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スズメバチの針は何が危険?刺されたときの対処法も解説

  • ハチ
2026.04.21
スズメバチの針は何が危険?刺されたときの対処法も解説

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スズメバチは毒針のイメージが強く、遭遇した際には多くの方が「刺されたらどうしよう」と不安を感じる昆虫です。

一方、スズメバチの針が危険という点は理解されているものの、そのしくみや毒性まで詳しく理解している方は多くありません。

この記事では、スズメバチの針が危険とされる理由を踏まえつつ、毒の特徴や刺されたときの応急処置について解説します。

さらに、刺されるリスクを避けるための正しい対処法、プロの視点に基づく巣の駆除方法や巣づくり対策なども紹介するので、ぜひご一読ください。

この記事でわかること
  • スズメバチの針の特徴(しくみや長さなど)
  • メスバチ・オスバチの違い
  • スズメバチの毒性(成分や症状など)
  • スズメバチに刺されたときの症状や必要な応急処置
  • スズメバチに刺されないための対処法
  • スズメバチが頻繁に飛び回っているときの対処法
  • 巣の自力駆除にあたって注意すべきポイント
  • スズメバチ駆除の手順(ケース別)
  • スズメバチの巣づくりを防ぐための対策

スズメバチの針は何度でも刺せる

スズメバチの針は何度でも刺せる

ハチの一刺し(自分の命をかけて相手に致命傷を与えること)という言葉のイメージから、ハチは一度でも敵を刺せば死ぬと思われがちです。

ミツバチは一度針を刺すと自力で抜くことができず死んでしまいますが、スズメバチは針を自力で抜けるので何度でも刺せます

この構造の違いが、多くのスズメバチによる刺傷被害を招いている要因の1つです。

それぞれの針にどのような違いがあるのか、詳しく見ていきましょう。

スズメバチの針のしくみ

スズメバチの針のしくみ

ハチの毒針は刀の鞘のような機能を持つ尖針(せんしん)と、毒液を注入するための刺針(ししん)で構成されています。

スズメバチやアシナガバチが毒針を刺す際は、鞘として刺針を包んでいる尖針が交互にスライドしながら動くのが特徴です。

この2種類は毒針のかえしが小さいため、自力で引き抜いて繰り返し抜き差しができます。

尖針で攻撃対象の皮膚を切り裂くように奥深くまで刺し、刺針から毒液を注入するしくみです。

種類によって針の構造や性質は異なるため、例としてスズメバチとミツバチの違いを紹介します。

比較項目 スズメバチ(スズメバチ亜科) ミツバチ(ミツバチ科)
針のかえし(逆棘)
  • かえしは小さく鋭さがない
  • 強力な筋肉を使って引き抜ける
  • かえしが非常に大きく鋭い
  • 一度刺したら抜けない
針の使用回数
  • 何度でも繰り返し刺すことが可能
  • 針を刺しても死なない
  • 針が皮膚に残るケースは稀
  • 一度刺すと自分も死ぬ
  • 無理に飛び立つと、針と一緒に毒嚢などの内臓がちぎれて体内に残る(自切)
鞘(尖針)の構造
  • 針そのもの(第1・第2産卵弁)に違いはない
  • 針を包んでいる鞘(第3産卵弁)の構造に違いがある
  • 鞘が基部(根元)と先端に分かれている
  • 狩りに欠かせない精密な動きに対応した構造を維持
  • 進化の過程で鞘が融合または単純化している
  • 防衛のみに特化し、複雑な構造を排除
針の用途(機能)
  • 巣を守る防衛と獲物を仕留める捕食に使われる
  • 防衛のためだけに使われる

※ミツバチとスズメバチの共通の祖先は、鞘が2パーツに分かれていたと推定されている。

スズメバチの針は何度でも刺せるうえ、狩りと防衛のどちらでも使える攻防一体型の武器です。

一方、ミツバチの針は生涯に一度だけ使える防衛特化型の武器であり、捨て身で巣を守る習性が現れています。

スズメバチの針の長さは?

スズメバチの針の長さは?

スズメバチは種類によって針の長さが異なりますが、一般的に5mm前後です。

日本国内でもっとも体が大きい種類であるオオスズメバチの針の長さは7mm前後で、最長9mmに達する個体も発見されています。

その他のスズメバチは3~5mm程度ですが、針の長さが7mmに達するキイロスズメバチが発見された事例もあります。

スズメバチの針は刺す以外にも使い道がある

スズメバチの針は刺す以外にも使い道がある

スズメバチは敵とみなした相手を威嚇するため、毒針を出して見せつけてくる場合があります。

毒針から毒液を霧状に噴出することもありますが、これは警報フェロモンと呼ばれるものです。

警報フェロモンを感知した仲間の働きバチは攻撃態勢に移行し、毒液(警報フェロモン)がかかった標的を群れで襲います。

毒液を噴霧された場合、防護服を着用していてもヘルメットの網目部分から顔にかかってしまう可能性があるので注意しましょう。

毒液が目に入ると激しい痛みだけではなく、視力低下や失明に繋がる恐れがあるので、すぐに眼科や救急科を受診してください。

スズメバチの針はメスだけが持つ攻撃手段

スズメバチの針はメスだけが持つ攻撃手段

スズメバチの針はハチ目の昆虫が進化する過程において、産卵管が変化した器官です。

メスバチ(女王バチ・働きバチ)だけが持つ攻撃手段のため、オスバチに針はありません。

進化前の種族の腹部から出ている針状の器官は、敵を攻撃するためのものではなく、卵を産むための管(産卵管)です。

植物の茎や他の虫(クモやハエなど)の体に卵を産み付けて種族を繁栄させるため、長い管を使っていたといわれています。

寄生蜂と呼ばれる産卵管のあるハチは現在も存在しており、その1種がオオホシオナガバチです。

オオホシオナガバチのメスは長い産卵管を持っており、キバチという他のハチの幼虫に管を刺して卵を産み付けます。

一方、進化過程で産卵管が外敵との戦いや狩りに使う武器に変化していった結果、スズメバチやミツバチなどが誕生しました。

ハチ目の系統樹(スズメバチ)

