アシナガバチの毒は危険?毒性や刺されたときの対処を解説

(このページはプロモーションが含まれています)
当サイトは害虫・害獣に関して不快に感じるリアルな画像を一切使用せず、すべてイラストで対応しております。害虫害獣を見るのが苦手な方でも安心してご覧いただけます。
アシナガバチに毒針で刺されると、強烈な痛みや深刻なアレルギー症状を引き起こす可能性があるため、非常に危険です。
攻撃性はスズメバチほど高くないものの、強力な毒を持っている点は軽視できません。
自宅にアシナガバチの巣ができたら、毒の危険性を理解したうえで、自力で駆除の判断をする必要があります。
この記事では、アシナガバチの毒がなぜ危険なのかを踏まえ、刺されたときに必要な応急処置や毒針を向けられないための行動について解説します。
また、アシナガバチの巣を自力駆除するときの注意点や手順、巣づくり対策も紹介するので、ぜひご一読ください。
アシナガバチの毒の危険性

アシナガバチの毒は複数の成分が混ざっているので、毒のカクテルと呼ばれています。
分類学的にアシナガバチはスズメバチと近縁関係にあり、毒に共通の成分が含まれているのも特徴です。
アシナガバチの毒にどのような成分が含まれているのかを踏まえ、身近なハチと比較した有毒性と危険性を解説します。
スズメバチの毒が気になる方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
【こちらの記事もおすすめ】
痛みや炎症を引き起こす「アミン類」

アミン類は、毒針で刺されたときに生じる痛みや炎症の原因となる成分です。
また、他の有毒成分の作用を広げる性質も持っています。
アシナガバチの毒には以下のアミン類が含まれています。
| アミン類 | |
| 成分名 | 特徴 |
| セロトニン (Serotonin) |
|
| ヒスタミン (Histamine) |
|
| ポリアミン (Polyamines) |
|
スズメバチの毒と比較すると、アセチルコリン(Acetylcholine)※を含んでいない点が大きな違いとして挙げられます。
※アセチルコリン:激しい痛みに加えて筋肉の収縮作用(けいれん)や動悸を引き起こす成分。
炎症を増幅させる「生理活性ペプチド」

生理活性ペプチド(低分子ペプチド)は、炎症を増幅させて強い腫れや痛みを引き起こす成分です。
アシナガバチの毒に含まれる生理活性ペプチドの特徴をまとめました。
| 理活性ペプチド | |
| 成分名 | 特徴 |
| マストパラン (Mastoparans) |
|
| ハチ毒キニン (Waspkinins) |
|
※1肥満細胞:皮膚や粘膜などの組織に分布する免疫細胞の一種で、マスト細胞とも呼ばれている。
スズメバチの毒との違いは、スズメバチ走化性ペプチド(Ves-CPs)※2が含まれていない点です。
※2スズメバチ走化性ペプチド:刺された部位に白血球などの免疫細胞を引き寄せ、腫れを増幅させる成分。マストパランと似たアミノ酸組成を持ち、肥満細胞に作用してヒスタミンを放出させる働きもある。
アレルギーの原因になる「高分子タンパク質・酵素」

高分子タンパク質・酵素は、刺傷時にアレルギー反応を誘発する成分(アレルゲン)です。
アナフィラキシーショック(全身性のアレルギー反応)に関連しており、命にかかわる深刻な症状を引き起こす可能性があります。
アシナガバチの毒に含まれる主なアレルゲンをまとめました。
| 高分子タンパク質・酵素 | |
| 成分名 | 特徴 |
| アンチゲン5 (Antigen5) |
|
| ヒアルロニダーゼ (Hyaluronidase) |
|
※1 性質はほとんど変わりないが、アンチゲン5は種族によって呼称が変わる。(アシナガバチならPol d 5、スズメバチならVes v5)
スズメバチの毒と異なり、ホスホリパーゼ (Phospholipase)※2とプロテアーゼ(Protease)※3は含まれていません。
一方、もっとも強力なアレルゲンであるアンチゲン5はアシナガバチの毒にも含まれています。
アンチゲン5は痛みや腫れなどの局所反応だけではなく、アナフィラキシーショックの原因にもなる危険な成分です。
アナフィラキシーショックが起こると、めまい・血圧低下・呼吸困難・意識障害などの症状が短時間で現れて、適切に処置しなければ死に至る恐れがあります。
一般的にアナフィラキシーショックは2回目以降のハチ刺されで発症するイメージがありますが、初めて刺されたときでも発症リスクはあるので注意しましょう。
※2ホスホリパーゼ:ハチ毒アレルギーを引き起こし、細胞膜を破壊して毒の浸透を促進するアレルゲン。
※3プロテアーゼ:タンパク質を分解する酵素で、組織を破壊して壊死・出血・毒の浸透促進などを引き起こす。ハチ毒アレルギーを発症させるアレルゲンにもなる。
アシナガバチの有毒性と危険度

