリに咬まれてどうしたらいいのかと焦っていませんか。
得体の知れない動物だからこそ処置方法に悩みますが、しっかりと洗浄と消毒を行い、症状によっては医療機関で受診する必要があります。
コウモリに咬まれた場合にこわいのが感染症への罹患です。
本記事では、コウモリに咬まれたときの処置方法と医療機関に行ったほうがいい症状、コウモリがもっている病原体について解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
・コウモリに咬まれたときの処置方法
・医療機関を受診する目安
・コウモリ由来の感染症
コウモリに咬まれたら、まず洗浄と消毒!
コウモリに咬まれた際は、慌てずに応急手当を行いましょう。
咬まれた直後の対応手順を解説します。
対応手順①出血がある場合は止血する

コウモリに咬まれて出血したら、まず止血を行います。
出血部位にガーゼパッドか清潔な布をあて、指や手で最低5分間しっかり圧迫し、可能であれば、血流を抑えるために出血部位を心臓よりも高い位置に持ち上げます。
対応手順②傷口を洗う

傷口の洗浄を行い、病原菌やウイルスを洗い流して感染症にかかるリスクを下げます。
石けんを使って15分以上かけてしっかり洗い、冷水で流すことで血管が収縮し、出血がおさまりやすくなります。
病原菌やウイルスを洗い流すことが目的のため、一般的な石けんやハンドソープで問題ありません。
対応手順③傷口を消毒する

市販の傷薬を使っても問題ないですが、高い殺菌効果をもつポピドンヨードを含む消毒薬を使用するのがおすすめです。
清潔な綿球やガーゼなどに消毒液を染み込ませ、傷口の中心から外方向に向かって広めに塗布し、そのまま自然乾燥させます。
絆創膏で保護する場合は、薬液が乾いてから覆いましょう。
ただし、ポピドンヨードは体質によって健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、以下の方は使用しないでください。
・授乳中の方
・生後28日未満の子ども
・甲状腺機能異常症を患っている方
・化学物質過敏症の方
・ヨウ素に対する過敏症をもつ方
・傷口付近にやけどを負っている方
コウモリに咬まれて医療機関に行くべき症状
コウモリに咬まれたとき、どのような症状なら医療機関を受診すべきか迷う方は多いでしょう。
傷の大きさや出血の状態、発熱の有無などによって、受診すべきかどうか判断します。
【傷が8mm以上】形成外科、整形外科、外科

傷の大きさが8mm以上だったり、傷口が深かったり開いていたりすると、縫合が必要なケースがあるため、形成外科、整形外科、外科のいずれかを受診してください。
ただし、傷の中に病原菌やウイルスが付着していると縫合できないこともあるため、医師の指示に従ってください。
【10分以上出血が止まらない】救急外来

10分以上圧迫止血をしても出血が止まらない場合は、出血性ショックに陥るおそれがあります。
血液の20%以上が急速に失われるとショック症状が現れ始め、治療が遅れると多臓器不全を起こして命に関わることも。
以下の症状が見られるのであれば、すぐに救急外来を受診してください。
・冷汗が出る
・脈が弱く速くなる
・虚脱状態になる
・呼吸不全が見られる
救急車を呼ぶべきか迷ったらは#7119に電話し、判断をあおぎましょう。
【発熱、頭痛、悪寒、嘔吐】感染症科、内科、救急外来

コウモリ由来の感染症にかかると、インフルエンザや新型コロナウイルスに似た症状が出ることがあります。
確実にコウモリに咬まれたのであれば感染症科を、コウモリに咬まれたか曖昧で風邪の疑いもあるときは内科で診察を受けましょう。
呼吸困難や意識が混濁している場合は、すぐに救急外来を受診してください。
コウモリに咬まれて懸念される感染症