系統樹の有剣下目以下にあるハチは有剣類と呼ばれており、産卵管が針に進化しています。

有剣下目のなかでもスズメバチ亜科の毒は他のハチより強力であり、刺されたときに激しい痛みや強い腫れが起こりやすいです。

攻撃や防衛を行うのは針をもつメスの働きバチ

攻撃や防衛を行うのは針をもつメスの働きバチ

先述のとおり、スズメバチの毒針は長い進化過程を経て産卵管が変化したものです。

メスバチだけが持っている器官なので、巣や群れを守るための攻防を担うのはメスの働きバチに限られます。

巣の外で人と遭遇するスズメバチの多くは働きバチであり、そのすべてがメスです。

女王バチも毒針を持っていますが、外で活動するのは働きバチが生まれるまでの期間に限定されており、群れの拡大後は巣のなかで産卵に専念します。

オスバチは針を持たず防衛や巣づくりに関わらない

オスバチは針を持たず防衛や巣づくりに関わらない

スズメバチを含む有剣類のオスバチは針を持たないため、外敵に対しては大顎で応戦する以外に攻撃手段がありません。

オスバチも威嚇のために針で刺すような動きを見せることがありますが、針を持たないため実際に刺されるリスクはゼロです。

メスバチに比べるとオスバチは腹部の先端が平ら、顔が細長いといった身体的な違いもありますが、一目で見分けるのは困難でしょう。

一般的にオスバチは巣が成熟する秋頃(9月~11月)に羽化しますが、個体数は多くても群れ全体の1割程度といわれています。

オスバチは巣の拡張・幼虫の育成・餌集め・防衛といった作業には一切参加しないため、他の巣で生まれた新女王バチとの交尾が唯一の役割です。

役割を終えたオスバチは越冬せず、初代女王バチ・働きバチとともに死に絶えてしまいます。

スズメバチの針は毒のカクテルを注入する

スズメバチの針は毒のカクテルを注入する

スズメバチの針は単なる尖った武器ではなく、強力な毒を注入できる危険極まりない武器です。

スズメバチの毒には複数の有毒成分が混ざっているため、毒のカクテルとも呼ばれています。

毒に含まれる成分は多種多様ですが、代表的な成分は以下の4種類です。

スズメバチの毒の成分
  • アミン類
  • 生理活性ペプチド
  • 高分子タンパク質・酵素
  • マンダラトキシン

それぞれ性質や特徴を詳しく解説します。

アミン類

痛みや炎症を引き起こす「アミン類」

アミン類は、毒針で刺された瞬間に生じる激しい痛みやその後の炎症反応(発赤・腫れ)を引き起こす成分です。

アミン類単体で毒性を有するだけではなく、他の有毒成分の作用を広げる性質も持っています。

スズメバチの毒に含まれる主なアミン類は以下のとおりです。

アミン類
成分名 特徴
セロトニン
(Serotonin)
  • 神経を刺激して激しい痛みを誘発する
  • 血管透過性※1を高めて毒の吸収を促進する
  • 毒の吸収促進によって炎症を広げる
  • 総含有量がもっとも多いのはオオスズメバチ
  • 濃度がもっとも高いのはチャイロスズメバチ
ヒスタミン
(Histamine)
  • 激しい痛みやかゆみを誘発する
  • 局所的な腫れを形成する
  • 血管透過性※1を高めて毒の吸収を促進する
  • 毒の吸収促進によって炎症を広げる
ポリアミン
(Polyamines)
  • ヒスタミンやセロトニンと協働する
  • プトレシン※2やスペルミジン※3が該当
  • 痛みを増強させる
  • 血管透過性※1を高めて毒の吸収を促進する
  • チャイロスズメバチはプトレシンの含有量が高い
アセチルコリン
(Acetylcholine)
  • 激しい痛みを誘発する
  • 筋肉の収縮作用(けいれん)を誘発する

※1血管と周辺組織との間で起こる物質移動
※2ポリアミンの原料
※3本来は細胞内でタンパク質の合成などに関わる成分だが毒の中では作用増強に関わる

チャイロスズメバチの毒に含まれるアミン類の量は他のスズメバチを上回るため、刺された際に生じる痛みは強烈です。

一方、モンスズメバチの毒はアミン類の量が少ないと調査で判明しています。

生理活性ペプチド

炎症を増幅させる「生理活性ペプチド」

生理活性ペプチドは、炎症を増幅させて痛みや腫れを引き起こす成分です。

スズメバチの種類によって成分に違いがあるので、作用や症状にも差異が生じます。

スズメバチの毒に含まれる生理活性ペプチドの種類をまとめました。

理活性ペプチド
成分名 特徴
マストパラン
(Mastoparans)
  • 肥満細胞を刺激してヒスタミンを放出させる
  • 炎症と痛みを増幅させる
  • 細胞膜の破壊による毒の浸透促進
スズメバチ走化性ペプチド
(Ves-CPs)
  • 刺された場所に白血球などの免疫細胞を引き寄せる
  • 引き寄せられた免疫細胞が腫れを増幅させる
  • 肥満細胞を刺激してヒスタミンを放出させる
  • スズメバチの種類によって構造が異なる
ハチ毒キニン
(Waspkinins
  • 強力な発痛作用で激しい痛みを誘発する
  • 血圧低下を引き起こす
  • 体内の発痛物質であるブラジキニンと構造や活性が似ている
  • 高血圧薬(ACE阻害薬)は炎症反応を増加させる可能性がある

※皮膚や粘膜などの組織に分布する免疫細胞の一種でマスト細胞とも呼ばれる

スズメバチ走化性ペプチドは種類によって構造が異なりますが、多くの主要なスズメバチにはVes-CPsもしくはその仲間が含まれています。

スズメバチ走化性ペプチドの違い
  • オオスズメバチ:VesCP-M
  • ヒメスズメバチ:VesCP-T
  • キイロスズメバチ:Ves-CPs
  • コガタスズメバチ:Ves-CPs

これらのペプチドはアミノ酸配列(構造)が少し異なるものの、ほぼ同じ機能を有する成分です。

VesCP-〇の末尾に表記されるアルファベットは、それぞれスズメバチの学名(ラテン語名)の頭文字を表しています。

たとえば、VesCP-Mはオオスズメバチ(Vespa mandarinia)、VesCP-Tはヒメスズメバチ(Vespa tropica)がもつペプチドです。

両者の配列を見てみると、基本的なつくりはよく似ていますが、一部の並び(アミノ酸)が少しだけ異なっていることがわかります。

アミノ酸配列の違い
  • VesCP-T: Phe-Leu-Pro-Ile-Leu-Gly-Lys-Ile-Leu-Gly-Gly-Leu-Leu-NH2
  • VesCP-M: Phe-Leu-Pro-Ile-Ile-Gly-Lys-Leu-Leu-Ser-Gly-Leu-Leu-NH2