身近に生息するアシナガバチ・スズメバチ・ミツバチはいずれも毒針を持っていますが、それぞれ有毒性と危険度に差があるため、基礎知識として違いを把握しておきましょう。
有毒性は単純に毒の強さを表していますが、危険度は有毒性に加えて以下のような刺傷リスクに関連する複数の要素を基準に比較しています。
| 危険度比較 | |||
| 項目 | スズメバチ | アシナガバチ | ミツバチ |
| 含まれる毒の種類 | 11~12種 | 7種 | 8種 |
| 攻撃性の高さ | 高 | 中 | 低 |
| 警戒範囲 | ~10m | ~0.5m | 巣のすぐ近く |
| 追跡距離 | ~40m | データなし (10m以下が目安) |
データなし (追跡しない) |
| 飛行スピード | 時速20~30km | データ無し (人が足早で歩く程度) |
時速24km |
まずは遭遇率が高く刺傷事例も多い、スズメバチとアシナガバチから紹介します。
スズメバチはアシナガバチより毒に含まれる成分の種類や毒液の量が多いため、特に有毒性が高いハチです。
また、スズメバチは攻撃的かつ警戒心の強い種類が多いので、最大警戒範囲(巣から半径10m以内)に近づくだけで襲いかかってくる可能性があります。
アシナガバチはスズメバチより攻撃性が低いものの、巣や個体に刺激を与えれば防衛のために襲いかかってきます。
追跡性と飛行スピードもスズメバチのほうが優れており、敵と見なしたものを素早く執拗に追いかける性質があります。
特にオオスズメバチやキイロスズメバチは追撃距離が最大50m程度と長く、飛行スピードも時速25~30km程度と速いため、走って逃げ切るのは困難です。
一方、アシナガバチの追撃距離は約30m以下と短く、飛行スピードもスズメバチほど速くありません。
上記を踏まえると、危険度はアシナガバチよりもスズメバチのほうが高いといえるでしょう。
ミツバチはスズメバチとアシナガバチに比べて性格がおとなしく、警戒範囲は巣のすぐ近くと限定的です。
一度針を刺すと自力で抜けず、無理に引き抜こうとすれば内臓がちぎれて死んでしまうので、積極的に攻撃してくる可能性は低い傾向にあります。
巣や自身に危険が迫らない限りほとんど人を襲わないため、3種類のなかでもっとも危険度が低いハチです。
ただし、ミツバチの有毒性はスズメバチとアシナガバチとそれほど変わりません。
ミツバチの毒にはアナフィラキシーショックを誘発する成分(メリチンやホスホリパーゼA2)が含まれているので、刺されると重症化するリスクがあります。
ミツバチの針は毒嚢が付いたまま皮膚に残るため、刺されたまま針を放置すれば毒が注入され続ける点にも注意が必要です。
アシナガバチは毒で仲間を呼ぶ

アシナガバチの毒は敵にダメージを与えるだけではなく、近くにいる仲間を呼ぶという役割も持っています。
アシナガバチの集団に襲われないよう、仲間を呼ぶメカニズムについても把握しておきましょう。
アシナガバチの警報フェロモン
アシナガバチは敵を刺すときに針から毒液を噴出しますが、これが警報フェロモンと呼ばれる物質です。
外部から刺激を受けたとき、敵の襲来を知らせるために警報フェロモンをまき散らすことがあります。
アシナガバチが警報フェロモンをだすと、仲間の働きバチが標的に向かって移動します。
巣が近くにある状況でアシナガバチに刺されると、近くにいる働きバチが警報フェロモンをキャッチし、集団で襲いかかってくる可能性もあるので注意しましょう。
アシナガバチは何度でも毒針を刺せる

アシナガバチの針は、何度でも抜き刺しできる構造になっています。
アシナガバチが1匹だけしかいない状況でも複数回刺されてしまう可能性もあるため、油断は禁物です。
ここからは、針のしくみについて詳しく解説します。
アシナガバチの針のしくみ

ハチの毒針は毒液を注入する刺針(ししん)と、刀の鞘のような役割を担う尖針(せんしん)の構成です。
アシナガバチが敵を刺すとき、普段は刺針を包んでいる尖針が交互にスライドして皮膚を切り裂きます。
尖針がある程度深く刺さった後、刺針から毒液を流し込むというしくみです。
アシナガバチの針の基本構造はスズメバチの針とほぼ同じですが、ミツバチの針とは大きく異なります。
最大の違いは、敵を複数回刺せるかどうかです。
それぞれの違いを把握できるよう、比較表を作成しました。
| 比較項目 | アシナガバチ スズメバチ (スズメバチ科) |
ミツバチ (ミツバチ科) |
| 針のかえし(逆棘) |
|
|
| 針の使用回数 |
|
|
| 鞘(尖針)の構造 針の使用回数 |
|
|
|
|
|
| 針の用途(機能) |
|
|
※3種に共通する祖先は、鞘が2パーツに分かれていたと推定されている。
アシナガバチとスズメバチの針は狩りと防衛に両対応していて再利用もできるため、非常に汎用性が高い武器です。
一方、ミツバチの針は命と引き換えで使う防衛特化型の武器となっています。
複数回刺される可能性がある点を踏まえても、アシナガバチはミツバチより危険といえるでしょう。
アシナガバチに刺されてしまったときの応急処置

アシナガバチの毒は強力なので、刺されたときは応急処置が必要です。
有毒性は種類によって異なりますが、応急処置の手順に違いはありません。
万が一の事態にも落ち着いて対処できるよう、基本的な流れを把握しておきましょう。
アレルギー反応が出ていないか全身を確認

アシナガバチに刺された際の症状は、大きく分けて局所反応と全身反応の2種類があります。
| 局所反応 | 患部周辺で痛み・腫れ・赤みなどが発生する症状 |
| 全身反応 | 患部だけにとどまらず全身のあらゆる筋肉や内臓で発生する症状 |
局所反応のみなら症状は数時間~1日程度で収まりますが、その後もかゆみを伴う腫れやしこりが数日間は残るので、完全回復には少し時間がかかるでしょう。
ハチ刺されのアレルギーを持っていると、局所反応にとどまらず全身反応が起こる可能性もあります。
全身反応が重症化すると、アナフィラキシーショックで命にかかわる症状が現れる恐れもあるので要注意です。
アレルギーがある方はアナフィラキシーショック防止のため、アドレナリン自己注射器(エピペン®)を常時携帯しておきましょう。
アドレナリン自己注射器は内科や皮膚科で診察を受けたうえで、医師から処方してもらう必要があります。
全身性のアレルギー反応に関する兆候をリスト化したので、応急処置の基礎知識としてご確認ください。
- 不安感
- ピリピリ感
- 浮動性めまい(ふわふわと浮いているような感覚のめまい)
- 全身のかゆみおよびじんましん
- 唇や舌の腫れ
- 喘鳴(気道が狭くなり呼吸時にヒューヒュー、ゼーゼーと音がする)
- 呼吸困難
- 虚脱(失神を伴わない急激な脱力、血圧の低下)
- 意識消失
記のアレルギー反応に1つでも当てはまるなら、迷わず救急車を要請しましょう。
自力で病院に向かうと、移動中に症状が悪化して動けなくなる可能性があるためです。
アシナガバチに刺された後は横たわるもしくは座るなどの楽な体勢をとり、患部や体調の変化をチェックしてください。
全身にアレルギー反応の兆候が現れなかった際は、次に紹介する3つの対処法に移行します。
対処法を行っている最中に少しでも異変を感じたら、速やかに医療機関を受診しましょう。
傷口を流水で洗い毒を取り除く

