ネズミは共食いをする――残酷な真実と理由、人間への被害

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体をかじられた痕があるネズミを見かけて、「ネズミは共食いをするの?」と疑問を抱いている方は多いでしょう。
エサや水不足、ストレス、繁殖や育児上の要因などにより、ネズミは共食いをすることがあります。
本記事では、ネズミが共食いをする理由と、共食いによって人間に及ぶ被害について解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
・ネズミが共食いをする理由
・共食いによって人間が受ける被害
・ネズミの駆除方法
ネズミは共食いをする

エサ不足、水不足、ストレスなどさまざまな原因により、ネズミは共食いをします。
エサ不足のため

食べものがなくなって空腹に耐えられなくなると、共食いをすることがあります。
ネズミは小型の哺乳類で、体に多くのエネルギーを溜められず、2日~3日何も食べないと餓死する場合も。
生死の狭間で追い詰められたネズミが、生きるための手段として、残酷にも仲間の血肉に手を伸ばすのです。
水不足のため

食べものだけではなく、水分が不足した際も共食いをします。
食べる、というよりも、体をかじって水の代わりに血液をなめることがあります。
赤い血を吸うネズミの姿は、グロテスクであまり想像したくない光景です。
ストレスのため

ネズミは、環境の変化、騒音や異臭の発生などにより大きなストレスを感じると共食いをすることがあります。
ある研究では、人間が頻繁にケージ内の清掃を行ったところ、共食いの発生率が上がったという結果も出ています。
環境適応能力が高い一方で、繊細な面をもっているネズミ。
少しいとおしく感じますが、イライラしたからといって共食いをするのはあまりに残酷ですね。
縄張り争いのため

複数の集団がいる場所では、生活範囲を広げるために、他のネズミが産んだ幼獣を食べ、子どもを失った母ネズミの巣を奪うことがあります。
ただし、母ネズミも大人しくしているだけではなく、自分の子どもを殺されないようにフェロモンを放出して縄張りを守っており、生死をかけた争いが繰り広げられているのです。
生存戦略のため

母ネズミは子どもを守る行動をすると前述しましたが、実は出産した幼獣を自ら食べることがあります。
育児放棄をしているわけではなく、病気や発達上の異常がある幼獣を食べるケースや、母子関係の乱れによる共食いが報告されています。
なお、共食いをした母ネズミの多くは、残った幼獣にはしっかり愛情を注いでいると研究で明らかになっており、母としても断腸の思いで異変のある子どもに牙を向けているのでしょう。
住宅に棲みつくのはイエネズミ

日本には多くのネズミが生息していますが、住宅に棲みつくのはイエネズミと呼ばれる以下の3種です。
・クマネズミ
・ドブネズミ
・ハツカネズミ
クマネズミ

| 学名 | Rattus tanezumi |
| 英名 | Black rat |
| 和名 | 熊鼠 |
| 分類 | げっ歯目ネズミ科クマネズミ属 |
| 体長 | 15cm~17cm |
| 体重 | 150g~200g |
| 生息地 | 東南アジア、日本 |
| 食性 | 雑食 |
クマネズミは、黒灰色、暗灰褐色などの暗い色の体毛をもち、尻尾まで含めると30cm~35cm程度にまで及ぶネズミです。
住宅街、繁華街などに頻繁に現れ、優れた運動能力を活かして壁や柱をのぼり、高所に棲みつきます。
ドブネズミ

| 学名 | Rattus norvegicus |
| 英名 | Norway rat |
| 和名 | 溝鼠 |
| 分類 | げっ歯目ネズミ科クマネズミ属 |
| 体長 | 14cm~20cm |
| 体重 | 150g~500g |
| 生息地 | 世界各地 |
| 食性 | 雑食 |
ドブネズミは、暗褐色や灰褐色の体毛に覆われており、クマネズミによく似た見た目をしている種です。
最大で体重500gにもなるほど体が大きく、高所を好むクマネズミに対して地面に近い水場に生息している点が大きな違いです。
ハツカネズミ

| 学名 | Mus musculus molossinus |
| 英名 | Japanese house mouse |
| 和名 | 二十日鼠 |
| 分類 | げっ歯目ネズミ科 |
| 体長 | 6.3cm~9.2cm |
| 体重 | 10g~16g |
| 生息地 | ユーラシア、北アメリカ、日本 |
| 食性 | 雑食 |
ハツカネズミは、尻尾を含めても最大15cm程度の小柄なネズミです。
牧場や畑など、比較的自然の豊かな場所に生息しますが、寒い時期を迎えると暖を求めて住宅に棲みつきます。
共食いをしやすいのはドブネズミ