野生のコウモリはさまざまな病原体を保有しており、感染症の原因になることがあります。
・重症急性呼吸器症候群(SARS)
・狂犬病
・リッサウイルス感染症
・ヒストプラスマ症
・ニパウイルス感染症
・エボラ出血熱
・レプトスピラ症
野生のコウモリは多くの感染症の病原体を持っている
野生のコウモリは、人間にとって不衛生な洞窟やトンネルなどに侵入したり棲みついたりするため、病原菌やウイルスに感染しやすいです。
人間が感染すると重篤な病気を引き起こすことがありますが、コウモリはウイルスに感染しても発症しません。
コウモリは特別な免疫システムを備えており、ウイルスを排除するのではなく、適切な量になるようコントロールしながら共生しているため発症しないと考えられています。
重症急性呼吸器症候群(SARS)
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| 疾患名 | 重症急性呼吸器症候群(SARS) |
| 病原体 | SARSコロナウイルス |
| 潜伏期間 | 2日〜10日 |
| 症状 | 発熱、悪寒戦慄、筋肉痛など |
| 致死率 | 9.6% |
重症急性呼吸器症候群(SARS)は2002年11月に中国広東省で発生が確認され、32の国と地域に拡大した感染症です。
ウイルスは飛沫や接触によって人から人へ感染し、2003年8月までに世界で約8,000例が報告され約770人が死亡しました。
潜伏期間は2日〜10日で、発症1週目は発熱や悪寒、筋肉痛などのインフルエンザに似た症状が現れ、
2週目になると咳や呼吸困難を伴う肺炎へ進行し、発症者の約70%が下痢を発症します。
発症者の約80%は軽快に向かいますが、高齢者や基礎疾患のある方は人工呼吸器が必要になったり、最悪の場合死に至ることも。
研究の結果、病原体であるSARSコロナウイルスはキクガシラコウモリが自然宿主であると報告されています。
日本での発症例はありませんが、キクガシラコウモリは日本全域に生息しています。
洞窟や廃坑などの暗くて天敵に見つかりにくい場所をねぐらにしており、稀に住宅に棲みつくこともあるため、コウモリを見かけても素手で触らないでください。
狂犬病

| 疾患名 | 狂犬病 |
| 病原体 | 狂犬病ウイルス |
| 潜伏期間 | 30日〜60日 |
| 症状 | 発熱、頭痛、倦怠感など |
| 致死率 | ほぼ100% |
狂犬病は、コウモリをはじめイヌやネコ、キツネなどに咬まれたり引っかかれたりしてできた傷口からウイルスが侵入することで感染します。
インドや中国、パキスタンなどで多く発生しており、毎年5万人以上の方が亡くなっています。
潜伏期間は一般的には30日〜60日で、発症すると発熱や頭痛など風邪のような症状から始まり、
傷口の違和感や痛みを経て、興奮やさく乱、水を見ると首の筋肉がけいれんする恐水症状などの神経症状が現れます。
最終的には昏睡状態から呼吸停止に至り、発症した場合の致死率はほぼ100%です。
発症前であれば、暴露後のワクチン接種によって発症を防げる可能性があるため、咬まれたり引っかかれたりした後の早期対応が重要です。
日本では、狂犬病予防法で飼い犬のワクチン接種が義務付けられており、1957年を最後に確認されていません。
現在の日本では狂犬病ウイルスは定着していないと考えられていますが、1970年から2020年にかけて入国者や帰国者の発症が4例報告されています。
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リッサウイルス感染症

| 疾患名 | リッサウイルス感染症 |
| 病原体 | リッサウイルス |
| 潜伏期間 | 20日〜90日 |
| 症状 | 発熱、食欲不振、倦怠感など |
| 致死率 | – |
リッサウイルス感染症は、狂犬病に似たウイルスによって引き起こされる感染症です。
アフリカやヨーロッパ、オーストラリア、アジアなどに生息するコウモリが自然宿主と考えられており、ウイルスを保有したコウモリに咬まれることで感染します。
日本国内で感染した例はありませんが、症状は狂犬病とほぼ同じで、潜伏期間は20日〜90日、
頭痛や発熱、倦怠感などが現れるほか、興奮や恐水症状、さく乱などの神経症状を伴うことも。
ヒストプラスマ症