どちらも白血球を引き寄せるという働き(遊走活性)は共通していますが、その活性の強さにわずかな差があると実験で明らかにされています。

高分子タンパク質・酵素

アレルギーの原因になる「高分子タンパク質・酵素」

高分子タンパク質・酵素は、刺されたときにアレルゲン(アレルギー反応の原因となるタンパク質)として機能する成分です。

アナフィラキシーショックなどの全身反応に関与しているので、人命を脅かすリスクがあります。

スズメバチの毒には以下のようなアレルゲンが含まれています。

高分子タンパク質・酵素
成分名 特徴
アンチゲン5
(Antigen5)
  • スズメバチの毒でもっとも強力なアレルゲン
  • ハチ刺されによるアレルギー反応の主因
  • 重篤な全身性のアレルギー反応を誘発する
  • 痛みや腫れなど局所反応の原因にもなる
  • ミツバチの毒には含まれていない
ホスホリパーゼ
(Phospholipase)
  • ハチ毒アレルギーを引き起こすアレルゲン
  • スズメバチの毒にはホスホリパーゼA1が含まれる
  • 細胞膜を破壊して毒を浸透しやすくする
ヒアルロニダーゼ
(Hyaluronidase)
  • ハチ毒アレルギーを引き起こすアレルゲン
  • 皮膚の結合組織に作用して毒の浸透を促進する
プロテアーゼ
(Protease)
  • タンパク質を分解する酵素
  • 皮膚や筋肉を破壊して壊死や出血を引き起こす
  • 体内組織を破壊して毒の浸透を促進する
  • ハチ毒アレルギーを引き起こすアレルゲンにもなりうる

※膜をつくる脂質のどの部分を分解するかで、A1・A2のように分類される。

スズメバチの毒にはもっとも強力なアンチゲン5が大量に含まれていますが、ミツバチの毒には含まれていません。

代わりにミツバチの毒はメリチンやホスホリパーゼA2を含有していますが、これらもアナフィラキシーショックの原因となる成分です。

アナフィラキシーショックが起こった場合、短時間のうちに血圧低下・意識障害・呼吸困難・全身のじんましんといった深刻な症状が現れます。

処置が遅れると命を落とす可能性もあるため、きわめて危険なアレルギー反応です。

過去にハチ刺されの経験がある方だけではなく、初めて刺された方も発症する可能性があります。

マンダラトキシン

麻痺作用がある「マンダラトキシン」

マンダラトキシンは、オオスズメバチ特有の昆虫を麻痺させる強力な神経毒です。

高分子タンパク質・酵素
成分名 特徴
マンダラトキシン
(Mandaratoxin)
  • 昆虫に対して強い麻痺作用がある
  • 人などの哺乳類には効きにくい

マンダラトキシン自体の人に対する毒性は低いものの、スズメバチの毒には他の毒性成分も含まれています。

スズメバチは毒量が多く性格も獰猛かつ攻撃的なので、前提として他のハチより危険性が高い点は忘れてはいけません。

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スズメバチは針を抜くと死んでしまう

スズメバチは針を抜くと死んでしまう

スズメバチの針は毒嚢などの内臓と直接つながっているため、毒液をスムーズに送り出せる構造です。

ピンセットなどで意図的に針を抜けば内臓も一緒に抜けてしまうので、腹部に深刻なダメージを負ったスズメバチは死んでしまいます。

研究者でなければスズメバチの針を直接抜く機会はそうありませんが、知識として覚えておきましょう。

死んだスズメバチでも針が残っていると刺さる恐れがあるため、死骸を回収するときも要注意です。

スズメバチに刺されてしまったら

スズメバチに刺されてしまったら

毒針を持つハチのなかでもスズメバチの毒は特に強力なので、刺されたときは適切な応急処置が欠かせません。

スズメバチは種類によって毒量や有毒成分は変わりますが、基本的な応急処置の流れは同じです。

万が一の事態が起きても冷静に対処できるよう、手順や注意点を押さえておきましょう。

アレルギー反応が出ていないか全身を確認

アレルギー反応が出ていないか全身を確認

スズメバチの毒はさまざまな症状を引き起こしますが、大きく分けて局所反応と全身反応の2つに分類されます。

局所反応 患部周辺で痛み・腫れ・赤みなどが発生する症状
全身反応 患部だけにとどまらず全身のあらゆる筋肉や内臓で発生する症状

局所反応のみなら症状は数時間~1日程度でなくなりますが、かゆみを伴う腫れやしこりが数日残るため、完全回復には時間がかかると認識しておきましょう。

ハチ刺されに対するアレルギーを持っている場合、より危険な全身反応が起こるケースも想定されます。

重症化するとアナフィラキシーショックが発生し、命にかかわる深刻な症状が現れる可能性もあるため、特に注意しなければなりません。

アレルギーがある方は普段からアドレナリン自己注射器(エピペン®)を携帯し、いつでも使えるように備えておきましょう。

アドレナリン自己注射器は内科や皮膚科で処方してもらえますが、その前に医師の診察が必要です。

スムーズな応急処置ができるよう、全身性のアレルギー反応に関する兆候をまとめました。

アレルギー反応の兆候
  • 不安感
  • ピリピリ感
  • 浮動性めまい(ふわふわと浮いているような感覚のめまい)
  • 全身のかゆみおよびじんましん
  • 唇や舌の腫れ
  • 喘鳴(気道が狭くなり呼吸時にヒューヒュー、ゼーゼーと音がする)
  • 呼吸困難
  • 虚脱(失神を伴わない急激な脱力、血圧の低下)
  • 意識消失