イエネズミの中でもっとも共食いをしやすいといわれているのは、ドブネズミです。
雑食ではあるものの、肉類や魚介類などの動物性タンパク質を好み、体が大きくエネルギーを多く消費するために、空腹に耐えかねると他のネズミを捕食します。
また、同じ集団の仲間同士で争うことは少ないものの、外部から侵入した個体を攻撃するという気性の荒さも共食いをする理由の1つです。
共食いをしてネズミの数は減る?
「ネズミが共食いをしたら、個体数が減るのではないか」と考えている方はいるでしょう。
しかし、共食いをしたとしても、繁殖力がそれを上回り、なおかつすでに大規模な集団を形成している可能性があります。
共食いをする数より生まれる幼獣のほうが多い

| 種 | 1回あたりの出産数(最大) |
| クマネズミ | 8子 |
| ドブネズミ | 10子 |
| ハツカネズミ | 9子 |
物事が急速に増えていく現象を指す「ネズミ算」という言葉のように、ネズミは驚異的な繁殖力をもっています。
繁殖期はあるものの、基本的にイエネズミは通年出産が可能で、クマネズミの1組のオスとメスが交尾し、1年間に14回出産した記録が残っているほど。
1回あたり8子生まれたとすると、年間で112匹ものネズミが増えたことになります。
こちらで共食いをするシチュエーションを紹介しましたが、いずれも頻繁に発生せず、生まれる幼獣の数のほうが多いです。
共食いをされている=すでに集団規模が大きい

自宅内で共食いをされているネズミを見つけた場合、すでに多くの個体が潜んでいる可能性があります。
エサ不足、水不足のほかに、縄張り争い、生存戦略のためにネズミは共食いをします。
複数の集団がさまざまな箇所に隠れている、もしくは病弱な幼獣を食べなければならないほど多くのネズミが棲みついているかもしれません。
ネズミの共食いが人間に及ぼす被害

住宅内で共食いをされると、人間もさまざまな被害に見舞われます。
死骸から悪臭が発生

共食いによって死亡したネズミから悪臭が発生します。
死後2日~3日でニオイを放ちはじめ、4日~7日経過すると強烈な腐敗臭が漂います。
特に、気温と湿度が高い梅雨から夏にかけては悪臭がひどくなるでしょう。
ニオイによってストレスが溜まるだけではなく、あまりの悪臭に吐き気や頭痛などの体調不良に陥ることも。
死骸に害虫が誘引される

ネズミの死骸には、ゴキブリ、ハエ、ウジなどの害虫が寄ってきます。
腐敗臭を嗅ぎつけ、エサ場や産卵場所として使えると考えて集まるのです。
害虫は、生ゴミや人間の食べ残しも好むため、多く発生すると住宅内の衛生環境が悪化して安心して生活できなくなります。
寄生虫、感染症の病原体による健康被害

ネズミは、人間にとって不衛生な下水道やゴミ捨て場に出入りするため、ノミやダニなどの寄生虫を保有していることがあります。
ネズミ自身が亡くなっても寄生虫は生き残るため、生活エリアに侵入されて刺されると、激しいかゆみや皮膚の腫れに襲われる可能性も。
また、ネズミは病原体の媒介主でもあり、以下の感染症を人間にうつした例があります。
| 疾患名 | 潜伏期間 | 症状 | 致死率 |
| 鼠咬症 | 1日~21日 | 悪寒、発熱、嘔吐 など | 約10% |
| レプトスピラ症 | 5日~14日 | 発熱、悪寒、頭痛 など | 5%~15% ※黄疸がある場合 |
| サルモネラ感染症 | 8時間~48時間 | 嘔吐、腹痛、下痢 など | 0.1%~0.2% |
共食いをされたネズミの処理方法はこちらで解説しますが、見つけても絶対に素手で触らないようにしましょう。
共食いをされたネズミを見つけたら?
自宅内で共食いをされたネズミの死骸を見つけた際の処理方法を紹介します。
必要なもの
まずは以下の道具をそろえましょう。
・マスク
・軍手、ゴム手袋
・スコップ、シャベル、ちりとり
・新聞紙もしくは布
・汚れてもいい服
・ゴミ袋
・塩素系漂白剤
・水
・空のペットボトル(2L)
手順①マスク、手袋を着用