アシナガバチに刺されたら、初期対応として流水で傷口をしっかり洗い流しましょう。
アシナガバチの針のしくみで説明したように針は複数回刺せる構造になっているため、傷口に針が残るケースは稀です。
もし針が残っていたら、指先でつまみながらそっと引き抜いてください。
また、バターナイフやクレジットカードといった薄くて固いもので患部を軽くこすり、針をこそぎ落とす方法もあります。
針が残っていないことを確認したら、毒液を絞りだすために患部周辺を指先で圧迫しましょう。
ハチ毒は水に溶けやすいため、流水をかけながら絞りだすのが有効です。
口内の傷からハチ毒が体内に侵入してしまう恐れがあるので、毒を口で吸いだす行為は絶対に避けましょう。
毒を絞りだす器具であるポイズンリムーバーを準備しておくと、よりスムーズに処置できます。

NEW エクストラクター ポイズンリムーバー 強力型|Tiger
抗ヒスタミン軟膏を塗布し患部を冷やす

針と毒を取り除いたら、経口投与の抗ヒスタミン薬を服用するか、抗ヒスタミン剤入りのステロイド軟膏を患部に塗りましょう。
薬の効果で炎症を抑えられるので、痛みや腫れの軽減につながります。
また、濡れタオル・冷湿布・氷のうなどで患部を冷やす方法も、かゆみや腫れが収まりやすくなるので効果的です。
冷却しながら抗ヒスタミン軟膏をこまめに塗りなおすことで、さらなる症状の緩和が見込めます。
ただし、アナフィラキシーショックの症状が出たときは、すぐに救急科を受診してください。
患部を持ちあげ腫れを和らげる

アシナガバチに刺されると、局所反応で患部が大きく腫れる可能性があります。
刺された部位によっては、患部を心臓より高い位置に持ちあげれば腫れが軽減しやすくなるため、処置の一環として覚えておきましょう。
局所反応の腫れは蜂巣炎(ほうそうえん)※などの感染症と見分けがつきにくい可能性もあるため、しばらくは経過観察が必要です。
30分ほど体調の変化をチェックし、全身反応の症状が出ていないか観察しましょう。
めまいや呼吸困難などの症状が現れなければ、アナフィラキシーショックに至る可能性は低いと判断できます。
ただし、刺されてから1日以上経っても腫れが収まらない、または痛みや赤みが強まったときは、速やかに医療機関を受診してください。
※蜂巣炎:皮下脂肪組織の細菌感染によって発生する炎症で、蜂窩織炎(ほうかしきえん)とも呼ばれている。
アシナガバチの毒に民間療法はNG

アシナガバチに刺されたときは正しい応急処置が必要ですが、地域によって昔から伝わる民間療法があります。
しかし、民間療法はハチ毒に対して効果がない方法も多く、処置後に症状が悪化してしまう恐れがあります。
適切な処置を行うために、NGの民間療法を押さえておきましょう。
アシナガバチの毒にアンモニアは効果がない
民間療法としてアシナガバチに刺された際、患部にアンモニア水を塗ると症状を抑えられるという説がありますが、実際は効果がない誤った処置です。
過去にハチ毒が酸性と認識されていた時代、アルカリ性のアンモニア水で毒を中和できるという民間療法が広まってしまったと考えられています。
アシナガバチの毒の危険性で解説したとおり、ハチ毒は多くのタンパク質を含んでいるため、酸性ではなくきわめて中性に近い毒です。
そもそも、アシナガバチに刺されたら針から体内に毒が注入されている状態であり、仮に中和できたとしても毒をすべて取り除くのは不可能です。
一部地域でアロエや玉ねぎの汁をつけると良いといった説も伝わっていますが、どれも科学的根拠がない民間療法なので、ハチ毒への有効性は期待できません。
ハチに刺された際は前述の正しい応急処置を行うか、状況に応じて医療機関を受診しましょう。
アシナガバチに毒針を向けられないためには

アシナガバチに刺されたくなければ、まずはハチを刺激しないよう行動するのが重要です。
毒針を向けられないための行動をまとめたので、刺傷リスクを避けるためにも把握しておきましょう。
アシナガバチに遭遇したときに気をつけること

アシナガバチに遭遇したら、以下の4点を意識しましょう。
巣やハチを見つけても冷静に対処する
アシナガバチの巣や個体を見つけた際は恐怖や不安を感じるかもしれませんが、決して騒がず冷静に対処しましょう。
巣やハチの近くで大声を出したり、手やタオルで振り払ったりする行為はNGです。
アシナガバチへ余計な刺激を与えれば臨戦態勢に入るので、刺傷リスクが一気に高まってしまいます。
その場から静かに離れる
アシナガバチを見かけたときは、すぐ近くに巣をつくられている可能性があるので、安全確保のためにそっと歩きながら距離を取ってください。
急に走り出したり、大きく手を振ったりするなど激しい動きを見せると、ハチを刺激してしまう恐れがあるためです。
また、走って逃げれば地面から巣に音や振動が伝わるので、巣で待機しているハチまで怒らせてしまう可能性があります。
落ち葉掃除や庭の手入れ中に誤って巣を刺激してしまい、飛び出してきたハチに刺された事例もあるので注意しましょう。
アシナガバチの巣に近寄らないようにする
アシナガバチの巣の位置がわかっているなら、群れを刺激しないためにも近寄らないことを心がけましょう。
飛んでいるアシナガバチを見かけるのに巣の位置を特定できないときは、後述する巣を見つける方法を実践してください。
巣が成長すれば働きバチも増加してしまうので、刺傷リスクも大きく上昇します。
自力で対処できないなら、迷わずプロのハチ駆除業者に依頼しましょう。
頭や目(黒い部分)に気を付ける
アシナガバチは黒くて動きがあるものに反応し、毒針で攻撃してくる習性を持っています。
髪の毛や眼球の黒にも反応しやすいため、アシナガバチに遭遇したときは頭を優先的に守ってください。
アシナガバチに遭遇しそうな場所を訪れるときは、帽子やバンダナなどで頭の黒い部分を覆いましょう。
黒系統の服装もアシナガバチを刺激しやすいため、黒い部分を隠せるように明るい色の上着やタオルを持っておくと役立ちます。
アシナガバチに刺されないためにできること