いずれかのアレルギー反応が見られた場合、すぐ救急車を呼んで救急科を受診する必要があります。

「まだ動けるから大丈夫」と自力で病院に向かうと、移動中に突然動けなくなったり、意識を失ったりする恐れがあるためです。

20~30分ほど様子を見てアレルギー反応の兆候が現れなければ、次に紹介する3つの対処法を行いましょう。

対処法の途中で少しでも異変を感じたら、速やかに医療機関を受診してください。

傷口を流水で洗い毒を取り除く

傷口を流水で洗い毒を取り除く

スズメバチに刺された場合、まずは毒を取り除くために流水で傷口を洗い流しましょう

スズメバチの針のしくみで述べたようにスズメバチの針は何度も刺せるため、傷口に針が刺さったまま残るケースは稀です。

針が残っていた場合、指先でつまんでそっと引き抜きましょう。

バターナイフやクレジットカードなどで患部を優しくこすり、毒針をこそぎ落とす方法も有効です。

針が残っていないことを確認したら、指先で患部周辺を圧迫して毒液を絞りだします。

ハチ毒は水溶性なので、流水をかけて揉み洗いするように絞りだすと効果的です。

抗ヒスタミン軟膏を塗布し患部を冷やす

抗ヒスタミン軟膏を塗布し患部を冷やす

針と毒を取り除いた後は、経口投与の抗ヒスタミン薬を服用するか、患部に抗ヒスタミン剤を含むステロイド軟膏を塗りましょう。

これらの薬によって炎症を抑えると、痛み・かゆみ・腫れなどが収まりやすくなります。

さらに、濡れタオルや冷湿布で患部を冷やすのも効果的です。

薬と冷却による応急処置を並行すれば、さらなる症状の緩和が期待できます。

ただし、アナフィラキシーショックの症状や兆候が現れたら、救急科の受診を優先しましょう。

患部を持ちあげ腫れを和らげる

患部を持ちあげ腫れを和らげる

スズメバチに刺された場合、局所反応で患部が大きく腫れてしまうケースがあります。

刺された部位によりますが、患部を心臓より高い位置に持ちあげると腫れが和らぎやすくなります。

ただし、局所反応による腫れは蜂巣炎(ほうそうえん)などの感染症と見分けにくいケースもあるため、しっかり経過を観察しましょう。

最低でも30分程度は体調の変化に注意し、全身反応の症状が出ていないか確認するのが重要です。

刺されてから1日以上経っても腫れが収まらない場合、または痛みや赤みが強くなった場合、早めに医療機関を受診してください。

※蜂巣炎:皮下脂肪組織の細菌感染によって発生する炎症で、蜂窩織炎(ほうかしきえん)とも呼ばれている。

スズメバチの針に刺されないために気をつけること

スズメバチの針に刺されないために気をつけること

スズメバチの針に刺されないためには、ハチ自体を刺激しないことが大切です。

刺傷被害を避けるためにも、適切な対処法を押さえておきましょう。

スズメバチに遭遇したときに気をつけること

スズメバチに遭遇したら気をつけること

巣やハチを見つけても騒がない

スズメバチに遭遇すると恐怖や不安を感じるのは無理もありませんが、ぐっと堪えて騒がずに対処しましょう。

巣やハチを見つけたときに大声で叫んだり、手で振り払ったりする行為は厳禁です。

刺激を与えるとハチが攻撃態勢に移行するので、毒針で刺されるリスクも高まってしまいます。

その場から静かに離れる

スズメバチを1匹でも見かけた場合、近くに巣があるかもしれないので、その場から静かに離れて安全を確保しましょう。

走って逃げると足音や振動が巣まで伝わり、ハチを怒らせてしまう可能性があるためです。

落ち葉掃除や庭のお手入れをしているときに誤って巣を刺激し、巣穴から出てきたハチに刺された事例もあります。

スズメバチの巣に近寄らないようにする

巣の場所が判明しているなら、群れを刺激しないためにも近寄らないのが大切です。

スズメバチを見かけるのに巣がどこにあるかわからない場合、後述する巣を見つける方法で場所を特定しましょう。

巣が成長すれば働きバチも増えて刺されるリスクが高まるので、なるべく早めに駆除する必要があります。

自力での対処が難しいなら、無理をせずプロに相談しましょう。

頭や目(黒い部分)に気を付ける

スズメバチは黒くて動きがあるものに反応する性質を持っていますが、これは天敵のクマと誤認しているのが原因といわれています。

髪の毛や眼球の黒にも反応してしまう可能性があるため、スズメバチに遭遇した際は頭から守りましょう。

黒い部分を隠すときは帽子をかぶるだけではなく、タオルやハンカチで頭を覆うのも効果的です。

黒系統の服もスズメバチを刺激してしまうため、黒い部分が目立たないよう白やパステルカラーの上着を着用しましょう。

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スズメバチに刺されないためにできること

スズメバチに刺されないためにできること

黒い服装を避ける

先述のとおり、スズメバチは黒くて動きがあるものに反応しやすいので、外出するときは黒い服装を避けましょう。

焦げ茶や濃紺といった濃い色にも反応する傾向があるため、明るく淡い色の服を選ぶのが基本です。

ただし、白や黄色など明るすぎる色はスズメバチを避けられても、他の害虫を引き寄せる可能性があります。

おすすめの色は、明るいグレー・カーキ・ベージュといった中間色です。

トップス・ボトムスはもちろん、帽子・マフラー・バッグ・靴などの色にも注意しましょう。

なお、毛皮素材の服はスズメバチから天敵のクマと誤認されやすいため、色に関わらず着用しないほうが無難です。

スズメバチに遭遇しそうな場所を訪れる場合、虫除け加工が施された服も活用しましょう。


防虫メッシュパーカー|EVERSOUL

強いニオイを避ける

スズメバチは鋭い嗅覚の持ち主なので、香水・柔軟剤・ヘアスプレー・化粧品などのニオイに反応して近寄ってくるケースも想定されます。

特に花の香りや甘い香りを好む傾向があるため、香料入りの製品を選ぶときは注意が必要です。

庭のお手入れや野外イベント、ハチの巣の駆除といったシーンでは強いニオイを身にまとわないよう注意しましょう。

微弱なニオイにも反応する可能性があるため、無香料タイプの製品を選んでおくと安心・安全です。

清涼飲料水(甘い香りがするもの)は避ける

スズメバチは糖分由来の甘い香り、発酵したニオイにも近寄ってくる性質を持っています。

甘い清涼飲料水・果汁飲料・アルコール飲料に反応しやすいため、スズメバチが飛んでいそうな場所では飲まないほうが賢明です。

屋外で上記のような飲料を飲んだ際、飲み残しのニオイに反応したスズメバチが容器に入り込んでしまう可能性もあります。

容器内のスズメバチに気付かず口を刺されてしまった事例もあるので、屋外で飲むときは注意しましょう。

もしものために持っておきたい携帯用ハチ駆除スプレー

もしものために持っておきたい携帯用スプレー

先述した対策をきちんと講じても、スズメバチの襲撃リスクはゼロになりません。

万が一の事態に備えて携帯用のハチ駆除スプレーを持っておけば、襲われても逃げ切れる可能性が高まります。

特にキャンプやハイキングで自然が多い場所に出向く場合、1本携帯しておくと安心できるアイテムです。


ハチノックS 100ml 携帯用ハチ駆除殺虫剤|住化ライフテク(株)