| 疾患名 | ヒストプラスマ症 |
| 病原体 | ヒストプラズマ・カプスラツム |
| 潜伏期間 | 7日〜21日 |
| 症状 | 発熱、悪寒、咳嗽など |
| 致死率 | 31.7%〜61.5% |
ヒストプラスマ症は、コウモリや鳥のフン、汚染された土壌に含まれる菌を吸い込んだり触れたりすることで発症します。
主な発生地域は北米や中南米、東南アジアなどの熱帯、亜熱帯地域で、アメリカでは毎年約50万人が感染しています。
病原体に接触した人の90%以上は、無症状か軽度のインフルエンザのような症状のみで自然に軽快へ向かいます。
しかし、高齢者やエイズ患者、血液悪性疾患など免疫機能が低下している方は、敗血症性ショックや多臓器不全、呼吸器不全などに進行することも。
ニパウイルス感染症

| 疾患名 | ニパウイルス感染症 |
| 病原体 | ニパウイルス |
| 潜伏期間 | 4日〜14日 |
| 症状 | 発熱、頭痛、めまいなど |
| 致死率 | 32% |
ニパウイルス感染症は、東南アジアから南アジアに生息する
オオコウモリやブタとの接触、感染した動物の体液が付着した食べ物の接種、罹患者の血液や体液への接触により発症する感染症です。
1998年から1999年にマレーシアとシンガポールで確認され、その後バングラデシュやインドでも毎年のように発生しています。
感染すると発熱や頭痛、筋肉痛から始まり、進行するとめまいや意識障害、脳幹機能不全などの神経症状が現れ、重症化すると急性脳炎に至ることも。
感染源となるオオコウモリは日本の一部地域に生息していますが、ニパウイルスをしている個体は確認されていません。
エボラ出血熱

| 疾患名 | エボラ出血熱 |
| 病原体 | エボラウイルス |
| 潜伏期間 | 2日〜21日 |
| 症状 | 発熱、強い脱力感、筋肉痛など |
| 致死率 | 90% |
エボラ出血熱は1976年に初めて確認されて以降、アフリカを中心に流行している致死率の高い感染症です。
コンゴ共和国では2026年5月初旬から集団感染が発生しており、同年8月初旬までに死者1,500人を超えています。
自然宿主はオオコウモリを含む野生動物で、感染した動物の死骸や体液などに接触することで発症し、人から人へも感染します。
発症すると発熱や頭痛、筋肉痛といった初期症状から、下痢や嘔吐、発疹が見られるようになり、進行すると肝機能や腎機能障害など重篤な症状が現れることも。
致死率は90%とされており、流行地域への渡航注意や退避勧告が出されています。
レプトスピラ症