アシナガバチに刺されないためには、以下の3点を意識するのが重要です。
黒い服装を避ける
先述したように、アシナガバチは黒くて動きがあるものに反応しやすいため、外出時は黒い服装を避けましょう。
濃紺やチャコールといった黒系統の濃い色にも反応する恐れがあるので、明るく淡い色の服装が適しています。
ただし、白や黄色のような明るすぎる色はハチに有効でも、他の虫を引き寄せる可能性があるため、明るい中間色(グレー・カーキ・ベージュ)がおすすめです。
トップスとボトムスはもちろん、帽子・マフラー・靴・バッグといった小物の色にも注意しましょう。
虫を寄せ付けにくい特殊加工が施された服もあるため、アシナガバチに遭遇しそうな場所を訪れるときはご活用ください。
強いニオイを避ける
アシナガバチは嗅覚が鋭く、香水・柔軟剤・ヘアスプレー・化粧品などのニオイに反応して近寄ってくる恐れがあります。
特に花の香りや甘い香りを好む傾向があるため、上記のような製品を使うならニオイに配慮しましょう。
庭の手入れ・野外イベント・ハチの巣の駆除作業といったシーンでは、強いニオイを放つものは身につけないでください。
かすかなニオイにもアシナガバチは反応する可能性があるので、無香料タイプの製品を使うのが賢明です。
清涼飲料水(甘い香りがするもの)は避ける
アシナガバチは糖分由来の甘い香りや発酵製品のニオイも好むため、屋外での食事や水分補給に注意しましょう。
甘い果汁飲料・清涼飲料水・アルコール飲料などに反応しやすいため、アシナガバチに遭遇しそうな場所で飲むのは避けたほうが安全です。
屋外で上記のような飲料を飲んでいるとき、ニオイに引き寄せられたハチが容器に入り込んでしまう可能性もあります。
容器内のハチに気付かないまま飲もうとして口を刺された事例もあるため、蓋が開いた状態で放置するのはNGです。
もしものために持っておきたい携帯用ハチ駆除スプレー

アシナガバチに襲撃されたとき、携帯用ハチ駆除スプレーを持っているとハチを追い払って逃げ切れる可能性が高まります。
アシナガバチだけではなく、より凶暴なスズメバチにも利用できるため、緊急事態への対策として有効です。
キャンプやハイキングなどで自然豊かな場所に出かける際は、1本携帯しておくと安心感を得られます。

ハチノックS 100ml 携帯用ハチ駆除殺虫剤|住化ライフテク(株)
ハチノックSは、プロのハチ駆除業者が使用する業務用殺虫剤と同じd・d-T80-プラレトリンを配合した携帯用駆除スプレーです。
一般的なハチ駆除スプレーよりハチへの致死力が高いうえ、撃退後に蘇生して動きだすリスクも抑えられます。
前方広範囲に噴射できるため、飛び回るアシナガバチやスズメバチに直撃させやすいのも強みです。
ただし、1回使い切りタイプであり、日常的なハチ対策には利用できません。
ハチに襲われそうになったときの最終手段として使う製品なので、用途を間違えないようにしましょう。
ハチノックSは約10秒間連続噴射ができるので、近寄ってきたハチに向けて噴射しながら、速やかにその場を離れることが推奨されています。
アシナガバチが頻繁に飛び回っているとき

アシナガバチが飛んでいるのを頻繁に見かけるなら、近くに巣がある可能性が高いです。
刺傷リスクを避けるために、活動時期別の危険性・巣をつくる場所・巣の見つけ方を押さえておきましょう。
アシナガバチの活動時期別の危険性

| 時期 | 危険度 | 主な行動 |
| 4月中旬~4月下旬頃 | 低 | 女王バチが越冬から目覚め、単独で巣づくりや産卵を開始 |
| 5月~7月頃 | 中 | 働きバチが羽化し始める女王バチは産卵と子育て、働きバチは巣づくりに専念し、巣が徐々に大きくなる |
| 7月下旬~8月頃 | 高 | 巣の大きさと働きバチの数がピークとなり、群れの最盛期を迎える |
| 9月~10月頃 | 高 | 新たに生まれた新女王バチとオスバチが交尾を始め、群れは徐々に衰退する |
| 11月~3月頃 | 高 | 交尾を終えた新女王バチのみが越冬し、他のハチは死に絶える(数百匹以上が集団で越冬する事例あり) |
アシナガバチの種類や環境によって活動時期の違いはありますが、4月中旬から越冬した女王バチが単独で巣づくりや産卵を行うケースが一般的です。
5月以降は新たに生まれた働きバチが巣づくりを担当し、女王バチは産卵と子育てに専念します。
夏に近づくほど群れの個体数と巣の拡大速度は大きく上昇し、特に最盛期を迎える7月下旬~8月頃は危険度もピークに達する時期です。
最盛期を過ぎると群れの活動は少しずつ衰退し、11月以降には旧女王バチ・働きバチ・オスバチは死に絶えます。
基本的に新女王バチが1匹で越冬するのはスズメバチと同様ですが、アシナガバチは種類によって集団で越冬する様子も確認されています。
数百匹以上が集まるケースもあるため、越冬中の集団と遭遇すれば恐怖でパニックになってしまう方もいるでしょう。
集団越冬を見つけたら、自力駆除は考えずプロに依頼をしたほうが賢明です。
アシナガバチはどこに巣をつくるのか