ハチノックSは、プロのハチ駆除業者が使用する業務用殺虫剤と同じd・d-T80-プラレトリンを配合した製品です。

市販のハチ駆除スプレーと比べてスズメバチへの致死力が高く、撃退後に蘇生して再び動きだすリスクを抑えています。

広範囲に噴射できるため、素早く飛び回るスズメバチに薬剤を当てやすいのも強みです。

ただし、ハチノックSは1回使い切りタイプの製品なので、一般的な殺虫剤のように継続して使用できません。

日常的な対策には適さないため、襲われそうになったときの最終手段として使いましょう。

ハチノックSは約10秒間連続噴射ができるので、近寄ってきたハチを追い払うイメージで噴射しながら、その場を速やかに離れてください。

スズメバチが頻繁に飛び回っている場合

スズメバチが頻繁に飛び回っている場合

自宅周辺でスズメバチが頻繁に飛んでいる場合、すぐ近くに巣をつくられている可能性があります。

スズメバチは活動時期によって危険性が変わる点を踏まえつつ、巣をつくる場所や巣を見つける方法を解説します。

スズメバチの活動時期別の危険性

スズメバチの活動時期別の危険性共通)

時期 危険度 主な行動
4月~5月 女王バチが越冬から目覚め、単独で巣づくり、産卵、働きバチの育成を開始
6月~7月上旬 働きバチが徐々に増加し、巣も大きくなる
7月中旬~8月 働きバチの数が300匹を超える巣が発生し始める
8月~10月 勢力が最大になり、巣の規模も最大になる
9月~11月 新女王バチとオスバチが羽化する
12月~3月 交尾を終えた新女王バチのみが越冬する

スズメバチの活動時期は種類や環境によって変わりますが、一般的に女王バチは4月~5月にかけて単独で巣づくりや子育てを行います。

6月以降の時期は働きバチの数が増加し、群れの成長速度や巣の拡大速度が一気に上がるため、危険度も飛躍的に上昇するのが特徴です。

気温が下がる12月頃になると働きバチやオスバチはすべて死んでしまい、新女王バチだけが越冬します。

スズメバチの女王はどこに巣をつくるのか

スズメバチが巣をつくる場所一覧

スズメバチがどのような場所に巣をつくるかを知っておくと、よりスムーズに巣づくり予防の対策に取り組めます。

スズメバチが巣をつくる場所は種類によって異なりますが、大きく分けると開放空間と閉鎖空間の2パターンです。

特に雨風をしのげる場所が好まれるため、下記の場所を探してみましょう。

種類別の巣づくり傾向
場所 種類
開放空間
(軒下、木の枝、ベランダなど)
キイロスズメバチ、コガタスズメバチ、ツマアカスズメバチなど
閉鎖空間
(木の洞、土の中、屋根裏など)
オオスズメバチ、キイロスズメバチ、モンスズメバチ、チャイロスズメバチ、ヒメスズメバチ、クロスズメバチなど

 

スズメバチの巣を見つける方法

クロスズメバチの巣を見つける方法

スズメバチの巣は闇雲に探しても見つかるものではなく、不意にスズメバチを刺激してしまう可能性もあります。

事前に手順を押さえたうえで、スズメバチと会敵しないように動きましょう。

①巣づくりに適した場所を予測する

巣を探す場合、まずはどこが巣づくりに適した場所か考えましょう。

スズメバチは軒下や木の枝といった開放空間に巣をつくる種類と、屋根裏や土の中などの閉鎖空間に巣をつくる種類に分かれます。

予測のつかない場所に巣をつくる可能性もあるため、視野を広げるのが大切です。

②飛んでいく方向を観察する

巣が見つからないときは家の中や離れた場所に移り、スズメバチが飛んでいく方向を観察しましょう。

いつも同じ場所で消える、特定の場所に出入りしているといった場合、付近に巣があると考えられます。

スズメバチの襲撃が不安なら捜索をストップし、プロのハチ駆除業者に相談しましょう。

スズメバチがつくった巣の自力駆除を考える前に

スズメバチの自力駆除を考える前に

スズメバチは攻撃的かつ強力な毒針を持っているので、巣の駆除には命の危険を伴います。

決して気軽に行うべき作業ではないため、すでに巣ができているときは先に自力で駆除できる範囲かどうかを確認しましょう。

自力駆除の可否は以下のポイントに基づいて判断してください。

巣の大きさは直径10cm以下か

自力駆除を考える前に、まずは巣の大きさが直径10cm(ソフトボールのサイズ)を上回っているかどうかをチェックする必要があります。

女王バチが巣をつくりはじめる春頃であれば、直径10cm以下の小さなサイズに収まっている可能性が高いでしょう。

春頃は女王バチが単独で巣づくりから子育てまで担当する時期なので、働きバチが羽化していても数は少なく、自力で対処しやすいといえます。

巣の大きさが直径10cmを超えている場合、働きバチが増加して活動も本格化しているため、自力駆除はきわめて困難です。

原則として自力駆除ができるのは初期巣のみと認識しておきましょう。

スズメバチの巣の外観

どこに巣がつくられているのか?

スズメバチの巣を見つける方法で紹介した方法で、スズメバチが巣をつくりそうな場所を捜索しましょう。

軒下や木の枝といった開放空間の巣は大きさを確認しやすいものの、高所にあるときは脚立や梯子が必要になります。

一方、屋根裏や土の中といった閉鎖空間の巣は外から大きさを把握するのが困難です。

露出している部分の巣が小さくても、内部で想像以上に大きくなっていて働きバチも大量に羽化しているケースが考えられます。

なお、地上2m以上にある巣の駆除は高所作業として扱われるため、高所作業車や足場を用意しなければなりません。

巣がまったく見つからなかったり、自力での駆除作業が難しいと感じたりする場合、無理をせずプロに相談しましょう。

アレルギーは持っている?