| 疾患名 | レプトスピラ症 |
| 病原体 | レプトスピラ |
| 潜伏期間 | 5日〜14日 |
| 症状 | 発熱、悪寒、頭痛など |
| 致死率 | 5%〜15%※黄疸がある場合 |
レプトスピラ症は、ネズミやブタ、コウモリなどの野生動物の尿に含まれるレプトスピラ菌によって引き起こされます。
保菌動物の尿で汚染された水や土壌との接触によって、皮膚の傷や粘膜から菌が侵入することで感染し、日本でも1970年代前半までは年間50人以上の死亡者が報告されていましたが、
衛生環境の向上により現在は水辺レジャーでの散発的な発生にとどまっています。
5日~14日ほどの潜伏期間を経て、発熱や悪寒、頭痛、筋肉痛、結膜の充血といった症状が現れます。
軽症のまま自然に回復するケースもあれば、治療が遅れて重症化すると黄疸や出血傾向、腎不全を伴うワイル病に進行することも。
コウモリ由来の感染症の日本での確認例
「こんなにたくさん感染症をもっていて、日本でも多くの症例があるの?」と不安になった方もいるでしょう。
日本でコウモリに咬まれて感染症にかかった事例は、これまで報告されていません。
ただし、海外では感染例があり、国内のコウモリからも複数のウイルスが検出されています。
日本国内での感染例はなし
前述したとおり、日本国内ではコウモリに咬まれたことが原因で感染症にかかった事例は2026年8月時点では報告されていません。
一方、海外ではコウモリの咬傷による感染例が確認されています。
2002年イギリスでは、コウモリの調査活動をしていた男性が、コウモリに咬まれて約2年の潜伏期間を経て狂犬病を発症し、死亡しました。
イギリス国内でこの種のウイルスによる死亡が確認されたのは1902年以来、約100年ぶりです。
2024年11月、オーストラリア在住の男性が、数か月前にコウモリに咬まれたことが原因でリッサウイルス感染症を発症し、死亡しています。
男性は発熱や頭痛、強い疲労感に見舞われ、咬まれた後にワクチンを接種したものの重篤化し、2025年7月に亡くなりました。
2024年9月、カナダでは、11歳の少年が就寝中に顔の上にコウモリが乗っていたことに気づいて払いのけた後、狂犬病を発症して死亡しました。
少年は、咬傷や引っかき傷が見当たらなかったため医療機関を受診しませんでしたが、接触から19日後に発症しています。
このように、海外ではコウモリとの接触による感染例が多く報告されています。
心配な方は、渡航3週間目までにワクチンの接種を済ませ、現地ではコウモリをはじめとする野生動物に触らないようにしましょう。
人間への感染例はないが60%以上のコウモリが病原体をもっている
日本国内でコウモリに咬まれて感染症を発症した人はいませんが、国内のコウモリも病原菌やウイルスを保有しています。
専門機関の研究によると、日本国内に生息する60%以上のコウモリが感染症の病原体をもっていることが判明しています。
咬まれた場合は前述の応急手当を行い、発熱や頭痛などの症状が見られた際は、早めに医療機関を受診してください。
コウモリの咬傷がきっかけでかかる感染症
コウモリに咬まれた際、傷口に病原体が入り込んで感染症にかかることもあります。
・破傷風
・蜂窩織炎
・壊死性筋膜炎
破傷風

| 疾患名 | 破傷風 |
| 病原体 | 破傷風菌 |
| 潜伏期間 | 3日〜21日 |
| 症状 | 筋のけいれん、硬直、開口障害など |
| 致死率 | 10%〜20% |
破傷風は、土壌中に存在する破傷風菌の芽胞が、傷口から体内に侵入することで発症する感染症です。
咬傷のような小さな傷からでも菌が入り込み、血液にのって全身に回り、筋のけいれんや硬直、開口障害などの症状を引き起こします。
破傷風菌は100℃の熱や乾燥した環境下でも生存し続け、酸素が少ない場所で増殖します。
日本では予防接種の普及により発症数自体は減少していますが、現在も免疫を有していない中高齢者を中心に年間約100人が発症しており、このうち5人〜9人が死亡しています。
蜂窩織炎

| 疾患名 | 蜂窩織炎 |
| 病原体 | レンサ球菌、ブドウ球菌など |
| 潜伏期間 | – |
| 症状 | 皮膚の発赤、痛み、圧痛 |
| 致死率 | – |
蜂窩織炎は、皮膚と皮下脂肪組織にかけて細菌が入り込むことで発症します。
ブドウ球菌やレンサ球菌は皮膚の表面や鼻、のどなどに存在する常在菌で、コウモリの咬傷から入り込んで感染することがあります。
発症すると、傷の周辺の皮膚がまだら状に赤くなって熱感や痛みを伴います。
糖尿病やステロイド治療などで免疫力が低下していると血液にのって全身に回り、命に関わることも。
多くは抗菌薬による治療で改善するため、早めに医療機関を受診しましょう。
壊死性筋膜炎