作業前にマスクと軍手もしくはゴム手袋を着用し、ネズミが保有する寄生虫や病原体から身を守ります。
不織布マスクでも問題はありませんが、防じんマスクを使った方がより強力に防護できます。
不安な方は、手袋も二重にするといいでしょう。
手順②新聞紙、布で死骸を包む

ネズミの死骸に直接触れないように、スコップ、シャベル、ちりとりなどですくい上げ、新聞紙や不要な布の上に乗せましょう。
処分時に腐敗臭、病原体、寄生虫が外に漏れないように、しっかりと端を折って死骸を包みます。
手順③ゴミ袋に密封

新聞紙や布でネズミの死骸を包んだら、ニオイや病原体などの漏れを防ぐため、ゴミ袋にいれてしっかりと口を縛りましょう。
ゴミ袋が薄い場合は二重にすると安全です。
手順④指定のゴミ区分で処分

ネズミの死骸は可燃ゴミ、粗大ゴミとして処分可能なケースが多いですが、詳細な区分は自治体によって異なります。
不明なのであれば、捨てる前に問い合わせてみましょう。
なお、処分するまでに日数がかかる場合は、フタのついた容器にいれて屋外のなるべく涼しい場所で保管すると、害虫の発生を防止できます。
手順⑤死骸があった場所を消毒

ネズミをゴミ袋に密封したら、死骸が落ちていた周辺を消毒します。
2L以上の空のペットボトルに半分程度水をいれてから、塩素系漂白剤を40ml程度加え、フタを閉めて振って混ぜます。
混ぜた後、ペットボトルがいっぱいになるように水を注いだら消毒液の完成です。
新聞紙を消毒液に浸して、ネズミが落ちていた場所に敷きます。
先に乾いた新聞紙を敷き、上から消毒液をかけても問題ありません。
10分程度放置した後に、新聞紙で周辺を拭きましょう。
カーペットやマットレスなど、塩素系漂白剤で色落ちしてしまう素材の場合は、高温にしたスチームアイロンで1分ほど加熱してください。
手順⑥道具と衣類の処分、手洗いとうがい

使用した道具と着用していた衣類に、病原体や寄生虫が付着している可能性があるため、すべて処分しましょう。
捨てる際は、ゴミ袋の口をしっかりと縛ってください。
道具と衣類をまとめたら、15分以上かけて石鹸を使って念入りに手を洗い、うがいもしましょう。
共食いをされたネズミがいるなら大集団が棲みついているかも?
ネズミは、縄張り争いや生存戦略を目的に共食いをすることがあります。
自宅で共食いをされている個体を見つけたら、すでに複数の集団のネズミが棲みついているかもしれません。
さまざまな駆除方法を行う必要がある

共食いが発生していると、1つの集団が大規模化しているか、複数の集団が棲みついている可能性が高いです。
多くのネズミを駆除するには、いくつかの方法を組み合わせる必要があります。
燻煙剤で屋根裏や床下などの広い空間にいるネズミを追い出しつつ、残っている個体を捕獲するために捕獲器や粘着シートを設置しましょう。
【注意】粘着シートで捕獲すると共食いしやすい

市販の粘着シートでネズミを捕まえると、共食いが発生しやすいといわれています。
身動きがとれなくなって衰弱し、一緒に捕獲された仲間を食べて、生き延びようとするのです。
共食いをされたネズミを処理したくない場合は、粘着シートの使用を避けましょう。
共食いをされたネズミを見つけたらプロに依頼
前述のとおり、共食いが起こっているとすでに多くのネズミが自宅に棲みついている可能性があります。
こちらで解説したとおり繁殖力も強く、放置するとどんどん数が増えるため、はやめにネズミ駆除のプロに相談しましょう。
また、ネズミの集団規模が大きくなればなるほど費用もかさむため、共食いをされたネズミを目撃した時点でプロに現地調査と見積もりを依頼することをおすすめします。
まとめ
ネズミは、エサと水分補給のほか、ストレス解消や縄張り争い、生存戦略のために共食いをします。
イエネズミのなかでは、ドブネズミがもっとも共食いをしやすいといわれており、体をかじられた痕跡のある個体を自宅で見つけたら、すでに大量に棲みついているかもしれません。
大規模な集団のネズミの駆除は、ぜひ害虫害獣コンシェルジュにお任せください。
現地調査を実施し、最適な方法でのネズミの駆除から侵入経路の封鎖まで、丁寧に実施いたします。
ネズミ被害に困って生活に支障が出ている方は、一度ご相談ください。
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