スズメバチに一度刺されただけでも、アナフィラキシーショックが発生する可能性はあります。

スズメバチに限らずハチ刺されの経験がある方はハチ毒アレルギーを持っている可能性があるため、再び刺されると命に関わる症状が起こりやすいのです。

一度でもハチに刺されたことがある場合、自力駆除は考えずプロに依頼しましょう。

巣がある場所は自分で駆除していい場所か

巣が見つかった場合、自分で駆除していいかどうかを確認しましょう。

自宅の敷地外にある巣は自己判断で駆除できないため、トラブルを避けるためにも必ず管理者や所有者に問い合わせてください。

駆除作業を行う前の確認
巣の場所 管轄
自宅の敷地内 自己判断で巣を駆除できる
アパートやマンション 管理会社や管理組合の理事会、大家さんに連絡して判断を仰ぐ
自治体運営の公園
自治体の担当部署に連絡する
※各役所のホームページに担当部署の連絡先が掲載されている

例)横浜市役所

電柱 NTTまたは電力会社の管轄になるため、電柱に記載のある管轄を確認して連絡する

 

駆除グッズはそろっているか

事前準備を念入りに行うことで、より安全に駆除作業を進められるようになります。

作業前に道具が一式そろっているかを必ずチェックし、不足しているものがあれば事前に買い足しておきましょう。

駆除作業中はスズメバチから激しく攻撃されるため、針で刺されないよう肌の露出や衣類のすき間をなくしておくのも大切です。

必要な駆除グッズを表にまとめたので、準備の際にご確認ください。

道具 商品 用途
駆除スプレー
(2~3本)

スズメバチの動きを止める殺虫スプレー
脱脂綿
(コーキング剤でも可)

スズメバチの巣穴を塞ぐ
白い防護服
(7mm以上の厚手のもの)

毒針や大顎などのスズメバチの攻撃から身を守る
厚手の白い手袋

スズメバチの攻撃から手元を守る
白い長靴

スズメバチの攻撃から足元を守る
虫取り網
(粘着シートでも可)

巣の周りを飛び回るハチを捕獲する
厚手のゴミ袋 巣やハチの残骸を回収する
ヘラ

外壁などから巣を削り取る
掃除用具

駆除作業後に落ちている巣やスズメバチの死骸を回収する
ライト
(赤色灯)

夜間作業の際に使用する
(スズメバチを刺激してしまうため直接巣に光を当てないこと)
ポイズンリムーバー

スズメバチに刺されたときに毒を吸いだす
抗ヒスタミン剤を含むステロイド軟膏

スズメバチに刺されたときの応急処置に使う
駆除道具は自治体で貸出を行っていることも

自治体で防護服や駆除道具の無料貸出を行っていることがあります。
貸出を利用する際には、お住まいの地域の自治体に問い合わせてみましょう。

横浜市役所

夜間作業の赤色灯は本当に安全?

夜間作業の赤色灯は本当に安全?

夜間の駆除作業で通常のライトを使用すると、光に刺激されてスズメバチが攻撃態勢に入ってしまう恐れがあります。

従来、ハチ目の昆虫は赤い光を認識しづらいという理由から、駆除作業のときに赤色灯や赤いセロハンを巻いたライトを使う手順が推奨されていました。

しかし、近年の調査でスズメバチは種類により、赤色を含む暖色系の光にも寄ってくるケースがあると報告されています。

スズメバチに向けて赤色灯を照射しても、安全が保証されるわけではないのです。

夜間の駆除作業はライトの種類を問わず、常に危険を伴うことを認識しておきましょう。

巣に直接ライトを当てるのではなく、少し離れた場所から巣の周辺を間接的に照らすような使い方がおすすめです。

スズメバチ駆除の手順(庭木や外壁に巣がある場合)

庭木や外壁に巣がある場合の駆除手順

実際にスズメバチの巣(庭木や外壁の巣)を駆除するときの手順を紹介します。

女王バチの初期巣の駆除も拡大期の巣の駆除も、基本的に同じ工程です。

安全に作業を進めるため、事前に手順をしっかり確認しておきましょう。

なお、土の中に巣があるときの駆除方法はこちらで解説しています。

①必要な道具がそろっているか確認

駆除作業は安全第一なので、まずは必要な道具がすべてそろっているか確認しましょう。

針から身を守る防護服は実際に着用したうえで、穴やすき間がないか隅々までチェックしてください。

ヘルメットと防護服を接続するチャック部分、防護服と手袋・長靴のすき間などは特に注意が必要です。

少しでもすき間が開いていると、防護服の内側にハチが侵入して刺される恐れがあります。

道具が足りないときは先に購入し、手元に届くまで作業をストップしましょう。

②スズメバチの巣穴に駆除スプレーを噴射する

巣に接近したら風上に立ち、巣穴目がけて駆除スプレーを一気に噴射します。

途中でスプレーの残量が切れる可能性もあるため、必ず予備のスプレーを手の届く範囲内に置いておきましょう。

巣の中から聞こえるスズメバチの羽音が落ち着いたら、巣穴に脱脂綿をすき間なく詰め込んでフタをします。

③巣を切り離してゴミ袋の中に入れる

巣穴に駆除スプレーをしっかり噴射して脱脂綿を詰め込んだら、ヘラで巣を切り離します

取り除いた巣は地面に落ちた残骸も含め、すべて厚手のゴミ袋に入れて回収しましょう。

巣に木の枝が絡まっている場合、剪定ばさみで邪魔な枝を切り落としましょう。


小型軽量 剪定バサミ|FORESIA

④ゴミ袋を何重にも縛る

巣をゴミ袋に入れたら、二重にも三重にも固く縛って封をします。

巣の中に生きているハチが残っていた場合、ゴミ袋の内側から攻撃される可能性があるためです。

厚手のゴミ袋を2枚重ねで使うと、刺されるリスクを軽減できます。

⑤戻りバチを防ぐために駆除スプレーを噴霧する

狩りで外出中の働きバチがいた場合、帰巣本能で巣の場所に戻ってくる可能性があります。

巣を駆除したら戻りバチが寄り付かないよう、巣があった場所とその周辺に駆除スプレーを噴霧しておきましょう。

⑥駆除したハチの巣を自治体のルールにしたがって処分する

スズメバチの巣を完全に取り除いたら、衛生面の悪化を防ぐためにもできるだけ早く処分しましょう。

駆除したハチの巣を放置した場合、巣の中に残っていたサナギが羽化して成虫になってしまう恐れがあります。

また、巣の中にいる幼虫・サナギは他の虫にとって栄養豊富な餌なので、放置すれば新たな害虫被害を招きかねません。

ハチの巣を処分する場合、お住まいの自治体が定めている分別・処分ルールにしたがってください

自治体によっては燃えるゴミ扱いで処分できるケースもあるため、事前に確認しておくと安心です。

スズメバチ駆除の手順(土の中に巣がある場合)