| 疾患名 | 壊死性筋膜炎 |
| 病原体 | A群、G群溶血性連鎖球菌、ブドウ球菌など |
| 潜伏期間 | – |
| 症状 | 手足の急激な腫れ、激しい痛み |
| 致死率 | 20%〜80% |
壊死性筋膜炎は、皮膚の下にある筋膜という部分を中心に、菌が急速に広がって周囲の組織を壊死させる感染症です。
人食いバクテリアとも呼ばれるA群溶血性連鎖球菌やブドウ球菌などが原因となり、切り傷や咬傷など、小さな傷がきっかけで発症します。
初期症状は皮膚の腫れや痛みなどで蜂窩織炎とよく似ていますが、皮膚の見た目に対して痛みの程度が異常に強いことが特徴です。
時間の経過とともに、皮膚が赤色から紫色、さらに黒く壊死した状態へと変化し、出血を伴う水ぶくれができたり、血液が回らなくなることで患部の冷えを感じたりします。
全身に毒素が回ると、高熱や頻脈、血圧低下といったショック症状に進行することも。
進行が非常に速く、早期診断と壊死組織の切除が生死を分けるとされ、致死率は20%〜30%程度、
糖尿病や肝疾患をお持ちの方、免疫力が低下している方はリスクが高くなります。
咬まれた部分の痛みが見た目以上に強い、腫れが急速に広がるといった場合は、様子を見ずすぐに医療機関を受診してください。
そもそもその傷は本当にコウモリ?

「咬まれた気がするけれど、本当にコウモリだったのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。
コウモリの歯は非常に細く、はっきりした傷や出血を残さないことも多いため、他の動物や昆虫による傷と見分けがつきにくいです。
日本の住宅街でよく見かけるアブラコウモリの咬み痕は、直径1mm〜数mm程度の小さな点のような浅い裂傷で、出血はほとんど見られません。
ネズミの咬み痕は5mm〜10mm程度とやや大きく、わずかに湾曲した形状をしており、出血をともなうことがあります。
前歯が発達している分、コウモリよりも傷が深く、はっきりと残ります。
スズメバチに刺されると、痛みと伴にすぐに直径1cm程度に腫れ、2日〜3日経過すると直径5cm以上になることも。
また、ミツバチに刺されると、毒針が皮膚に残ることが多いです。
アブは皮膚を切るようにして吸血するため、刺された直後から出血や赤い斑点が見られ、急速に腫れて触ると硬さを感じます。
蚊に刺されると、小さな紅斑と軽いかゆみが中心で、数時間から数日で自然に治まります。
傷の大きさや形、出血の有無、刺されたときの痛みの強さから、原因を絞り込めますが、
何に咬まれた傷かわからないときや、症状が長引く場合は医療機関で確認してもらいましょう。
【自宅でコウモリに咬まれたら】棲みついていないか確認しよう

自宅でコウモリに咬まれたら、コウモリが自宅に棲みついているかもしれません。
・自宅の周りにフンが落ちている
・外壁に白い汚れや黒ずみがある
・悪臭を感じる
・「パタパタ」「カサカサ」「キーキー」という音が聞こえる
コウモリは住宅に棲みつく

| 学名 | Pipistrellus abramus |
| 英名 | Japanese pipistrelle |
| 和名 | 油蝙蝠 |
| 分類 | 翼手目ヒナコウモリ科 |
| 体長 | 3.7cm〜6cm |
| 体重 | 5g~11g |
| 生息地 | 日本、朝鮮半島、中国、台湾、ミャンマー、ベトナム、ラオス、インド |
| ねぐら | 住宅、高架橋、地下水路 |
| 食性 | 昆虫 |
識別図鑑 日本のコウモリ|株式会社文一総合出版
住宅街に現れるコウモリの多くはアブラコウモリという種で、日本のほぼ全域に生息しています。
体長は3.7cm〜6cm、体重5g〜11gほどしかない小型のコウモリで、主食は蚊やユスリカ、カメムシなどの昆虫です。
もともとは自然豊かな山間部に生息していましたが、都市開発や森林伐採で棲み処やエサ場が減ったため、
エサを求めて住宅街近くの雑木林や河川、水田などへ飛来するようになりました。
採餌後は、ねぐらを求めて近くの住宅に侵入します。

・屋根の隙間
・軒下の隙間
・雨どい
・換気口
・換気扇
・シャッターや雨戸の隙間
・玄関の隙間
体の小さいアブラコウモリは1cm〜2cm程度の隙間から侵入し、雨風をしのげて天敵に見つかりにくい場所に棲みつきます。