アシナガバチが巣をつくる場所は種類によって異なりますが、主に見つかるのは開放空間です。
特に雨風をしのげる場所が多く、軒下や室外機の隙間にも巣をつくります。
- 軒下・ひさし
- ベランダ
- 窓枠
- 出窓下
- 階段下
- 室外機の隙間
- ガスメーターの隙間
- 庭木
- 植え込み
- 物置
- カーポート
また、アシナガバチは種類によって巣の高さに傾向があることも特徴です。
たとえば、セグロアシナガバチは軒下や庭木の比較的高い位置を好む傾向があります。
一方、キボシアシナガバチは地上1~2m程度の低い位置にある木の枝や窓枠を好みますが、軒下などの高い位置に巣をつくるケースも確認されています。
アシナガバチは人間の生活圏にも現れて巣をつくるため、都市部・地方・山間部などを問わず遭遇する可能性があると認識しておきましょう。
アシナガバチの巣を見つける方法

アシナガバチを駆除したいなら、まずは巣の場所を特定する必要があります。
①巣づくりに適した場所を予測する
アシナガバチの巣を見つけるためには、巣をつくられる可能性が高い場所を予測しつつ探索するのが重要です。
闇雲に探すと時間がかかるので、その分だけハチに襲われるリスクも高まります。
アシナガバチの巣は軒下やベランダでよく見つかりますが、室外機の内部や庭に放置していた植木鉢など思わぬ場所に巣をつくる可能性もあるので注意しましょう。
②飛んでいく方向を観察する
巣を見つけられないときは、家の中または離れた場所からアシナガバチがどの方向に飛んでいくかを確認しましょう。
アシナガバチは刺激を受けると攻撃的になるため、不用意に近づかないのが大切です。
ハチを何度も同じ場所で見失ったり、壁の中に入っていく様子が見られたりするなら、付近に巣があると考えられます。
刺傷被害が不安なら深入りせず、プロのハチ駆除業者に相談してください。
アシナガバチがつくった巣の自力駆除を考える前に

アシナガバチは毒針を持っているため、巣の駆除は命の危険を伴う作業です。
すでに巣があるなら、まずは自力で駆除できるかどうかを見極める必要があります。
安全に駆除できる状況か確認したうえで、今後の対応を検討しましょう。
自力駆除の可否を判断するための基準を紹介するので、事前にご確認ください。
本当にアシナガバチ?
スズメバチをアシナガバチと誤認したまま作業を始めると、刺傷リスクが大幅に高まります。
スズメバチは強靭な顎で噛みつきながら毒針を何度も刺してくるなど、アシナガバチと比べてはるかに攻撃性が高いためです。
性格もスズメバチのほうが獰猛なので、駆除作業中は激しい攻撃にさらされるでしょう。
また、スズメバチはアシナガバチより警戒範囲・追撃距離が広いため、駆除作業は高難度です。
巣の半径2~10mに入ったものを敵と認識し、50mほど執拗に追いかけてくる可能性があります。
アシナガバチの警戒範囲について明確なデータはありませんが、巣の半径0.5mまで近づくと警戒モードに移行する事例が報告されています。
追撃距離は数m~30m程度です。
| アシナガバチとスズメバチの警戒範囲と追撃距離 | ||
| 種類 | アシナガバチ | スズメバチ |
| 警戒範囲 | 明確なデータなし | 2~10m |
| 追撃距離 | 数m~30m | 3~50m |
数値だけ見ればアシナガバチは危険度が低いように思えますが、警戒範囲・追撃距離は実際に目視できるわけではないため、この違いでハチの種類を見分けるのは困難です。
アシナガバチとスズメバチの違い
駆除対象のハチが本当にアシナガバチなのかを確認するためには、見た目や巣の違いも把握しておく必要があります。