土の中に巣がある場合の駆除手順

次は土の中にある巣を駆除するときの手順を紹介します。

庭木や外壁にある巣の駆除と同じく、工程は女王バチの初期巣も拡大期の巣もほぼ変わりません。

ただし、拡大期の巣は土の中のかなり深い部分まで浸食している可能性があります。

準備や手順に少しでも不安があるなら、プロへの依頼がおすすめです。

①巣の出入口を探す

必要な道具をすべてそろえて防護服を着用したら、女王バチまたは働きバチが頻繁に出入りしている場所を観察し、巣の出入口を探しましょう。

出入口付近は土が盛り上がっているケースが多いので、地面の高低差をチェックすると見つかりやすくなります。

②巣の出入口へ駆除スプレーを噴射する

巣の出入口が見つかったら、風上から巣を狙って駆除スプレーを噴射します。

出入口が石の下にある場合、すき間を狙って30秒以上噴射しましょう。

5mほど離れた場所からスプレーを噴射し、少しずつ巣に近づくと安全です。

働きバチが飛んでいる場合、ゆっくりとその場を離れてください。

巣の周辺にいる働きバチが落ち着くまで、噴射と距離を取る行動を繰り返しましょう。

③ハチの動きが落ち着いたら巣を露出させる

巣の外にハチが出てこないことを確認したら、土を慎重に掘り起こして巣を回収します。

巣が石の下にある場合、石をゆっくりどけてから巣を露出させましょう。

④巣の出入口へ再度スプレーを噴射

巣が見えて出入口の穴を確認できたら、その穴を狙って再度駆除スプレーを噴射します。

巣の中からハチが出てきても、焦らずそのまま噴射を続けましょう。

⑤巣の大きさに応じての回収

巣の大きさによっては駆除スプレーが奥まで届いていない可能性もあるので、巣を少しずつ崩しながら回収します。

崩した巣は厚手のゴミ袋に入れて、生きているハチがいれば都度スプレーを噴射してください。

手に毒針が刺さらないよう、作業中は必ず厚手の手袋を着用しましょう。


蜂ガード手袋|ラプター

巣がどこにあるか把握できている場合、夜間に②の作業を実行して巣に戻っている働きバチをまとめて駆除するのがおすすめです。

夜間はスズメバチの活動が落ち着いており、昼間より攻撃性が低い傾向にあるので、より安全に駆除できます。

翌日の明るい時間帯に③~⑤の作業を実行すれば、残った個体による反撃リスクを抑えられるため、作業効率が上がるでしょう。

夜間作業ではスズメバチが光による刺激を受けやすいので、ライトは絶対に手に持たず、離れた場所から巣の周辺を照らすように設置してください。

⑥回収したハチの巣は自治体のルールにしたがって処分する

スズメバチの巣を回収できたら、自治体のルールにしたがって速やかに処分しましょう。

処分方法の詳細はこちらをご覧ください。

スズメバチに巣をつくられない対策

スズメバチに巣をつくられない対策

駆除作業後に巣をつくられると意味がないため、スズメバチを寄せ付けないための対策も必要です。

忌避対策は巣づくりの予防対策にもなるので、スズメバチの刺傷リスクを大きく軽減できるでしょう。

予防の際はスズメバチの活動時期別の危険性で解説したとおり、女王バチが単独で活動する4月~5月までに忌避効果のある対策を講じるのが大切です。

4月~5月のうちにスズメバチを寄せ付けない対策ができていれば、敷地内に巣をつくられる可能性も減少します。

代表的な忌避対策を紹介するので、ぜひ実践してみてください。

木酢液を使う


備長炭 木酢原液 1000ML|トヨチュー

木酢液(もくさくえき)とは、炭焼きの際に生じる煙を冷やして採取する褐色の液体です。燻製のような独特のニオイがあり、消臭や殺菌に役立つ成分が含まれています。

スズメバチは木酢液のニオイを嫌がるため、巣をつくらせないための忌避剤として非常に有用です。

木酢液を使うときは水と1対1の割合で混ぜてから、スプレーボトルに移し替えてスズメバチが巣をつくりそうな場所に噴霧しましょう。

時間の経過とともに効果は薄れてしまうため、週1回(月3〜4回)を目安に噴霧してください。

水で薄めた木酢液をバケツやペットボトルに入れて、ハチがよく飛んでくる場所に置いておく対策もおすすめです。

こちらも時間が経つと効果は切れるため、最低でも月1回は新しい木酢液と交換しなければなりません。

木酢液のニオイは犬や猫も嫌がるので、ペットが過ごす場所の近くで使わないよう注意しましょう。

また、木酢液の濃度が高いと花や庭木を傷めてしまうため、必ず水で薄めてから使用してください。

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庭木の剪定


小型軽量 剪定バサミ|FORESIA

庭木の枝葉が込み合っているとスズメバチに巣をつくられやすいので、剪定ばさみを使って風通しの良い状態を保つ必要があります。

花が終わった枝や枯れ枝、上方向に勢いよく伸びる徒長枝(とちょうし)という枝を中心に切り落とし、できるだけ枝葉の密度を減らしましょう。

ただし、庭木が大きく成長するあたたかい時期(特に夏)に太い枝を切り落としたり、樹形を変えるほどの強剪定を行ったりすると、庭木が枯れてしまう恐れもあります。

このような剪定は、庭木が休眠期に入る冬の時期に実施しましょう。

スズメバチが苦手なハーブの鉢植えを置く


ラベンダー苗|TAHITI MARCHE

スズメバチは以下のハーブ類が放つ香りも苦手なので、玄関先やベランダで栽培すると忌避対策になります。

スズメバチが苦手なハーブ
  • ラベンダー
  • レモングラス
  • シトロネラ
  • タイム
  • ペパーミント

ハーブ類は繁殖力に優れているため、地植えより生育を管理しやすい鉢植えがおすすめです。

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捕獲器を使う


ハチがホイホイ|アース製薬

捕獲器は黒蜜と発酵した樹液の甘い香りでハチをおびき寄せ、一度入ると出られない容器に閉じ込めるグッズです。

庭木やベランダの柵に吊るすだけで効果を発揮するので、誰でも手軽に使用できます。

捕獲器は4月~5月頃に設置し、単独で動く女王バチをピンポイントで狙うのがおすすめです。

大量のハチは捕獲できないものの、女王バチさえ捕獲すれば巣づくりと群れの形成を未然に防げます

忌避スプレーを使う


スズメバチサラバ 100ml 1本

2-フェニルエタノール配合の忌避スプレーを噴霧しておくと、その場所にスズメバチが寄り付きにくくなるので、巣づくりの予防につながります。