・屋根裏
・雨どいの中
・室外機のダクト内
・換気口の中
・雨戸の戸袋
・シャッターの隙間
・床下
コウモリは鳥やネズミのように木の枝や紙、糸くずなどを利用して巣をつくるわけではなく、棲みついている場所そのもの、糞尿の痕跡があるところを巣と呼びます。

棲みついているサイン①自宅の周りにフンが落ちている

コウモリのフンは、長さ5mm〜10mm程度で黒っぽく細長い形をしています。
ネズミのフンと似ていますが、コウモリのフンには昆虫の羽や足が含まれており、乾燥していてパサパサと崩れやすいのが特徴です。
また、移動しながらさまざまな場所に排泄するネズミと違い、コウモリは同じ場所に繰り返し排泄するため、巣の中や侵入経路の周辺にまとまって落ちています。
自宅周辺で繰り返しフンを見かける場合は、棲みつかれている可能性が高いでしょう。
棲みついているサイン②外壁に白い汚れや黒ずみがある

コウモリは、巣から飛び立つ際に放尿し、外壁に尿が付着すると乾燥して白い汚れが残ります。
鳥のフンに似ていますが、コウモリのフンには黒い塊はなく、液体が流れたような筋上の汚れになるのが特徴です。
また、出入りする際に汚れた体が擦れることで、侵入経路の周辺に黒ずみが付着することもあります。
ネズミも黒ずみを残しますが、屋根周辺やベランダなど高所に汚れが見られる場合はコウモリが棲みついているかもしれません。
棲みついているサイン③悪臭を感じる

コウモリが棲みつくと、蓄積された大量のフンによってドブ臭とアンモニア臭が混ざったような強烈なニオイが室内に漂います。
コウモリは集団で棲みつくうえ、1匹あたり一晩で100匹以上の昆虫を食べるためおびただしい量のフンが蓄積されることも。
ニオイは温度と湿度が高くなる梅雨時期から秋頃にかけて強くなりやすく、この時期に特に悪臭を感じるようであればコウモリが棲みついている可能性を疑いましょう。
棲みついているサイン④「パタパタ」「カサカサ」「キーキー」と聞こえる

日没後20分〜30分から22時ごろにかけて鳴き声や活動音が聞こえる場合、コウモリが棲みついている可能性があります。
コウモリは「キーキー」とネズミに似た甲高い声で鳴き、どちらなのかわからないことがあるため、活動音の違いで判断しましょう。
| 種類 | 活動音 |
| コウモリ | 「パタパタ」という羽音、「カサカサ」という移動音 |
| ネズミ | 「トトト」という走る音、「カリカリ」という建材をかじる音 |
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コウモリが棲みつくとこんな被害も!

コウモリが自宅に棲みつくと、悪臭や健康被害、住宅の劣化、騒音など、さまざまな被害を引き起こします。
悪臭被害
前述のとおり、コウモリのフンは強烈な悪臭を放ちます。
フンによる悪臭は、嗅いだことのないニオイとも言われ、換気をしても改善されません。
長期間嗅ぎ続けると、ストレスを感じるだけでなく、頭痛や吐き気など体調不良の原因にもなります。
健康被害

野生のコウモリはさまざまな病原菌やウイルスを保有しており、狂犬病やエボラ出血熱など致死率の高い感染症を引き起こすものもあります。
コウモリに咬まれたり引っかかれたりして発症する恐れのある感染症については、こちらを参考にしてください。
そのほか、粉塵化したコウモリのフンを吸い込むことで、くしゃみや鼻水、咳などのアレルギーを発症することも。
さらに、コウモリの体やフンには、ダニやノミ、トコジラミなどの寄生虫が付着していることがあり、刺されると激しいかゆみや発疹が出ることもあります。
コウモリを見かけても素手で触らないようにしましょう。
住宅被害