大まかにまとめると、アシナガバチは細身でふらふらとゆっくり飛び、スズメバチは大柄で飛行スピードが速いという点で異なります。
巣の違いはより明確で、アシナガバチの巣はシャワーヘッド型で複数の穴が空いていて、スズメバチの巣は球体で穴が1つしか空いていません。
| アシナガバチとスズメバチの違い | ||
| 種類 | アシナガバチ | スズメバチ |
| 見た目 |
|
|
| 巣 |
|
|
| 飛び方 |
|
|
離れた場所からハチの見た目や飛び方を確かめるのは難しいものの、巣の形状や穴の数は比較的判別しやすいでしょう。
巣の大きさは直径10cm以下か
アシナガバチの巣は大きくなるほど、ハチの個体数も比例して増加します。
巣の大きさが直径10cm以下なら働きバチの数は数匹程度と少なく、特に春先は女王バチが1匹で活動していて刺傷リスクも低いため、自力駆除を実践しやすい時期です。
一方、巣の大きさが直径10cmを超えているときは、働きバチの数が増えているので刺傷リスクは飛躍的に高まります。
大きな巣では群れが100匹程度に成長している可能性もあるため、自力駆除は危険です。
巣が直径10cmを超えている、もしくは巣の周囲に10匹以上のハチが飛んでいるときは、プロへの依頼をおすすめします。
どこに巣がつくられているのか?
前述のアシナガバチはどこに巣をつくるのかで解説したとおり、アシナガバチは巣づくりの場所として軒下・ベランダ・室外機の隙間・庭木などを選びます。
開放空間に巣をつくる性質上、巣の大きさや群れの様子は確認しやすいものの、高い位置にある巣を駆除するときは脚立や梯子が必要です。
駆除スプレーが届かない位置に巣がある、もしくは地上2m以上の高所作業を求められるときは、個人での対応は困難となります。
上記に加え、巣の場所を特定できないときは無理をせず、プロのハチ駆除業者に依頼しましょう。
アレルギーは持っている?
アシナガバチの毒は強力で、1回刺されただけでもアナフィラキシーショックを引き起こすことがあります。
アシナガバチに限らずハチに刺された経験がある方は、ハチ毒への抗体を持っているかもしれません。
抗体を持った状態でハチに刺されると、強烈なアレルギー反応を誘発する恐れがあるため大変危険です。
ハチ刺されの経験がある方は自力駆除は避けて、プロに依頼をしたほうが良いでしょう。
巣がある場所は自分で駆除していい場所か
アシナガバチが巣をつくった場所によっては、自己判断で駆除できないことがあります。
自宅の敷地外に巣があるときは、必ず管轄の担当者に確認してください。
| 駆除作業を行う前の確認 | |
| 巣の場所 | 管轄 |
| 自宅の敷地内 | 自己判断での駆除作業が可能 |
| アパートやマンション | 管理会社、管理組合の理事会、大家 |
| 自治体運営の公園 |
自治体の担当部署 |
| 電柱 | NTTまたは電力会社 |
駆除グッズはそろっているか
アシナガバチの駆除を安全に進めるためには、事前の準備が大切です。
駆除作業を始める前に、必要な道具がすべてそろっているか必ず確認しましょう。
1つでも足りないものがあれば作業を開始せず、先に買い足してください。
作業中はアシナガバチから絶え間なく攻撃されるため、毒針を防ぐために肌の露出や衣類の隙間をなくすのも重要です。
駆除作業で使う道具を表にまとめたので、以下もチェックしてください。
| 道具 | 商品 | 用途 |
| 駆除スプレー (2~3本) |
![]() |
アシナガバチの動きを止める殺虫スプレー |
| 白い防護服 (7mm以上の厚手のもの) |
![]() |
アシナガバチの攻撃から身を守る |
| 厚手の白い手袋 | ![]() |
アシナガバチの攻撃から手元を守る |
| 白い長靴 | ![]() |
アシナガバチの攻撃から足元を守る |
| 長い棒 | ![]() |
駆除が完了したアシナガバチの巣を落とす |
| 厚手のゴミ袋 | ![]() |
巣の残骸やアシナガバチの死骸を回収する |
| トング | ![]() |
死骸回収時に使用 |
| 掃除用具 | ![]() |
駆除作業後に落ちている巣やヤマトアシナガバチの死骸を回収する |
| ライト (赤色灯) |
![]() |
夜間作業の際に使用する (アシナガバチを刺激してしまうため直接巣に光を当てないこと) |
| ポイズンリムーバー | ![]() |
アシナガバチに刺されたときに毒を吸いだす |
| 抗ヒスタミン剤を含むステロイド軟膏 | ![]() |
アシナガバチに刺されたときの応急処置に使う |
アシナガバチの駆除に適した時間帯は?

基本的にアシナガバチは早朝から日中にかけて活動し、夕方以降は巣に戻ります。
より安全に駆除作業を実施したいなら、アシナガバチの活動時間帯も考慮しましょう。
日没から2~3時間後
アシナガバチが積極的に活動するのは早朝~日中なので、駆除作業は日没から2~3時間経過した時間帯が適しています。
夕方~早朝はアシナガバチの活動が落ち着いており、巣に接近しても攻撃されにくいためです。
また、日没後は餌や巣材を探しに出ていた働きバチが続々と巣に戻ってくるので、群れをまとめて駆除できるのも利点となります。
夜間作業の注意点
夜にアシナガバチの巣を駆除するなら、日中の明るい時間帯に巣の位置を確認しておきましょう。
夜間作業には光源が必要ですが、通常のライトを使うと光に刺激されたアシナガバチが攻撃態勢に入ってしまう可能性もあります。
一般的にハチ目の昆虫は赤い光を認識しづらいとされ、赤色灯や赤いセロハンを巻いたライトが有用といわれてきました。
しかし、赤色灯を使用しても安全が確実に保証されるわけではありません。
夜間作業はライトの種類に関係なく視界が悪いため、万全の状態で作業するのが大切です。
ライトを使うときは巣に直接光を当てるのではなく、少し離れた場所から巣のまわりを間接的に照らすようにしましょう。
アシナガバチ駆除の手順(開放空間に巣があるとき)
.png)
ここからはアシナガバチの巣を駆除するときの手順を紹介します。
文章では簡単に見えるかもしれませんが、実際に対峙したら羽音などで恐怖を感じる可能性もあるため、事前に手順やコツをしっかり確認しておくのが大切です。
①必要な道具がそろっているか確認
安全に駆除作業を進めるため、まずは必要な道具が一式そろっているか確認しましょう。
防護服を着用したら、穴や隙間がないか全体をチェックしてください。
アシナガバチは小さな隙間があれば侵入できるため、ヘルメットと防護服を接続するファスナー部分、手袋・長靴と防護服の間などは特に注意が必要です。
防護服の代用品として長袖・長ズボンや帽子を着る方法もありますが、安全性は大きく低下してしまいます。
アシナガバチの毒針の長さは7mm前後で、防護服以外の衣類では貫通して刺される恐れがあるためです。
防護服は通販サイトなどで購入できる他、自治体が貸し出していることもあるので、命を守るためにも事前に入手しておきましょう。
作業中に駆除スプレーの残量がなくなってしまう可能性もあるため、予備のスプレーを手の届く場所に用意しておくのも大切です。
必要な道具が足りなければ、駆除を始める前に購入してください。
②アシナガバチの巣に向けて駆除スプレーを噴射する
巣から2mほど離れた場所まで移動し、風上に立って駆除スプレーを20~30秒噴射しましょう。
身の危険を察知したアシナガバチは一斉に飛び立ちますが、そのまま噴射を続けてください。
殺虫成分が効いてくると、飛び回っていたアシナガバチも含めて動けなくなり死亡します。
③巣や死骸をゴミ袋に回収する
駆除スプレーを十分に噴射したら、巣の周辺で生きているアシナガバチがいないか確認しましょう。
生き残りがいなければ、長い棒でつついてアシナガバチの巣を根元から取り除きます。
長い棒を用意できなければ、トングで代用しても構いません。
木の枝に巣をつくられたときは、剪定ばさみで切り落としてください。
巣を落とす際、あらかじめ下にゴミ袋を敷いておくと回収しやすくなります。
地面に落ちたアシナガバチの死骸は、トングまたは掃除用具で回収してゴミ袋に入れましょう。
④ゴミ袋を何重にも縛る
アシナガバチの巣や死骸を2枚重ねにした厚手のゴミ袋に入れたら、二重三重に固く縛っておきましょう。
一見死んでいるアシナガバチでも、薬剤が十分にかからず蘇生して再び動き始める可能性があるためです。
ハチの死骸を回収後、ゴミ袋内にもスプレーを噴射しておくと安全に駆除できます。
⑤戻りバチを防ぐために駆除スプレーを噴霧する
駆除作業中に外出していた働きバチは、帰巣本能で巣があった場所に戻ってくる可能性があります。
巣を取り除いてから駆除スプレーを周辺に噴霧しておけば、忌避効果によって戻りバチの帰巣を防ぐことが可能です。
日没後に駆除作業を実施すると、すべての働きバチが巣に帰ってきていない可能性もあるので、戻りバチ対策が必須となります。
⑥駆除したハチの巣を自治体のルールにしたがって処分する
アシナガバチの巣を駆除したら、できるだけ早めに処分してください。
巣をそのまま放置すると、内部のサナギが羽化して新たな成虫になる恐れがあります。
また、内部に残っている栄養豊富な幼虫やサナギを求めて他の虫が集まる可能性もあるため、衛生面の悪化につながるのも懸念点です。
アシナガバチの巣を処分するときは、管轄の自治体が定めている分別・処分ルールにしたがって対応してください。
自治体によっては巣を燃えるゴミ扱いで処分できるケースもあるため、事前に確認しておきましょう。
アシナガバチに巣をつくられない対策