高知大学の研究によれば、バラの香りに含まれる2-フェニルエタノールはスズメバチに対して忌避効果を発揮する成分です。

スズメバチが嫌うのはバラの香りを構成する成分で、バラの花そのものに忌避効果はありません。

2-フェニルエタノールを含むフェニルメタノール(別名:ベンジルアルコール)は猫の健康に悪影響を与えるため、猫の近くで使用するのはNGです。

木の洞や壁のすき間、エアコンの室外機や屋根裏などのすき間を埋める

スズメバチは住宅のわずかなすき間にも入り込んで巣をつくるため、徹底的に侵入経路を塞ぐのが大切です。


304 ステンレススチール製ワイヤーメッシュロール|KLSBEEURR

金網は養蜂業のオオスズメバチ対策にも使われており、エアコンの室外機や通気口に張るとハチの侵入および巣づくりを阻止できます。

ただし、害鳥対策用など網目が粗い金網ではハチが通り抜けるため、網目が細かいもの(1cm未満)を使用しましょう。

金網は強風で外れないようしっかり固定し、すき間ができないように設置してください。


ボンド 屋外用パテ|コニシ

外壁にひび割れや小さな穴がある場合、屋外用のパテで補修します。

施工前にゴミやほこりを取り除き、パテと接地面の密着度を高めるのがポイントです。

小さなすき間でも侵入経路になるので、隅々までチェックして丁寧に塞ぎましょう。


ボンド 変成シリコンシーラント アイボリー 333ml|コニシ


KHT コーキングガン|近与(KONYO)

窓枠まわりの外壁の継ぎ目にあるすき間はコーキング剤で埋めます。

コーキング剤を使用する場合、専用のコーキングガンが必須です。

広範囲にわたるひび割れが生じていたり、外壁が劣化でもろくなっていたりする場合、外壁工事も視野に入れましょう。

高所や入り組んだ場所の巣は危険度が高い

高所や入り組んだ場所の巣は危険度が高い

スズメバチは軒下や高木など手が届かない高所、屋根裏や床下など入り組んだ場所に巣をつくるケースがあります。

身動きがとりづらい場所での駆除作業は難易度も上がるため、刺傷や転落のリスクが高く危険です。

特に屋根裏や床下は外から巣の大きさを把握しづらいので、働きバチの数が想像以上に多くパニックを招く可能性もあります。

スズメバチは春から真夏までの温暖な時期に巣をつくるため、防護服を着用する際は熱中症にも注意が必要です。

自力駆除が難しいと感じたら、迷わずプロのハチ駆除業者に相談しましょう。

自分で駆除をするのが不安な方はプロに依頼したほうが安心

外から巣の様子を確認できるかどうかに関係なく、高所や閉鎖空間での駆除作業は大きな危険を伴います。

「巣が全然見つからない」「準備が足りているか不安」という方は、無理をせずプロへの依頼を検討しましょう。

プロのハチ駆除業者なら巣の大きさや位置に応じて最適な方法を選択できるうえ、防護服や専用の道具もそろっているので、安全かつ確実に駆除してくれます。

また、市販品より致死力が高い業務用ハチ駆除スプレーを使用している点も特徴です。


業務用ハチ駆除用殺虫剤 ハチノックV 480ml|住化エンバイロメンタルサイエンス

たとえば、ハチノックVは、ハチ駆除の現場で使われている業務用殺虫剤の一種です。

市販品の駆除スプレーにはモンフルオロトリンやフタルスリンといったピレスロイド系成分が含まれていますが、ハチノックVはd・d-T80-プラレトリンを含有しています。

モンフルオロトリンはハチの動きを止める効果、フタルスリンはノックダウン効果を発揮しますが、スズメバチをすぐ倒せるほどの致死力はありません。

プラレトリンの致死力はピレスロイド系成分でもトップクラスなので、薬剤を浴びたスズメバチは瞬時に動けなくなり絶命します。

ハチが蘇生する可能性も低いため、まさに一撃必殺のハチ駆除スプレーです。

ただし、強力な効果を持っているがゆえに市販品と比較した際に毒性が強いのも事実です。

正しい知識や防護服がない状態で使用した場合、皮膚や内臓がダメージを受けてしまう可能性もあります。

ハチノックVは健康被害が生じる可能性を懸念して、メーカーから一般利用は推奨されていません

一般利用を想定した製品としては、もしものために持っておきたい携帯用ハチ駆除スプレーで紹介したハチノックSがあります。

ハチノックSは1回使い切りタイプなので、アウトドアやバーベキューで自然豊かな場所に訪れるときのスズメバチ対策に適しています。

使用薬剤の違いもプロのハチ駆除業者に依頼するときの判断基準になるため、成分や効果の違いを押さえておきましょう。

まとめ

スズメバチの針の特徴は?
  • スズメバチの針は尖針と刺針で構成されていて何度でも刺せる
  • 針はメスの産卵管が変化したもので、オスは針を持っていない
  • 針から注入される毒はアミン類をはじめ複数の成分が混ざっている
  • 巣の駆除は常に刺されるリスクを伴う作業なので、入念な準備が欠かせない

スズメバチの針は何度でも抜き刺しできる攻撃手段であり、狩りと防衛の両方で使われる攻防一体型の武器です。

針は産卵管が長い年月を経て変化した器官なので、メスのスズメバチだけが持っています。

駆除作業のときに襲いかかってくる働きバチはすべてメスバチであり、針を持たないオスバチが防衛役を担うことはありません。

スズメバチの針で刺された場合、激しい痛みやアレルギー反応を引き起こす恐れがあります。

アナフィラキシーショックで死に至るケースもあるため、自力での駆除に少しでも不安があるなら、プロの無料相談を利用しましょう。

害虫害獣コンシェルジュは「どこに巣があるかわからない」「駆除を依頼しようか迷っている」という方も含め、無料相談・無料見積りを承っています。

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  • スズメバチ:13,000円
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監修者(仮画像③)
害虫害獣コンシェルジュ編集部

害虫害獣コンシェルジュは、害虫害獣に関する正しい知識を発信し、厳格な品質管理基準をクリアした害虫害獣駆除のプロとのマッチングサービスを提供するサイトです。編集部では「自分でできること」と「プロに任せるべきこと」を明確にし、依頼前の不安解消を目指しています。

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