コウモリが棲みつくと大量の糞尿が蓄積し、天井や壁材に染み込みます。
シミの原因になるだけでなく、建材が劣化して住宅の耐久性が下がる恐れも。
また、湿った建材はシロアリを誘引させる原因にもなり、食害被害によってさらに建物の強度が下がってしまいます。
騒音被害
住宅に棲みつくアブラコウモリは、20時〜22時頃にかけてもっとも活発に動きます。
集団で一斉に動くため、室内に騒音が響き渡り、寝付けなくなったり眠りが浅くなったりすることも。
睡眠不足による集中力の低下だけでなく、ノイローゼや自律神経の乱れなど、体調不良にもつながります。
【まだ棲みついていないなら】コウモリ対策をしよう
コウモリが棲みつくと、さまざまな被害を及ぼします。
まだ棲みついている気配がないのであれば、寄せ付けない対策をして、コウモリが嫌がる環境をつくりましょう。
置き型、吊るし型、ジェル型の忌避剤を設置する

コウモリは、鼻や口などの粘膜を刺激するハッカやワサビなどの成分を嫌います。
忌避剤は、この刺激成分を利用してコウモリを寄せ付けにくくする商品で、長期間効果があるのは、主に置き型、吊るし型、ジェル型の3タイプです。
| タイプ | 商品 | 効果持続期間 |
| 置き型 | ![]() |
約2ヶ月 |
| 吊るし型 | ![]() |
約1ヶ月 |
| ジェル型 | ![]() |
約1年 |
置き型はコウモリが棲みつきやすい屋根裏や床下、室外機周辺など、安定して置けるスペースがある場所に設置します。
吊るし型は、侵入経路や休憩スポットとして利用されやすいベランダや玄関などにフックや紐を使って吊るします。
置き型の効果持続期間は約2ヶ月、吊るし型は約1ヶ月と短いので、その都度取り替える必要があります。
ジェル型はベランダの手すりや軒下に直接塗布したり、専用カップに入れたりして使用する商品です。
ジェルは粘度があって風雨に強く、商品によっては1年程度効果が持続するものもあります。
ただし、コウモリの体にジェルが付着すると身動きが取れなくなり、死亡してしまうこともあるため、定期的にチェックしましょう。
超音波を発生させる

コウモリは、超音波を発して障害物や獲物に当たって返ってくる反響音を聞いて周囲の状況を把握しています。
人工的に超音波を発してコウモリを寄り付きにくくする、害獣用超音波発生器をベランダや換気口や換気扇の周辺などに設置すると効果的です。
アブラコウモリに効果的な35kHz〜50kHzの周波数を発生させるものを選び、屋外に設置するときは電池式や充電式で防水仕様の製品がおすすめです。
ただし、コウモリが超音波に慣れてしまうと効果が薄れる場合もあるため、忌避剤やLEDライトを併用するといいでしょう。
また、超音波は人間には聞こえにくいものの、聴覚が敏感な12歳までの子どもや、イヌやネコなどのペットは感知することがあり、
不快なノイズだと感じる可能性があるため、超音波発生器以外の対策を検討してください。
LEDライトを設置する

コウモリは30lx〜40lx以上の強い光を避ける習性があり、害獣用LEDライトを設置しておくと寄り付きにくくなります。
玄関に寄ってくる場合は、外灯をLED電球に交換するのもおすすめです。
LEDライトは紫外線をほとんど出さないため、コウモリの主食である昆虫も寄り付きにくくなります。
さらに効果を高めたいときは、設置するライトの数を増やしたり、センサー式ライトを設置したりするのもいいでしょう。
ただし、コウモリが光に慣れてくると効果が薄れることがあるため、併せて他の対策も行いましょう。
また、害獣用LEDライトの強い光が隣家を照らしてしまうと迷惑になるため、設置する角度や場所を工夫してください。
ハッカスプレーを散布する