巣を駆除したら、アシナガバチを寄せ付けないための対策をしましょう。
アシナガバチの巣を完全に取り除いても、忌避を怠れば同じ場所で巣づくりされる可能性があります。
忌避は戻りバチ対策だけではなく、新たな巣をつくられないための対策にもなるため、将来的な刺傷被害を防ぐ意味でも必要です。
おすすめの忌避方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
木酢液を使う
木酢液とは、木炭をつくるときに発生する煙を冷やして液体にしたものです。
酢酸・アルコール・フェノール類などを含み、燻製のような独特の強いニオイがあります。
アシナガバチは木酢液のニオイが苦手なので、忌避と巣づくり予防に有用です。
木酢液を使うときは水と1対1の割合で混ぜて希釈した後、スプレーボトルに入れて巣をつくられそうな場所に噴霧します。
時間が経つと木酢液の効果は薄れてしまうため、週1回のペースで噴霧しましょう。
希釈した木酢液をバケツやペットボトルに入れて、ハチが寄り付きそうな場所に置く方法もおすすめです。
効果が切れる前に、月1回は中身を交換する必要があります。
木酢液はニオイが強いため、自宅周辺で使用するときは近隣住民への配慮が欠かせません。
風向きに注意しながらスプレーを噴霧したり、隣家と離れた場所に木酢液のバケツを置いたりするなど工夫しましょう。
住宅密集地はニオイが周囲に拡散しやすいため、木酢液の使用は避けたほうが賢明です。
また、木酢液のニオイは犬や猫も嫌がるため、ペットのそばでは使用しないでください。
木酢液の濃度が高すぎると花や庭木にダメージを与えてしまうため、原液もしくは高濃度で使用するのもNGです。
アシナガバチが苦手なハーブの鉢植えを置く
アシナガバチはハーブ類の香りも苦手なので、以下のようなハーブを栽培するのも有効な対策です。
- ラベンダー
- ペパーミント
- スペアミント
- レモングラス
- ローズマリー
- バジル
- タイム
ハーブは繁殖力が非常に高いため、地植えより管理しやすい鉢植えがおすすめです。
種類によってはミツバチを誘引する可能性もあるので、事前に確認しておきしょう。
【こちらの記事もおすすめ】
捕獲器を使う
捕獲器はハチが好きな甘い香りや発酵した香りで誘引し、容器に閉じ込めて捕獲する仕掛けが施された道具です。
容器に入ったハチは二度と外に出られない構造なので、捕えた個体を逃さずに駆除できます。
ベランダや庭木に吊るす形で使用するため、開放空間に巣をつくるアシナガバチと相性抜群です。
4月頃に設置すれば、単独で巣づくりを始めている女王バチを捕獲できる可能性があります。
女王バチを捕獲すれば巣づくりも産卵も未然に防げるため、群れ自体をつくらせないまま駆除が可能です。
あらかじめ駆除スプレーを散布する
駆除スプレーによってはハチの撃退・駆除だけではなく、忌避効果も期待できます。
アシナガバチが寄り付きそうな場所や過去に巣をつくられた場所に散布しておけば、巣づくりの予防が可能です。
特に以下のような成分が含まれている製品は、長期的な効果が見込めます。
| 巣づくりを予防できる成分 | |
| 成分名 | 概要 |
| ビフェントリン | 残効性に優れており、噴霧した場所に殺虫効果と忌避効果が長く残る |
| ペルメトリン | |
| シフルトリン | 農薬に使われている成分で、ハチに対しても高い忌避効果を発揮する |
ただし、雨で駆除スプレーの成分が流れると忌避効果も薄れてしまうため、定期的に噴霧するなどの対策が必要です。
駆除スプレーによっては花や庭木に悪影響を与える可能性もあるので、事前に製品ラベルをよく確認しておきましょう。
スプレーを散布するときは花弁や葉に直接かからないよう、向きや距離を適宜調整してください。
壁や通気口などの隙間を埋める
アシナガバチは数mm程度のわずかな隙間から侵入し、軒下や室外機の内部などに巣をつくることがあります。
巣づくりを防ぐためには、侵入経路となる隙間を徹底的に埋めるのも重要です。
隙間を埋めるときに役立つ道具を紹介するので、ぜひご覧ください。
金網