コウモリが苦手とするハッカを散布するのも対策の1つです。
コウモリが寄りつきやすいベランダや玄関などに噴射するだけですが、効果は最大24時間程度なので毎日散布する必要があります。
ハッカは、しびれや麻痺、子宮収縮などを引き起こす危険性があるほか、ネコや鳥は体内で成分を分解できないため、下痢や発熱、嘔吐などの健康被害に見舞われることも。
ご家庭に免疫力の低い小さい子どもや高齢者、妊婦の方、ペットがいる場合は使用を控えましょう。
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住宅の隙間を塞ぐ
前述したとおり、コウモリは次のような隙間から侵入します。
・屋根の隙間
・軒下の隙間
・雨どい
・換気口
・換気扇
・シャッターや雨戸の隙間
・玄関の隙間
築10年〜20年経過した住宅は、経年劣化によって屋根や外壁に亀裂ができたり、室外機のダクトや雨どいに隙間が生じたります。
築浅の住宅でも油断はできず、近年デザインを重視して屋根や軒下に換気用の隙間を設けることがあり、コウモリにとっては侵入するのに最適な設備です。
完全に塞いでも支障のない屋根や外壁の亀裂、雨どいのつなぎ目、室外機のダクトなどは、コーキング剤や害獣パテで隙間を埋めましょう。
換気機能がある屋根や軒下の隙間、換気扇、換気口は、網目1cm以下のプラスチック製ネトロンシートやステンレス製金網で塞ぎ、コーキング剤で接着します。
また、シャッターや雨戸は、開けっぱなしや閉めっぱなしにしておくと隙間から侵入されるため、定期的に開け閉めしたり、隙間にシャッタースポンジを貼り付けたりするのがおすすめです。
自宅を整理整頓する

不要な植木鉢やバケツ、空き瓶や空き缶を放置していると、中に雨水が溜まってアブラコウモリの主食である蚊やボウフラが発生しやすくなります。
また、ベランダはアブラコウモリが採餌中に休憩する場所として利用されることが多く、
枯れ葉やゴミなどで排水口が詰まると雨水がたまって昆虫が湧き、エサ場としても活用されるようになります。
排水口を掃除する際はゴム手袋を着用し、大きなゴミを取り除いて、詰まりが解消しない場合は、ラバーカップやワイヤーブラシを使って内部の汚れを除去します。
【もう棲みついているなら】コウモリ駆除を依頼しよう!
コウモリが棲みついている気配があるときは、被害が拡大する前に駆除をしましょう。
正しい手順であれば自力でコウモリを駆除することは可能ですが、駆除時に興奮したコウモリに再び咬まれる恐れがあります。
また、コウモリが2m以上の高所に棲みついている場合は有資格者しか作業できないうえ、
誤った方法で追い出そうとすると、コウモリが壁の中に逃げ込んでしまうケースも。
コウモリに恐怖を感じ、確実に駆除をしたい方は専門のプロに依頼しましょう。
まとめ
コウモリに咬まれた際の対処方法や、コウモリが原因で引き起こされる感染症について解説しました。
SARSや狂犬病など、近年の日本での感染例はありませんが、コウモリに咬まれた傷に病原体が入り込むことで発症する感染症もあります。
まずは傷の状態や体調を確認し、出血が止まらない、発熱や倦怠感などの症状が発現したら、すみやかに医療機関を受診してください。
また、自宅周辺でコウモリに咬まれた場合、自宅内にコウモリが棲みついているかもしれません。
コウモリによる悪臭や騒音、健康被害が悪化する前に、ぜひ害虫害獣コンシェルジュにご相談ください。
豊富な知識と経験を持ったプロが、コウモリの追い出しから清掃、消毒、再来防止対策まで対応します。
- 現地調査・お見積り:無料
- 忌避液散布:19,800 円/30㎡まで
- 侵入口閉鎖作業:500 円/箇所~
- 清掃作業:2,200 円/㎡
※現地地調査・お見積りは対応エリア・加盟店・現場状況等により記載内容の通りには対応できない場合がございます。
害虫害獣コンシェルジュは、害虫害獣に関する正しい知識を発信し、厳格な品質管理基準をクリアした害虫害獣駆除のプロとのマッチングサービスを提供するサイトです。編集部では「自分でできること」と「プロに任せるべきこと」を明確にし、依頼前の不安解消を目指しています。
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