304 ステンレススチール製ワイヤーメッシュロール|KLSBEEURR
金網は養蜂業のオオスズメバチ対策にも使われている道具です。
壁に設けられた通気口や換気口、室外機の排気口などに金網を設置することで、隙間からハチが侵入するのを防止できます。
害鳥・害獣用の粗い金網ではスズメバチが通り抜けてしまうため、できるだけ網目が細かいもの(5mm未満)を選びましょう。
金網は壁や機器にしっかり固定し、隙間ができないように設置してください。
パテ
外壁にひび割れや小さな穴があるときは、屋外用のパテで補修できます。
パテを隙間に注入したら、ヘラで表面を整えるだけなので簡単です。
パテと接地面の密着性を高めるため、外壁に付着したゴミやほこりは事前に取り除いておきましょう。
コーキング剤
窓枠まわりや外壁の継ぎ目などの隙間を埋めるなら、コーキング剤が最適です。
コーキング剤はコーキングガンとセットで使うので、忘れずに用意しましょう。
部分的な補修ならコーキング剤で十分ですが、外壁に広範囲のひび割れや激しい損傷が見られる際は外壁工事を検討してください。
自分で駆除をするのが不安な方はプロに依頼したほうが安心

アシナガバチの巣は主に開放空間につくられるので、外から状態を確認できることが多いですが、手の届かない高い位置にあるときは自力駆除が難しくなります。
特に地上2m以上の高さでの駆除作業は高所作業扱いになるため、法律に基づく安全措置や機材の準備が必要です。
高所作業にならなくても、アシナガバチの駆除には命の危険が伴います。
室外機の中や雨戸などの狭い空間に巣をつくられると、内部で想像以上にハチの数が増えている可能性があるので要注意です。
「道具を準備できない」「巣の位置がわからない」「ハチに刺されるのが怖い」など不安がある方は、無理をせずプロへの依頼を検討しましょう。
プロのハチ駆除業者なら防護服や専用の道具がすべてそろっているうえ、豊富な知識・経験に基づいて最適な方法を選択できるため、安全かつ効率的な駆除が可能です。
また、市販品より致死力が高い駆除スプレーを使う点も見逃せません。

業務用ハチ駆除用殺虫剤 ハチノックV 480ml|住化エンバイロメンタルサイエンス
ハチノックVは、ハチ駆除の現場で使われている業務用殺虫剤です。
ピレスロイド系成分が含まれている点は市販品と同様ですが、成分の種類が大きく異なります。
ハチノックVに配合されているd・d-T80-プラレトリンは致死力が極めて高く、薬剤を浴びたアシナガハチやスズメバチが一瞬で死ぬほどの成分です。
一方、市販品の駆除スプレーはフタルスリンやビフェントリンなどが配合されています。
フタルスリンはノックダウン効果、ビフェントリンは持続的な殺虫効果を発揮する成分ですが、ハチを瞬殺できるほどの致死力はありません。
プラレトリンならハチを確実に仕留められるので、よりスムーズに駆除できます。
ただし、プラレトリンは高い致死力の代償として人体への健康リスクが懸念されているのも事実です。
正しい知識や防護装備がない状態で使うと、皮膚や内臓に関する健康被害が起こる可能性もあるので、ハチノックVはメーカーから一般利用が推奨されていません。
使用する駆除スプレーの差異も、プロのハチ駆除業者に依頼するときの判断基準となるので、効果やリスクの違いを把握しておきましょう。
まとめ
- アシナガバチの毒にはアミン類や生理活性ペプチドが含まれている
- アシナガバチの毒は人間の命を奪えるほど強力
- アシナガバチは毒針を複数回刺せるため、1匹でも油断は禁物
- アシナガバチに刺されたなら、民間療法ではなく応急処置を実施する
- 駆除作業は毒針で刺されるリスクを伴うので、必要ならプロに依頼する
アシナガバチに刺されると、毒の作用で激しい痛みや腫れが生じます。
スズメバチより有毒性は低いものの、それでもアナフィラキシーショックで人を死に追いやるほどの効果があるため、決して侮れない存在です。
アシナガバチの駆除作業を始めると防衛役の働きバチが襲いかかってくるため、事前にしっかり準備して刺傷リスクを避けましょう。
自力で駆除できないと感じたら、迷わずプロに相談してください。
害虫害獣コンシェルジュは「これはアシナガバチの巣なのかわからない」「駆除すべきか迷っている」という段階でも、ご依頼を承っています。
アシナガバチの駆除でお悩みの方は、お電話またはお問い合わせフォームでお気軽にご依頼ください。
害虫害獣コンシェルジュは、害虫害獣に関する正しい知識を発信し、厳格な品質管理基準をクリアした害虫害獣駆除のプロとのマッチングサービスを提供するサイトです。編集部では「自分でできること」と「プロに任せるべきこと」を明確にし、依頼前の不安解消を目指しています。
Related Articles
関連コラム
-
ヒメホソアシナガバチ|生態や駆除方法について解説
- ハチ
自宅の軒先や葉の裏で、細長くゆがんだ形のハチの巣を見かけたら、それはヒメホソアシナガバチの巣かもしれ...
-
【保存版】スズメバチ対策グッズ5選!自作できる対策も紹介
- ハチ
自宅の庭や軒下などにスズメバチの巣がつくられていたら、刺される恐怖を感じる方が多いのではないでしょう...
-
コアシナガバチの見分け方と危険性|生態や駆除方法も解説
- ハチ
コアシナガバチは、体長1.2〜1.6cmほどの小型のアシナガバチです。 低木や庭木の枝、人家の軒先や...
-
オキナワチビアシナガバチは危険?生態や駆除方法を解説
- ハチ
沖縄県や奄美大島にある住宅で、庭木周辺に飛来する小さなハチは、オキナワチビアシナガバチかもしれません...






















